成形に一工夫。 華やかなシナモンロールに目が釘付け!
ポリパン®レシピ連載4回目は応用編に突入です。アイシングがなんとも華やかな甘~いシナモンロールに挑戦です。応用編といってもパン生地作りはいつもと同じです。材料をポリ袋に入れてフリフリするだけ。こねる必要は一切ありません。
今回は最後の成形に少し手間をかけてあげましょう。シナモンフィリングをくるくる巻き込めば、こんなにも華やかなパンが焼き上がります。ちぎりながらいただけるので家族のおやつに、友人へのお持たせにも、大活躍しそうです。
とはいえ、きれいに成形できるか不安・・・という方もいるのではないでしょうか。丸型を使えば恐るることなかれ! 型にはめ込んでしまえば、きっちり形を整えなくても、できあがりはどこのお店で買ったの? と言われるくらいに見栄えよく焼き上がりますよ。
教えてくれるのはポリパン®の生みの親、天然酵母パン工房&ナチュラルフードスクールhappyDELI代表の梶晶子さん(以下、梶さん)です。
梶さん「この生地の配合は山食パンと同じものです。パンの基本ともいえるとてもシンプルな味わいなので、どんな具材とも相性がいいのが特徴です。おやつパンとしてだけでなく、具材を変えてお惣菜パンとして楽しむこともできますよ」
後章では具材を変えたアレンジレシピもご紹介します。具材を自分好みにカスタマイズできるのはうれしいですね。
ポリパン®なら、気が重い洗い物も最小限。材料さえそろえば、ふとした隙間時間にできる手軽さが魅力です。早速、材料と道具を確認してみましょう。
シナモンロール作りスタート! 最初に材料と道具をチェックしましょう。
今回は15cmの丸型を使用しました。型に入れればラフに成形ができますね。また、くるくると成形している間は生地が乾燥しやすいので、霧吹きで保湿しながら巻いてあげると仕上がりがふっくらとします。
ドライレーズンはそのまま使用すると生地の水分を吸ってパンが固くなってしまいます。さっと水にくぐらせざるにあげて、30分ほど戻してから使ってください。
梶さん「パン粉が入るのは意外かもしれませんが、発酵している間に砂糖が溶けて水分になるので、それで生地がベチャッとするのを防いでくれます」
材料(直径15cm、高さ6cmの丸型 1台分)
【生地】
- 強力粉・・・200g
※もしくは強力粉・・・150g+薄力粉・・・50gでも良い。薄力粉が入ると歯切れがよくなる
- 水・・・60g
- 牛乳・・・70g
※もしくは水・・・120gでも可。牛乳を入れるとしっとりとミルキーになる。焼き色が付きやすくなる
- 太白ゴマ油・・・10g(大さじ1)
※油はなたね油やオリーブ油でも可
- ホシノ天然酵母パン種の生種・・・16g
- 砂糖・・・10g(大さじ1)
- 塩・・・3g(小さじ1/2)
【フィリング】
- シナモン・・・小さじ1
- 砂糖・・・大さじ3
- パン粉・・・大さじ2
- レーズン・・・適宜(今回は50g)
【アイシング】
- 粉砂糖・・・20g
- 水・・・5~10g
※ホシノ天然酵母パン種の生種の作り方はこちら
Vol.1のイングリッシュマフィンでもご紹介した通り、ポリパン®はホシノ天然酵母パン種の生種を使うのがおすすめではありますが、インスタントドライイーストを使っても作ることができます。以下にその分量をご紹介しておきます。
- ゆっくり発酵させたい場合・・・小さじ1/15(0.2g) =粉量の0.1%
- 早めに発酵させたい場合・・・小さじ1/3(1g))=粉量の0.5%
いずれの場合も、もともとの水分量に、甘酒大さじ1か、水10gを足したものに、インスタントドライイーストを振り入れ、2~3分ふやかしてから混ぜて使います。
用意するもの
- ポリ袋
- 丸型(直径15cm、高さ6cm)
- クッキングシート
- 密閉容器(小・大)
- スケッパー
- めん棒
- 霧吹き
- ゴムベラ
- ハサミ
生地作りからおさらい~一次発酵まで
ポリパン®生地作りの基本はどんなパンでも同じです。基本を振り返って一次発酵までをおさらいしましょう。
Vol.1をおさらいしてからフリフリスタート!
分割~二次発酵
ここからシナモンロールらしい形を作っていきます。一次発酵後はポリ袋をカットして広げ、縦と横にスケッパーを滑らせながら生地を丸く整えます。ポリ袋や密閉容器をかぶせてベンチタイムを15~20分ほど取ったら成形を始めましょう。
梶さん「フィリングの広げ方にポイントがあります。型に入れて焼くのでポイントを押さえていればラフに巻いてOKです」
生地の準備1
ベンチタイム後、手のひら全体に粉を付けて生地の上部を軽くたたきながらつぶして平たくする。裏返して表と同様に手に粉を付けて生地の表面をたたく。
生地の準備2
めん棒で長方形に伸ばす。上下の端を5cm程残して生地の中央部分にめん棒を前後にかける。上下に残しておいた厚みのある部分を左右に開くようにめん棒をかけると角が出やすい。角をきっちりと作って、サイズをおよそ縦30×横15cmにする。
生地の準備3
表面に霧吹きをするとパウダー状のフィリングが生地に密着しやすくなる。
生地の準備4
レーズン以外のフィリングの材料を混ぜ合わせておく。上下1cmの余白を残してフィリングを広げる。
生地の準備5
戻しておいたレーズンを水切りして、全体に満遍なく散らす。
生地の準備6
手前から巻いていく。
生地の準備7
巻きが緩まないように巻き始めをギュッと押さえる。
生地の準備8
くるくると巻いていく。
生地の準備9
巻き終わりを上に引っ張る。
生地の準備10
生地を引っ張りながら巻きがほどけないように生地をつまんで上側で閉じる。
生地の準備11
巻き終わりを下にして、パン切り包丁で6等分にカットする。
生地の準備12
型にクッキングシートを敷いておく。生地が上に膨らむのでクッキングシートは長めにカットしておく。生地は中央から入れる。その後側面に沿ってバランスよく生地を5つ並べる。
生地の準備13
大きい密封容器に入れて蓋をする。二次発酵スタート。
密閉容器を置いておく場所は、急いでいるなら30~35℃の温かいところに置きます。発酵時間は約1時間〜1時間半程度です。室温20〜25℃であれば2時間〜3時間程度、冷蔵庫なら丸一日程度でしょうか。いずれにしても焦らずゆっくり発酵させるとおいしいパンになりますので、うまくご自分の生活スタイルにあわせて隙間時間を有効利用して発酵させてみましょう。
二次発酵完了~焼き上がりまで
二次発酵しておいた生地が、約2倍に膨らんだら二次発酵完了です。
イングリッシュマフィンの時のように、指の腹に粉をつけて優しく生地に触れてみましょう。生地が指を押し返すくらい張っているようなら発酵が不十分です。少し張りがあるけれど押したところがゆっくり元に戻るような生地が緩んだ状態になったら、二次発酵完了です。(生地を押したらへこんでしぼんでしまったら過発酵です)
生地が発酵すると、中のレーズンが飛び出してくるので、こんな感じで飛び出したレーズンを中に押し込みましょう。
いよいよ焼き上げです!
- ガスオーブンなら予熱なしで180℃で25分で焼きましょう。
- 電気オーブンなら予熱220℃に設定して、予熱完了後180℃で25分焼きましょう。
※オーブンの性能によって焼き温度や時間は多少変わります。
焼き上がったら、型の底面をトントンたたきせながらそっと取り出しましょう。
これだけでも、十分おいしそうですが、さらにアイシングで仕上げていきます。
梶さん「アイシングは温かいうちに行ってください。ハケがあればよりきれいに仕上がりますが、ボウルからそのまま流し込んでも大丈夫です。自然に流れる形がかわいらしいですよ」
アイシングが固まり、パンが冷めたら食べ頃です。
おやつパンだけじゃもったいない! お惣菜パンにもチャレンジ
くるくる巻き成形を覚えたら、具材を変えてお惣菜パンにアレンジしてみましょう。巻き方はシナモンロールと同じですが、型に入れずにアルミカップに乗せて焼き上げる方法をご紹介します。
より手軽で、持ち運びもコンパクトになるので日々のランチやピクニックにも重宝しそうですね。
材料
- ベーコン(スライス)・・・2~3枚
- タマネギ(スライス)・・・1/2個分(小さいタマネギなら1個分)
- とろけるチーズ・・・適量(お好みで)
- アルミカップ・・・6枚(内側に油をぬっておく)
作り方
- ベーコンとタマネギをくるくると巻いて6等分したら、アルミカップに乗せて二次発酵させる。
- 二次発酵後にとろけるチーズを乗せてオーブンで焼きます。
- ガスオーブンなら予熱なしで200℃で10~12分、電気オーブンなら予熱を220℃に設定して、予熱完了後200℃で12~13分焼きます。(オーブンの性能によって焼き時間、温度は変わります)
梶さん「シンプルな味わいの生地なので基本はどんな具材とも相性抜群ですよ。冷蔵庫の余り物のポテトサラダやきんぴらごぼう、作り過ぎてしまったパスタ用トマトソースなどもおすすめです。前夜の残りカレーだって使うことができますよ。その時はジャガイモを軽くつぶして巻きやすくしてくださいね。水分が多い材料は生地にパン粉を散らしてから乗せるといいですよ」
アイデア次第でどんどん楽しみが広がりそうですね!
ガスオーブンならパンがおいしく焼けます!
ガスオーブンはパン作りにとっていいことずくめ! その最大の魅力は予熱いらずで、短時間で焼き上げられることです。今すぐ焼き始めたいのに予熱温度がなかなか上がらない、なんていう経験をしたことのある方は、その立ち上がりの早さに驚くかもしれません。これはまさしく、炎のパワーを利用するガスオーブンだからこそなせるワザです。また、高温で焼き色が付きやすいので、仕上がりが美しいのも特徴です。食欲そそる香ばしい焼き色はパンのおいしさも倍増させてくれますよ。
グリルで焼き直すと、よりおいしい!
梶さんによると、発酵種のパンがおいしいのは、次の日。特にグリルで焼き直すと香ばしさがプラスされて、よりおいしくなるのだとか。ガスコンロのグリルを使えば、外はカリッと中はもっちりの仕上がりに!
最新のガスコンロには、料理を強力にサポートする便利機能が満載です。
自動で火加減を調整する揚げ物・焼き物に便利な「温度調節」機能や、ボタン一つでガス火炊きのご飯が炊き上がる「自動炊飯」機能。お湯が沸いたり、設定した時間になると消火する「湯わかし」や「コンロタイマー」機能など、「ガスコンロ」には調理をサポートする機能がたくさんあります。(※)
また、“魚を焼く”イメージの強い「グリル」ですが、実は肉や野菜料理、トーストやピザ、揚げもののあたため直しにも使える万能調理器です。
専用容器対応のグリルでは、手軽にオーブン料理も楽しめますよ。(※)
ガスコンロで「おいしい」をもっと簡単に! レパートリーをグンと増やしましょう!
(※)搭載機能や機能名は機種によって異なります。
おわりに
成形して一手間加えたパンは見た目にも楽しく、自分流のアレンジができるうれしさがありますね。ちょっと難しそうに感じていた成形も、型を使えば案外簡単だということが分かりました。この連載を通して、パン作りが身近になるといいですね。
次回は、みんな大好きおやつパンの王様メロンパンを作ります。ぜひお楽しみに!