この記事でわかること
- 給湯器の壊れる前兆がわかる
- 交換や点検の目安時期がわかる
- 不具合が生じたまま使い続けたときの危険性がわかる
給湯器が壊れる前兆となる7つのサイン
給湯器が壊れる前にはさまざまな故障の前兆が見られます。
特に、以下のようなサインは故障につながるリスクが高いので注意が必要です。
壊れるまで使うのは一酸化炭素中毒や火災の危険があるため、おすすめしません。
お湯が出ない・時間がかかる
お湯が出ないときや、出るまでに通常よりも時間がかかる場合は、給湯器内部の部品が経年劣化している可能性が高いでしょう。
たとえば、ファンモーターやガス電磁弁、電装基盤など考えられる原因はさまざまです。
一つのパーツだけであれば修理できる可能性もありますが、複数の箇所が劣化している場合は交換をした方が良いケースも多いです。
原因の特定が難しいため、業者に点検を依頼しましょう。
お湯の温度が不安定になる
給湯器の温度設定を操作していないにも関わらず、お湯が設定温度よりも冷たかったり熱かったりする場合は、故障の前兆かもしれません。
内部の温度調節センサーが故障している可能性があります。
もしもリモコンにエラーコードが出ていたら、業者に番号を伝えてください。
以下に主なエラーコードと内容を記載します。
- 111:点火不良
- 140:温度ヒューズ断線
- 200:異常高温検知
- 632:お湯の循環不足
- 661:水量サーボ異常
エラーが出ていなければ、給湯器以外に不具合があるかもしれません。
いずれにせよ、お湯が安定しなければ快適に利用できないので、相談してみましょう。
追い焚きができない・すぐ止まる
追い炊き機能が正常に作動しないときは、湯温や湯量を測るセンサーや、電気系統に不具合が生じている可能性があります。
給湯器の内部に問題がある場合は、業者に修理を頼まなければいけません。
しかし、お湯の量が少なすぎるときは、お湯を足せば正常に作動する場合もあります。
また、フィルターの汚れを取り除くと解決するケースも考えられます。
事例を確認して交換するべきか検討しましょう。
給湯器から異音や異臭が発生している
給湯器から異音がした場合、ガス電磁弁やバーナー(燃焼管)、ファンモーターの不具合で、着火不良が起きているかもしれません。
また、爆発音の後にガスのようなにおいがしたときは、不完全燃焼やガス漏れが起きている可能性があり危険です。
これから紹介する異音と異臭の特徴に当てはまっている場合はすぐに使用を中止して、早めに業者に問い合わせましょう。
異音がする
ガスを利用しているため少なからず音は発生しますが、いつもと違う音が聞こえた際は注意が必要です。
以下のような音が聞こえたら、異常音と考えると良いでしょう。
- ピー:笛のような音。ファンモーターの不具合の可能性あり
- キーン:共鳴するような音。配管に問題があるかも
- カタカタ:経過とともに大きくなる場合は要注意。内部部品の劣化や故障が原因かも
- ゴーッ:排気口に異物がある可能性あり。使い続けると故障の原因に
- ボンッ:不完全燃焼の恐れがあり。すぐに使用を中止して業者へ連絡を
一方で、ブーン、ピヨピヨ、ウーン、クックックーといった音は、給湯器の稼働の際に発生する正常音です。
異音と正常音を見極めるためには、以下の記事で詳しく解説しています。
2024年10月04日
給湯器から異音が!音の種類や原因をタイプ別に徹底解説
使用中の給湯器から故障を感じさせるような音が聞こえてくると、不安を感じますよね。 特に冬場での給湯器の故障は、日常生活を送る上で困ってしまいます。 給湯器は給気や排気、燃焼、循環などの動作を繰り返しており、さまざまな音が出るもので、全て故障というわけではありません。 そこで、異音と正常な作動音についてご紹介します。 ご自宅の給湯器から聞こえてくる音が異常なのか、正常なのかを正しく判断し、快適な生活を送るための参考にしてください。
異臭がする
ガスや焦げ臭いなどの異臭を感じたら不完全燃焼が発生しており、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があります。
また、火災のリスクもあるので、直ちに使用を中止して給湯器の交換を依頼しましょう。
特に、灯油(石油)式の給湯器は燃焼不良が起きやすいため、注意してください。
部品の経年劣化やバーナー関係が故障している恐れもあるので、異常を感じたら問い合わせましょう。
給湯器から水漏れしている
給湯器が水漏れしている場合、内部で不完全燃焼を起こしている可能性が考えられます。
不完全燃焼が起きると一酸化炭素が室内に充満し、一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
一酸化炭素はニオイがなく、自覚症状がないため大変危険です。
給湯器の水漏れの原因は以下のものが考えられます。
- 部品の経年劣化
- 配管の凍結
- 設置・取付ミス
それぞれに適した対応が求められるので、プロに確認してもらいましょう。
ただし、水抜き栓から水が出ている場合は、機能上の理由から問題がないケースがほとんどです。
しかし、ずっと水が出ているときや、通常よりも水の量が多いと感じたら業者に相談してみましょう。
給湯器から煙が出ている
給湯器から煙が出ている場合、煙の色に注目してください。
給湯器から黒い煙が出ていたら、不完全燃焼が起きているサインです。
速やかに使用を中止し、一刻も早く修理または交換を依頼してください。
排気口から白い煙が発生している場合、水蒸気の可能性が高いです。
水蒸気は、特に問題はなく、気温の低い時期に発生しやすいです。
ただし、白い煙であっても、使用を終えてからしばらく煙が発生していたら注意してください。
おかしいと感じた場合は、業者に相談してみましょう。
給湯器の排気口が錆びたり黒ずんだりしている
排気口が錆びたり黒ずんでいたりするときは、給湯器内部の水漏れが原因で腐食している可能性があります。
また、不完全燃焼でガスが漏れているリスクもあるので、安全のために使用は中断しましょう。
広範囲で錆びている場合は、部品による経年劣化が考えられます。
錆びているからといって必ずしも故障しているとはいえませんが、錆びの原因は特定すべきでしょう。
給湯器が壊れる前兆が現れるのはいつ?
給湯器の標準使用期間や交換・目安時期を紹介します。
寿命を超えて使うのは故障の可能性が高くなるので、おすすめできません。
給湯器が壊れる前兆が現れる時期を理由とともに解説します。
給湯器の設計上は10年が寿命
多くの給湯器の標準使用期間は10年です。
10年をすぎると金具や配管の劣化、故障するリスクが高まるので、不具合を感じたら交換を検討しても良いでしょう。
10年前後使用するとリモコン上に「88」・「888」といった数字が表示され、点検時期を知らせてくれる給湯器もあります。
ノーリツは全機種で表示されますが、リンナイ・パロマ・パーパスは一部の機種のみのため、注意してください。
給湯器を20年・30年と使い続けるのは危険
使用環境や使用頻度にもよりますが、給湯器の標準的な耐用年数は10年です。
寿命が過ぎたら異音や異臭、水漏れなどのトラブルがいつ発生してもおかしくありません。
たしかに、ひと昔前のシンプルな給湯器は、20年ほど使用できた機種もありました。
しかし、現在の給湯器は10年を目安に点検・交換するように推奨されています。
壊れていないからと20年・30年と長く使うのは危険なので、やめておきましょう。
給湯器が壊れる前兆を感じたら早めに交換を
給湯器を故障したまま使い続けると、場合によっては不完全燃焼を起こし、火災や一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
一酸化炭素はニオイが発生せず、気づかないうちに中毒症状を起こす可能性があるので大変危険です。
給湯器の標準使用期間は10年ですが、安全面を考慮すると壊れてしまう前に交換するのがおすすめです。
また、給湯器の一般的な交換費用の相場は、以下の記事で掲載しています。
交換を考えて、費用について知りたい方はこちらも合わせてご参照ください。
2024年10月04日
給湯器の交換はいくらかかる?給湯器の種類と価格をご紹介します
給湯器が故障すると、お湯が使えない・お風呂に入れないなど生活する上で不便であることはもちろん、予定していなかった高額の出費に頭を抱える人も少なくないはずです。給湯器の交換は、意外に費用がかかります。 今回は給湯器の種類、コストなど、給湯器交換の際に役立つ情報についてご紹介します。
修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!
給湯器の耐用年数注)は約10年です。10年以上経過している場合、故障の頻度も増えていきます。
トラブル発生時は「修理」と「交換」の要望はほぼ同じですが、最終的な解決方法は10年を境に差が出てきます。ご利用年数が10年以下なら修理、10年以上なら交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。