料理代行をお願いしたのはイオングループが提供する家事代行サービス「カジタク(KAJITAKU)」です。今回担当してくださったのは、カジタクの鈴木さん。元パティシエで、料理代行サービス提供件数は約100件以上のベテランです。
人それぞれのお悩みを解決! カジタクの「料理代行」とは?
今回料理代行を依頼した山本さん(仮名)は、2人の女の子のお母さん。育児に専念するため仕事は一時的に休んでいますが、近々復帰したいという希望をもっています。そんな山本さんの悩みは、「料理に時間がかかり、なかなか自分の時間を取れない」こと。家事にかける時間を減らして、スキルアップのために勉強したり、求職サイトを見る時間が欲しいそうです。
毎朝、幼稚園に通う娘さん2人と旦那さんのお弁当を作り、夜は母子3人で夕ご飯を食べた後、旦那さんの晩酌の用意をするのが日課。
「子どもが敏感肌なので添加物はなるべく控えたくって、食事はほとんど手作りしています。でもメニューがマンネリ化しがちで」とレパートリーが増えないことも悩みだと言います。
「例えば鶏もも肉を買ったら、ついつい毎回唐揚げにしてしまう。インターネットを検索して、変わり味唐揚げなどを作ってみたこともあるのですが、納得できたことがなくて・・・」と、“自分の味”にたどり着かない難しさを痛感しているようです。
さらに、「メインは考えられたとしても、付け合わせが本当にマンネリ。毎日何種類も考える余裕もないし・・・」と、副菜にも苦労している様子。また、旦那さんが毎日持っていくお弁当にも、夕食の残りをそのまま入れてしまうことが多く、そちらも“もう少し工夫したい”と思っていることを明かしてくれました。
そんな山本さんが今回鈴木さんにリクエストするのは、“毎日食べても飽きない”&“アレンジできる”&“お弁当にも入れられる”という、万能作り置きお惣菜です。
毎日食べても飽きない、お弁当や晩酌にも使える「作り置き」レシピとは?
山本さんが用意した食材の数々。料理代行をお願いする際には、事前にヒアリングシートを書き、苦手なものやアレルギー、「どういうものを作ってほしいか」など、カジタクスタッフと詳細なやりとりを行います。
今回は特に「カレーライスを作って!」といった、メニューを限定したリクエストではないので、鈴木さんは、これらの食材を実際に見てから、作るメニューを決めます。
調理道具も、特別なものは何も用意しなくて大丈夫。基本的に、もともと家にあるものを使います。
冷蔵庫の中にある調味料や食材を山本さんと一緒にチェック。ちなみに今回山本さんは在宅ですが、カジタクでは事前に鍵を預けておいて、“出かけている間に料理をしておいて”という要望にも応えてくれます。
料理代行スタッフが作り置きメニューを考えるコツ:まずはメイン、そして“彩り”
食材、調理道具、調味料を把握したら、早速料理開始。 鈴木さんの頭のなかには、10種類のお惣菜が、すでにイメージできているようです。2時間という制限されたプランのなかでは、何から作るかも重要。手順を見ているだけでも、日々料理をする時の参考になります。
「用意された食材を一通り見たら、メインとなるものを2~3品作ろうかなと。その他は、まず色のバランスから考えるとイメージがつきやすいですよ。緑の野菜が多いから、赤ピーマンやトマト味で赤っぽくしたメニューを入れようかな、とか」(鈴木さん)
ガスコンロは3口とも常時稼働。お湯を沸かしながら炒めものをして、その横でお肉を焼いて・・・。野菜を茹でる時も、お湯は捨てません。まずオクラを茹でて引き上げたら、同じ鍋でブロッコリーを投入。魚や肉など、調理器具が汚れそうなものは後回しです。
どんどんお惣菜ができあがっていきます。鈴木さんによれば、「洗い物は時間が空いたときにやればよい」とのこと。「都度都度、お鍋や調理器具を洗わなくちゃ」なんて思う必要はないんです。次にすぐ使うものでなかったら、洗い物は一旦後回しです。
ジャーン! この日できあがった料理は、アクアパッツァ、チキンソテー、ブロッコリーの胡麻和えなど。20種類以上の食材を使い、10種類のお惣菜が完成しました。
2時間で完成したお惣菜は次のとおり。★印をつけたものは冷凍も可能です。
・たらとあさりのアクアパッツァ
★・チキンソテー きのこソースがけ
★・パプリカと豚バラのオイスターソース炒め
★・ブロッコリーの胡麻和え
・たけのこのマヨネーズ炒め
・大根のあっさり醤油煮
★・無限ピーマン
★・ツナ入りにんじんしりしり
・じゃがいもとソーセージのトマト煮
・長芋と海老、しらすのポン酢和え
料理代行のプロが語る! “アレンジしやすい”メニューづくりのコツは?
今まで100件のご家庭で料理代行サービスを提供してきた鈴木さん。味付けのコツを聞いてみました。
「基本の味付けはトマト、めんつゆ、お酒と醤油などシンプルにしています。それはご家庭の好みや用途によってアレンジできるから。例えばブロッコリーやピーマンの副菜は、山椒をかけて大人のお酒のおつまみに。おかか和えは、わさびやラー油を足すと目先が変わって、飽きません。
またチキンソテーはケチャップを加えると、子供にも食べやすくなります。アクアパッツァは、お弁当に入れることを考えるなら、あえてにんにくを入れなくてもよいと思います」(鈴木さん)
なんと、少し調味料を足すだけでお酒のおつまみやお弁当のおかずに大変身。これなら毎日、どんなシーンでも飽きずに食べられそうですね。
料理代行の体験者の声
「献立の組み立て方や、作る手順、ガスコンロの使い方など、勉強になるポイントがたくさんありました。じゃがいもとソーセージがあったら、ポテトサラダかジャーマンポテトのような炒めものしか思いつかなかったのですが、トマト煮にすると、こんなに印象が変わるんですね。彩りから考えるというのは、今後複数の副菜を作るときに、参考になりそうです!」(山本さん)
専門家に聞く! 料理代行はどんな用途・シーンで頼めるの? 仕組みや使い方のコツとは?
Q.料理代行というとセレブ向けというイメージもありますが、どんな用途で利用する人が多いのでしょうか。
A.最近は共働きのご家庭がすごく多いですよ。家も豪邸とかではなく、「普通のご家庭がほとんど」という印象です。平日の料理作りの負担を軽減するために、作り置きしてほしいというニーズが多いですね。「副菜をなるべく多く作って」と皆さんおっしゃいます。帰宅後にメイン料理だけササッと作って、副菜を冷蔵庫から出せば、献立が完成します。
後は「週末のパーティの料理を担当して」と頼まれることもあります。人を招くとなると家中の掃除、買い出しから料理まで対応することが山のようにありますね。料理だけでなく片づけまでしっかり対応するので、「準備が楽になる」と喜んでいただいています。
Q.来てくれるスタッフはどんな人?
A.スタッフは厳しい選考を通過、かつ衛生管理、調理技術などの専門研修を受講しています。好き嫌い、アレルギーはもちろん、要望にそった料理を提供します。当日の食事から複数日分の作り置き、ホームパーティー用の料理などもOK。片付けまでしっかり対応しますよ。
Q.料理代行の仕組みとは? どのように申し込めるの? 希望の料理を作ってもらえるか不安・・・
A.料理代行にはスポットプランと定期プランが用意されており、Webで簡単にお申し込みもできます。
定期プランの場合、事前に無料訪問を行い、どんな料理をどれくらいの頻度で頼みたいのか、打合せします。また、スポットプランの場合、ウェブ上の入力フォームでアレルギーの有無や好みを入力いただきます。細かなご要望の場合はその後メールや電話でやり取りして、当日行う作業の内容を固めます。こうした事前のすり合わせがあるので、後からクレームになるケースはほとんどないですね。
なお、買い物代行を頼む際には別途料金がかかります。食材や調味料はあらかじめ用意していただくと良いですね。
今回、お話を伺った料理代行のプロは・・・
「カジタク家事代行キャスト」鈴木幸子。家事代行キャスト、料理代行のトレーナーとしてカジタクの社内研修も担当。調理師、整理収納アドバイザー1級などを資格多数もっている。
ちなみに鈴木さんは大人気のスタッフさんで頼むと数ヶ月待ちだとか。人気のスタッフさんに頼みたい方は余裕を見て申し込むと良いですね。
撮影/長谷英史