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【利用者に聞く】空き家の管理を業者に任せるサービスとは? 実際の感想は?

「遠方に住んでいて、実家への往復が大変」「草木が伸び放題で、近隣に迷惑をかけていないか心配・・・」「長期不在にしていたら、家の空気が悪くなっていた」等々、空き家となった実家の管理に悩んでいる方が増えています。東京ガスが提供する空き家管理サービス「実家のお守り」は、空き家のお手入れを代行します。実際にサービスを利用しているAさん姉妹に話を伺いました。

最終更新日:2024.1.14

目 次

往復で2時間以上、築70年の実家が空き家に! 管理を任されたが・・・

今回取材に応じてくださったのは、Aさん姉妹。実家は築70年の建物で、住んでいた祖父は亡くなり、現在祖母は施設に入所して空き家となって丸2年。姉妹ともに実家までは往復2時間以上かかるほか、実家のある場所は歴史的景観保存地区に指定されているため簡単に建て替えることもできず、手入れや管理をどうしようか悩んでいました。

築70年というご実家

築70年というご実家

進む空き家の老朽化。台風やハチの巣も心配で・・・

――ご実家が空き家となって、一番心配していたことは何ですか?

まずはご近所に迷惑をかけてしまわないかということです。庭が荒れ放題になるのが、とても気になっていました。草木がぼうぼうになるのはもちろん、猫が出入りするほか、去年からハチの巣ができてしまって。一度は駆除したのですが、ハチも巣作りにいいポイントだと学習してしまうのか、その後なんども巣ができて・・・。お隣さんたちに万が一のことがあったら・・・と思うと、駆除しないわけにはいかないですし。

あとは、手入れをしないと、建物も加速度的に傷んでいくことです。リフォームするにしても売るにしても、古いままだとどうにもならない。きれいなほうがリフォームもしやすいし、売れるでしょう。築年数も経っているのでどうやって維持していくかは懸念していました。

――空き家管理サービス「実家のお守り」を利用する前は、どのようにご実家を管理されていたのでしょうか?

姉妹交代で、1か月に1回くらいの頻度で訪れ、なんとなく窓を開けて、「まあ大丈夫かな」と“見る”だけでしたし、ホコリも「ふーっ」と吹いて終わり(笑)。正直、とても億劫でした。先日の台風の時も、お隣の家に屋根が飛んでいかないか、また本当に屋根が飛んでしまったとしても、近くにいないからどうにもならないなと心配で・・・。今年も台風の後、「(実家を)見に行く?」というやりとりをしていました。

庭にいた猫

空き家の外観確認では、前回との違いも丁寧に確認

窓の開け閉めや草木の確認など、細かな現地調査で空き家での作業を決定

――「実家のお守り」では、どのようなことをしてもらっていますか?

外観確認、通風、通水、通電、郵便物の転送。それからそれぞれの部屋の簡単な掃除と、草木の確認と手入れです。換気と通電は必ずやることで、通水は希望があればということでした。通水も定期的に行わないと水道管が破裂するリスクもあると聞き、追加料金などもないため、お願いしています。

水道栓を開けて通水

水道栓を開けて通水

――依頼する内容は、どのように決めたのでしょうか?

最初に現地調査をしてくれるので、一緒に回りながら「どこが気になるか」、「どういうことならどこまでやってもらえるか」など、細かく相談して決めました。外周から見て回って、立て付けが悪いところとかを一通りチェックしていただき、「できる・できない」という判断をしながら。

外観確認も、“ふわーっ”と見るだけかなと思っていたら、壊れている場所がないかなど、作業する側の視点で本当に細かくチェック。勝手口からどこにつながるのかという間取りやルートの確認や、窓に鍵があるのかとか、また窓も開けられる場所とそうでない場所があるので、そういった建付けなどもすべて見ていってもらいました。

空き家の外壁の状態も細かくチェック

空き家の外壁の状態も細かくチェック

掃除については基本的に、家にあるアイテムを利用。掃除機を使って床の掃除、その他棚などを拭き掃除してもらっています。

掃除アイテム

使用している掃除道具

空き家独特のホコリ臭さやカビ臭さがなくなった!

――どのサービスに、いちばんメリットを感じましたか。

通風している間の時間を利用して、自分たちだけではなかなかできない庭のチェックや手入れ、部屋の掃除をしてくれるのは助かります。また、ハチの巣も見つけて連絡をくれました。定期的な目は大事だね、と姉妹で話をしています。

窓を開けて風を通す

外観確認の後、家に入るとまずは通風

また、庭は自分たちで除草剤をまいているんですが、枯れるのもタイムラグがあって、まくのはいいけど、その草をなかなか掃除にしに行けない。そうこうしているうちに、新しい雑草がどんどん生えてきてしまっていて・・・。「実家のお守り」をお願いするようになってから、そういった枯れ草の掃除を随時してくれるのは、大助かりです。

庭掃除

空き家の庭の掃除。定期的に行うことで、“荒れ果てた”印象にならない

――ご自身が管理していた時との“違い”は、何でしょうか?

定期的にきっちりやってくださるので、常に安心感があります。東京ガスさんが運営しているのも、絶対的な信頼感がありますね。また、第三者の目で「扉や鍵などが閉まらなくなっている」などといった異常を報告してくださるので、直さないといけない箇所が常にクリアになります。

正直驚いたのは、お掃除がすごく丁寧ということ。ホコリ臭さやカビ臭さが全くなくなりました。ホコリって、住んでなくてもすぐ溜まっちゃうので、自分たちでやっていたときは、どうしても「こないだやったのに・・・」という徒労感がありましたが、お願いするようになってからは、思った以上に、いつ来てもきれいです。

室内の掃除機がけ

隅から隅まで掃除機がけ

負担感が薄らぎ、気持ちに余裕が生まれた

――サービスを利用したことで、ご自身に変化はありましたか?

負担感がお互いに薄らいだのは、本当にありがたいです。仕事が忙しかったりすると、あっという間に1か月がたってしまい、「実家の様子を見に行かなくては」「掃除しなくては」などと相当のプレッシャーになっていましたが、今は安心感のうえに、お願いしている時間に他のことができるという、気持ち的な余裕も出てきました。

――今後どういったサービスがあれば利用してみたいですか?

例えば、網戸を直さなければならないとなったときに、できる範囲で修理してもらえるようなサービスがあれば利用してみたいと思います。「壊れてますよ」と報告いただいても「それをどうしたらいいのだろう」という壁があると思うんですけど、それが軽減されると思うので。

通水

通水。通電は必須だが、通水するかどうかは応相談

急に空き家となった実家。その管理はどうする?

2019年10月にサービスを開始した空き家管理サービス「実家のお守り」。サービスの内容やサービスを提供することになった経緯について、東京ガス暮らしサービス事業推進部の望月さんに伺いました。

望月:空き家の数は今、急速な勢いで増えています。2019年の調査では過去最高の846万戸※ 。住人が亡くなる場合や、介護が必要となり、空き家になるケースが多いようです。

家は一年間手を入れていないと、すぐに老朽化していきます。特に顕著なのは、湿気によるカビ。理由はさまざまですが、トイレの水が蒸発したり、梅雨の季節によって、家じゅうがカビてしまったりすることも。このため、定期的な換気は必須です。

また、排水管がひからびて下水のにおいがあがってくることもあり、通水も必要になってきますが、「そこまで手が回らない」という方は多いのではないでしょうか。

窓の開き具合のチェック

窓が開くかどうか、また開くなら“どこまで開くか”なども細かく記録

防犯上のリスクや、近隣トラブルの防止のためにも、定期的な点検が必須

望月:さらに、空き家は防犯上のリスクや、近隣とのトラブルのリスクも含んでいます。庭の草木がご近所の敷地まで伸びてしまったり、台風で瓦が飛ぶなどでご近所にも迷惑がかかってしまうことも。また、巣を作る、糞尿など、害虫・害獣の問題も孕んでいます。

空き家の手入れを「人に任せる」という新しい発想。東京ガスの空き家管理サービス「実家のお守り」とは?

蜘蛛の巣を発見し、駆除

蜘蛛の巣を発見し、駆除

望月:「実家のお守り」は、誰も住んでいない家のお手入れを、月1回行うサービス。作業内容は、お客さまとの現地調査(出張費・立会い費は無料)にて決定。外観確認をはじめ、換気、通水、草むしりなど、現地カウンセリングで決定した作業を行います。以下は作業の一例ですが、それ以外にも、適宜応相談。現地調査の後、具体的な範囲を打ち合わせします。

作業内容の一例

「換気」窓を開け、空気を入れ替え
「通水」全ての水栓を開放し、水を流す
「外観・内観確認」屋内外の異常(カビ、ひび割れ)を目視で確認
「草木の確認」草木が敷地外にはみ出していないか 目視で確認
「草むしり」お庭や玄関周りの雑草を取り除く
「郵便物回収」ポストからチラシ、郵便物などを回収し指定の場所に保管
「写真報告」外観・お部屋などのご指定いただいた箇所の写真および作業報告をメールで報告。また、緊急で報告すべきことが発生した場合、電話、メール等で早急にご報告。
「簡易清掃」家の中やお庭の簡単な掃除

不可能な作業

スタッフに危険が及ぶもの(高所の草むしりや、脚立に乗って掃除など)

東京ガスの空き家管理サービス「実家のお守り」で、賢く空き家を管理

実家のお守りのサービス紹介

TOKYO GAS

2022年3月、東京ガスでは、これまでの住宅に関する様々なノウハウを生かし、誰も住んでいない家のお手入れを行うサービス『実家のお守り』をスタートしました。
 
サービス内容は、月1回空き家を訪問し、換気や通水、草木の確認や草むしり、郵便物の回収などを行った上で、写真報告してくれるというもの。
 
利用料は月額9,900円(税込)~。遠方に住んでいて、空き家の管理のために休日を費やしている方や、高い交通費を負担している方にも、ありがたい価格設定ですね。
 
東京23区や東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の都市部でスタートしています。
 
草木のお手入れは、近隣からの苦情対策として。また、月1回、人の出入りがあることで、防犯対策にもつながります。
 
※ベーシックプランの利用料です。プラン詳細はこちらをご確認ください。

おわりに

「空き家管理サービス「実家のお守り」をお願いすることで、プレッシャーから解放されました」というAさん姉妹。愛着のある実家だからこそ、管理できないと心理的な負担も余計に大きくなるというものなのかもしれません。管理サービスを上手に利用することで、家の“健康維持”はもちろん、ネガティブな感情にならずにすむのも大事なことですね。

※出典:NPO法人 空家・空地管理センター

撮影/長谷 英史

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公開日:2019.10.23

最終更新日:2024.1.14

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