嘔吐物、尿や便で汚れた衣類、どう洗濯すれば良い?
子どもが小さいとウィルス性の感染症にかかって、嘔吐や下痢を繰り返すこともありますし、トイレトレーニングが始まると、尿や便で衣類が汚れることも多くありますね。小さな子どもがいる家庭にとっては、こうした汚れた衣類をどう洗濯するかは悩みの種ではないでしょうか。
尿や便、嘔吐物は衣類に付着するとなかなか落ちにくく、ニオイや汚れが残ってしまいがちですね。
加えて汚物にノロウィルスなどのウイルスが含まれていた場合、他の洗濯物と一緒に洗濯してしまうのはNG。他の洗濯物までウィルスで汚染してしまう可能性があります。
特にノロウィルスの場合には、便や嘔吐物に大量にウィルスが含まれており、感染源になり得るそうです。乾燥させた状態でも空気中を浮遊し、口から入って感染することがあるとのこと(※)なので、十分注意したいところです。
日本では、ノロウィルスの患者数は減少傾向にあり、2019年の事件数は212件、患者数は6,889人と、この10年間で1番少ない結果となりました(※)。ノロウィルスに感染した場合、健康な方は軽症で回復しますが、基礎疾患がある方・体力が低下している時は重症化する可能性があります。油断せず、気をつけたいですね。
どう洗濯するのが良いのか、健栄製薬株式会社さんの許可をいただいて、ウェブサイトを参考にさせていただきました(以下)。小さな子どものいるご家庭では、ぜひ一度チェックしておきましょう。
※出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
【洗濯前の準備】汚物や嘔吐物が付着した衣類に素手で触れない
洗濯前に以下を準備します。
・ペーパータオル
・ゴミ袋(2枚)
・使い捨てマスク
・使い捨て手袋(2セット)
・使い捨てのガウンやエプロン(※水のしみ込まないビニール製のもの)
・塩素系漂白剤(※消毒に必要な「次亜塩素酸ナトリウム」を含むもの)
・バケツ
【洗濯の手順1】手袋やマスクなど感染防止のための装備をする
指輪や時計など身に着けている装飾品を外します。髪はひとつにまとめるなどして、ひざまで隠れるエプロンやガウン、マスクを装着します。手袋は2枚重ねてつけてください。
【洗濯の手順2】0.02%の塩素系漂白剤の希釈液を作る
消毒に必要な「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれている塩素系漂白剤を使って、ノロウイルスの効力を取り除くための消毒液を作ります。洗濯に使う際には、塩素系漂白剤は0.02%の濃度に調整します。約5%濃度の漂白剤を使用する場合、水1Lあたり4mlの原液を混ぜると、0.02%の塩素系漂白剤になります。
※注:塩素系漂白剤は脱色を起こす可能性があるため、色柄物の洗濯には適していません。
【洗濯の手順3】下洗いする
付着した汚れが飛び散らないようにペーパータオルで拭き取った後、洗剤を入れたバケツの中で汚れた部分を静かにもみ洗いします。このとき、水しぶきが周囲に飛び散ったり、顔などにかからないように注意してください。
【洗濯の手順4】希釈液に浸すか、熱水で殺菌して、高温乾燥する
下洗いしたものを手順2で作った塩素系漂白剤の希釈液にしばらくつけておくと、消毒の効果は高まります。消毒後はよくすすぎ、可能であれば高温の乾燥機などの熱を利用して、ウイルスを殺菌します。色柄物など、塩素系漂白剤が使えない場合には、熱水で殺菌し高温乾燥をするという方法もあります。
【洗濯の手順5】洗濯した場所や用具を希釈液で消毒する
洗濯に使ったバケツなどを、手順2で作った希釈液で消毒した後、きれいに洗い流します。
【洗濯の手順 6】ゴミの処理と手洗い&うがい
手袋、ガウン、マスクの順に装備を外して、ゴミ袋の中に捨てて口を閉じます。手袋は汚物処理の時と同様に、外側部分が内側になるようにして外してください。最後によく手を洗い、うがいをしておきます。
より詳しい手順は健栄製薬株式会社「ノロウイルスによる嘔吐で汚れた衣服を普通に洗濯してしまった!正しい洗濯方法とは?」をご覧ください。
正しい手洗い方法とは?
厚生労働省のサイトによると、手洗いは手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。手袋をして直接触れないようにしていても、汚物が付いたものを処理した場合は必ずするようにと推奨しています。
石けんを十分泡立てて洗うだけではなく、指と爪の間もブラシなどを使って丁寧に洗うと良いそう。すすぎは温かい流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きましょう。
残念ながら、石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありません。しかし、手の汚れを落とすことで、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があるそうです。
手洗いではなく、消毒用のエタノールだけでも良い?
消毒用エタノールによる手指消毒は、手洗いの代わりにはならないそう。必ず石けんを使って手洗いしましょう。
洗濯した衣類はしっかり乾燥を!
洗濯が終わったらしっかり乾かしたいものですが、子どもの嘔吐や下痢が続くと、汚れ物が出続けるケースも。子どもが胃腸炎になると、いくら洗濯しても終わらないという声も聞きます。そんな時、衣類乾燥機に頼ってみてはいかがですか?
衣類乾燥機にはガス式・電気式があります。ガス式は電気式より乾燥スピードが早いことが魅力です!
ガス式の「乾太くん」は、スイッチをオンにして数秒で温風が出て、そのままドラム内を約80~100℃の高温で運転し、一気に洗濯物を乾かします(一部モードで80℃以下)。 また、上の排湿筒から余分な水分を排出していきます。ガス式では短時間で、一気に湿気を排出するため、このような仕組みとなっています。
だからガス式は短時間で乾くんですね。
さらに、ガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させるので、洗濯物の繊維が根元から立ち上がり、肌触りの良いふわっとした仕上がりになります。
衣類から寝具、靴まで乾燥できる乾太くんをぜひチェックしてみてください。
おわりに
子どもの突然の嘔吐やおもらしなどに、冷静に対処するのは難しいですよね。しかし、適切な対処をすぐにすることは、健康を守るためにも大切です。上記の洗濯方法を覚えておくのはもちろん、すぐに対応できるよう洗濯グッズを用意しておくといいかもしれません。
参考:健栄製薬株式会社「ノロウイルスによる嘔吐で汚れた衣服を普通に洗濯してしまった!正しい洗濯方法とは?」
参考:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」