給湯器がガス臭いときにまずやるべきこと
給湯器を使用していてガス臭を感じる原因は、いくつかのパターンに分けられます。中には早急に対応が必要なケースもありますが、原因を特定する前にまずは身の安全を確保しなければなりません。屋内の給湯器がガス臭い場合と屋外の給湯器がガス臭い場合とでは対応方法も大きく違うため、それぞれ把握しておきましょう。
屋内の給湯器がガス臭い場合
屋内にいてガス臭いと感じた場合は、以下に解説する3つの手順に沿って対応してください。屋内でのガス漏れは、ご自分やご家族の安全を確保しつつ素早く行動を起こすことが大切です。
1. 換気をする
室内にガスが充満している可能性があるため、窓を大きく開けて空気の入れ替えをしてください。その際、換気扇や扇風機などの電化製品は絶対に使ってはいけません。電源のスイッチを入れた際の静電気や火花が、ガスに引火するリスクがあるためです。
窓は2カ所以上空けると空気の通り道ができるので、効率良く換気することができます。使用しているガスが都市ガスの場合は、空気より軽いため高い場所に滞留する特性があります。一方、プロパンガスの場合は空気より重いため、低い場所に滞留します。お使いのガスの種類に応じて、効率良く換気できる位置にある窓を開けて対応しましょう。
2. 全ての火気の使用を止めてガスの元栓を閉める
全てのガス機器の使用を止めてください。ガス臭がするからといって、その場で原因を特定するような行動はせずに、身の安全の確保を優先しましょう。ガス機器を止めたら、次にガス栓(元栓)を閉めます。
3. 早急にガス会社に連絡
ガスの使用を止めて室内の換気ができたら、お住まいの地域のガス会社に連絡してください。賃貸住宅にお住まいの場合も、まずはガス会社に連絡するようにしましょう。ガス会社からの指示に従い、担当者が現地に到着するまで火気の使用は止め、テレビなどの電化製品もスイッチを入れないでください。
東京ガス供給エリアにお住いの方は、東京ガスのガス漏れ通報専用電話に連絡してください。
ガス漏れ通報専用電話
24時間365日予約受付中(ナビダイヤル)
ナビダイヤルをご使用になれない場合(IP電話・海外からのご利用など)
注) 詳しくは「ガス臭いときは|東京ガスネットワーク」をご確認ください。
電話番号を間違えないように、確認した上でおかけください。
屋外の給湯器がガス臭い場合
屋内ではなく屋外からガス臭がする場合は、最初の対応方法が異なります。以下の流れを参考に、適切な対応を取ってください。
1. 部屋の窓を閉める
屋外からガス臭がする場合は、ガスを家の中に流入させないように、窓を閉める必要があります。その上で、安全が確保できるまでガス器具や電化製品の使用は控えてください。
2. 早急にガス会社に連絡
家の窓を閉めたら、お住まい地域のガス会社への連絡を行います。状況を説明して、ガス会社の指示に従ってください。必要に応じて、ガス会社の担当者が現場に急行します。
東京ガス供給エリアにお住いの方は、東京ガスのガス漏れ通報専用電話に連絡してください。
ガス漏れ通報専用電話
24時間365日予約受付中(ナビダイヤル)
ナビダイヤルをご使用になれない場合(IP電話・海外からのご利用など)
注) 詳しくは「ガス臭いときは|東京ガスネットワーク」をご確認ください。
電話番号を間違えないように、確認した上でおかけください。
3. 近所の人に伝える
もし屋外にあるガス管などが原因でガス漏れが発生している場合、周辺にも大きな影響を与える他、火気の引火による爆発の可能性も考えられます。特にマンションやアパートは住居が隣接しており影響が大きいため、近隣住民のみなさんにガス漏れの可能性があることを伝えてください。
給湯器がガス臭い原因と対処法
給湯器からガスのニオイがする場合、主には2つの原因が考えられます。具体的にはガス漏れ、燃焼不良です。それぞれの原因によって起こる症状に違いがあり対処方法も異なるため、以下の解説を参考にしてみてください。
ガス漏れが原因
最初に疑われるのが、ガス漏れです。ガス漏れは給湯器の故障や部品の劣化、ガス配管の破損、水漏れなどで起こります。特に注意が必要になるのは、給湯器の使用年数が10年を超えている場合です。給湯器は各メーカーにおいて標準的な使用条件で安全に使用できる設計期間を10年としているケースが多いため、各部の経年劣化によってガス漏れが発生している可能性があります。
ガス漏れしているときの症状
ガス漏れが発生すると、ガスの元栓を閉めていてもガス臭さがすぐに軽減しません。また給湯器を使用していないのにガスのニオイを感じる場合も、ガスが漏れている可能性があります。給湯器本体やガス管からガス漏れが起こっている場合、ご自分で原因を特定することはほぼできません。
ガス漏れへの対処法
お住まいの地域のガス会社に連絡して原因を特定した上で、給湯器の修理もしくは交換、またはガス管の修理・交換を行う必要があります。見た目には原因が分からなくても、各部に使用されているパッキンが経年劣化してひび割れや変形・破損していることが想定されるため、放置しておくことは大変危険です。火気に引火して爆発・火災を引き起こすリスクがあるため、早急に対処してください。
給湯器の燃焼不良が原因
給湯器を運転している時のみガス臭がする場合は、燃焼不良が起きている可能性もあります。ガスの燃焼には酸素が必要ですが、何かしらの原因で酸素が不足して燃焼不良が起こると、ガスがすべて燃え切らずにガス臭がしたり、燃焼不良により発生する化合物で独特な臭いが発生したりすることがあります。
燃焼不良が起こる原因
給湯器が燃焼不良を起こす原因として考えられるのは、水濡れや十分な酸素が取り込めない状態になっていることです。例えば、台風や大雨の影響で給湯器内部に水が入り込んでしまった場合や、給湯器の給気口や排気口に落ち葉や虫の死骸などが蓄積して、空気・排気の流れが遮断されている場合などが起こりやすいトラブルです。
また、塗装業者などが外壁周辺で養生作業をおこなって、給湯器がビニールなどで覆われてしまうと、排気ガスが滞留することとなり、異常着火する原因となります。この場合は、不完全燃焼により一酸化炭素が発生する恐れがあるため、直ちに使用を中止してください。
給湯器の燃焼不良への対処法
台風や大雨などで水が入り込んでしまった場合は、天候が回復し、給湯器内部の水が乾けば元通り使えるようになります。
天候が回復しても給湯器がつきにくい場合や異臭が続く場合、給湯器に異物が入り込んで取り除けないような場合は、給湯器の修理をご依頼ください。
また、塗装業者などの養生作業により給湯器が覆われてしまっている場合は、不完全燃焼を起こす可能性があるため、使用を中止し、管理会社に相談してください。
また、ご自分で給湯器を分解したり修理したりしないでください。給湯器の修理には専門知識が必要です。ガス漏れなどの二次被害を起こしてしまいリスクが拡大する恐れがあるため、無理な作業は絶対にやめましょう。
給湯器がガス臭いと感じたらガス会社や修理業者に必ず連絡を!
給湯器からガス臭がする原因を解説しましたが、いずれの場合であってもご自身で原因を特定するのは難しく、ガス漏れは引火の危険があるなど、危険が伴います。
最悪の事故を起こさないためにも、ガスの閉栓や換気などの必要な対処を行った上で、早急にガス会社に連絡するようにしてください。
また、給湯器本体の修理には、専門の知識と技術、作業内容によっては資格が必要です。給湯器本体の修理もプロに依頼して下さい。
修理を依頼する場合のポイント
1. 賃貸住宅の場合は大家や管理会社へ事前に相談する
賃貸の物件 (マンション・アパート)に住んでいる場合は、管理会社や大家さんに事前連絡をしましょう。賃貸物件では、通常の使用で給湯器が故障したのであれば、修理費用は管理会社や大家の方の負担になるケースが多いからです。
まずはトラブルや不具合の症状を管理会社や大家さんに連絡して、指示に応じた対処を取るようにしてください。自己判断で修理してしまうと、契約違反となって無用なトラブルを招いてしまうこともあるので、注意しましょう。
2. 資格制度があるなど信頼できる業者かを確認する
給湯器の修理にはさまざまな関連資格があり、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。関連する法律や基準を守らずに工事をすると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、健康にも悪影響を及ぼすおそれもあるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
東京ガスでは、社内資格制度を設けており、ガス機器修理に必要な知識・技能を有したスタッフが対応しますので安心してお任せいただけます。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
給湯器の修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパッキン・配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。
修理を依頼する場合の料金の目安
ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をいただいたうち、25,000円以下で納まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)
注)2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)
給湯器がガス臭いと感じたらガス会社に連絡しよう
給湯器を使用中にガス臭を感じるようであれば、速やかにガスの使用を中止して、換気や元栓を閉めるなどの適切な対処を行ってください。まずは身の安全を確保した上で、早急にガス会社に連絡しましょう。ガス臭がする場所には近づかない他、電化製品を使ったり換気扇を付けたりしないよう、十分に注意してください。 東京ガスでは万一のガス漏れに備えて、ガス漏れ通報専用電話を用意しています。ガス漏れは人命に関わる重大な事故を招きかねないトラブルです。冷静な対処を心掛けると同時に、決して状況を軽視しないようにしましょう。必ずガス会社に連絡するようにして、自己判断での対応は控えてください。 東京ガスは給湯器の修理はもちろん、本体の交換まで手厚いサポートを行っています。気になる症状がある場合や新しい機器への交換をご検討の方はお気軽にご相談ください。