【遊び食べはいつまで? 】そもそも「遊び食べ」とは?
「遊び食べ」とは、その名の通り、赤ちゃんがご飯やおやつを食べながら遊び始めてしまうことです。具体的にはこんなことが「遊び食べ」と呼ばれます。
●食べ物を食べずにこねる、お皿の中身をぐちゃぐちゃに混ぜる
●他のお皿と中身を混ぜたり、食べ物をコップの中に入れる
●床に食べ物や食器を投げたり落としたりする
●椅子の上で立ち上がる、机の上に乗ろうとする
●食べている途中で立って歩き、また食べに来る
年齢的には、手足がよく動くようになる8ヶ月~1歳くらいの頃からが多いようです。
遊び食べはいつまで? どんな意味があるの?
基本的な考え方としては、遊び食べは「子どもの成長の証」です。
手足がよく動くようになり、色々なものに興味が出てくると、興味があるものにはすぐに手を出したくなってきます。
赤ちゃんは、おもちゃとそうでないものの区別が付かないので、食べ物の触感が気になったり、テーブルの上から物が落ちるのが楽しかったり、はたまたママ・パパの反応が面白かったりして、食べている途中で遊んでしまいます。
つまりは、食べるよりも遊ぶことに興味が向いている状態です。
赤ちゃんが決まった時間内に一定の量を食べられるようになるまでは、かなり個人差があります。遊び食べは、食欲、集中力、手先の動きなどがしっかりと発達するまで続きます。
これは子どもの発達段階の問題であり、しつけやマナーの問題ではありません。つまり、怒ったり叱ったりしても、あまり意味がないと言えます。
年齢としては、2~3歳頃まで続く子どもが多いようです。
食事は毎日することを考えるとかなり長い期間なので、長い目で見て対処法を考えることが大切ですね。
【遊び食べはいつまで? 】上手な対処法4つ
大人の感覚からすると、非常にストレスが溜まってしまいがちな「遊び食べ」。
「怒ったり叱ったりしても意味がない」と上述しましたが、「怒ってはいけない」「見守らなければ」と我慢をするのも大変です。
親がなるべく精神的に無理をしなくて済み、子どもにとってもハッピーな対処法をご紹介します。
1. 汚れをなるべく防ぐ対策をする
この段階の赤ちゃんの食事において、「汚させない」というのは難しいことです。
スプーンで食べさせるのはお互い楽ですが、赤ちゃんの手先の発達のため、また「自分の意思で主体的に食事をする」という意識を育むためにも、自分の手で食べさせてあげることも大切です。
とはいえ、自分で食べさせると、机の上も下も大変なことになりますよね。
幸い、現代は便利なアイテムがたくさんあるので、物理的な環境を整えることでストレスを減らすことがおすすめです。
●ひっくり返りにくいお皿やコップを使う
お皿やお椀を、赤ちゃんが手に持ってひっくり返すと大変です。シリコンなどでできた、机にくっついてひっくり返りにくい食事プレートや、底が大きく倒れにくい赤ちゃん用のコップを活用すると便利です。落とすと割れる物はなるべく避けて。
●エプロンやスモッグを着せる
食べこぼしをキャッチするポケットが付いた物や、袖まで覆ってしまうようなタイプが便利です。洗って拭けば再度使えるものを使うか、洗い替えに複数枚用意しましょう。
●手拭き・口拭きを常備する
ウェットティッシュやガーゼなど、赤ちゃんの手・口や、机にこぼしたものをさっと拭けるようにしておくと便利です。
●椅子にクッションや座布団を敷かないようにする
ハイローチェアなど、椅子にクッションが敷いてあるものでは、汚れるたびに洗う必要があって大変です。赤ちゃんが自分で食べるようになったら、木やプラスチック製の、拭き掃除が楽な椅子に切り替えることがおすすめです。
2. 片付けが楽ちんな対策をする
汚れをなるべく防いでも、やっぱり汚れてしまうもの。汚れたときに片付けが楽になるように対策をしましょう。
●食事の後は着替えをする
食事のたびに、思い切って全身お着替えさせてしまうのも一つの手です。夕飯はお風呂の前に食べると、たとえ髪の毛まで汚れても「お風呂だからいいか」と思えて気が楽になりますよ。
●テーブルの上に大きなマットを敷く
赤ちゃんがひっくり返さないよう、吸盤などが付いた物も。
お皿とマットが一体になったタイプなどもあります。
●床にシートを敷く
床にこぼしたとき用に、レジャーシートや新聞・チラシを敷いておきましょう。
●乾湿両用のハンディ掃除機を使う
水気のあるものもそのまま吸えるハンディ掃除機があると便利です。
●床拭きロボットを導入する
床を水拭きしてくれるお掃除ロボットを使うと、床がべたべたになっても自動でキレイにしてくれるので便利です。ゴミを吸引する掃除機タイプのものと違って音も静かで排気もないので、食事中に起動しても気になりませんよ。
3. 無理に食べさせず、食べたがったらあげる
子どもが席を立ったり、立ち歩いたりするようになったら、追いかけてまで食べさせることはやめましょう。遊びながら食べるクセがついてしまいます。
また、赤ちゃんが食べないときに、食べさせようと何度も勧めるのも避けましょう。
特に離乳食の時期は、ミルクやおっぱいとの併用などで、あまり食べないこともよくありますが、発達に伴って食欲が出てくるので、焦らなくても大丈夫です。
赤ちゃんが食事中に席を立ったり、食べ物を投げたりして「遊び始めたな」と思ったら「遊んだらごちそうさまね」と静かに声をかけて片づけます。特に怒ったり叱ったりする必要はありません。
まだお腹がいっぱいになっていなければ、お皿に手を伸ばしたり、他の人のお皿を指さしたりと「もっと食べたい」という意思表示をするはずです。そのように食べたがったら、また先に座らせ、お皿を渡して食べさせます。そして、遊び食べが始まったら片づけます。
根気が要りますが、この作業を繰り返すことで、「食べるときは座る」「遊ぶときは食べない」ということを、赤ちゃんは少しずつ学習していきます。
4. 生活リズムを整え、食事の時間を決める
赤ちゃんが食事に集中できる時間は、とても短いもの。遊んでは戻って食べ、遊んでは戻って食べ、ということをあまり繰り返すと、いつまでも食事が終わりません。惰性で食べている場合もあるので、15分~30分を目安に、「じゃあごちそうさまね」といって片付けましょう。
それでも後からまたお腹を空かせてしまうような場合は、そもそも食事が始まる前におやつを与えすぎてしまったり、食事や睡眠の時間が不規則だったりして、空腹でなかったということが考えられます。
ある程度お腹を空かせてから食事にすれば、まとめて食べることができるはずです。
なるべく規則正しい生活を送り、おやつや食事も時間を決めて食べさせるようにしましょう。
おわりに
遊び食べはいつからいつまでか、遊び食べの意味、そして親も子どももストレスを溜めないための上手な対処法についてご紹介しました。
遊んでばかりでちっとも食べないと心配になりますが、赤ちゃんの食欲にはムラがありますし、食べること自体への興味も個人差が大きいものです。基本的には、体重や健康状態が良好なら問題はありません。
遊び食べ自体は、発達の証であり、大切なステップです。上手に対処することで、親子で楽しい食事の時間を過ごせるようになるといいですね。
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