給湯器からポタポタと水漏れが! 修理それとも交換? 対処法を徹底解説!

給湯器からポタポタと水漏れが! 修理それとも交換? 対処法を徹底解説!

給湯器の水漏れは、経年劣化や配管の凍結などによって起こります。放置すると事故の原因にもなるため、修理や交換を検討しましょう。この記事では、給湯器から水漏れが発生した場合の原因や対処法などについて解説します。

最終更新日:2025年05月26日公開日:2024年04月07日

目 次

この記事でわかること

  • 給湯器が水漏れする原因がわかる
  • 給湯器が水漏れした場合の対処法がわかる
  • 水漏れした給湯器を修理・交換する場合の注意点がわかる

給湯器が水漏れする4つの原因

給湯器から水が漏れてしまうトラブルは、決して珍しくありません。水漏れが目視で確認できなくても、給湯器の下がぬれて湿っていたり、給湯器にサビが浮いていたりする場合は水漏れの疑いがあります。

水が漏れている状態を放置したまま給湯器を使っていると、重大な事故にもつながる可能性があるため、早期の対策が欠かせません。給湯器が水漏れをする主な原因を4つ解説します。

1. 経年劣化

1. 経年劣化

配管を水が通っている給湯器などの住宅設備では、経年劣化が原因で水漏れが発生します。

特に多い原因が、配管の接続部分や継ぎ手部分に使われているゴム製パッキンの劣化です。長期間にわたって使用されたゴムが硬化したり変形したりすることで、すき間ができてしまい、そこから水が漏れてしまうトラブルです。

パッキンとして機能しなくなったパーツを交換することで対処ができます。使用開始から8~10年ほどの給湯器における水漏れの場合は、まずはゴム製パッキンの劣化を疑ってみましょう。

2. 配管の凍結

2. 配管の凍結

冬は配管の凍結による水漏れが発生することがあります。配管内にとどまっている水が凍結して膨張し、配管に亀裂が入ったり破裂してしまったりすることで起こります。

外気温が著しく低い気候のもとで起こるトラブルですが、すぐに症状が出るわけではありません。というのも、気温が低く配管が凍結した状態では水が凍ったままのため水漏れが起こらず、気温が上がって凍結が収まるタイミングで水が漏れてくるためです。

冬の暖かい時間帯に水漏れが確認できた場合は、凍結による配管の亀裂や破損を疑ってみてください。

3. 施工時の取り付けミス

3. 施工時の取り付けミス

施工した際の不具合が原因になるケースもあり、施工から間もないタイミングで水漏れが確認された場合は、取り付けミスが原因である可能性が高いでしょう。

また取り付けた直後は水漏れがなくても、給湯器を使用しているうちに水圧などがかかり、施工ミスがある箇所から水漏れすることもあります。

いずれの場合も、施工段階でのミスが原因なため、新築物件の場合はハウスメーカーや工務店、給湯器の交換直後であれば施工会社や販売会社など購入元に連絡してください。

4. 水抜き栓からの正常な排水

4. 水抜き栓からの正常な排水

パーツの劣化や凍結、施工ミスではなく、給湯器自体が水抜きをしている場合は、故障ではありません。給湯器には内部の圧力が高まった際に、減圧を目的に水を排出する機能があり、水抜き栓から一時的に水が漏れている場合があります。

水抜き栓の位置を確認して、そこから水が排出されているようであれば、そのまま使用できます。あまりにも頻繁に水が排出されていたり、水の量が多かったりする場合は、水抜き栓そのものに不具合があるケースも想定されるため、異常を感じるようであれば点検を依頼してみましょう。

給湯器の水漏れで起こり得るリスク

給湯器からの水漏れは大きなリスクが伴うため注意が必要です。水漏れによって水道代が無駄になったり、給湯器がサビたり、基板部分の故障といった不具合につながるだけでなく、一酸化炭素の発生原因になるため、早めの対処が欠かせません。

一酸化炭素中毒になる

ガス給湯器からの水漏れで、最も注意しなければならないのは、一酸化炭素の発生です。一酸化炭素は、給湯器のバーナー部分が水分によって湿り、ガスの不完全燃焼が起こることが原因で発生します。

一酸化炭素はニオイがなく無色であるため非常に気づきにくいですが、強力な毒性があり、少量でも吸い込むと中毒症状を引き起こす危険があります。たとえ屋外に設置された給湯器であったとしても、不完全燃焼による一酸化炭素が生じると、浴室やキッチンの窓から一酸化炭素が室内に侵入して事故につながります。異常を感じた際は、すぐに給湯器の使用を中止してください。

階下が水浸しになる

水漏れが自宅への被害だけでなく、近隣への迷惑にもなる可能性があるため注意が必要です。マンションなどの集合住宅の場合は、廊下などの共用部分が浸水してしまう、給湯器付近に設置された他の設備へも浸水してしまうなどの影響があるため、早期の対処を心掛けてください。

水道代が上がる

水漏れを放置すると、急にお金の負担が増えるリスクがあります。毎月支払っている水道代が突然高額になっている場合、目には見えないところで水漏れが発生しているかもしれません。水道管からの水漏れはもちろんですが、給湯器の水漏れが原因であるパターンも十分に考えられます。検針票が届いたら必ずチェックし、すぐに異常を見つけられるようにしましょう。

給湯器からポタポタと水が落ちてきたときの対処法

実際に給湯器からの水漏れが疑われる場合、どのような対応を取ればよいのか、具体的な対処方法を解説します。以下の内容に沿って応急処置を行ってください。

1. 水道メーターを確認

1. 水道メーターを確認

水道を使っていない状態でも水道メーターが作動しているようであれば、水漏れが起こっていると判断できます。水道メーターは、戸建ての場合であれば敷地内の道路に面した箇所にあり、マンションなどの集合住宅の場合は玄関ドア付近に設置されています。普段から水道メーターの位置を確認しておくのがよいでしょう。

2. 給湯器のリモコンのエラーコードを確認

2. 給湯器のリモコンのエラーコードを確認

給湯器が不完全燃焼を起こしている可能性があるため、リモコンにエラーコードが表示されていないかも確認してください。エラーコード【111】【112】【113】が表示されている場合は、給湯器の点火不良が疑われます。

水漏れで給湯器内部がぬれてしまって起こる点火不良などが想定されます。通常、安全装置がはたらき給湯器は停止しますが、無理に使用を続けると一酸化炭素の発生も懸念されるため注意が必要です。

3. 給湯器の電源を落とす

3. 給湯器の電源を落とす

水漏れが発生したままの給湯器の使用は一酸化炭素の発生にもつながるため、電源をオフにしましょう。安全を確保した上で、水漏れが起こっていないかを目視で確認します。

4. 水漏れの発生箇所や状態を確認

4. 水漏れの発生箇所や状態を確認

水漏れが疑われるのは、主に3ヶ所です。「水抜き栓」「配管の接続箇所」「給湯器本体」のいずれかが原因である可能性が高いため、目視で確認してみてください。水抜き栓からポタポタと水が滴っているようであれば、減圧のための水抜きであり、水漏れではありません。

配管の接続箇所からの水漏れがある場合は、ゴム製パッキンの劣化や変形による原因が疑われます。配管から給水している止水栓を閉めて水漏れを止めてください。給湯器全体に水が滴っていたりする場合は、どこかの配管に亀裂や破損が発生している可能性があるため、こちらも同様に止水栓を閉めて水漏れを止めてください。

5. ガス栓を閉める

5. ガス栓を閉める

給湯器の使用をやめ、電源をオフにすると同時に、ガス栓も閉めておくのが無難です。ガス漏れの心配もなくなるため無理に動かすことは避け、専門業者に連絡して修理を依頼してください。

6. 止水栓を閉める

6. 止水栓を閉める

水漏れの発生箇所や不具合原因が確定できない場合も、止水栓を閉めておくのが良いでしょう。理由は特定できなくても、水漏れ自体は止めることができるため、給湯器の電源オフ(方法がわからない場合はコンセントを抜く)、ガス栓の閉栓、止水栓の閉栓を3点セットで行っておくのが安心です。

給湯器が水漏れしたらどこに連絡すれば良い?

給湯器からの水漏れが確認できた場合は、速やかに修理専門業者に点検や修理を依頼することになります。自分で分解・修理しないようにしてください。

給湯器の内部は電気基盤などがあり複雑な構造になっており、ガス管も配管されているため、専門的な知識がないまま分解するのは非常に危険です。本来、ガス給湯器の修理には専門資格が必要なため、自分の判断で修理せずに依頼をしましょう。

賃貸の場合

賃貸住宅の場合は、専門業者に連絡する前にまずはオーナー・大家、管理会社に連絡します。給湯器は備え付けの設備なので、管理者の責任で修理するのが一般的です。物件によっては契約している専門業者があり、管理者サイドで手配をしてくれることもあるため、事前の確認を怠らないようにしましょう。

持ち家の場合

賃貸物件とは違って自己所有の戸建て住宅や分譲マンションの場合は、自己責任で修理対応しなければなりません。修理依頼の候補に挙がるのは、メーカーや修理業者の他、家を建てたハウスメーカーや工務店などの施工会社、管理会社などです。

水漏れした給湯器は修理・交換どちらになる?

給湯器の症状や状態によっては、修理での対応が難しいケースも想定されます。部品の交換で修理できる範囲の不具合であれば、部品が調達でき次第修理ができますが、機種によっては部品の供給がなく、修理ができない可能性もあります。

修理になるのか、給湯器そのものを交換する必要があるのかは、水漏れの原因によって異なることをあらかじめ理解しておきましょう。

【修理】施工時の取り付けミスの場合

【修理】施工時の取り付けミスの場合

施工時に配管の接続が甘いと、水漏れが発生する可能性があります。時間経過とともに配管に負荷がかかって水漏れすることもありますが、給湯器を設置して間もない時期に発生する水漏れの多くは、取り付けミスによるものです。連絡して修理を依頼しましょう。

【修理】給湯器の使用が10年未満の場合

【修理】給湯器の使用が10年未満の場合

使用期間が10年未満の給湯器が水漏れした場合は、修理を検討しましょう。水漏れが配管や部品の経年劣化の場合は、修理で対応できます。

中でも多いのが、給湯器に使用されているパッキンが劣化することによる水漏れです。パッキンは、パーツとパーツのすき間から水が漏れないよう密閉する役割を持っています。

水流の影響でパッキンが摩耗すると、密閉効果が低下し水漏れを引き起こします。パッキンの耐用年数は10年程度といわれていますが、常に湯水を供給している給湯器のパッキンは、それよりも早く劣化することがあります。

給湯器の使用が10年未満の場合は、経年劣化した部品を交換すると再び使用できるため、まずは修理を依頼してみましょう。

【交換】給湯器を10年以上使用している場合

【交換】給湯器を10年以上使用している場合

経年劣化が原因の故障であっても、給湯器の耐用年数を超えている場合は、交換を検討する方が良い場合があります。

例えば給湯器の場合、各メーカーにおいて標準的な使用条件で安全に使用できる設計期間を10年としているケースが多いため、購入してから10年を超えた給湯器が故障したら、交換を検討し始めるタイミングであると言えるでしょう。

最新の給湯器はエネルギー効率に優れ省エネ効果も大きいため、月々のガス料金の節約も見込める利点もあります。

参考:リンナイ株式会社 ガス給湯器の点検・取替え目安は10年です|長期間製品を安全にお使いいただくための大切なお知らせ
参考:株式会社ノーリツ 【製品の寿命】点検・取り替えの目安について | アフターサポート

【交換】給湯器内部の配管が凍結した場合

【交換】給湯器内部の配管が凍結した場合

給湯器内部の配管が凍結して破損した場合、基本的に給湯器本体ごと交換になります。凍結による破損で内部の配管から水漏れした場合、他の機器にも水がかかって壊れている可能性が高いためです。他の機器に故障が生じていると、配管の修理だけでは安全に使用できません。ただし、外側の配管が凍結により水漏れした場合は配管交換による修理で済みます。

また、凍結による破損の場合、メーカー保証期間内でも修理費用が発生するため注意しましょう。

給湯器の水漏れ修理を依頼する場合に知っておきたいポイント

給湯器の修理を依頼する際には、以下のポイントをあらかじめ理解しておきましょう。

  • 給湯器の水漏れ修理にかかる時間の目安
  • 給湯器の水漏れを修理依頼した場合の料金の目安
  • 契約中のガス会社に修理を依頼する

給湯器の水漏れ修理にかかる時間の目安

給湯器の水漏れ修理にかかる時間は、水漏れの箇所や作業内容によって異なります。

給湯器内部の修理が必要でメーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、汎用性の高いゴム製パッキンの交換や配管からの水漏れの修理であれば、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。

東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひご検討ください。

給湯器の水漏れを修理依頼した場合の料金の目安

ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。

料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をご依頼いただいたうち、25,000円以下で収まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)

注)2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

給湯器の耐用年数注)は約10年です。10年以上経過している場合、故障の頻度も増えていきます。
トラブル発生時は「修理」と「交換」の要望はほぼ同じですが、最終的な解決方法は10年を境に差が出てきます。ご利用年数が10年以下なら修理、10年以上なら交換することをおすすめします。

注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

修理と交換お選びいただけます

まとめ

給湯器本体や周辺から水漏れが発生している場合、まずは給湯器の使用をやめて、電源を切り、ガス栓の閉栓、止水栓の閉栓をしてから、修理を依頼してください。給湯器の不完全燃焼、一酸化炭素の発生といった重大な事故にもつながりかねないため、そのまま使い続けることは避けましょう。

水漏れの原因がわからない場合や給湯器が正常に作動していないと感じた際も、早めに相談するのがおすすめです。

東京ガスなら、お使いの機器のメーカーによらず、配管からの水漏れにも給湯器本体の故障にも適切に対応いたします。給湯器に限らず、ガス機器や水まわりのトラブルやお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。

  • この記事の監修者

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。

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