「バルサミコ酢」と「ワインビネガー」の違いとは?どう使い分ける?

「バルサミコ」とは、イタリア語で「芳香性がある」という意味。木の樽で長期間熟成され、熟成の過程で木の香りを移しながら作られるバルサミコ酢は、その名の通り独特の香りがあります。

フランス語の「酢(vinaigre)」は「ワイン(vin)」と「酸っぱい(aigre)」を組み合わせた、「Vin aigre(酸っぱいワイン)」に由来します。

一般的にフランスでは、お酢と言えば「ワインビネガー」のことを指すそうです。

「ワインビネガー」と「バルサミコ酢」は、いずれも原料がブドウの果実酢です。

バルサミコ酢の原料となるブドウの果実を圧搾し、果汁を煮詰めます。これを木の樽に詰めて熟成させます。

熟成の過程で自然蒸散して量が減っていくので、異なる木材でできた樽に移し替えながら熟成させます。樽に使う木材の種類や移し替える回数で風味が変化するため、生産者はそれぞれ工夫を凝らしながら特徴を出すそうです。

ワインビネガーも、バルサミコ酢と同じくブドウを原料としています。
搾汁したブドウの果実にワイン酵母を加え、ワインもろみを醸造します。醸造したワインもろみに酢酸菌を加え、樽内の空気に触れさせながら発酵させます。こうしてできたワインビネガーにワインを継ぎ足し、熟成することを繰り返しながら長期間熟成させます。

バルサミコ酢を手軽に活用するなら、サラダのドレッシングがオススメです。バルサミコ酢にオリーブオイルを加えて、塩とコショウで味を整えればイタリアンサラダが簡単にできます。
醤油を加えて和風テイストにしたり、ハチミツやすりおろしにんにくを加えて味に深みを出したりと、自分の好みの味にアレンジしてみましょう。

また、バルサミコ酢は加熱をすると酸が蒸発し甘みが増します。
お肉やお魚を焼いた後、バルサミコ酢、塩、胡椒、バターなどを加えて煮詰めるだけで、本格的なソースに仕上がります。

ワインビネガーには「白ワインビネガー」と「赤ワインビネガー」があります。
サラダやマリネ、料理の隠し味やソースなどに使うことができます。

●白ワインビネガー
白ワインをベースに作られた白ワインビネガーは、さわやかな酸味とフルーティな香りが特徴です。しっかりした酸味を活かして、サラダのドレッシングやマリネにおススメです。

●赤ワインビネガー
赤ワインビネガーは赤ワインをベースに作られ、白ワインビネガーと比較してコクと深みがあります。サラダのドレッシングの他、バルサミコ酢のように火にかけて、料理のソースとしてもおいしくいただけます。

赤ワインビネガーは料理にコクを出したい時、白ワインビネガーは酸味を活かしてさわやかさを出したい時に使うのが良さそうですね。

「バルサミコ酢」と「ワインビネガー」の違いは、発祥国と製造方法にありました。一見、使うのが難しそうに感じる方もいるかもしれませんが、ドレッシングにしたり、煮詰めたり、特徴や違いを知ると普段の料理の中で活用できそうです。ぜひ試してみてください。

参考：日本バルサミコ酢協会「バルサミコ酢とは?」