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「食塩・岩塩・減塩の塩ってどう違う?」意外と知らない【塩の種類と選び方】について

塩を買おうとすると岩塩、海塩、精製塩、最近は減塩の塩など種類があまりにも多く、いったいどの塩を選べばよいのか迷ってしまいますよね。ここでは塩の種類と選び方についてご紹介します。

最終更新日:2024.9.27

目 次

塩の種類はあまりにも幅広すぎる?

カラフルな岩塩

PIXTA

塩の種類は、原材料や製造方法によって非常に多岐に渡ります。塩の種類があまりにも多すぎるために、いったいどの塩を選べばよいのか迷って当然かもしれませんね。

塩の原材料と製造工程

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現在、これほど多くの種類の塩が流通しているのは、塩の専売制度の廃止によって、塩を自由に製造し販売できるようになったことが大きく影響しています。ここでは、主に市場に流通している家庭用の塩の種類とその特徴についてご紹介します。

【塩の種類】原材料による違いと特徴

塩の原材料

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海水

海水には塩分が含まれるので、海水の水分を取り除くことで塩をつくることができます。なお、日本ではイオン膜を利用して海水の塩分濃度を濃縮し、その後、煮つめて塩の結晶をつくる方法などがあります。

天日塩

天日塩とは、塩田に引き込んだ海水を太陽や風などの自然の力で蒸発させてつくる塩です。日本は雨と湿気が多いため天日塩の製法は難しいですが、メキシコやオーストラリアなどから輸入した天日塩を原材料として日本でつくられる塩もあります。

岩塩

岩塩は、もともとは海の水です。大昔に地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が結晶化し、その上に土砂が堆積して作られたと考えられています。形成時期は、なんと200万年から5億年前にも遡るのだとか。

日本ではアンデスのピンク色をしたローズソルトやヒマラヤ山脈などの岩塩が有名ですが、実は、世界の生産量の約3分の2は岩塩から作られているそうです。一方、日本で岩塩は見つかっていません。

岩塩は淡いピンク色、黒、黄色など様々な色があるのも特徴的ですが、これは火山やその土地の影響を受けているからなのだとか。

【塩の種類】採かん工程の違いと特徴

採かん工程の違い

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原材料の違いを理解したら、次は「採かん」といって濃い塩水を作る主な工程をみていきましょう。

イオン膜

海水中の塩分は、ナトリウムイオンなどのプラスのイオンと、塩化物イオンなどのマイナスのイオンに分かれています。その性質を利用して濃い塩水をつくる製法です。

まず、プラスのイオンだけを通す陽イオン膜、マイナスのイオンだけを通す陰イオン膜を交互に並べて配置します。そして両側から電気を流すと、プラスのイオンはマイナス側に、マイナスのイオンはプラス側に動こうとするのですが、この2種類のイオン膜がフィルターの役割を果たし、プラスのイオン(ナトリウムイオンなど)もマイナスのイオン(塩化物イオンなど)も集中する部屋ができます。

ここが塩分濃度が濃い場所なので、その濃い塩水だけを取り出します。

溶解

海外の塩田でつくられた天日塩や岩塩などの塩を、水に溶かして濃い塩水をつくる工程です。天日塩や岩塩などに含まれる不純物を取り除くことができます。

塩作りの様子

PIXTA

天日

海水を太陽熱や風など自然の力を利用し、水分を蒸発させて濃縮する方法です。

逆浸透膜

浸透圧の原理を利用した逆浸透膜という装置を使って海水中の塩分を濃縮する工程です。イオン膜とは原理が異なりますが、この方法でも海水を濃縮することができます。

【塩の種類】結晶化させる工程の違いと特徴

結晶化させる工程の違い

uchicoto

立釜

完全密閉された釜の中で、水蒸気の熱を利用して水分を蒸発させて塩の結晶を作る方法です。大型装置を使った連続運転が可能なので、大量生産にむいています。

平釜

密閉されていない釜で煮詰めて塩を作る方法です。

【塩の種類】品質調整工程の違いと特徴

品質調整工程の違い

uchicoto

塩の品質や結晶の形状を整える方法にはいろいろなやり方がありますが、ここでは主なものをご紹介します。

粉砕

塩の結晶を粉砕して小さくする工程。

乾燥

塩の水分を蒸発させて取り除き、塩をサラサラにする工程。

焼成

「焼塩」を作る工程で、塩の結晶を加熱して成分変化させ、サラサラにする工程。380℃以上の場合は「高温焼成」、380℃未満の場合は「低温焼成」と記載することもあるそうです。

混合

添加物を加えたり、異なる製法で作られた塩を混合する工程。

【塩の種類】よく売られている「粗塩」とは?

粗塩

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「粗塩」と書かれた商品を見かけることがありますが、実は、特に法律などによって明確に定義された言葉ではありません。一般的には、にがりを多く含むものや、粒子が粗いものなどが「粗塩」と表示されていることが多いようです。

【塩の種類】天然塩や自然塩と表示してはいけない?

塩田

PIXTA
塩田

食用の塩は、今も昔も全て原材料は海水に由来していますが、以前は他の商品と差別化するために「自然塩」「天然塩」と称して売られていた塩もあるようです。
今では「消費者に誤解を与える」との観点から、規約によって自然塩や天然塩と表示することが禁止されています。

【塩の選び方】まずはパッケージの表示をチェック

市販されている塩の多くは、そのパッケージに原材料、原産地、製造方法、栄養成分等の細かな情報が記載されています。どの塩を選べばよいのか迷った場合に、パッケージに記載されている情報を参考にしてみてください。商品名やキャッチコピーよりも成分表などを注意して見てみることをおススメします。

岩塩

PIXTA

塩の主成分は塩化ナトリウムでそのほかに、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。ナトリウムの割合が高いほどしょっぱくなります。成分によって味も変わりますのでミネラル分をチェックしてみましょう。

なお、パッケージの表示が適切に行われていると承認されている商品には、公正マークが記載されています。公正マークの有無も、その商品の信頼度をはかる上で一定の目安になりそうですね。

【塩の選び方】食材との組み合わせ

塩はミネラル分の量やバランス、また、粒子の大きさによって溶け方などが変わるので、味わいが異なります。

主なミネラル分による味の傾向

カルシウム・・・甘い味
カリウム・・・すっぱい味
マグネシウム・・・苦い味

粒子の大きさによる傾向

お肉と岩塩

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カツオのたたき

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◆大きめ・・・口の中で長く塩辛さが残る→赤みの肉・魚に合う(牛肉・カツオなど)

天ぷらと抹茶塩

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◆小さめ+酸味・・・すっと消える→油脂と合う(天ぷら・白身の魚・肉(鶏・豚))
◆小さめ+苦味・・・すっと溶ける→野菜に合う(トマトなど)

サラダに粒子の大きい岩塩などを使う場合には、岩塩は溶けにくいため塩味が物足りなく感じ、入れすぎてしまう場合もありますので注意してください。

塩を選ぶ際の注意点「塩なのに減塩!? 」

塩を選ぶ際の注意点

PIXTA

最近は「減塩の塩」も販売されています。これは塩化ナトリウムを減らし、近い味を持つ塩化カリウムを使って塩味を出しているものが多いようです。

カリウムの摂取制限を受けている方や、腎臓の悪い方や人工透析を受けている方は、カリウムが腎臓からうまく排出されない場合があるため、カリウムが多く含まれている「減塩の塩」はかかりつけ医と相談すると安心です。

おわりに

塩の選び方は、何を重視するかで、やはり違ってきます。あくまでも料理の脇役的なポジションですが、どうせなら素材を味をぐんと引き立してくれる名脇役を見つけ出したいものですね。実際にいくつか試してみて、自分や料理にあう塩を見つけ出してくださいね

参考:食用塩公正取引協議会

塩には賞味期限がない? 「その場所で大丈夫? 」塩の保存、正しく知ってサラサラに!

塩の保存

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公開日:2016.10.28

最終更新日:2024.9.27

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