手紙の構成
はじめに手紙(便箋)の構成をご紹介します。
手紙は、前文→主文→末文→後付の4つで構成されます。
それぞれの内容は以下の通りです。
- 前文:「拝啓」などの頭語と、挨拶文を書きます。
- 主文:「このたびは」「先日は」などの起語を用いて、手紙の目的や用件を書きます。
- 末文:結びの挨拶文と、「敬具」などの結語を書きます。
- 後付:最後に、書いた日付、差出人、宛名の3つを書きます。
以上の構成を守って、お好みの挨拶文と結びの挨拶文を選んでください。
挨拶文と結びの挨拶文のルール
挨拶文と結びの挨拶文は、それぞれ「時候の挨拶」+「安否の挨拶」をつなげて作るのが基本です。挨拶文と結びの挨拶文を、「時候の挨拶」、「安否の挨拶」に分けてご紹介し、最後に例文をいくつかあげてみます。
【挨拶の文例】9月(長月)の手紙
9月は、夜がだんだん長くなるので「夜長月(よながつき)」と呼ばれ、それが省略され「長月」と呼ばれるようになったそうです。
挨拶文
時候の挨拶
・秋風の侯
・爽秋の折、
・秋風が心地よい時節となりました。
・秋の気配も次第に濃くなり、穏やかな好季節となってまいりました。
・今年は格別に残暑が厳しいようですが
・秋の夜長、虫の音が心地よい季節となりましたが
・朝夕はめっきり涼しくなりましたが
安否の挨拶
・いかがお過ごしでしょうか。
・ご家族の皆様、お元気でいらっしゃいますか。
・皆様お変わりございませんか。
・お元気にお過ごしですか。
・ご家族の皆様にはお変わりなく何よりと存じます。
・__さんはいかがお過ごしですか。
例文(挨拶文+安否の挨拶)
・秋風の侯、いかがお過ごしでしょうか。
・秋風が心地よい時節となりました。ご家族の皆様、お元気でいらっしゃいますか。
・朝夕はめっきり涼しくなりましたが、ご家族の皆様にはお変わりなく何よりと存じます。
結びの挨拶文
時候の挨拶
・これから、もうしばらくは残暑が続きそうです。
・これからの時期、朝夕冷え込んでまいりますので
・秋風が肌に心地よい季節となりました。
安否の挨拶
・お体にはくれぐれもお気をつけください。
・体調を崩しませんようお気をつけください。
・皆様お健やかにお過ごしください。
例文(時候の挨拶+安否の挨拶)
・これから、もうしばらくは残暑が続きそうです。お体にはくれぐれもお気をつけください。
・秋風が肌に心地よい季節となりました。皆様お健やかにお過ごしください。
【挨拶の文例】10月(神無月)の手紙
「神無月」の語源は、神を祀る月であることから「神の月」とされ、「無」は「の」を意味する格助詞「な」だそうです。
挨拶文
時候の挨拶
・金風の候
・紅葉のみぎり
・日毎に秋も深まり、紅葉の美しい季節となりました。
・さわやかな秋晴れの続く今日此頃
・日増しに秋の深まりを感じる季節となりましたが
・空は深く澄み渡り、さわやかな季節となりましたが
・街路樹の葉も日ごとに赤や黄色に彩りをましてまいりました。
安否の挨拶
・皆様お元気でいらっしゃいますか。
・皆様いかがお過ごしでしょうか。
・いかがお過ごしですか。
・皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます。
・皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。
例文(挨拶文+安否の挨拶)
・紅葉のみぎり、皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます。
・日毎に秋も深まり、紅葉の美しい季節となりました。皆様お元気でいらっしゃいますか。
・空は深く澄み渡り、さわやかな季節となりましたが、皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。
結びの挨拶文
時候の挨拶
・秋が深まりゆく時季
・さわやかな秋晴れの下
・秋の風景が見事な昨今
安否の挨拶
・お体にお気をつけてお過ごしください。
・ますますお元気でご活躍ください。
・どうぞお健やかにお過ごしください。
例文(時候の挨拶+安否の挨拶)
・秋が深まりゆく時季、お体にお気をつけてお過ごしください。
・さわやかな秋晴れの下、ますますお元気でご活躍ください。
【挨拶の文例】11月(霜月)の手紙
霜が降る月「霜降り月(しもふりつき)」が省略され、「霜月」と呼ばれるようになったそうです。
挨拶文
時候の挨拶
・暮秋の侯
・向寒のみぎり
・秋も一段と深まり、陽だまりの恋しい季節となりました。
・ゆく秋の寂しさ身にしみるころ
・日増しに寒さが身にしみるようになりました。
・冬はもうすぐそこまで来ているようですね。
安否の挨拶
・皆様お変わりなくお過ごしですか。
・皆様いかがお過ごしでしょうか。
・いかがお過ごしですか。
・お元気ですか。
例文(挨拶文+安否の挨拶)
・向寒のみぎり、皆様いかがお過ごしでしょうか。
・秋も一段と深まり、日だまりの恋しい季節となりました。皆様お変わりなくお過ごしですか。
・冬はもうすぐそこまで来ているようですね。お元気ですか。
結びの挨拶文
時候の挨拶
・落ち葉舞い散る時期
・木枯しが吹きすさぶこの季節
・日毎に寒気が加わってまいります。
・冬の足音が聞こえてまいりました。
安否の挨拶
・お体にお気をつけてお過ごしください。
・どうぞお健やかにお過ごしください。
・どうかお体大切に。
・どうぞご自愛ください。
例文(時候の挨拶+安否の挨拶)
・木枯しが吹きすさぶこの季節、お体にお気をつけてお過ごしください。
・冬の足音が聞こえてまいりました。どうぞご自愛ください。
おわりに
今回は、秋の手紙で使える挨拶文と結びの挨拶文の他に、手紙の構成もご紹介しました。季節の変わり目で手紙を送りやすい時期でもありますので、一度送ってみてはいかがですか?
参考 : NPO法人日本サービスマナー協会「手紙のマナー」