【やかんの選び方】ケトルとやかんの違いとは?
一般に昔からの丸形のものをやかん、底の平らなものをケトルと呼んでいますが、明確には分けられません。
熱効率や使い勝手をよくするために、湯の注ぎ口と水を入れる部分が一緒になっているもの、沸騰すると音の出るものなど、形態も変化してきています。色彩、デザインも様々です。
やかんの種類と選び方
やかんの形態別の特徴
やかんはハンドルが固定式のものよりも、片側に倒れるもののほうが内面を洗いやすく、水の注入もラクです。しかしハンドルが上でしっかり止まらないと、火に当たって溶けたり火災の原因になることもあるので注意が必要です。
また、ふたが大きいほうが、洗いやすく水が入れやすいです。注ぎ口がやや高めになっていると吹きこぼれにくく、口が細くなっているほうが湯を注ぎやすいです。底面積の広いものほど熱源の無駄がありません。
笛吹きケトルは沸騰すると音が出て便利です。ただ、洗いにくいため中が洗えるようにフタつきのものがよいでしょう。
やかんの材質別の特徴
アルミニウム、アルマイトが多く使われていますが、ステンレス、ホーロー、鉄、銅などもあります。熱伝導率が高く湯が早く沸くのは、銅製とアルミ製です。打ち出しならば、さらに早く沸きます。耐久性と手入れのしやすさで選ぶならステンレス製がよいでしょう。底と胴に継ぎ目のあるものは、その部分から傷んできます。
容量は家庭用で0.6~2Lくらいまで、業務用としては10L以上のものもあります。
やかんの使い方の注意点とは?
どの材質でも繰り返し使用していると、飲料水中に含まれている残留物(硅酸、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど)が濃縮されて層になり、やかんの内面に付着します。この層がはがれるとお湯が濁ります。このためストーブなどの上に長時間のせて使用するのは好ましくありません。
やかんの使用後のお手入れ
お湯を沸かすときは一回で使い切る分を沸かし、沸かし終ったらやかんは空にします。そして熱いうちに外側をぬれぶきんで拭き、台所用中性洗剤とスポンジで洗います。注ぎ口や取っ手など細かい部分は歯ブラシを使って磨きます。
やかんは湯を沸かすことだけに使うので、つい手入れを怠りがちですね。毎日こまめに洗うことでいつまでもきれいにしておくことができますよ。
おわりに
やかんは漢字で書くと「薬缶」。もともとは薬を煎じる道具だったんですね。現在では湯沸かし専用の道具として使われています。使いこむとますます愛着がわきますよ。
出典 : 東京ガス「食」情報センター企画「料理道具100%活用百科」