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高層マンション

住み替えで売れなかったらどうする? 事前対策と解決策をFPが解説!

マンションの住み替えを考える際、多くの人が不安に感じるのが「自分のマンションが売れなかったらどうしよう」ということではないでしょうか。マンションの住み替えの一般的な流れ、売れなかった場合のリスク、確実に売るための事前対策など、住み替えを成功させるためのアドバイスをファイナンシャルプランナー(FP)の有田美津子さんに伺いました。

最終更新日:2024.10.1

目 次

住み替えの一般的な流れとタイムスケジュール

住み替え スケジュール イメージ

PIXTA

マンションの住み替えには、主に3つのパターンがあります。

  1. 売却を先行させる(売り先行)
  2. 購入を先行させる(買い先行)
  3. 売却と購入を同時に行う(同時決済)


「住み替えのパターンの中では、売り先行が最も安心な方法といえるでしょう。今住んでいるマンションを売って得られたお金で次の家を買うので、予算も分かりやすいです。しかし、先行で売ってしまうと住む家がなくなって、一時的に仮住まいが必要になる可能性もあり、そのための費用と手間も発生し、2回引っ越しをしなければいけないというリスクもあります」(有田さん)

有田さんによると、住み替えに伴うマンション売買の傾向には不動産市況も大きく関わってくるそうです。

「不動産市況的にマンションが売りにくい時期には、まず確実に売って購入資金を得る『売り先行』を選択する人も多かったですが、マンション物件が少なくなり価格も高くなっている現在は、売りやすい状況なので『買い先行』にする人もいます。ただし、一般的には、売り買い『同時決済』を目指すことが多いでしょう」(有田さん)

同時決済で住み替えを行う場合のタイムスケジュール

同時決済で住み替えをする場合、一般的なタイムスケジュールは以下のようになります。

同時決済で住み替えを行う場合のタイムスケジュール

uchicoto

ただし、このスケジュールは目安であり、物件の状況や市場の動向によって変動する可能性があります。特に子どもの学校や保育園の問題がある場合は、それに合わせたスケジュール調整が必要になります。

例として取り上げた「同時決済」は、 タイミングが合えば、売却・購入・転居が一度に終わり、無駄がないのがメリットです。
「買い先行」であればダブルローン、「売り先行」であれば仮住まい家賃が発生するなどの心配がありますが、「同時決済」の場合は不要になります。

ただし、引き渡し期限までに時間が短いなど、スピーディーに手続きを進めなければならないデメリットがあるので、今回紹介する事前対策や解決策を参考にして進めるとよいでしょう。

売り出し中のマンションが「売れない」と判断する時期は?

住み替えについて調べるイメージ

PIXTA

どのような場合に、マンションが「売れない」と判断するのでしょうか。
有田さんによると、まず、以下のような状況が続く場合は注意が必要とのことです。

  • 広告掲載後、2~3週間経っても問い合わせや内覧の申し込みがない
  • 内覧はあるものの、2週間程度経っても具体的に購入意思を示す人が現れない


「専任媒介契約であれば、不動産屋さんには2週間に1度ごとに報告する義務があります。今どういう状況かという報告を受けて、反応がないようなら少し値下げしたり、広告の仕方を変えたりといった『売る作戦』を話し合うことが必要ですね。通常2週間何も動きがなければ対策を考える場合が多いと思います」(有田さん)
売買の仲介を1社の不動産会社にのみ依頼する媒介契約

同時決済で住み替えを行う場合はタイムリミットにも注意!

同時決済での住み替えを目指す場合、一般的には新居の引き渡し日の1カ月前までには売却先を決定する必要があります。

「買い手にとっては、購入を決定してからローンを組むのにも最低1カ月はかかります。ということは、ある時期に引き渡しを目指す場合、遅くともその1カ月手前には買い手が決まっていないと遅いという判断になります」(有田さん)

新居の購入が3カ月先であっても、買主のローンの審査期間や、審査に通らず再度買主を探さなくてはならない可能性を考えると、「売れない」と判断し、対策を急ぐタイミングは出来るだけ早めたいものですね。

売りたいマンションが売れなかった場合のリスク

住み替えに悩む家族のイメージ

PIXTA

マンションが思うように売れなかった場合、どんなリスクがあるのでしょうか? 有田さんに、想定される主なリスクを3点挙げていただきました。

リスク1 資金不足により新居購入に支障がでる

最も深刻なリスクは、売却予定のマンションが売れないことで、新居購入のための資金が確保できないことです。

「これまで住んでいたマンションの売却資金を住み替え先の購入資金にしようと思っていた場合は、新居を購入することができなくなってしまいます」(有田さん)

リスク2 手付流れや違約金が発生する

新居の購入契約を結んでいる場合、自己都合でキャンセルすると違約金が発生する可能性があります。

「買えない状況になってしまうと、契約不履行のため、手付け金を受領者に没収されてしまう『手付流れ』になったり、キャンセル時期によっては違約金が発生する場合もあります」(有田さん)

リスク3 計画の大幅な変更が必要になる

子どもの転校や保育園の入園、職場の異動など、住み替えに伴う計画の変更を余儀なくされる可能性があります。

「住み替え計画が頓挫すると、子どもの入学、入園などのスケジュールに間に合わなくなってとても困ることになりかねません。入園許可を得た保育園の入園を逃してしまったり、子どもの預け先が確定しないため職場復帰ができなくなったりというケースもあり得ます。働けなくなると、返済計画にも支障がでるかもしれません」(有田さん)

スムーズに売るためにやっておきたい事前対策は?

住み替えについて打ち合わせするイメージ

PIXTA

住み替えに際し、マンションが売れないのは大きなリスクになってしまいます。そこで、売却がスムーズにいくように準備しておきたい対策を伺いました。

事前対策1 綿密な資金計画を立てておく

住み替えを成功させるためには、綿密な資金計画が不可欠です。特に売却価格には注意が必要だと有田さんはいいます。

「売却予定の住居を何社かに査定してもらうと、中には高い価格を付けるところもあるかもしれません。しかし、高く付けた業者を選んだとしても、実際にその価格で売れるかどうかは分からないので注意が必要です。査定価格を参考に最初から高く売り出すか、売りやすいと思われる販売価格にするかは、売る目的やタイミングに応じて業者と一緒によく考えましょう。

売却希望価格だけでなく、下げざるを得ない場合の売却価格(底値)も設定し、その価格でも新居購入が可能かどうかを事前に確認しておくことが重要だと思います」(有田さん)

事前対策2 信頼できる業者と担当者を選定する

住み替えは複雑な取引のため、経験豊富で信頼できる仲介業者や不動産会社、そして担当者を選ぶことが大切になってきます。

「『必ず高く売れます』というような甘いことを言う業者さんではなく、スムーズに住み替えるためにどういう売り方、買い方をすればよいかという提案など、具体的なサポートをしてくれそうな業者さんを選んでおくことがとても重要です。

例えば、担当者が住み替えに不慣れで住み替えについての住宅ローンの付け方がうまくできなかったりすると時間やお金のロスが発生することもあります。良い話だけでなく、リスクもきちんと説明してくれる業者さんとお付き合いできることが望ましいですね。

良い業者さんかどうかを判断する方法としては、いろいろな疑問点を質問してみて、真摯に対応してくれるどうかといったことも一つの基準になります」(有田さん)

事前対策3 契約書に「買い替え特約」を入れる

旧居の売却がうまくいかなくて新居が購入できない場合のリスクを軽減するために、売買契約書に盛り込みたい事項があると有田さんはアドバイスします。

「指定の期日までに旧居が一定価格以上で売却できない場合、新居の購入契約を白紙にできる『買い替え特約』を契約書の中に入れておくという方法があります。契約違反になることを避けるためにも、住み替えの場合はぜひ入れておきたい事項です」(有田さん)

事前対策4 住み替え用の住宅ローンを選ぶ

住み替え用の住宅ローンを利用するという選択肢もあります。

「新居と旧居の住宅ローンが重なるとき、新居の住宅ローンについては元金返済の据置が最長1年可能になるといった住み替え時に便利なローンを出している金融機関もあります。利率は上乗せになりますが知っておくといいでしょう」(有田さん)

事前対策5 引き渡し時期の交渉

もし先に買いたい家が見つかった場合、売主と引き渡し時期を交渉しておく方法もあります。

「現実的には買いたい物件が見つかり、どうやったら住み替えできるかと考え始めるケースも多いです。今の家を売らないと資金が不足するという場合も多いはずですが、そのような場合は、売主さんの方と交渉して、売買契約を結んだ上で引き渡しを3カ月先とか4カ月先にしてもらい、その間に自分の家を売って資金を作るという方法を取る人もいます」(有田さん)

マンションが売れない場合の解決策は?

電卓

PIXTA

売り出したマンションが「売れない」と判断せざるを得ない場合、どのような解決策があるのでしょうか? 有田さんにいくつかの解決策を伺いました。

解決策1 販売価格の見直し

最も一般的な対策は、販売価格の見直しです。

「売り出しても全く反応がなかったら販売価格を値下げするしかないですよね。担当業者と相談の上、可能な範囲で、買い手がある価格まで引き下げることが通常のやり方です」(有田さん)

解決策2 広告の内容などを見直す

広告の内容を変更してもらうよう業者に相談し、物件の魅力をよりPRすることも有効です。

「広告の内容を見直すなど、売り方の作戦を改めて相談しましょう。また当然ながら状態の良い物件の方が売れやすいので、広告でも内見でもきれいに見せることが重要です」(有田さん)

解決策3 買取保証サービスの利用

解決策の一つとして、「買取保証」を行っている不動産会社などを選ぶというやり方もあります。

「最近では、不動産会社、仲介業者などで買取保証を提供しているケースがあります。これは、一定期間内に売却できない場合、予め定めた価格で買い取ってもらえるサービスです。不動産の売却が初めてだったりすると分からない点も多いですが、こういった買い取りサービスを利用すると安心感が得られると思います。また、売却を完了しなければいけない時期が決まっている場合や、急いで売却したいといった場合にも頼りになるでしょう」(有田さん)

最近では、AIを活用して最短1日で買取金額を提示するサービスもあります。東京ガスグループでは、独自に構築したAIを用いたマンション価格査定システムにより、実際のマンションを内見することなく、短期間での価格提示が可能です。一般的に事業者による直接買取は仲介取引と比べ、売却までの期間が短く、手間も少ない傾向にありますが、AIを活用することでこれまで以上にスピーディーにお客さまがマンションを売却できる環境を提供します。
※通常のマンション買取の場合、売却まで平均1.5カ月を要するものが本サービスを利用することで最短7日まで短縮

住み替えがストレスになる状況を避けるには?

ストレスに悩む人

PIXTA

本来、前向きな変化であるはずの住み替えですが、実際に動き始めるとストレスになってしまうケースもあるようです。こういったことを回避するにはどうすればよいのでしょうか。

「なぜ住み替えをしたいのかということを家族で十分に話し合っておくことが大事だと思います。部屋数を増やしたい、テレワークをしたいなど、住み替えの動機や目的をはっきりさせておき、家族間で行き違いが出ないように意見をしっかり共有しておくことですね。

こういった部分は業者さんも手伝えない部分です。また、やはり『売れない』という状況が続くのが最もストレスになるので、買取サービスを活用するのもひとつのやり方でしょう」(有田さん)

おわりに

住み替えをしたいけれど、もし旧居が売れなかったら? という不安がある方のために、住まいとお金に関するアドバイスを数多く行っているFPの有田美津子さんに事前対策や解決策などを伺いました。スケジュール通り確実に売却・購入して住み替えを成功させるには、業者の選定も重要になるほか、複数の選択肢をもって臨機応変に対応していくことが必要だと分かりました。
住み替えは新しい生活の始まりです。積極的に準備を進め、理想の住まいへの第一歩を踏み出しましょう。

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特長(4) 面倒なクリーニング不要! 室内はそのままでOK

リフォームやクリーニングは東京ガスリノベーションが買取後に行うため、売主の負担はゼロ。さらに家具や家電、生活用品などの不要品もそのまま引き取ってくれるので、手間も時間も節約できるのがうれしいポイントです。
また、新居の入居時期・契約決済の場所など、可能な限り売主さまのご希望を優先します。
※不用品の処理費用は成約金額から差し引かれる場合もございます。

特長(5) 契約不適合責任も免責に!

物件の不具合が発生した場合、売却後でも適応される可能性がある「契約不適合責任」は、個人間での不動産売買時にのみ発生するもの。東京ガスリノベーションにマンションの買取を依頼する場合は、事業者への売却となるため、心理的瑕疵の告知をしなかったなどのケースを除き、「契約不適合責任」は免責となります。

  • この記事取材先

    有田美津子

    住まいのお金専門ファイナンシャル・プランナー 

    有田美津子

    住まいのお金専門ファイナンシャル・プランナー
    有田美津子

    地価の高い東京で住まいのお金について悩む方たちのための住まいの購入や建替え、住み替え後も安心して生活できる予算診断を得意とする。自分の仕事での実務経験や実生活での経験から、売り手ではない第3者の立場でのアドバイスに力を入れている。
    地方銀行、大手住宅販売会社、損害保険会社、メガバンクでの実務経験を持つ。『“トク”する住宅ローンはこう借りる』(自由国民社)の監修を担当。

    1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
    CFP®(日本FP協会、「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」)
    住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
    相続診断士(相続診断協会)
    スカラシップアドバイザー(日本学生支援機構)

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公開日:2024.9.30

最終更新日:2024.10.1

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