カレーの保存方法は冷凍? 冷蔵? 常温? 解凍しておいしく食べる方法も!

「一晩寝かせたカレーはおいしい」とよく言われるので、カレーは長持ちすると思われがちです。たくさんのスパイスが入っていてぐつぐつと煮込むため、保存がきく印象がありますね。

でも実は、カレーは日持ちのしない食べ物で、「ウエルシュ菌」という菌が潜んでいることがあります。

ウエルシュ菌は自然界に広く分布している常在菌ですが、熱に強く、熱を加えることで発芽が促進され、温度が下がってくると急激に増殖する性質があります。カレーやシチューなどの煮込み料理で食中毒の事例が多いのは、大量に加熱調理され、大きな器のまま室温に置かれることが多いためでしょう。

一晩寝かせる際には、必ず粗熱を取って冷蔵庫へ。特に夏場は腐敗も心配ですので、十分注意が必要です。

出典：食品安全委員会「ファクトシート：ウエルシュ菌食中毒」

調理済みのカレーは、粗熱を取れたらすぐに冷蔵庫で保存しましょう。

平たくて底の浅い容器に移すと、均一にすばやく冷やすことができます。鍋いっぱいにたくさん作った場合は、1～2食分ずついくつかの容器に移し、冷ましてから冷蔵庫に保管しましょう。

冷蔵庫に入れたカレーは1～3日ほどで食べ切るのが目安。できるだけ早めに食べましょう。

冷蔵よりもう少し長くカレーを保存したいという場合は、冷凍保存もできます。カレーの冷凍保存のメリットは、腐敗などを長期間防止できること。ただし、しっかりと密封ができていないと、水分が失われて変色したり、香りも失われてしまうことがあります。

冷凍する際は、冷凍保存袋などに入れ、できるだけ薄く平らにしてすばやく凍らせましょう。

また熱々のカレーは、冷凍前に粗熱を取ることが大切です。十分に冷ましてから冷凍しないと、カレーソースの中に氷の結晶ができてしまい、具材の食感が損なわれたり、ソースの食感がボソボソになってしまうことがあるためです。浅い容器に移すなどして、すばやくカレーを冷ましつつ、粗熱が取れたら冷凍保存袋などに入れましょう。

冷凍したカレーを再び温めて食べると、じゃがいもやにんじんの食感がスカスカ・ボソボソに･･･。せっかくおいしくできたカレーが、風味を損なってしまうことがあります。

食感が変化しやすいじゃがいもやにんじんは、あらかじめつぶしてから冷凍するのがおすすめ。

冷凍保存袋に入れた後、指やヘラなどでじゃがいも・にんじんを押しつぶしてから冷凍庫へ入れましょう。

カレールウやカレー粉は、水分が比較的少なく加熱殺菌されて密閉容器で売られているため、賞味期限が長く設定されています。

カレールウやカレー粉の賞味期限は、パッケージの表示通り正しく保存していれば、未開封のもので1年～1年半ほど。賞味期限を少し越えたからといって、風味が急激に落ちることや、健康被害が発生することはないようです。

レトルトカレーは、さらに長持ちします。高圧加熱殺菌処理がなされており、光や空気を遮断する密封パウチに入っていることも、保存性がいい理由です。

メーカーにもよりますが、レトルトカレーは製造から2年ほどの賞味期限が設定されているようです。もちろん開封後は、早めに食べ切りましょう。

開封前のカレールウやカレー粉、レトルトカレーは、基本的に常温で保管してOK。ただし、直射日光、高温多湿をさけて保存することがすすめられています。ガスコンロや家電製品などの放熱がある場所の近くに置くのは避けましょう。

間違いやすいのが「冷暗所に保管」となっている場合です。冷暗所とは、直射日光が当たらず、高温多湿にならない「常温」の場所のこと。冷蔵庫の中ではありません。

常温保存すべき食材を冷蔵庫や冷凍庫で保管すると、取り出し時に結露して、湿気で品質が低下することもあります。パッケージに書かれた保管方法を守りましょう。

トレーのふたを開封したカレールウは、密封できる容器(保存袋等)に入れ、早めに使い切りましょう。商品にもよりますが、開封後は要冷蔵としているものが多いようです。エスビー食品のカレールウの場合は3カ月以内が目安だそうです。

カレー粉の保存方法は商品によっても異なりますが、ふたを開封したカレー粉は、再びふたをしっかりと閉めて冷暗所に保存を。一度開封したものは、賞味期限までに使い切ることが推奨されています。

一度作ったら、一晩おいて味の変化を楽しみたいカレー。

正しい保存法を知ると、より長い間、楽しむことができますね。

ウチコトおすすめのカレーレシピは、市販のカレールウを使った簡単なカレーからスパイスで作るカレーまで、さまざまなカレーレシピが充実しています。適切に保存して、おいしくお楽しみください！

「カレーは日持ちしない」ということに、まずはビックリした方がたくさんいたのではないでしょうか。しっかりと熱を通す上、スパイスもたくさん入っているため、そんなに簡単に傷まないだろう･･･と思われがちなカレー。これからは、作ったら粗熱をとってすぐに冷蔵庫へ! が鉄則ですね。

参考：エスビー食品株式会社「カレーQ&A」
参考：S&Bカレー.com