子育てが辛い・・・そう感じてしまう理由とは? 辛さのピークとは?
子どもはかわいいけど子育てが辛いという声を耳にします。子育て特有の辛さとは何なのでしょうか。幼児教育の専門家で「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」の著者の立石美津子さん(以下、立石さん)にお話を伺いました。
立石さんによると、子育てが辛い理由の1つは、「自分のペースで事が進まない」こと。特に0〜3歳位は言葉を使った意思疎通が難しいので、何かと世話を焼く必要があります。子どもの自我が芽生え、意見を主張し始める2〜3歳が辛さのピークという人が多いとのこと。それを過ぎると子どもも自分の言葉で意思を伝えられるようになり、親も楽になってくるそうです。
確かに仕事であれば、タスク量が多かったとしても自分のペースで進められますが、子育ての場合そうはいきません。子どもが言うことを聞いてくれないのは困りますし、家事など何かの作業が中断されるのは誰でもイライラしますね。
子育てが辛い時、どのように乗り越えれば良いのでしょう。子育てにおいて、少しでも親が楽になるヒントをご紹介します。
子育てが辛い時に乗り超えるためのヒント1「意識して息抜きの時間を作る」
(立石さん)子育ては24時間無休の重労働です。息抜きは絶対に必要ですよ。意識して子どもと離れて息抜きをするようにしましょう。定期的に子どもを一時保育や信頼できる人に預けて良いんですよ。
「子どもを他人に任せるのが不安」という人は、家事代行を頼んだり、時短家電を活用して家事の負担を減らしましょう。子育てと家事、両方でイライラするよりは家事の負担だけでも減らせた方が良いからです。
たくさんのママを見ていて思うのは、お金の使い方は考え方次第ということ。「こんなことにお金を使うのはもったいない」と思うかもしれませんが、子育てで時間に追われて辛いのは、ほんの短い期間です。子どもにイライラして怒鳴ってしまうよりは、しっかりリフレッシュの時間を取って、余裕を持って子どもに向き合えた方がいいと思いませんか?
子育てが辛い時に乗り越えるためのヒント2「時には休んで自分を守る」
(立石さん)親だって一人の人間。イライラしたり、疲れていて子どもの相手ができない時もあります。そうした時は無理をせず休みましょう。好きな音楽を聴いたり、好きなものを食べるとリラックスしやすいですよ。
子どもを預けて一人の時間を作れれば良いですが、それが難しい場合、子どもの安全を確認した上で、トイレやお風呂場で深呼吸するだけでも違います。子どもの側を離れられない時は、こっそり耳栓をする方法も。子どもの泣き声を聞くのが辛い時もありますよね。
子育てで自分を犠牲にしていると、どうしても行き詰まってしまいます。辛い時は無理をせず、物理的に子どもと距離を置きましょう。
子どもも親も楽になる子育ての極意1「子どもに期待しない」
(立石さん)子どもに◯◯してほしい。◯◯になってほしいという理想はありませんか? 過度な期待をすると、自分もしんどいし、子どもにも無理をさせてしまいます。
自分の事なら努力して結果を出すことも可能ですが、自分と子どもは別の人間です。思い通りにならないのは当たり前だと思いましょう。子どものあるがままを受け入れることが大切です。
例えば、習い事の体操教室を辞めたいと子どもが言い出した時、叱って説得しようとするのはNG。また理由を問い詰めたくなりますが、小さな子どもにとって、「なぜ嫌になったのか」という気持ちを整理して人に伝えるのは難しいものです。
まずは「そっか、嫌になったんだね」と気持ちを受け止めてあげましょう。子どもは親に受け入れてもらえたと感じ、自分で自身の気持ちを整理しやすくなります。自分で冷静に感情を整理した結果、「やっぱりもう少し鉄棒頑張りたい」と言い出すかもしれません。
大切なのは、子ども自身が自分の感情を見つめ、整理して問題を解決することです。親が頭ごなしに子どもの感情を否定してしまうと、子どもの成長を妨げることになりますよ。
子どもも親も楽になる子育ての極意2「過保護・過干渉をしない」
(立石さん)子どもが片付けをしない時、「片付けしなさい」と言いながら親が自分で片付けていませんか?
また、学校に行った子どもが忘れ物をしたら親が届けていませんか?
このように本来、子どもがすべきことを親が先回りしてやってしまうと、子どもが自立する力を奪ってしまいます。子どもが困らないように、親はつい手を出したくなりますが、そこはグッと我慢しましょう。
子どもは失敗して困ることで、自分で解決する力が身につきます。失敗するのも大切な人生経験です。
子どもも親も楽になる子育ての極意3「常に子どものペースに合わせない」
(立石さん)私が幼児教室を運営している時にいつも遅刻してくるお子さんがいました。理由を聞くと、教室に向かう道中にある自動販売機のボタンを1つ1つ押すのを日課にしているというのです。
子どもの関心があることに親が付き合い、子どものペースに合わせて行動するのは良いことですが、いつもそのようにしていては困ります。遅れて教室に入る気まずさや、遅刻しても良いのだと親に承認される経験を積み重ねてしまうことになるからです。
時にはしつけとして、親の意見を伝え、従わせるのも大切です。
子どもも親も楽になる子育ての極意4「良い行動をしたら褒める」
(立石さん)親はどうしても悪い行動が目につくと叱ってしまいますが、本来は「褒めて伸ばす」方が効果的です。
例えば、片付けない子にいつも「片付けなさい」と叱るより、時々片付けた時に「良くできたね」と褒める方が、子どもの心に残りますし、良い行動に繋がりやすいんです。
慣れていないと、なかなか褒めるタイミングが掴めないかもしれません。「今日はお友達と上手に遊べていたね」「片付けてくれてありがとうね」など、小さな事で構わないので、意識して褒めるようにしましょう。
親としても、いつもガミガミ叱るのは負担になりますね。褒めていると、子どもは自然と伸びていきますよ。
子どもも親も楽になる子育ての極意5「兄弟喧嘩は基本“放置”する」
(立石さん)兄弟喧嘩やお友達との喧嘩、つい親は仲裁したくなりますが、基本、放置して良いんです。子どもは他者と言い争い、ぶつかることで、社会性を身に付けていきます。喧嘩は大切な訓練の場なんです。
親が無理やり謝らせても、子どもは自分の気持ちを受け止めてもらえないことに物足りなさを感じますし、自分の要求を主張できなくなってしまいます。
怪我をしない程度の喧嘩は放置し、収拾がつかないなと思ったら大人が介入しましょう。
おわりに
子育てが辛い時は意識して息抜きをして、ストレスをため過ぎないようにしたいですね。親も子どもも楽になる子育て術をぜひお試しください。