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これならできそう! 初心者向けエッセンシャルオイル(精油)の使い方7選

リフレッシュ効果があるといわれるアロマテラピー。興味はあるけど、なんとなく取り扱いが難しそうと考えていませんか。アロマテラピーに用いるエッセンシャルオイル(精油)の簡単かつ効果的な使い方を、公益社団法人 日本アロマ環境協会(以下AEAJさん)に教えていただきました。心地よく香るアロマを生活に取り入れて、気分が上がる毎日を過ごしていきましょう!

最終更新日:2024.3.29

目 次

エッセンシャルオイルのある生活を始めてみよう

エッセンシャルオイル

uchicoto

「香りの柔軟剤や芳香剤もいいけれど、できれば天然の香りを楽しみたい」「アロマオイルってたくさんあってどれを選べばよいかわからない」「アロマテラピーは難しそう」と思っている方も多いのではないでしょうか。

初心者にもおすすめのエッセンシャルオイルの選び方や活用法について、アロマテラピー検定などを主催している公益社団法人 日本アロマ環境協会(以下AEAJさん)に伺いました。

エッセンシャルオイルって何? アロマオイルとどう違うの?

ラベンダー畑

PIXTA

そもそもエッセンシャルオイルとは、よく耳にする「アロマオイル」とどう違うのでしょうか。

「実は『アロマオイル』には明確な定義がないんです。そのためアロマオイルと呼ばれるものには植物由来のエッセンシャルオイルのほか、エッセンシャルオイルを希釈したものや人工香料を使ったお手軽で安価なオイルなど多くのものが含まれます」(AEAJさん)

この中で、エッセンシャルオイルは、大量の植物を用いて水蒸気蒸留法などで香り成分を抽出したものです。例えばラベンダーの場合、精油1kgを抽出するのに花穂(かほ)100~200kgを必要とします。

「抽出に大量の植物が必要なこともあり、エッセンシャルオイルは、高価で貴重なものといえます。しかし、天然成分100%で、さまざまな効能が期待できるため、ヨーロッパでは古くから美容や健康のためにエッセンシャルオイルを役立てる『アロマテラピー』が行われてきました。生活の中で自然な香りを楽しんでその効果も期待したいなら、アロマオイルとして売られているものの中でも『エッセンシャルオイル』を選ぶことをおすすめします」(AEAJさん)

エッセンシャルオイルの選び方

PIXTA

エッセンシャルオイルを扱うお店に行くと、とても多くの種類があって初心者はどれを選べばよいのか分からなくなりがちです。

AEAJさん「エッセンシャルオイル選びは、自分が心地よいと思う香りを選ぶことが一番大事です。その上でリラックス系とリフレッシュ系のどちらのエッセンシャルオイルにするかを決めると選びやすいです」

リラックス系とは、気持ちが穏やかに優しくなったり、呼吸がゆっくりになる効果が期待できる香りです。お風呂でゆっくりしたり、眠る前など、副交感神経を優位に導きたい時にぴったりです。一般的にラベンダーやローズなど花由来のエッセンシャルオイルはリラックス系が多いそうです。

リフレッシュ系とは、すっとして爽快・快活な気分になる香りで、ペパーミントやレモンなどがリフレッシュ系の香りといえます。

初心者向きのエッセンシャルオイルは?

初心者向けのエッセンシャルオイルの図

uchicoto

AEAJさん「初心者さんにおすすめのエッセンシャルオイルは、ラベンダー、スイートオレンジ、ペパーミントの3種類です。理由は、単品でも使いやすい香りであることはもちろん、お互いにブレンドしても相性がよいという点。そして、この3種類のエッセンシャルオイルは比較的安価だからです。

ラベンダーはリラックス系の香り、ペパーミントはリフレッシュ系の香り、スイートオレンジはややリラックス系の香りです。『もう少し深みのある香りにしたい』『もうちょっとマイルドな香りの方が好み』といった場合は2種類以上のエッセンシャルオイルをブレンドして使います。

ラベンダー、スイートオレンジ、ペパーミントのエッセンシャルオイルはこのうち2種類を混ぜても、3種類全部混ぜても失敗がないというのも特徴で、だからこそ初心者さんでも使いやすいと言えます」

使いやすくて比較的お手軽価格のエッセンシャルオイルを知っていれば、アロマのある生活に挑戦しやすくなりますね。

「単品精油」「ブレンド精油」どちらがおすすめ?

エッセンシャルオイル

uchicoto

エッセンシャルオイルには、上で紹介したラベンダーやペパーミントといった「単品精油」と、複数の精油を組み合わせた「ブレンド精油」があります。単品精油とブレンド精油は、どのように使い分ければよいのでしょうか? 

AEAJさんによると、ブレンド精油は、目的別に選びやすい点がメリットだそう。

「例えば、最近は『眠りのための香り』といったネーミングで販売されているブレンド精油もあります」(AEAJさん)

一方、単品精油のメリットは、シンプルに植物そのものの香りを楽しめることと、自分でブレンドして好みの香りを作るといったアレンジがしやすい点とのことです。

エッセンシャルオイル選びは「効能」より「香りの好み」で

ペットの犬と妊娠中の女性

PIXTA

エッセンシャルオイルは、妊娠中の方や、ペットがいる空間での利用は控えた方が良いとAEAJさんは言います。

「妊娠中は嗅覚が敏感になっていることがあります。『つわり』の時期などは人によって、その傾向が顕著になります。同様にペットも人間とは嗅覚が異なるケースが大半です。ペットの方が人間よりも敏感なことが多いでしょう。妊婦さんやペットがいる空間でエッセンシャルオイルを用いることは避けた方がよいでしょう」(AEAJさん)

また、エッセンシャルオイルを扱う際は、オイルが肌に直接触れないよう注意が必要です。

「エッセンシャルオイルは、植物の香り成分を高濃度に濃縮したオイルです。皮膚が敏感な方の場合、指先で触れただけであっても肘のあたりまで赤くなることもあるようです。アロマ生活を安心して楽しむためにも、精油原液に直接触れることがないように注意しましょう」(AEAJさん)

エッセンシャルオイルの保管は高温や光を避けるため冷蔵庫がおすすめです。中でも、光による劣化が起こりやすい柑橘系の精油は保管場所に注意しましょう。

専門家が教えるエッセンシャルオイルの簡単な使い方

テーブルに並んだエッセンシャルオイル

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AEAJさんに、外出時やおうちでの簡単なエッセンシャルオイルの楽しみ方を教えていただきました。
ティッシュやハンカチを使う芳香浴法、蒸気による吸入法などが手軽に行えます。

【1.外出時】いつでも香りと一緒

ハンカチ

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外出先でもお気に入りの香りを楽しみたい方に試して欲しいのが、ティッシュやコットンにエッセンシャルオイルを1滴落とし、ハンカチに包んで持ち歩く方法です。これならとても手軽にアロマを楽しめますね。

「おすすめのエッセンシャルオイルはベルガモットやペパーミントです。ベルガモットには、ストレス軽減効果が期待できます。花粉の季節の不快感軽減には、ペパーミントを使ってみてください」(AEAJさん)

なお、ティッシュやコットンを使わずに、直接ハンカチにエッセンシャルオイルを落とす方法もあります。ただし、その場合は精油のシミができても構わないハンカチを用いましょう。特に柑橘系の精油は黄色く着色してしまうことが多いそうです。
そして、ハンカチにエッセンシャルオイルをつけた部分を手や顔に直接触れないように注意してください。

【2.自宅で勉強や仕事をする時】集中力をサポート

在宅勤務中の女性

PIXTA

自宅で勉強や作業を行っている時、集中力を高めるためにエッセンシャルオイルを使ってみるのもよいでしょう。 

「ペパーミント、スイートオレンジなどの精油を2滴ほど落としたティッシュやコットンをそばに置いてみてください。集中力アップの効果が期待できます」(AEAJさん)

ペパーミントとスイートオレンジの香りは、小学生を対象とした実験で計算ミスが減少したという実験結果もあるそうですよ。

参考:公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)公式サイト「ペパーミント/オレンジ・スイート精油の香りが小学生の計算ミスとストレス軽減に寄与」

【3.玄関】ただいまの安らぎを実感

アロマディフューザー

PIXTA

玄関で使うのにおすすめのエッセンシャルオイルはスイートオレンジとベルガモット。お疲れモードで帰宅した時に、ほっとしたり、気分を明るくしてくれる効果が期待できます。
ベルガモットは紅茶のアールグレイの香りづけに使われているのでなじみがある香りかも。スイートオレンジより少し苦味のある香りです。柑橘系のエッセンシャルオイルは、キッチンから漂ってきた料理のニオイともけんかしないという特長があります。

AEAJさん「玄関はデスク回りなどと比べると少し広い空間です。ディフューザーを使うのも香りが広がりやすくてよいでしょう。また、ティッシュにエッセンシャルオイルをたらし、ビンに入れて靴箱に置いておくというのも手軽でよいかもしれません。用いるのはラベンダーやティートリーなど、抗菌作用が期待できる精油がおすすめです」

【4.トイレ】トイレットペーパーの芯を活用して清潔感のある空間に!

トイレットペーパーの芯にアロマオイルをつける様子

uchicoto

トイレでエッセンシャルオイルを使う時には、トイレットペーパーの芯に一滴落とすという方法があります。

「トイレは比較的狭い空間なのでエッセンシャルオイルなら1滴でも十分香ります。おすすすめの香りはペパーミント。清潔感が演出できます」(AEAJさん)

【5.クローゼット】気分を上げて、防虫効果も

クローゼットと女性

PIXTA

クローゼットでアロマの効果を期待するなら、シトロネラやペパーミントのエッセンシャルオイルがおすすめだそう。こちらの2つの精油はダニ避けに効果があったという実験結果が出ています。

シトロネラはレモンのような香り。ダニを避けつつ、爽やかな香りで気分があがるのはいいですね。クローゼットでアロマオイルを使う場合は、「香り袋」を意味するサシェを使うとよいでしょう。

「ヒノキやクスノキのウッドチップを小さな布袋にいれたサシェをご用意してください。ヒノキやクスノキは防虫効果があると言われています。ウッドチップにシトロネラやペパーミントなどのエッセンシャルオイルをたらし、サシェをハンガーに吊るして使います」(AEAJさん)

あるいは、エッセンシャルオイルをたらしたコットンを布製または紙製のサシェに入れ、クローゼットの中のハンガーに吊るしてもよいでしょう。

公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)公式サイト「アロマのダニに対する忌避作用」

【6.浴室】とっておきのリラックスタイムに

浴室

PIXTA

「リラックススペースである浴室には、リラックス系の代表的なアロマであるラベンダーをおすすめします。ラベンダーは副交感神経を優位にしてくれる香りと言われており、それに関連する実験結果も多くあります。

また、好みが分かれるものの、副交感神経に働きかける香りといわれるスイートマージョラムや、ゼラニウムもリラックスタイムに用いるオイルとして適しています。

洗面器やマグカップにお湯を入れ、その中にエッセンシャルオイルを数滴落として浴室に置いて用います」(AEAJさん)

ミストサウナで使用する場合も同様の方法で。ミストサウナにアロマがプラスされると浴室内の水分と共に香りが広がり、よりリフレッシュできる空間になりますよ。

【7.寝室】より良い眠りを香りでサポート

「寝室で使うエッセンシャルオイルも浴室同様、ラベンダーとスイートオレンジをおすすめします。

スイートオレンジの香りは、ご高齢の方を対象とした実験では入眠時にリラックス度が高まり、起床時は覚醒度が高まったという結果が出ています」(AEAJさん)

使い方は、ティッシュやコットンに数滴落として枕元に置きます。

公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)公式サイト「オレンジ・スイート精油がもたらす就眠前不安への生理的影響」

エッセンシャルオイルをめぐるQ&A

本棚と花

uchicoto

初めてのアロマ生活は迷ったり気になることも多いもの。AEAJさんにアロマ初心者にありがちな不安や疑問に答えていただきました。

Q:嗅覚が良い方ではありませんがアロマの効果は期待できますか?

エッセンシャルオイルを楽しむ女性

PIXTA

「意識できない程度の香りでも効果がみられた実験結果もありますので安心してください。香りが感じられないからといってエッセンシャルオイルの濃度を高くしても効果が強まらなかったという実験結果もありますので、エッセンシャルオイルは適量を用いてください」(AEAJさん)

Q:エッセンシャルオイルはどのくらいの期間で使い切ればよいですか?

時計

PIXTA

「一般的には開封後1年を目安に使い切るようにしてください。ただし先にもお話しましたが、柑橘系のエッセンシャルオイル(ベルガモット、スイートオレンジなど)は冷蔵庫で保管し、できれば開封後半年程度で使い切るのがベストです」(AEAJさん)

Q:使いきれなかったエッセンシャルオイルの活用方法は?

雑巾を絞る様子

PIXTA

「使いきれなかったエッセンシャルオイルは拭き掃除を行う時の水に少量を加えてお使いください。種類によっては殺菌効果が期待できます。注意点は水に浮いた油膜を直接手で触らないこと。油膜をそっと雑巾などで包むようにすると安心です」(AEAJさん)

Q:複数のエッセンシャルオイルを同じ器具(アロマストーン、リード、木製の皿)で使っても問題ありませんか?

ディフューザー・アロマストーン・サシェ

PIXTA

「問題ありません。香りが混ざってしまうのが気になる場合は水で洗い流してから使ってください。また、無水エタノールで拭くのも1つの方法です」(AEAJさん)

おわりに

アロマテラピーの専門家に教えていただき、専用の器具や多種類のエッセンシャルオイルをそろえなくても、毎日の暮らしにエッセンシャルオイルを簡単に取り入れる方法があることがわかりました。
お気に入りの香りを見つけて、快適なアロマ生活を始めてみませんか。

  • この記事取材先

    公益社団法⼈ ⽇本アロマ環境協会(AEAJ)

    公益社団法⼈ ⽇本アロマ環境協会(AEAJ)

    AEAJは内閣府に公益認定された、アロマテラピー関連で唯一の公益法人。植物の香りを用いた「アロマテラピー」を通じて人々の心身の健康に寄与することを目的に、アロマテラピーの普及・調査・研究などの活動を行っています。その一環として、アロマテラピー検定をはじめとした各種資格認定による、正しい知識と技能を持った人材育成に取り組んでいます。

    また、自然の香りある豊かな環境(アロマ環境)を未来につなぐため、環境カオリスタ検定や香育など、自然環境の保全・創造にむけた取り組みも推進しています。


    公益社団法⼈ ⽇本アロマ環境協会(AEAJ)

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公開日:2023.8.23

最終更新日:2024.3.29

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