給湯器の在庫不足・納期遅延が深刻化
2021年夏から2022年春ごろに掛けて、給湯器の深刻な納期遅延が発生しました。給湯器不足は2021年の12月にピークを迎えていて、経済産業省の発表によると出荷数は通常時の6割近くまで落ち込んだそうです。注)この深刻な状況を受けて政府は、東京五輪・パラリンピックの選手村に設置されていた給湯器を給湯器メーカーや都市ガス事業者に引き渡しました。
そもそも給湯器不足はなぜ発生したのでしょうか。主な理由は2つあります。
1. 新型コロナウイルス感染症による半導体不足
新型コロナウイルス感染症の流行により、海外工場の稼働率が大幅に減少しました。給湯器メーカーのリンナイやノーリツは、東南アジアの工場で製造した部品を使って、国内工場でガス給湯器を製造しています。東南アジアでの感染状況は深刻で、ベトナムやタイではロックダウンや外出制限が行われました。従来使用していた部品が調達できなくなり給湯器の製造に大きな影響が生じました。
2. 秋~冬にかけての給湯器の需要増加
例年秋から冬にかけては給湯器の故障が増えます。その理由は、寒い時期は給湯器への負荷が多く掛かるためです。東京都水道局によると、1年で最も水温が高い8月は平均26.9℃、最も低い1月は平均8.4℃と、年間で20℃近く変動します。注)給湯器の温度を1年中同じに設定していたとしても、冬は設定温度まで温めるのに莫大なエネルギーが必要です。さらに冬は給湯器の使用頻度も高くなります。浴室だけでなく、キッチンや洗面台など、さまざまな場所で温水を使用するでしょう。それにともなって故障も増えるため給湯器の需要が例年増加します。
給湯器メーカーの納期状況
代表的な給湯器メーカーの、2023年8月時点での納期状況をご紹介します。
ノーリツの納期状況
ノーリツでは2023年7月7日に納期遅延解消のお知らせが出されました。これまで一部納期が2ヶ月先の機種もありましたが、リンナイと同様、納期遅延の解消に向けた取り組みにより、従来通りの納期状況に回復しております。注
パロマの納期状況
パロマでは2023年8月現在、ほとんどの製品が即出荷可能になっています。依然として納品までに日数が掛かる製品もあり、屋内設置型のふろ給湯器は納期が2週間以上、床暖房対応タイプは全シリーズが1ヶ月以上先です。注)
パーパスの納期状況
2021年秋頃には納期が回答できない状況になっていたパーパスは、2023年8月現在までに全商品の納期目安が1〜2週間程度に短縮されました。ほとんどの製品は1週間程度で納品可能とされていますが、他社と同様に床暖房に対応したタイプは納期が2週間以上と少し待つようです。注)
給湯器が故障したらどうすればいい?
給湯器の納期はピーク時から大幅に回復しているとはいえ、メーカーや製品によっては納品まで時間がかかる場合があります。また、秋~冬にかけて給湯器の需要が増えることで、今後の納期の状況が変わる可能性もあります。給湯器なしで快適に暮らすことは難しいため、「自宅の給湯器が壊れたらどうしよう」と不安に感じる方もいるでしょう。ここでは、給湯器が故障した場合の対応方法についてご紹介します。
修理を依頼する
給湯器の使用中にお湯が出なくなったり、追い焚きができなくなったりなどのトラブルが発生した場合は、故障している可能性が考えられます。使用はできるものの、エラーコードが頻繁に出る、湯温が安定しない等気になる症状がある場合も、故障の前兆の可能性があるため、早めに点検や修理を依頼するのが安心です。修理で解決するようであれば交換の必要がないため、給湯器の納期などの心配は不要となります。
給湯器を10年以上使用しているときは交換も検討する
設置から10年以上経過している場合、1つの故障を修理しても、新たな不具合や故障が起こる可能性があり、また2回目の修理費用は1回目よりも高くなる傾向があります。結果的に交換対応に比べて総合的なコストが高くなってしまう可能性もあります。場合によっては、修理をしても故障や不具合が改善されないこともあるため、あらかじめ理解しておきましょう。
また最新式の給湯器はエネルギー効率が高く省エネ性能に優れているため、交換によってガス代の節約が期待できます。もちろん交換の場合は修理に比べて初期費用そのものが高くなりますが、長期的な視点で考えるとコストパフォーマンスに優れている場合もあるため、給湯器を10年以上使用している場合は交換も検討するのがよいでしょう。
給湯器が故障した場合は修理を依頼する
修理か交換の判断が難しい場合は、どちらも対応できる業者にまずは修理を依頼するのがおすすめです。以下の内容を事前に確認した上で修理を依頼しましょう。
修理を依頼する場合のポイント
修理か交換の判断に迷った場合は、どちらも対応できる業者にまずは修理を依頼するのがおすすめです。修理でトラブルが解消すれば交換より費用が安くなることが多いのと、もし修理ができないとわかった場合も、そのまま交換の提案をしてもらえるので対応がスムーズになるでしょう。修理を依頼する場合は、以下の内容を事前に確認しましょう。
給湯器修理の資格を持っている業者かを確認する
給湯器は扱い方を間違えば重大な事故を起こす可能性もあるため、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。そのため資格を持っている業者かを確認しましょう。
東京ガスでは、必ず給湯器の修理や交換に必要な資格をもったスタッフが対応しますので、安心してお任せいただけます。
見積もりの内容を確認する
修理を依頼する際は、事前に見積もりを確認しましょう。料金が安すぎたり、説明が不十分だったりする場合は注意が必要です。見積もりにない追加費用が請求されことが無いか確認しましょう。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
給湯器の修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパッキンや配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。
修理を依頼する場合の料金の目安
ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をいただいたうち、25,000円以下で納まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)
注)2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)
東京ガスでは、お見積もり金額確定後は事前のお知らせなく料金を追加請求することはないので、費用面でも安心です。Webから簡単に申し込めますので、給湯器の修理や交換をご検討中の方はぜひご利用ください。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の流行がピークを過ぎ、メーカー各社が製造量拡大に取り組んだことで、給湯器の供給不足問題は大幅に改善されました。ですが仮に給湯器をメーカーから即日で取り寄せられたとしても、給湯器が故障した場合、その日のうちに交換できるとは限りません。修理業者のスケジュールによっては、交換までに数日掛かる可能性もあるためです。
万が一給湯器が壊れた場合に備えて、最短で当日に対応できる業者を見つけておくといいでしょう。東京ガスの修理サービスでは、24時間365日体制でWebや電話で給湯器の修理予約を受け付けています。お困りの際はぜひお気軽にご相談ください。