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「食卓での正しい布(クロス)使い」手軽にテーブルコーディネート(3)遠藤文香

フードスタイリストの遠藤文香さんに、家庭でもできるテーブルコーディネートをご紹介いただきます。第三回目は、「手作りウェルカムアイテム」です。遠藤さんがテーブルクロスの代用品としてよく使うアイテムや、布を使ったテーブルコーディネートの簡単なコツをご紹介します。

最終更新日:2024.9.27

目 次

思いがけない便利な布アイテム

ストール

Fumika Endo

私がテーブルクロスの代わりによく用いるアイテムの一つが「ストール」です。

幅や長さ、どちらもテーブルにかけるのがとっても便利な大きさであるのと同時に、柄や模様のバリエーションも豊富に手に入れることができます。

赤ストライプのクロス

赤のストライプが可愛いこちらのクロスも、ストールとして売られていたものです。

手芸屋さんで生地を購入してテーブルクロスを作ることもありますが、どうしても端の処理をしなければ美しく使用することはできません。

それに比べてストールの場合、もとから端の処理はされていますし、更には嬉しいことにフリンジなどのあしらいがされていたりもします。このストールも、両端の黄色と緑の縁取りがとても可愛いアクセントになっています。

花柄のクロス

こちらの華やかな花柄クロスも、もともとはストールでした。

このような大柄なものは、テーブルクロスとして探すとなかなか出会わないのですが、ストールであればぐんっと選択肢が広がります。

しっかりしたテーブルクロスは1万円を超えてしまうこともよくありますが、ストールであればおよそ1/5程度の価格帯から可愛いものを探すことができます。

センタークロス

Fumika Endo

もう一つ使用する頻度の高いのが、こちらの写真のような20~40cm幅程度の布です。

これは、テーブル全体を覆うものではなく、真ん中だけに敷くセンタークロスと呼ばれるものです。大きなテーブルクロスよりも少しカジュアルに、でも真ん中に一枚布が渡るだけでぐっと引き締まります。

センタークロスの使用例

センタークロスの使用例で使っているのは、実は着物の帯です。

我が家には祖母から形見として受け継いだ沢山の帯があり、それをセンタークロスの代わりに使用しています。着物用の帯としてはほとんど出番がないのですが、このように見事によみがえらせることができました。

間違いのないコツって?

和風のテーブルコーディネート例

Fumika Endo

さて、上記のような布アイテムを使って実際にコーディネートをしていく際、どのようなことに気を付けると良いのでしょうか。

今回は、一番簡単で間違いのないコツをご紹介します。それは「クロスと同系色でまとめる」こと。これから4枚の写真をご覧いただきながら解説します。

まずは、青を基調としたクロスを選びました。器やナプキンも、白・水色・青・紺の4色のみをセレクトすれば、晩夏をしっとり楽しむ和のテーブルのできあがりです。

温かい雰囲気のテーブルコーディネート例

Fumika Endo

次に、ストライプのクロスをベースに、その中に使われている4色、ベージュ・黄緑・濃い緑・茶色を、他のアイテム選びの基準にした例です。
温かい雰囲気のテーブルになりました。

シックなテーブルコーディネート例

Fumika Endo

無地のグレーのクロスの場合は、白・黒・グレーのモノトーンを中心にアイテムを選びました。少し大人っぽいシックなテーブルになりますね。

クロスの柄の色味で合わせたテーブルコーディネート例

Fumika Endo

一見こちらは他の例に比べて様々な色が入っているように感じるかもしれません。

ですが実は、器の緑色、ナプキンの白、赤紫、紫色など全て使っているクロスの柄の色味と同じものをセレクトしているのです。「同系色」もしくは「クロスの柄の色味」を他のアイテムに反映させることが大きなポイントです。

上記は分かりやすくセレクトした例ですが、クロスごとに全てのアイテムを変える必要はありません。

また、「今日は○○色系にする」と決めたらそれ以外の物は使わない、と心に留めておいてもらうだけでも十分です。家にある器やナプキンを出していくと、どうしてもまとまりのないテーブルになる・・・と思っていらっしゃる方は、ぜひ基準となるテーブルクロスを1枚選んでみて下さいね。

プロのスタイリストが使う裏技

クロスの比較

Fumika Endo

それでは最後に、私たちプロのスタイリストが撮影で実際に行っている、テーブルクロスを綺麗に敷く簡単な技をお教えしたいと思います。

こちらの左右2枚の写真、同じクロスで、左右のどちらにもアイロンがけをしていません。右の方がどうしてこんなにぴんっと綺麗に皺が伸びているのか、不思議に思われるでしょう。

これは布の下に敷いている「アンダークロス」に秘密があります。手芸屋さんの生地売場で「ネル生地を下さい」と言えば、起毛したフエルトのような素材の生地を出してくれるはずです。

テーブルの上にクロスを敷く際、まずこのネル生地を下に敷いてからクロスを敷きます。
そして手のひらを使ってやさしくなでるように伸ばすだけで、かなりの皺を綺麗に伸ばすことができます。

それでも気になる皺はアイロンをかけると良いですが、ネル生地を下に敷いていれば伸ばした皺が元に戻ってしまうこともほとんどありません。プロの簡単技、是非、活用してみてください。

みなさま、楽しんでくださいましたでしょうか。お伝えしたことが、皆様の食卓にほんの少し彩りを与えるお手伝いとなれば幸いです。

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  • この記事監修者

    遠藤文香(えんどう ふみか)

    フードスタイリスト

    遠藤文香(えんどう ふみか)

    書籍や雑誌でのフードスタイリングを主に手がける。
    著書に「毎日のうつわ」(日本文芸社)。

    フードスタイリストのお仕事のことや、プライベートのことをブログで紹介していますので、ぜひご覧ください。

    ブログ:「毎日をもっと美味しく・・・日々できること。」

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公開日:2016.3.29

最終更新日:2024.9.27

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