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赤ちゃんの夜泣き、いつからいつまで? プロに聞く原因と対策とは?

多くの親を悩ませる赤ちゃんの夜泣き。そもそも何が原因で起こるのでしょうか。また解決するための方法とは? 夜泣きを防ぐ対策はあるのでしょうか。赤ちゃんの夜泣き対策の第一人者、NPO法人赤ちゃんの眠り研究所代表理事の清水悦子先生にお話を伺いました。

最終更新日:2024.1.2

目 次

夜泣きはいつから始まりいつまで続くの?

夜泣き

PIXTA

赤ちゃんが夜中に突然目を覚まして泣き叫んでしまう「夜泣き」。これといった原因もわからず延々と続くこともあり、親にとっては大きな負担となります。夜泣きはいつから始まっていつまで続くものなのでしょうか。また解決する方法とは?赤ちゃんの夜泣き対策の第一人者、赤ちゃんの眠り研究所代表理事の清水悦子先生にお話を伺いました。

ーーー赤ちゃんの夜泣きとは? 生後いつから始まるもの? 発達に影響は?

(清水先生)赤ちゃんは生まれてから生後1ヶ月くらいまでは、多くの授乳回数が必要で、頻繁に目を覚まして泣くものです。一般的にこの時期の泣きぐずりは夜泣きとは言われません。

ただ、成長するにつれ、通常は授乳間隔が空くようになり、長時間寝るようになっていきます。多くの赤ちゃんは生後2〜4ヶ月になると1時間ごとに起きるようなことは減り、夜3~5時間以上まとまった時間寝てくれるようになるでしょう。夜泣きとは、このように一旦長時間寝るようになったにもかかわらず、その後、生後5~6ヶ月の赤ちゃんが、突然夜泣いて寝なくなる現象です。

保育園の開始や引っ越しなど、環境の変化で夜泣きが始まることもあります。

泣く子ども

PIXTA

ーーー赤ちゃんの夜泣き、いつまで続くものですか?

(清水先生)何も対処しないでいると2〜3歳まで続くこともありますね。ある研究では何も対処しない家庭の場合、3歳まで過半数の赤ちゃんが夜泣きを続けたという結果になりました。

ーーー夜泣きのひどい赤ちゃんはきちんと睡眠がとれているのか心配になりますが、大丈夫なのでしょうか。

(清水先生)すぐに授乳して夜泣きが収まる場合、赤ちゃんの夜間睡眠に影響はありませんし、発達上も問題はありません。ただ、一度起こしてDVDを見せたり、別室の明るい部屋に連れて行くなどの対処をしていると、睡眠不足になって赤ちゃんの発達に影響が出てしまう可能性も心配になります。

夜泣きが起こる原因は主に2つ!

寝ている赤ちゃん

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ーーーそもそも夜泣きが起こる原因は何なのでしょうか。

(清水先生)夜泣きが起こる原因は主に2つ挙げられます。

1つは睡眠リズムの乱れです。赤ちゃんは体内時計も発達途上で、夜眠って朝起きるという生活リズムができておらず、睡眠リズムが乱れがちです。特に日本の場合、添い寝の文化があるため、大人の生活リズムに赤ちゃんが合わせることも多く、睡眠リズムが乱れやすくなる傾向にあります。

例えば、大人と遅くまで起きているからと明るいリビングで寝かせておいたり、一度寝かしつけた後にパパがお風呂に入れたりすると、睡眠リズムが乱れてしまいます。

2つ目の原因は寝かしつけの習慣です。赤ちゃんは夜中にふと目が覚めた時に、眠りについた時と同じ状況でないと、不安を感じて泣くことがあります。例えば、抱っこした状態で寝かしつけされたのに、起きた時に抱っこされていない。授乳されながら寝たのに起きたら授乳されていないなど。状況が変わったことに気づくと不安になって泣くのです。

サバンナ

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ーーーなぜ赤ちゃんは寝かしつけられた時と同じ状況でないと泣くのでしょうか。

(清水先生)これは哺乳類としての本能から来ているのではと考えています。元々、哺乳類は夜中に敵に襲われてもすぐ逃げられるようにレム睡眠前後の浅い眠りの時に、周囲に危険がないか確認する性質があります。眠りについた時と何か違う状況があれば、それは危険に繋がる可能性があるため、不安を感じて泣くのではないかととらえています。

ドイツの研究で、暗視カメラで赤ちゃんが寝ている様子を撮影した実験があり、夜中に平均7回ほど目を開いて周りを見ていることが確認されました。私も睡眠・覚醒を判断できる活動量計で実験したことがありますが、同じような結果が出て驚きました。

【夜泣きの対策1】睡眠リズムを整える

(清水先生)夜泣きの原因の1つが睡眠リズムの乱れだとお伝えしましたが、まずはこれを整えることから始めていきましょう。睡眠リズムが整い、就寝時間には眠い状態になっていることが最も大切です。以下の3つのステップで進めて行きます。

この3ステップをまずは1~2週間試してみます。これでも夜泣きが収まらない場合には、寝かしつけの習慣を変えていきましょう。

ステップ1:朝は7時までに起こす

子どもを寝かせる

PIXTA

朝は7時までに起こします。この時、カーテンを開けて太陽の光をたっぷり浴びさせると良いでしょう。日光を浴びることで体内時計がリセットされやすくなります。

ステップ2:昼寝の時間を調整し日中は活動的に過ごさせる

ベビーカーで眠る赤ちゃん

PIXTA

昼間はお散歩や外遊びなど太陽の光を浴びて身体を動かすようにします。昼寝の時間をうまく調整して外に出る時間を作りましょう。また夕寝をし過ぎると夜眠れなくなります。夕方5時以降は夕寝を控えるようにしましょう。

ステップ3:夜は8時までに寝かせ、寝る前30分はイチャイチャタイムに

赤ちゃんとの触れ合い

PIXTA

夜は遅くとも8時までに寝かせるのを目標とします。そのために7時半までに夕食・お風呂・歯磨きや着替えを済ませておく必要があります。寝る前30分は部屋を暗めにして、絵本を読んだり、スキンシップをしたりしてゆったりと過ごしましょう。

生後5〜6ヶ月くらいになると、次に何が起こるか予測できるようになります。そのため、食事、お風呂、着替え、歯磨きなど寝る前までの決まった流れを作ることで、心も身体も寝る準備が進みますよ。

【夜泣きの対策2】寝かしつけの習慣を変える

泣く赤ちゃん

PIXTA

(清水先生)お伝えしたように、赤ちゃんが夜中に起きた時に就寝時と同じ環境・状態でいることが大切です。もし、赤ちゃんが夜中に起きるたびに、抱っこや授乳を求めていて、その状況に親が疲れ切っているようであれば、抱っこしながら寝かしつけたり、授乳しながら寝かしつけたりする習慣をやめるという対策もあります。

「寝かしつけの習慣を変える=赤ちゃんにとっては安心感を奪われる」ことになるので、泣くのが当然です。中には1時間泣き続ける子もいます。でも、「泣きながら寝入ることができた」という経験をさせてあげることが大切なんです。

そのために、一旦、新しい寝かしつけの方法を決めたら、赤ちゃんが泣いたとしても前の方法には戻らず、新しい同じ方法で寝かしつけます。新しい寝かしつけ方としては、添い寝をしてお腹や背中を優しくトントン叩く方法がよくありますが、親が楽なもの選ぶといいでしょう。

寝かしつけの習慣を変えるまで大抵3日ほどはかかります。

3日を無事に乗り切るためには・・・?

(清水先生)寝かしつけの習慣を変えるには約3日必要とお伝えしましたが、赤ちゃんの泣き声を聞くのが辛くて元の習慣に戻してしまうママが多いように見受けられます。でも、元の習慣に戻してしまうと、赤ちゃんは「泣けば元の習慣に戻してくれる」と悪い意味で学習してしまいます。

3日間は家族にも協力してもらって乗り切りましょう。先に家族に予告しておくのも大切ですし、パパに寝かしつけをしてもらって、ママは別室で過ごすのもおすすめです。赤ちゃんも新しい方法に慣れようとがんばってくれていることを忘れずに、応援するような気持ちで見守ってあげられるといいですね。

「寝言泣き」って何? 夜泣きの予防方法とは?

赤ちゃんと添い寝する

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(清水先生)赤ちゃんは「寝言泣き」と言って、寝ぼけて小さく泣き声を出すことがあります。生後5〜6ヶ月になると脳の発達により、夜起きて急に泣くようになることが増えていきます。

この時、赤ちゃんが泣いたからと抱き上げたり、授乳して相手をしてしまうと、しっかり起こすことにつながり、また親が介入してくれないと眠れないという悪循環になることがあります。実は夜泣きが少ない子について調べると、親の眠りが深くて泣き声に気づかないケースが多いんです。泣き声に敏感な親も、気づかないふりをして赤ちゃんが自分の力で落ち着くのを待つのも大切ですよ。

月齢が高くなると2〜3分で夜泣きは終わらないこともあるので、なるべく小さいうちから気をつけてみるといいですね。母乳が安定するまで1時間に一度程度授乳していた場合も、母乳の分泌が安定して来る1ヶ月半以降くらいからは、泣き始めたらすぐに対応するのではなく、2〜3分、薄目を開けて様子を見るようにしてみてください。ただ寝ぼけて泣いているだけなら、そのままスッと眠りに戻ってくれることがあるでしょう。その調子で、ちょっと待つを続けると、ひどい夜泣きは予防できるでしょう。

夜泣きの対策を2つ試してもうまく行かないケースも・・・

(清水先生)赤ちゃんも私たち大人と同じ一人の人間。不安を感じやすい子、いろんなことに興味津々な子、頑固な子など、様々なタイプの子がいます。お伝えした対策で解決しないこともよくあります。

子どもが寝てくれないと、親の負担は非常に大きなものです。一人で悩みを抱え込まず、いろいろな人に相談しながら、愚痴を聞いてもらいながら、なんとか大変な時期を乗り切ってください。子どもの健康状態が心配な場合は、かかりつけの小児科や、子どもの睡眠を見てもらえる小児神経科などへ受診するのもいいでしょう。

また、私自身が代表理事をつとめるNPO法人赤ちゃんの眠り研究所では、乳幼児睡眠アドバイザーという認定資格をつくり、子育て家庭のねんねの悩みへの伴走者として、講座や相談に対応しています。自分を追い込まず、周囲の人に頼る練習をしていけたらいいですね。

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公開日:2020.10.29

最終更新日:2024.1.2

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