【蒸し器の選び方】中華鍋の上に置いて使う蒸籠とは?
中国の蒸し加熱容器。中華鍋に湯を沸かし、その上にのせて蒸し料理に使います。底はすのこ状で蒸気をよく通し、蓋は竹を細かく編んであるので適度に蒸気をこもらせることができます。同時に蒸気がうまく逃げ、下に水滴が落ちる心配がないので、ふきんをかけずにすみます。
蒸籠用蒸し台
小さな蒸し器で蒸すときに、中華鍋の上において使用します。中央に穴の開いた板で、蒸気が一カ所に出るようになっています。材質は木製の他、アルミやステンレス製があります。
蒸籠用枠
中華鍋と蒸籠の間に置きます。蒸し水がなくなっても、蒸籠を焦がす心配がありません。
直径30~90cmくらいまでいろいろな大きさがありますが、中華鍋の寸法に合わせて選びます。中華鍋の直径よりも3cmくらい小さめで、枠組みのしっかりしたものがよいでしょう。側面は木製の曲げもの細工、すのこは竹でできていますが、最近ではすのこの部分が手入れのラクなジュラルミン製(アルミ合金)やアルマイト製のものもあります。
【蒸し器の選び方】中に蒸気がこもり早く仕上がる鍋型蒸し器
鍋の中段に中敷きを置くずんどう型や、上下分離する二段式のせいろ型などがあります。形は丸型と角型があり、材質はアルミ(アルマイト)製が主流です。蒸籠に比べ中に蒸気がこもるので、熱のまわりが早くなります。湯が早く蒸発し水滴が落ちる欠点もありますが、持ち運び、手入れは楽といえます。
差し水がしやすいのは、せいろ型。中敷きをはずして鍋としても使えるのは、ずん胴型。中敷きは穴が一面に空いているものを選びます。同じ大きさなら丸型よりも角型の方がたくさん入ります。
手持ちの鍋と組み合わせて使うことができ、少量の蒸しものに便利なミニせいろうというものもあります。
万能蒸し皿(フリーサイズスチーマー)
ステンレス製で脚がついていて、周りの部分が蛇腹になっています。鍋のサイズに合わせる伸縮自在の蒸し板です。取り外しのきく中央の取っ手を持って、蒸したものを一緒に取り出すことができます。
【蒸し器の選び方】業務用での使用が多い和蒸籠
わせいろう、せいろともいい、地方によっては甑(こしき)と呼ばれ、木枠の底にすだれ(すだれぶた)を敷いたものです。形としては、木製で鍋に乗せて使う丸型と、釜に乗せて使う角型がありますが、角形は和菓子などの業務用がほとんどで、丸型は一般家庭でも使われなくなっているようです。
丸型
薄くした木を円筒状に作った曲げもの細工に、丸いすだれを敷いたもの。
角型
厚めの木で四角い枠の底に渡し木をかけ、すだれを乗せたもの。引き出し型のものもあります。
【蒸し器の種類ごとの取り扱い方法】蒸籠
取扱い上の注意
中華鍋は浅いので、湯を大量に沸かすことはできません。長時間蒸すときは空炊きしないように、途中でさし水(温度が下がらないように熱湯)をします。中華鍋の湯は蒸籠の外枠の底辺よりも常に0.2~0.3cm高めに入れておくと空炊きを予防でき、器具も傷めません。
蒸籠の枠は木製なので、空炊きすると炭になってしまいます。また、すのこのとじ目は焼き焦げてしまうと、バラバラになってしまいます。どちらにしても枠は一枚板でできていて、すのこをはめ込む仕組みになっているので、枠が焼け焦げてしまった修理は出来ません。長時間蒸す時は、こまめにタイマーをかけるなど注意が必要です。
使用後のお手入れ
使用後は台所用中性洗剤とスポンジでよく洗います。汚れが残りがちな、底の裏側や隙間は丁寧に洗います。洗った後は乾いたふきんでよく拭き、風通しのよいところで陰干しします。蓋は乾きにくいので、汚れたときだけ洗います。また、使用した中華鍋は油膜がはがれてしまっているので油ならしが必要です。
【蒸し器の種類ごとの取り扱い方法】鍋型蒸し器
取扱い上の注意
水量は蒸し時間によって加減しますが、多すぎて中敷き上にあふれでないように注意し、不足の場合さし水(温度が下がらないように熱湯)をします。水位線があるものはそれに従い、ない場合は中敷きより2.5~3cm下を目安にするとよいでしょう。熱のあたりが強いので、常に適度な蒸気が出あるように火力調節に気を配ります。
鍋型の蒸し器は蒸籠とちがって、蒸気が抜けきらずに水滴となって落ちることがあります。蓋から水滴が落ちると、料理の仕上がりが悪くなるので、蓋と本体の間にふきんをはさみます。ふきんの材質は、吸湿性のよい、目の粗いものが向いています。そのときにふきんの端を蓋の上で結び上げておいたり、輪ゴムなどで止めておくと炎で燃える心配がありません。
使用後のお手入れ
中敷きのはずれるものは取り外し、隙間に食品が残らないように台所中性洗剤とスポンジで丁寧に洗います。
蒸し器の使い方
蒸し器の使い方1
材料と材料の間をあける
蒸しものは蒸気で材料を加熱するため、蒸気が蒸し器内に均等にまわることが大切です。材料と材料は適度な隙間をあけ、まんべんなく蒸気が当たるようにします。
金属の蒸し器をつかう場合、中敷きに巻きすを敷くと蒸気が均一にまわります。バットや流し缶など、底の面積が大きく平らな容器で蒸す場合、蒸気の穴がふさがれてしまいがちです。そのため割り箸を並行に中敷きの上に置き、蒸気が器内に十分まわるようにします。
蒸し器の使い方2
必ず湯を沸騰させてから蒸す
簡易蒸し器も蒸籠も、必ず湯を沸騰させ、湯気が十分に上がってから材料を乗せるようにします。ぬるい状態で加熱をはじめると熱の通りが悪く、時間もかかり、水分過剰で水っぽい仕上がりになってしまいます。
材料を入れる時は、弱火か火を止めるようにします。そのあとの火加減は材料によって違うので注意しましょう。いつでも差し水できるように隣にやかんをかけておくとよいでしょう。
蒸し器の使い方3
大鉢を蒸すときはふきんを敷く
大鉢や大皿で蒸しものをするときは、大きめのふきんを敷き、その上に乗せて蒸します。ふきんを持ち上げるだけで、熱い皿をラクに取り出せます。また、プレートハンガーを使うと便利です。器をはさんで引き上げれば、簡単に取り出すことができます。
すのこに直接材料をのせるとき、サラダ油を薄く塗ったり、底にキャベツや白菜を敷くと材料がくっつきませんよ。
おわりに
せいろの種類や使い方についてご紹介しました。せいろを使いこなすとお料理の幅もぐっと広がりそうですね。
出典 : 東京ガス「食」情報センター企画「料理道具100%活用百科」