愛犬に手作りごはんを与える5つのメリット

提供:弓場絵里菜
愛犬が市販のドッグフードをあまり食べないため、手作りごはんを始める方も多いようです。
犬の手作りごはんには、どのようなメリットがあるか、弓場さんに伺いました。
メリット1:原材料が明確で安心! アレルギー対策にも
市販のドッグフードの原材料を見ると、保存料や添加物が入っている場合がありますが、手作りするなら、添加物などが含まれていない食材を選んで作ることもできます。
また、アレルゲンとなる食材を避けることも可能ですし、愛犬に積極的に摂取させたい栄養素を含む食材を使用することもできます。
メリット2:愛犬の年齢や体調、好みに合わせて調整可能
愛犬の年齢や体調、食の好みに合わせてレシピを調整できます。
ドッグフードを食べないときでも、手作りごはんなら食べられることもあります。子犬や老犬の食べやすい形状にすることや、調子がよくないときには、なるべく消化のよい素材を使うといったアレンジも可能です。
※病気やメンタル的な理由で「食べたくない」「食べられない」ゆえに「食べない」を本能的に選択している場合もあります。
メリット3:食事で水分補給ができ、ドライフードのデメリットを補える
ドライタイプのドッグフードは、保存性を高めるために乾燥させてあり、水分量が少ないことが一般的です。しかし、家庭で作る犬のための手作りごはんには、食材の水分も含まれるので、ごはんを食べることで、水分が補給しやすいといえます。
また、夏季や老犬の食事など、より水分を取ってほしいときには、意識して水分量が多いメニューにすることもできます。
メリット4:同じものを食べられることで愛犬との絆が深まる
「手作りごはんの最大のメリットは、人間と同じように多様な旬の食材を楽しめること。食材選びに気をつければ、人間と同じごはんをあげることもできます。
もちろん、総合栄養食であるドッグフードを与えることも、愛犬の健康を思う愛情の形のひとつですが、同じごはんを共有することで、生まれる絆や愛情もあると感じています」(弓場さん)
メリット5:災害時にも役立つ! 非常時の対応力が身につく
「もしものとき、ドッグフードの備蓄がなくなっても、あわてずにすみます。家にあるもので食べさせる習慣が身についていると、避難所や物資が届かない環境にいても、炊き出しの野菜やごはんを組み合わせて、愛犬に与えることができますよ。
といっても、手作りのごはんしか食べられない状態では、困る場面もあるかもしれません。偏食を防ぐことは、ある意味、命を守ることでもあるんです。そのため、日頃からいろいろな食事を与えてみることが、大切だと思います」(弓場さん)
失敗しない! 愛犬の手作りごはんを作るうえでの基本ポイント

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初めて手作りごはんに挑戦する方にもわかりやすいように、手作りごはんの基本的な注意点や重視したいポイントを弓場さんに教えていただきました。
犬に与えてはいけないNG食材を知っておこう
犬が食べると危険なネギやタマネギ類、ブドウ、チョコレート、アルコールなどは手作りごはんに使わないように注意しましょう。
「犬にとってNGな食材は、犬が勝手に食べたりできないよう高いところに収納したり、自力で開けられないようなところに保管するなど保管場所を工夫しましょう。
万が一、NG食材を食べてしまった場合、体調が悪そうだったり、不安があればすぐに病院に連れて行ってください」(弓場さん)
食べやすく、食欲が出るように工夫しよう
市販のドッグフードに慣れている犬の場合、手作りごはんをなかなか食べないこともあります。
熱すぎるのもよくありませんが、できるだけ温かい状態で提供する、具材を食べやすいサイズにカットするといった工夫をしてみましょう。愛犬が食べやすい温度や調理方法、カットのサイズなどを探るのも手作り食の楽しみの一つです。
「喉に詰まらせることを防ぐためにも、食材の大きさに注意することは大切です。そのほか、とろみをつけると、食いつきがアップする子もいますね。片栗粉でとろみをつけるのが手軽ですが、加熱するととろみがつきやすい白菜や芋類、カブ、鶏肉などを取り入れるのも一案です。
同じ食材でも、焼く・煮る・蒸すなど、調理法を変えると食感が変わるので、それによって食いつきがよくなることもあります。愛犬がどんな調理法が好きかをチェックしておくとよいでしょう」(弓場さん)
手作りごはんの栄養バランスは「穀物:肉:魚=1:1:1」から始めてみよう
「最初は、穀物:肉:魚の比率を、1:1:1から始めてみるとよいでしょう。何が好きか、どんな食材が体質に合うのか、適量はどのくらいかなどは個体差があるので、まずはこの比率を目安にしてみてください」(弓場さん)
愛犬のための手作りごはんにおすすめの食材

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弓場さんに、手作りごはん初心者にもわかりやすい食材の選び方のコツや、おすすめの食材を伺いました。
栄養価の高い旬の食材と多様性がポイント
「シーズンごとに旬を迎える食材がありますが、旬の新鮮な食材は栄養価が高くなるのでおすすめです。そして、栄養素は、どれか一つだけが重要だったり、大量に必要だったりするものではなく、トータルで全てバランスよく必要です」(弓場さん)
人間と同様に、多様な食材を摂取することが大切ということですね。
また、年齢ごとに積極的に取り入れたい栄養素も変わってくるとのことで、ライフステージ別に取り入れたい食材を教えていただきました。
パピー(子犬)におすすめ:体を作る良質なタンパク源
- 卵
「完全栄養食」と呼ばれ、成長に必要な成分が凝縮されています。
- 魚
イワシやサバなど。また、しらすや鯛、鮭の切り身も使いやすい食材なのでおすすめです。脳の発育を助けるDHA・EPAが豊富です。
シニア犬におすすめ:消化・水分をサポートする食材
- 大根・カブ
胃腸などの消化器官への負担が少ない食材です。
- 魚のアラや鶏のだし
運動量が減ると喉が渇きにくくなったり食欲が落ちたりします。香りの強いスープは、水分補給と食欲アップの強い味方になります。
全年齢におすすめ:万能食材
- キャベツ・白菜(葉物野菜)
水分たっぷり、火が通りやすく、クセのない味で食べやすい食材といえます。
- 鶏むね肉・ささみ
低脂肪・高タンパクで消化がよく、手作りごはんのベースとして非常に優秀です。
愛犬の手作りごはんの適量は?量の目安と調整方法

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手作りごはん初心者は、まずどのくらいの量をあげればよいのかで迷ってしまうもの。
「これまでに手作りごはんを与えたことがない場合は、まずは犬の頭の大きさ(鉢)くらいの量から始めることをおすすめします」(弓場さん)
適量の見分け方はどうすればよいのでしょうか。
「しばらく与えてみて、太ってきたと感じたら、食事の全体量を減らす、または、カロリーの多いもの(穀類や肉類、脂肪分)を減らしましょう。逆に痩せてきたら、カロリーの多いものを増やすなど調整をしてください。太ってきた、痩せてきたという基準については、見た目で判断するか、犬のBCS(ボディ・コンディション・スコア)という9段階の指標に照らし合わせて判断してみてください。自信がなければ獣医さんに確認してもらいましょう」(弓場さん)
手作りごはんの合言葉は「日々・だいたい・いろいろ」
「私たちも、食べ過ぎてしまったら次の食事は控えめにしたり、脂っこいものを食べたら、次の食事は野菜を多めにするなど、一食ごとを完璧にすることはなく、なんとなくで調整していますよね。犬の手作りごはんも、それと同じです。手作りごはんの合言葉は『日々・だいたい・いろいろ』なんです。なので、毎日同じものしか用意できない人や、総合栄養食のように一食で栄養バランスを完璧にしたいと考える方には、手作り食は不向きといえます」(弓場さん)
手作りごはんを続けるための挫折しないコツ
「いろいろな食材を取った方がよいと聞くと、カラフルなごはんを頑張って用意しなければならないと意気込んでしまう方もいらっしゃいます。ですが、毎日のことなので、頑張り過ぎると疲れてしまいます。自分たち家族の食事を作るときに使う食材を流用して『ついで』に作るようにすると負担が軽減されると思います」(弓場さん)
初心者でも簡単! 愛犬のための手作りごはんおすすめレシピ3選

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弓場さんに、初めてでも作りやすい、愛犬のための手作りごはんレシピを紹介していただきました。
どのメニューも人間も一緒に食べられます。ただし、犬用として調味料を使わないため、人間が食べるときは、お好みの調味料で味をつけてどうぞ。
※レシピの分量は人間の1食分として記載しています。完成後、愛犬の頭の鉢を目安にした分量を取って与えてください。
ピーマンの肉詰め

提供:弓場絵里菜
材料(1食分)
ピーマン・・・2~3コ
ひき肉(豚または合いびき)・・・80~100g
ニンジン・・・20g
タケノコ(水煮)・・・20g
シイタケ・・・1コ
薄力粉(米粉でもOK)・・・適量(ピーマンの内側にまぶす)
ゴマ油・・・小さじ1(風味づけ用)
作り方
- オーブンを200度に予熱する
- 野菜を細かく刻み、ピーマンは半分に切って種を取る
- ピーマンの内側の水分をしっかりふき取り、薄力粉を満遍なくまぶす
- ひき肉と刻んだ野菜(ニンジン、タケノコ、シイタケ)を合わせ、粘りがでるまでよく練る
- ピーマンに4を詰める
- 天板にクッキングシートを敷き、5の肉の面を上にして並べる
- パサつかず香ばしく仕上げるため、表面にゴマ油をはけで塗るか、垂らす
- 200度のオーブンで約15~20分焼く
- 表面に焼き色がつき、ふっくらと膨らんだら、真ん中に串を刺して透明な肉汁が出てきたら完成。食べやすい大きさにカットして与える
「オーブンなら一度にたくさん焼けるので、大量に作って冷凍保存するのもおすすめ。ピーマンが嫌いな犬の場合、ピーマンをはぎとってお肉だけ食べることがありますが、肉だねに刻んだピーマンを練りこんでおくと、より分けられない、気がつかずに食べてくれることが多いです」(弓場さん)
ナスとひき肉のボロネーゼ風

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材料(1食分)
パスタ・・・80~100g
ナス・・・1本(小さめなら2本)
豚ひき肉・・・100g
トマトピューレ(カットトマトやトマトでも代用可能)・・・20g
オリーブオイル・・・大さじ2
作り方
- パスタをゆでる湯を沸かす
- フライパンにオリーブオイルをひき、肉を軽く焼く
- カットしたナスを加え、肉汁を茄子に吸わせるように炒める
- トマトピューレを加え、弱火でピューレと具を絡めながら炒める
- パスタをゆでる
- 4に湯切りしたパスタを合わせ、1食分をお皿に盛り付け、お好みでバジルをのせて完成。
※与える際にはパスタとナスを食べやすい大きさに切り、窒息などしないよう注意すること
「バジルは香りが強いため苦手な犬もいます。写真のようにそのままのせず、ちぎって散らすことで食べられるようになる場合もあります」(弓場さん)
クラムチャウダー

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材料(1食分)
冷凍アサリやエビ(乾燥桜エビでも代用可能)・・・適量
キャベツ・・・1枚(1~2cm角の色紙切り)
ニンジン・・・2cm分(5mm角のダイス状)
シメジ・・・1/4株(小房に分ける)
サツマイモ・・・小1/4本(1cm角のダイス状、ジャガイモやカボチャでも代用可能)
薄力粉(米粉でも可)・・・大さじ1/2
牛乳もしくは豆乳・・・150ml
水・・・50ml
オリーブオイル・・・少々
作り方
- 鍋にオイルを熱し、ニンジン、サツマイモ、シメジ、キャベツの順に入れ、炒める
- 野菜がしんなりしたら水を加え、ふたをして野菜がやわらかくなるまで弱火で蒸すように煮る
- サツマイモに火が通ったら、アサリやエビを加え、弱火で軽く煮込む
- 一度火を止め薄力粉(米粉)を振り入れ、粉っぽさがなくなるまで野菜にしっかり絡める
- 牛乳(豆乳)を加え、沸騰させない程度の弱火でかき混ぜながら温めて、全体にとろみがつけば完成
「乳製品が大丈夫な子なら牛乳で作ってもよいですし、最後にチーズをトッピングするのもありです。チーズは喜んでくれますよ。材料を細かく刻む料理ですので、食べやすいと思います」(弓場さん)
ドライフードから手作りごはんへの切り替え方と注意点
愛犬のために手作りごはんを始めるといっても、ドライフードから一気に手作りごはんに切り替えるのは、犬の体に負担をかけてしまうので避けるべきだと考える飼い主さんもいます。
上手に切り替える方法や、注意点を弓場さんに伺いました。
弓場さんのおすすめの方法は、以下の通りです。
- 1日2回食であれば、うち1回を手作りごはんにして徐々に慣らしていく
- 1日1食であれば、1食のうち1/4から半分を手作りごはんにして、徐々に慣らしていく
- 手作りごはんの食材は、加熱して与える。(手作り食に慣れていない犬でなくとも、食べ物は安全を考慮して加熱した方がよい)
「フードから手作り食(または手作り食からフード)に変えたことによって起こる下痢は、大抵は今まで食べていたものと全く品質が異なるものを食べたことにより、腸がビックリ(腸内環境の変化)して、それが結果として下痢という形で反応していることが少なくありません。腸が新しいものに慣れるのに多少時間を要する場合もあります。不安であれば無理をする必要はありませんが、しばらく様子を見ながら少しずつ腸を手作り食に慣れさせていくのがよいのではないでしょうか」(弓場さん)
愛犬の手作りごはんに関するよくあるQ&A

提供:弓場絵里菜
愛犬の手作りごはんに関して、よくある疑問について、弓場さんにお答えいただきました。
Q1.持病がある犬の場合、手作りごはんの注意点は?
今回紹介した内容やレシピなどは、持病がなく、健康状態が良好な犬向けのものです。持病がある犬については、かかりつけ獣医師の指示に従いましょう。
また、使う食材についても手作り食に精通している獣医師に確認すると安心です。ただ、現状、日々の診療と並行して、最新の論文や実験データに基づいた動物の栄養学の知見を常にアップデートしている先生はそれほど多くありません。
そのため、リスク回避の観点からも『手作りは控えるべき』『指定のフードだけを与えてください』との助言に留まりがちなことも往々にしてあります。
せっかく愛犬のために手作り食にチャレンジしてみたいという気持ちが湧いてきたのですから、『近所の獣医さん』ではなく、その道もきちんと学んでいらっしゃる獣医さんに前向きなアドバイスをいただくのが良いと思います。
「それでも手作りごはんにチャレンジしてみたい」「療法食を食べてくれないから手作りごはんを食べさせてみたい」というのであれば、まずはだしや煮汁をトッピングするところから始めてみてください。
- 肉や魚の煮汁
- かつお節やシイタケのだし
- 野菜の甘い煮汁
犬の様子を見ながら、だしのもとになる食材も少しずつトッピングに加えて、徐々に慣らしていきましょう。
犬の状態に応じて、必要であればかかりつけ医に状態を確認してもらってください。
Q2.ダイエット中の犬用手作りごはんの作り方は?
ダイエット中の犬のための手作りごはんを作る際には、以下の方法をおすすめします。
- 穀類や肉・魚類を減らし、野菜類を多めにする
- おやつをカット野菜や果物に置き換える
ただし、肥満猫のダイエット方法は全く異なりますので、この方法を猫に当てはめるのは避けてください。
Q3.シニア犬に手作りごはんを与えるときの注意点は?
シニア犬や寝たきりの犬の場合、煮崩したカボチャやジャガイモのようなでんぷん質の食材は、むせたり、誤嚥(ごえん)につながることがあるので、避けた方が無難です。
粘り気のある食べ物や、口の中に張りつきやすい食べ物を避ける、かなり細かく切って与えるなど、誤嚥や窒息を防ぐ工夫をしてください。食べている様子もちゃんと観察しましょう。
シニア犬用の手作りごはんを作るときには、人間の高齢者用食事も参考になりますよ。
シニア度合にもよりますが、食べること、飲み込むことに難がある場合は、目を離さず見守りながら食事をさせましょう。
Q4.手作りごはんを食べてくれないときの対処法は?
食べない理由によりますが、おなかが減っていないのであれば運動させたり、1回の食事量を減らしたり、2回食を1回食にするといった工夫をします。
好き嫌いやより好みをして食べない場合も、たいていはきちんとおなかが減っていないだけです。「空腹は最高のスパイス!」なので、運動させる、日々の食事量を見直すことで改善されることがよくあります。
Q5.手作りごはんは作り置きしても大丈夫?
もちろん作り置きしても大丈夫です。日持ちに関しては、作った食事の内容や状態(使用食材や調理後の状態、保管保存方法)により変わるので一概には言えませんが、作った物を「自分が食べるのであれば、どのくらいで食べきるのが安心か」という判断基準に従うとよいと思います。
おわりに
犬のための手作りごはんは、愛犬の食が細く、なかなかフードを食べてくれないというお悩みから始める方が多いのだそう。自分が作ったごはんを喜んで食べてくれたり、食べ物の好みがよくわかるようになると、一層いとおしさが増すのではないでしょうか。手作りごはんを通して、幸せな犬や飼い主の方が増えるといいですね。
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