これでいいの?【料理酒の使い方】
料理酒は、醤油やみりんとともに、日本料理に欠かせない調味料ですね。
「レシピにも載っているし、調味料としてちゃんと使っていますよ」という方も多いと思いますが、実は料理酒の使い方って、知っているようで知らないことが多いかも。
今回は料理酒の使い方についてご紹介します。
【料理酒の使い方】を学ぶならまず【役割】を知ろう
料理酒には大事な「役割」が「4つ」あります。いったいどんな役割があるのでしょうか?
1. 生臭さを消す
料理酒に含まれるアルコールが蒸発する際に、他の匂い成分も一緒に飛ばす効果があります。これを「共沸効果」と呼ぶそうです。
・「魚料理」で効果を発揮しそうですね。焼き魚の下味や煮魚の調理には大事な役割と言えそうです。
2. 素材をやわらかくする
アルコールの成分のおかげでしっとり素材がやわらかくなり、食感も良くなると言われています。
・「お肉料理」の下味や煮込みに料理酒を加えると、お肉のパサツキ防止に。
3. 味を染み込みやすくする
アルコールは浸透性が高いので、他の調味料の味も染み込みやすくなります。
・味が染み込みやすくなると、料理の「時短」にもつながりますね。
4. コク、うまみ、甘みをプラス
料理酒は料理にコクや旨味を加えるため、製造時に生まれる酸味や雑味を残しています。また料理酒には甘味料やうまみ調味料、酸味料などを添加しているケースもあります。
・料理において「隠し味」の役割を果たします。コクやうまみをプラスできる料理酒は頼もしい存在。
料理酒の使い方【料理酒を入れるタイミングは?】
脇役イメージのある料理酒ですが、実は【トップバッター】が向いています。
味を浸透させたり、素材をやわらかくする役割を発揮するためにも、料理酒は他の調味料よりも先に入れることが多いからです。
「調味料のさ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)」の最初の「さ」は、「さ(酒)+さ(砂糖)」と覚えておくと良いでしょう。
※「調味料のさしすせそ」についてはこちらもご覧ください。
料理酒の使い方で気をつけること【料理酒には「塩」が入っている】
手頃なお値段で買うことのできる「料理酒」はとても便利ですが、「料理酒」と記載がある商品の大半には「塩分」が含まれています。食品規格の「料理酒」には、2%前後の塩分が含まれているそう。
料理用のお酒である「料理酒」には、お酒としては飲めないように「塩分」を加える処置が酒造法で定められているからです。
「加塩」することで、お酒の販売免許のない店でも「調味料」として料理酒を販売できるようになっており、酒税がかからない分お値段がお手頃となっているんですね。
参考:ミツカンQ&A「料理酒にはなぜ塩が入っているのですか?」
参考:宝酒造よくあるご質問「料理酒のなかに食塩が入ったものがあるって本当?」
調理で気をつけること
料理酒を使用する時は、味付けに注意が必要です。基本的に、料理酒は「加塩」してあるからです。
レシピに「酒…大さじ○杯」とある場合は、「清酒」または「無塩」の料理酒を使用した際の分量になります。「加塩」の料理酒を使ってしまうと、出来上がりに塩気がプラスされてしまうので、注意してください。
「無塩」の料理酒は塩分が入っていないので、味に対する塩気の影響を気にすることなく使えますが、「加塩」の料理酒よりお値段は高くなります。
また、日本酒の「清酒」を料理酒として使うこともできます。塩分の心配がなく、和食専門店でも使われることが多いようです。こちらも「加塩」の料理酒よりお値段は高くなります。
料理酒の使い方をマスターしたら応用してみませんか?
料理酒の基本とも言える役割と使い方を見てきましたが、他にもちょっと意外な料理酒の使い方をご紹介します。
料理酒の使い方番外編1【火を使わない和え物にも】
【煮きり】という技、ご存知ですか?
料理酒を一度沸騰させてアルコール分を飛ばした料理酒を「煮きり」とよびます。
火を通さない和え物、酢の物などの料理に「煮きり」を使うと「角の取れたまろやかな味わい」になります。
「ちょっと酸っぱいな」「なにか物足りない味?」という時の味の調節に試したいですね。
一度沸騰させてアルコールを飛ばしているので、お子様のいらっしゃる家庭でも活用できそうですね。
※繊細な味の調節に使う技でもあるので、「無塩」の料理酒を使うのがおすすめです。
料理酒の使い方番外編2【うどんの出汁にちょっとプラス】
昆布とかつおでとった出汁を「うどん」などに使う時、仕上げに「小さじ1程度の料理酒を入れる」と味に変化が生まれます。
かつおの強い香りを抑えつつ昆布の味を引き出してくれるからです。
ほんのひと手間で、お出汁がさらにおいしくなったら嬉しいですね。ぜひ試してみてください。
おわりに
いかがでしたか? 普段何気なく使っていた料理酒には「4つの役割」と「使い方」という大事なポイントがありました。
また、「料理酒」には塩分が含まれていることが多いことにも注意し、効果的に使って、いつものお料理をさらに美味しくできたら嬉しいですね。