給湯器が水漏れする4つの原因
給湯器から水が漏れてしまうトラブルは、決して珍しくありません。水漏れが目視で確認できなくても、給湯器の下が濡れて湿っていたり、給湯器にサビが浮いていたりする場合は水漏れの疑いがあります。水が漏れている状態を放置したまま給湯器を使っていると、重大な事故にもつながる可能性があるため、早期の対策が欠かせません。給湯器が水漏れをする主な原因を4つ解説していきます。
1. 経年劣化
配管を水が通っている給湯器などの住宅設備では、経年による劣化が原因で水漏れが発生します。特に多い原因が、配管の接続部分や継ぎ手部分に使われているゴム製パッキンの劣化です。長期間にわたって使用されたゴムが硬化したり変形したりすることで、すき間ができてしまい、そこから水が漏れてしまうトラブルです。パッキンとして機能しなくなったパーツを交換することで対処ができます。使用開始から8~10年ほどの給湯器における水漏れの場合は、まずはゴム製パッキンの劣化を疑ってみましょう。
2. 配管の凍結
冬に多い原因が、配管の凍結による水漏れです。配管内に留まっている水が凍結して膨張し、配管に亀裂が入ったり破裂してしまったりすることで起こります。外気温が著しく低い気候のもとで起こるトラブルですが、すぐに症状が出るわけではありません。というのも、気温が低く配管が凍結した状態では水が凍ったままのため水漏れが起こらず、気温が上がって凍結が収まるタイミングで水が漏れてくるためです。冬の温かい時間帯に水漏れが確認できた場合は、凍結による配管の亀裂や破損を疑ってみてください。
3. 施工時の取付ミス
施工した際の不具合が原因になるケースもあり、施工から間もないタイミングで水漏れが確認された場合は、取り付けミスが原因である可能性が高いと言えるでしょう。また取り付けた直後は水漏れがなくても、給湯器を使用しているうちに水圧などがかかり施工ミスがある箇所から水漏れすることもあります。いずれの場合も、施工段階でのミスが原因なため、新築物件の場合はハウスメーカーや工務店、給湯器の交換直後であれば施工会社や販売会社など購入元に連絡してください。
4. 水抜き栓からの水の排出
パーツの劣化や凍結、施工ミスではなく、給湯器自体が水抜きをしている場合は、故障ではありません。給湯器には内部の圧力が高まった際に減圧を目的に水を排出する機能があり、水抜き栓から一時的に水が漏れている場合があります。水抜き栓の位置を確認して、そこから水が排出されているようであれば、そのまま使用できます。あまりにも頻繁に水が排出されていたり、水の量が多かったりする場合は、水抜き栓そのものに不具合があるケースも想定されるため、異常を感じるようであれば点検を依頼ください。
給湯器の水漏れで起こり得るリスク
給湯器からの水漏れは大きなリスクが伴うため注意が必要です。水漏れによって水道代が無駄になったり、給湯器が錆びたり、基盤部分の故障といった不具合につながるだけでなく、一酸化炭素の発生原因になるため、早めの対処が欠かせません。
一酸化炭素中毒になる
ガス給湯器からの水漏れで、最も注意しなければならないのは、一酸化炭素の発生です。一酸化炭素は、給湯器のバーナー部分が水分によって湿りガスの不完全燃焼が起こることが原因で発生します。一酸化炭素はニオイがなく無色であるため非常に気づきにくいですが、強力な毒性があり、少量でも吸い込むと中毒症状を引き起こす危険があります。
通常、給湯器内で不完全燃焼が起こった場合、安全装置により給湯器は停止します。たとえ屋外に設置された給湯器であったとしても、不完全燃焼による一酸化炭素が生じると、浴室やキッチンの窓から一酸化炭素が室内に侵入して事故につながるケースもあるため、異常を感じた際は、すぐに給湯器の使用を中止してください。
階下が水浸しになる
水漏れが自宅への被害だけでなく、近隣への迷惑にもなる可能性があるため注意が必要です。マンションなどの集合住宅にお住いの場合は、廊下などの共用部分が浸水してしまう、給湯器付近に設置された他の設備へも浸水してしまうなどの影響があるため、早期の対処を心掛けてください。
給湯器の水漏れを放置していると水道代は上がる?
毎月支払っている水道代が突然高額になっている場合、目には見えないところで水漏れが発生している可能性があります。水道管からの漏水はもちろんですが、給湯器の水漏れが原因であるパターンも十分に考えられます。
水道代を減額・免除できる可能性も
水漏れによる水道使用量の増加は、水道利用者の負担になるのが原則ですが、場合によっては減額・免除される可能性もあります。「水道料金の減免制度」は、トラブルによる水漏れで水道代が過剰請求された場合に適用される制度であり、給湯器からの水漏れも対象となる可能性があります。
水道管などの給水設備からの水漏れや、地震などの自然災害による水漏れが発生した際の救済措置のため、お住いの地域の水道局に問い合わせて確認してみましょう。対象の場合は水道利用者による申請によって減額・免除になるため手続きが必要です。水道局指定の修理業者による修理が条件になっているなど、自治体によって細かな条件が異なるため、まずは水道局に連絡して減免手続き・申請を行い、払い戻ししてもらってください。
給湯器からポタポタと水が落ちてきたときの対処法
実際に給湯器からの水漏れが疑われる場合、どのような対応を取ればよいのか、具体的な対処方法を解説します。以下の内容に沿って応急処置を行ってください。
1. 水道メーターを確認
水道を使っていない状態でも水道メーターが作動しているようであれば、水漏れが起こっていると判断できます。水道メーターは、戸建ての場合であれば敷地内の道路に面した箇所にあり、マンションなど集合住宅の場合は玄関ドア付近に設置されています。普段から水道メーターの位置を確認しておくのがよいでしょう。
2. 給湯器のリモコンのエラーコードを確認
給湯器が不完全燃焼を起こしている可能性があるため、リコモンにエラーコードが表示されていないかも確認してください。エラーコード【111】【112】【113】が表示されている場合は、給湯器の点火不良が疑われます。漏水で給湯器内部が濡れてしまって起こる点火不良などが想定されます。通常、安全装置がはたらき給湯器は停止しますが、無理に使用をつづけると一酸化炭素の発生も懸念されるため注意が必要です。
3. 給湯器の電源を落とす
水漏れが発生したままの給湯器の使用は一酸化炭素の発生にもつながるため、電源をオフにしましょう。安全を確保した上で、水漏れが起こっていないかを目視で確認していきます。
4. 水漏れの発生箇所や状態を確認
水漏れが疑われる箇所は、主に3箇所です。「水抜き栓」「配管の接続箇所」「給湯器本体」のいずれかが原因である可能性が高いため、目視で確認してみてください。水抜き栓からポタポタと水が滴っているようであれば、前述したとおり減圧のための水抜きのため水漏れではありません。
配管の接続箇所からの水漏れがある場合は、ゴム製パッキンの劣化や変形による原因が疑われます。配管から給水している止水栓を閉めて水漏れを止めてください。給湯器全体に水が滴っていたりする場合は、どこかの配管に亀裂や破損が発生している可能性があるため、こちらも同様に止水栓を閉めて水漏れを止めてください。
5. ガス栓を閉める
給湯器の使用をやめ、電源をオフにすると同時に、ガス栓も閉めておくのが無難です。ガス漏れの心配もなくなるため無理に動かすことは避け、専門業者に連絡して修理を依頼してください。
6. 止水栓を閉める
水漏れの発生箇所や不具合原因が確定できない場合も、止水栓を閉めておくのがよいでしょう。理由は特定できなくても、水漏れ自体は止めることができるため、給湯器の電源オフ(方法が分からない場合はコンセントを抜く)、ガス栓の閉栓、止水栓の閉栓を3点セットで行っておくのが安心です。
水漏れしたらどこに連絡すれば良い?
給湯器からの水漏れが確認できた場合は、速やかに修理専門業者に点検や修理を依頼することになります。間違ってもご自分で分解修理しないようにしてください。給湯器の内部は電気基盤などがあり複雑な構造になっており、ガス管も配管されているため、専門的な知識がないまま分解するのは非常に危険です。本来、ガス給湯器の修理には専門資格が必要なため、ご自分の判断で修理せずに依頼をしましょう。
賃貸住宅の場合
賃貸住宅の場合は、専門業者に連絡する前にまずはオーナー・大家さん、管理会社に連絡します。給湯器は備え付けの設備なので、管理者の責任で修理するのが一般的です。物件によっては契約している専門業者があり、管理者サイドで手配をしてくれることもあるため、事前の確認を怠らないようにしましょう。
持家住宅の場合
賃貸物件とは違って自己所有の戸建て住宅や分譲マンションの場合は、自己責任で修理対応しなければなりません。修理依頼の候補に挙がるのは、メーカーや修理業者のほか、家を建てたハウスメーカーや工務店などの施工会社、管理会社などです。
新築であれば施工業者に連絡
新築で購入した物件の場合、まずは施工会社に連絡してください。給湯器の保証期間内であれば、無償での修理対応が可能である他、施工時の不具合が原因で水漏れしている場合は、施工会社の責任で対応してもらえるケースがほとんどです。
新築ではなければガス会社か給湯器業者に連絡
中古で購入した住宅や新築から時間が経過している場合は、ご自身で修理業者を探すこととなります。メーカーやガス会社の他、その他給湯器販売業者で修理に対応している業者が候補となります。
東京ガスでは、給湯器やガス配管などガス機器周りの困りごとはもちろん、水まわり修理も対応していますので、水漏れの症状に合った適切な対応ができるので、安心してお任せいただけます。
水漏れした給湯器は修理・交換どちらになる?
給湯器の症状や状態によっては、修理での対応が難しいケースも想定されます。部品の交換で修理できる範囲の不具合であれば、部品が調達でき次第修理ができますが、機種によっては部品の供給がなく、修理ができない可能性もあります。修理になるのか、給湯器そのものを交換する必要があるのかは、水漏れの原因によって異なることをあらかじめ理解しておきましょう。
配管の経年劣化・取付ミスの場合
配管の経年による劣化が原因で水漏れが発生している場合は、部品交換の修理で水漏れを解消できる場合があります。故障の原因として代表的な、ゴム製パッキンの劣化であれば、即日対応してくれる専門業者もあります。また、施工時のミスが原因の場合も、給湯器自体の故障ではないため、早期の修理が可能です。新しい部品を使って正しく施工することで、すぐにでも症状が改善されます。
給湯器を10年以上使用している場合
経年劣化が原因の故障であっても、給湯器の耐用年数を超えている場合は、交換を検討する方が良い場合があります。
例えば給湯器の場合、各メーカーにおいて標準的な使用条件で安全に使用できる設計期間を10年としているケースが多いため、10年を超えた故障については交換を検討し始めるタイミングであると言えるでしょう
最新の給湯器はエネルギー効率に優れ省エネ効果も大きいため、月々のガス料金の節約も見込める利点もあります。
給湯器の使用が10年未満の場合
給湯器の使用年数が10年未満での経年劣化による水漏れの場合は、部品交換で対応するのが良いでしょう。交換する部品の調達に時間がかかる場合もありますが、在庫があれば訪問当日に修理が完了するケースも少なくありません。修理を依頼する際に、詳しい症状やエラーコード等を伝えて頂けると対応がよりスムーズになります。
配管の凍結の場合
配管の凍結による水漏れの場合は、破損・破裂した配管の交換が必要になるため、使用年数に関係なく部品交換での修理となります。症状にもよりますが、給湯器の外部にある配管の交換は比較的スムーズに行えます。
一方、給湯器内部の配管が破損している場合は、給湯器本体の交換をすすめられるケースが多いです。古い給湯器に大きな費用をかけて修理するよりも、思い切って新しい給湯器に交換した方が、長期的に見てお得と考えられます。
修理か交換の判断に迷う場合は修理を依頼する
修理か交換の判断が難しい場合は、どちらも対応できる業者にまずは修理を依頼するのがおすすめです。以下の内容を事前に確認した上で修理を依頼しましょう。
修理を依頼する場合のポイント
給湯器の修理を依頼する場合、押さえておくべきポイントがいくつかあります。
給湯器修理の資格を持っている業者かを確認する
給湯器の修理には専門の知識や技術が必要です。ガス機器は扱い方を間違えば重大な事故を起こす可能性があり、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。そのため資格を持っている業者かを確認しましょう。
見積もりの内容が明確か、説明が丁寧かを確認する
修理を依頼する際は、事前に見積もりを確認しましょう。料金が安すぎたり、説明が不十分だったりする場合は注意が必要です。最初の見積もりにはなかった追加の費用を修理後に請求される懸念も考えられます。修理の見積もりの内訳が詳しく説明してあったり、疑問にも丁寧に応えてくれたりする業者が信頼できると考えられます。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
給湯器の水漏れ修理にかかる時間は、水漏れの箇所や作業内容によって異なります。
給湯器内部の修理が必要でメーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、汎用性の高いゴム製パッキンの交換や配管からの水漏れの修理であれば、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。
修理を依頼する場合の料金の目安
ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をいただいたうち、25,000円以下で納まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)
注)2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)
東京ガスに修理を依頼する
給湯器の耐用年数注)は約10年です。軽微な修理であれば1万円以内で収まることも多く、交換に比べて費用を抑えることができます。
10年以内であれば再故障の発生確率も低いので修理で対応いただくことをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。
最短当日ご訪問!24時間365日受付中
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まとめ
給湯器本体や周辺から水漏れが発生している場合、まずは給湯器の使用をやめて、電源をオフ、ガス栓の閉栓、止水栓の閉栓をしてから、修理をご依頼ください。給湯器の不完全燃焼、一酸化炭素の発生といった重大な事故にもつながりかねないケースも想定されるため、そのまま使い続けることは避けましょう。
水漏れの原因が分からない場合や給湯器が正常に作動していないと感じた際も、お早めにご相談いただくのがおすすめです。
東京ガスなら、お使いの機器のメーカーによらず、配管からの漏水にも給湯機本体の故障にも適切に対応いたします。給湯器に限らず、ガス機器や水まわりのトラブルやお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。