テーブルクロスやナプキンなどのリネンの使用後の洗い方
リネンは手洗いか洗濯機で洗いますが、特に麻製品で注意したいことは、蛍光増白剤・漂白剤入りの洗剤を使わないことです。
生成りや淡色の製品は白っぽくなり、独特の風合いが損なわれます。また、他のものと一緒に洗うと、その洗濯物についていた蛍光増白剤や漂白剤が作用してしまうことがあるので注意してください。
手洗いでの洗い方
洗い方は、ふきんと同様ですが、特に麻製品の場合は、汚れがつきにくく、落ちやすい素材のため、洗濯時間は短めにします。
すすぎの前に脱水すると、すすぎも楽になり、水の節約になります。時間も目安としては溜め水で3分2回、流水(オーバーフロー)で5分程度です。脱水は15秒から1分。それ以上は効果も変わらず、かえってシワの原因になります。
【リネンの洗い方】汚れがひどい場合にはつけ置き洗い!
洗濯するものを、前もって水または洗濯液につけておくことを予浸といいます。
この予浸が有効なのは、酵素洗剤の場合。特に蛋白質の汚れが付着しがちなリネンには、このタイプの洗剤が適しています。洗剤に含まれる酵素は、蛋白質を分解して汚れを繊維から引き離す力を持っているからです。
予浸時間は1~2時間で十分ですが、水より40℃くらいのお湯で予浸するほうが効果が高くなります。
【リネンの洗い方】しみの応急処置方法
シミは主として食品成分の付着によるもの。時間が経つと落ちにくくなるので、なるべく早いうちに処理しましょう。
応急処置として、水溶性の汚れは布に水を含ませてシミの箇所をゆるめ、油汚れは乾いたティッシュで吸い取っておくと後の処理が簡単です。
1.シミのまわりをたたいて、ほこりを払います。
2.手で取れるシミはあらかじめ取っておきます。
3.タオルなどの下敷布をしいて、シミの部分を下にして当てます。
4.綿棒に、洗剤液または薬剤を含ませ、シミを裏からたたき出し敷布に移します。敷布をきれいな部分にかえ、シミが取れるまでこれを繰り返します。洗剤や薬剤を使った後は、必ず水または湯ですすいでから次の処理に移ります。
5.輪じみを防ぐため、霧をかけてまわりをぼかし、乾いたタオルで水分をとってから陰干しします。
綿棒の作り方
竹の丸棒(約15cm)・ガーゼ(約10×10cm)2枚・脱脂綿(固くまるめて直径約2cm)・木綿糸脱脂綿をガーゼに包んで竹の棒の先につける。
【リネンの洗い方】しみ抜きの方法
しみの種類が水溶性か油溶性かによって、使う洗剤や対処方法が異なります。上の表を参考にして、しみ抜きを試してみてください。
一旦、しみとして定着してしまうと洗剤では落ちなくなります。落ちなければ漂白剤を試してみましょう。
【リネンの洗い方】黒ずみや黄ばみの原因と対処法
黒ずみの原因
洗濯中、洗剤の量が不足して汚れが再び付着する可能性があります。
黄ばみの原因
・合成洗剤中の蛍光剤が日光に当たったため。
・洗剤で落としきれなかった油汚れの変質。
・粉石鹸のカスが残り変質。
・鉄分の付着。
といった原因が考えられます。
漂白方法
金属類が付いていたら、はずしておきます。(金属がサビを生じて変色したり、また穴が空いてしまうこともあります。)
繊維に合った漂白剤を選びましょう。
ポリ袋に入れておくと黄ばみ!? リネンはしっかり乾燥させて!
しまっておいたリネンが黄ばんでいたことがありませんか?
クリーニングは、蒸気で仕上げてそのままポリ袋に入れるため、中に湿気を含んでいることがよくあります。この蒸気が、完全に落ちきれていないリネンの汚れと一緒になると、その部分が黄変してしまうことがあるのです。
厚地のものや大判のリネンはクリーニングに出したほうが手軽です。クリーニングから戻ってきたものは、すぐにポリ袋から出し、半日位風を通して、よく乾燥させてから湿気のないところに保存しましょう。
リネンに使う糊剤の種類と使い方
糊剤は生地に適当なコシと厚みを加え、風合いをよくします。また、糊剤が汚れの保護膜となるため、汚れにくくまた落としやすくします。
洗濯機を使う場合の注意点
1.すすぎが終わったら、水量を洗濯槽の約2/3に減らします(目安として、リネン1kgに水量20リットル)。
2.洗濯機を回しながら衣類に直接かからないように糊剤を入れ、3~5分程度回します(洗い桶の場合は糊剤を水によく溶かし、絞った洗濯物を入れ、全体に液をいきわたらせます)。
3.軽く脱水して干します。
リネンにアイロン掛けする場合の注意点とは?
リネンはアイロン掛けでピシッと決めたいもの。特に麻製品の場合は霧吹きで十分湿らせておき、高温のアイロンで裏側から掛け、シワを伸ばします。次に表側から強く掛けるとツヤが出て、きれいに仕上がります。
おわりに
お気に入りのリネンは長く使いたいですが、食卓では何かと汚れがち。洗い方を詳しく知っておくといいですね。
出典:東京ガス「食」情報センター企画「料理道具100%活用百科」