砂糖の種類や違いを一覧でチェック!
同じ白い砂糖でも、上白糖とグラニュー糖では甘さや糖度が異なることをご存じでしょうか。
また、白い砂糖ではほとんど含まれていないミネラルやビタミンが、黒砂糖や和三盆には豊富に含まれます。このように砂糖は種類によって味わいや成分に違いがあります。
普段何気なく選びがちな砂糖。それぞれの特徴や違いを知り、用途に合わせて選ぶと、料理の腕がグンと上がりますよ。砂糖の種類別の特徴や違い、適した使い方について詳しくご紹介します。
砂糖は種類によって甘さに違いが! 糖度とは?
砂糖の主成分はショ糖です。ショ糖はクセがなく、最も好ましい甘さを持つ物質といわれています。ショ糖の割合が多いほど甘さが増すため、ショ糖の含まれる割合のことを糖度と呼びます。
また、砂糖にはショ糖の他にも果糖やブドウ糖、ミネラル分などの別の成分が含まれています。
ショ糖の割合が高い「上白糖」や「グラニュー糖」の場合、甘さにクセがなく、さまざまな料理に展開しやすいという特徴があります。また、主成分は同じショ糖でも、ミネラル分の多い黒砂糖は、濃厚な甘みを持ちます。
砂糖によって「クセのない甘さ」や「コクがある甘さ」など味わいが違うのは、糖度を表すショ糖以外の成分が影響しているんですね。
白い砂糖と色の付いた砂糖の違いとは?
砂糖には白い砂糖と色の付いた砂糖がありますね。どちらも原料のサトウキビやてん菜(サトウダイコン)から作られます。
砂糖を大きく分けると、上白糖やグラニュー糖などの「分蜜糖(ぶんみつとう)」と、黒糖や和三盆などの「含蜜糖(がんみつとう)」に分類されます。
分蜜糖とは、サトウキビやてん菜(サトウダイコン)の絞り汁から糖蜜(とうみつ)を取り除き、結晶化させた物です。糖蜜を分ける工程を何度も繰り返して結晶化させることで、色は透明になり、あっさりした味わいに仕上がります。精製された砂糖は、精製糖とも呼ばれています。
なお、遠目で見るとこうした砂糖の色は白く見えます。分蜜糖自体は色素などの不純物が取り除かれた結晶で無色透明ですが、光を乱反射して白く見えるのです。
分蜜糖には、代表的なものに上白糖やグラニュー糖、氷砂糖などがあります。三温糖や中ざら糖は色が付いていますが、糖蜜を取り除いているので分蜜糖に分類されます。
一方、含蜜糖は糖蜜を分けず、糖蜜を豊富に含んだ状態で結晶化させたものです。含蜜糖は褐色や黒色など色が付いていて、原料のミネラルやビタミンが含まれているのが特徴です。黒砂糖(黒糖)や和三盆などがこれに当たります。
【分蜜糖1】上白糖の特徴
上白糖は、日本の家庭で最も消費量の多い砂糖です。結晶に糖液をかけてしっとりした食感に仕上げています。結晶は細かく、ソフトな風味が特徴です。
上白糖は、色もクセもないため幅広い用途に適しています。ジャムなど果物本来の色や香りを生かして、美しく仕上げたい時にも便利です。
【分蜜糖2】グラニュー糖の特徴
上白糖よりも結晶がやや大きく、サラサラとした砂糖です。クセのない甘さなので、飲み物や料理に入れても、他の素材の味を邪魔しません。お菓子や料理にも使われます。日本では上白糖が主流ですが、世界的には最も多く使われている砂糖です。
ただし、料理にコクを加えたい時には、すっきりとした味わいのグラニュー糖では物足りないかもしれません。コクを加えたい時には他の砂糖を使うとよいでしょう。
【分蜜糖3】粉砂糖の特徴
グラニュー糖を細かく砕いて作られたのが粉砂糖です。
粉砂糖は、サラサラとした雪のような食感と見た目の美しさから、フルーツやケーキなどお菓子のデコレーションによく使われます。
砂糖はとても湿気を吸収しやすい性質がありますが、粒の細かい粉砂糖は特に湿気を吸収しやすいので、開封後は密閉容器に入れて保存するようにしましょう。
【分蜜糖4】顆粒状砂糖の特徴
粉砂糖を顆粒状の粒に加工したものが顆粒状砂糖です。細かい穴が開いた多孔質の粒なので、粒の中に空気を含み、溶けやすいのが特徴です。
顆粒状砂糖は溶けやすいので、冷たい飲み物やヨーグルトなどのデザートに入れるのに便利です。また、空気を含んでいるので、ホイップクリームやメレンゲ作りに使うとふくらみが良くなります。
顆粒状砂糖を使う際の注意点は、上白糖と比べ容量に対して軽いこと。例えば、レシピで砂糖大さじ1と書かれていても、顆粒状糖を使う場合は大さじ1では足りません。顆粒状砂糖を使う場合は、レシピ通りの重量になるように重さを量る必要があります。
【分蜜糖5】三温糖の特徴
三温糖は薄い褐色ですが、分蜜糖に含まれます。サトウキビやてん菜(サトウダイコン)の絞り汁から糖蜜を取り除き、結晶化して上白糖やグラニュー糖を精製した後に残った糖みつを煮詰めて作るので、カラメルの色がつき薄い褐色に仕上がります。
三温糖は上白糖やグラニュー糖に比べて甘みが強く、特有の風味があります。煮物などコクを加えたい料理に使われます。
ただし、色が付いている分、白いヨーグルトやメレンゲ、ホイップクリームなどに混ぜた場合、仕上がりの色に影響が出ることも。白砂糖よりもお値段は若干高めです。
【分蜜糖6】氷砂糖の特徴
ゆっくりと時間をかけて結晶を大きくしたのが、氷砂糖です。溶けるのに時間がかかるため、果実酒などを作るのに最適です。
氷砂糖なら少しずつ溶けるので、果実のエキスを時間をかけて徐々に引き出し、風味豊かな味わいになります。クセのない上品な甘みなので、果実の味を邪魔しません。
【分蜜糖7】角砂糖の特徴
角砂糖は、グラニュー糖に糖液を加え、立方体に固めたものです。一個当たりの重さが一定なので、料理に使う際、分量を量る手間が省けて便利。コーヒーや紅茶などに入れるのに適しています。
【分蜜糖8】白ざら糖の特徴
結晶がグラニュー糖よりも大きく、無色透明で高純度の砂糖です。上白糖などに比べて高価なため、高級なお菓子や綿あめなどに使われます。また、白ザラ糖は結晶が大きいため、梅シロップや果実酒用に使うこともできます。
【分蜜糖9】中ざら糖(ざらめ)の特徴
中ざら糖は「ざらめ」とも呼ばれ、純度が高く結晶の粒が大きいのが特徴です。表面にカラメルをかけて仕上げるため、黄褐色となっています。
ざらめ特有のまろやかな風味があり、料理にコクを出します。しょうゆとの相性も良いので、煮物やすき焼き、卵焼きなどに入れるのもおすすめです。
中ざら糖は、他の砂糖と比べると容量に対して重くなっています。例えば、レシピで砂糖大さじ1と書かれていても、中ざら糖でレシピ通りに入れると多すぎになってしまいます。重さを量って調節してみてくださいね。
出典:独立行政法人国立健康・栄養研究所 「国民健康・栄養調査栄養摂取状況調査のための標準的図版ツールに基づく重量目安表」
てん菜糖や和三盆など色の付いた含蜜糖は栄養たっぷり!
前述の通り、含蜜糖とは、糖蜜を分けずにそのまま結晶化させたものです。白砂糖で失われがちなミネラルやビタミンも取れることから、ヘルシーな砂糖だと近年人気が出ています。黒砂糖(黒糖)、赤糖、和三盆など、いくつか種類があります。以下に詳しい情報をご紹介します。
【含蜜糖1】黒砂糖(黒糖)の特徴
黒砂糖(黒糖)の原料はサトウキビです。絞り汁を精製せずにそのまま煮詰めて作るため、ミネラルやカルシウムが豊富に含まれています。
濃厚な甘みや、コクの奥に渋みもある独特な味わいが特徴です。料理に使うだけでなく、そのままお茶請けにもできるので人気があります。
ただし、クセがあるので、料理の味や香りに影響が出やすい面も。ジャムやシロップなど素材の色を生かしたい場合は控えた方がよいでしょう。
黒砂糖(黒糖)と加工黒糖の違い
黒砂糖(黒糖)はサトウキビの絞り汁をそのまま煮詰めたもので、原料がサトウキビだけです。一方、加工黒糖は粗糖や糖蜜などに黒糖を加えて作ったもので、原料のひとつに黒糖が使われたものです。
【含蜜糖2】赤糖(あかとう)の特徴
赤糖とは含蜜糖の一種で、サトウキビの絞り汁から採れた原料糖と糖蜜をブレンドして作られています。糖蜜を配合するため、特有の風味があり甘さも強いのが特徴です。
上白糖などの分蜜糖(精製糖)と比べると、栄養価が高くコクのある味わいが魅力です。原料をそのまま煮詰めた黒砂糖と比べると、クセが強すぎず、料理に活用しやすいというメリットがあります。また原料やその産地、配合によってさまざまな味わいや栄養価のものがあるのも特徴です。
【含蜜糖3】和三盆の特徴
昔ながらの伝統的な製法で、サトウキビの絞り汁からアクを抜き、重石で圧迫したり手で揉んだりする作業を何度も繰り返しながら糖蜜を取り除きます。このとき、糖蜜をほどよく残しておくため、自然のまろやかな風味が残り、口溶け良く仕上がります。原料のサトウキビは竹糖という細い品種で、香川県や徳島県の限られた地域で栽培されています。
結晶の粒が非常に細かいため、口当たりが良く、独特な甘さがあります。和菓子の原料として使われることが多いです。
非常に高価なうえ、粒子が細かくとても湿気を吸いやすいため、開封後は密閉できる容器に入れて保存し、大切に使いたい砂糖です。
【含蜜糖4】てん菜糖などその他の含蜜糖の特徴
てん菜糖は北海道などで生産される「てん菜(サトウダイコン)」が原料です。てん菜の結晶は分蜜糖に分類される上白糖やビートグラニュー糖になります。てん菜の蜜分は、含蜜糖に分類されるてん菜糖になります。そのため、広義ではてん菜が原料の砂糖全般を指しますが、含蜜糖に分類されるてん菜糖を指すケースも多いです。
含蜜糖に分類されるてん菜糖にはオリゴ糖が多く含まれており、さっぱりとした甘さでクセがないのが特徴です。黄褐色もしくは薄茶色なので、素材の色を生かして色をきれいに出したい料理にはあまり向いていません。また粒子が大きめなので、菓子作りなどで粉に混ぜるときは、「やや混ざりにくく扱いにくい・・・」ということも。粉末タイプや顆粒タイプもあります。
おわりに
砂糖といってもいろいろな種類があります。それぞれの特徴を把握して使い分ければ、料理の腕もグンとアップしますね。
参考:農林水産省「違いを知って料理をおいしく!砂糖の種類と製造方法」
参考:農林水産省「砂糖の種類」
参考:独立行政法人農畜産業振興機構「砂糖は安心な自然食品」
参考:独立行政法人農畜産業振興機構「お砂糖知識」
出典:文部科学省「食品成分データベース」