「家事代行サービス」では何を準備すればいい? 流れはどうなる?
プロがあなたの代わりに家事をしてくれる家事代行サービス。便利だから利用してみたいと思っていても、掃除道具や食材など一体どんな準備をしたらいいのか何だか不安・・・。
「スタート前にカウンセリングを必ず行います。その際に掃除や調理に必要な物で、どれが足りないかを確認します。基本的にはご家庭にある物で大丈夫ですよ」
そう説明するのは、イオングループの家事代行サービスを運営する「カジタク」で、家事代行・片付け名人として活躍する整理収納アドバイザー1級の山口奈穂子さん。家事代行の準備や流れなどをレクチャーしてもらいました。
掃除代行サービスでは何が頼める? ハウスクリーニングとはどう違う?
カジタクでは、山口さんらプロが自宅に来てくれる「掃除代行サービス」「整理収納サービス」「料理代行サービス」(エリア限定)とハウスクリーニングスタッフが担当する「ハウスクリーニングサービス」(全国対応・一部離島除く)の4つに対応しています。
「掃除代行サービス」は、水回りやリビングの清掃、洗濯やアイロンかけ、ベッドメイクなど部屋内の家事業務を代行してくれる家事の強い味方。急な来客や引越し前後の片付けなどで使えるスポットプランと、毎週1回または隔週1回の定期プランがあります。定期プランでは、申し込んでいきなりサービス開始というわけではなく、「無料ヒアリング訪問」を実施します。そこで、プロと一緒に実際の部屋を見ながら、ベストなプランを作成することになります。
掃除代行サービスで行われる「無料ヒアリング訪問」とは?
山口:カウンセリングは、部屋ごとにどんな掃除をするのかを決めていきます。他にも毎週か隔週か、何曜日がダメかなどの日程についてや、マンションの間取り、どの部屋には入ってほしくないのかなど細かいことも確認していきます。
カウンセリングでは、上の「プランニングシート」をもとに「優先順位」「作業箇所」「実施時間」「実施項目」「掃除道具・洗剤等の収納場所」といった項目についてヒアリングし、サービスの所要時間内で利用者の希望に沿ったプランを作り上げていきます。
山口:「プランニングシート」作成時に、ご家庭にある道具の確認をしていくことも重要です。基本的にはご家庭にある掃除道具や洗剤で対処しますが、買い足して頂くこともあります。例えば、ロボット掃除機はあるけど、普通の掃除機はないというご家庭も多いです。もし、床拭きもご希望であれば、ロボット掃除機は通常運転でフローリングワイパー(ドライとウェット)をプラスします。フローリングワイパーがなければご購入頂くというイメージです。
山口さんによると、当たり前のことですが掃除道具がゼロではやはり厳しいとのこと。最低限必要な“マストな道具”が下記になります。
【掃除代行サービスを頼む際】準備すべき掃除道具
・掃除機
・フローリングワイパー(ドライとウェット)
・ハンディモップ
・ウエットティッシュ(ホコリをササっと拭きとれるため)
・粘着クリーナー(コロコロ)※補助的にあれば尚可
「ホコリをとる道具とそれを掃除する道具の1セットを用意しましよう」(山口さん)
【洗剤&その他】
・掃除箇所に適した洗剤
・スポンジ
・目地ブラシ(使い古した歯ブラシでもOK)
・クロス
■【整理収納サービスを頼む際】準備すべき物
「整理収納サービス」は、「家をスッキリさせたい」「そもそも収納方法がわからない」など片付けに関する悩みを解決します。
「整理収納サービス」では、初回に約30分のヒアリング(最大60分)を行い、片付けのプロがあなたの悩みを聞きながら片付けの方針を決定。生活動線に配慮した使いやすさ重視の収納方法をアドバイスしてくれます。どんな収納用品を用意すべきなのかという提案もしてくれるので、事前準備は「不要」です。
ただ、物を捨てたり整理するにあたり、「ゴミ袋、ダンボール、紙袋、雑巾程度はあると便利」とのこと。大抵の家にはある物なので、依頼前に捨てないで取っておくようにしましょう。
山口:ついつい、100円均一ショップなどで収納グッズを買ってしまいがち。気持ちはわかりますが、整理の基本は「いる・いらないに分けて不要な物を取り除く作業」です。その原則のもと、必要と判断した物をどこに配置するのか、「物の住所」を決めてから、それに見合った収納グッズを買うという段取りになります。
とはいえ、簡易的な収納は必要です。そこは私たちが紙袋や段ボールで作りますので安心してくださいね。それくらい収納グッズは慎重に買う方がいいです。むしろ、そうしないと収納グッズ自体も不用品になり、物もお金も無駄になってしまう悪循環に・・・。
しかも、同じ間取りでも住む人の特性によって、使いやすさは変わってきます。整理に正解はないんです。それが整理の難しいところ。プロでも試行錯誤を繰り返して改善しています。
料理代行サービスの利用の流れとは? 味の好みやアレルギーには対応してもらえる?
スポットプランの場合は、申し込み時に入力する「カウンセリングシート」を基に当日サービスが提供されます。「カウンセリングシート」には、「アレルギー・病気で控えるべき物、NG食材」「味の好み」「料理の内容」など細かい項目が並びます。あまり詳しく入力されなかったお客さまの場合にはメールや電話で詳しくヒアリングするのだそう。
山口:自宅に調味料はどれくらいあるか、調理道具で使用していい物などのチェックもします。不足品がある場合、別途料金はかかりますが買い物の代行もしています。料理は、「献立を作ってほしい」「すべておまかせで」「これが食べたい」など、ご家庭に合ったリクエストに応えています。
最近では、ごはんのおかずにも次の日のお弁当にも使えるお惣菜が人気です。食材はあるもので料理するのか、追加で用意してもらうのかなどもご相談いただければと思います。
家事代行の事前準備は不要、悩んでいるならプロに相談が近道
どうしてもハードルが高い印象がある家事代行サービス。事前に意気込んであれこれ準備しようと気張るよりも、気軽にプロに相談した方が近道といえそうです。
山口:3つのサービスに共通することですが、ヒアリングの際には無理して片付けなくもいいですからね。いつものままで大丈夫ですよ。最初に「きれいだな」と思っても、定期利用していただくうちに素のままに近づいていくお宅が多いです(笑) 毎回一度リセットさせていただくのは私たちの役目。気負わずに呼んでいただきたいですね。
プロフィール紹介
カジタク 山口奈穂子
入社6年目。整理収納アドバイザー1級所持。家事代行サービスや整理収納サービスではトレーナーとして活躍中。当初は家事が特別に得意ではなかったが、「自分もうまくなるかな」と軽い気持ちで仕事を始め、今ではカジタクを代表するプロの一人に。
おわりに
家事代行では、初めての利用だと「他人が家に来るなら片付けなくちゃ」とつい気負ってしまいそうですが、普段のままでいいと言われるとホッとしますね。特に準備するものもないので、気軽に利用してみてはいかがでしょうか。