給湯器

給湯器の号数を選ぶポイントとは?抑えておくべき情報を総まとめ

給湯器を交換するにあたって、号数について理解している方は少ないのが現状です。 実際に、既存の給湯器が24号だからという理由で、そのままのサイズで交換工事を行ってしまうというのもよくあるケースです。 本記事では、給湯器の号数や選び方について解説します。 ご自宅の家族構成やお湯の使用量を考慮して、快適な生活を送るために役立ててください。

最終更新日:2024年10月04日公開日:2024年07月08日

目 次

給湯器の号数とは?

給湯器の「号数」について聞いたことはあるけど、そもそもの意味を明確に説明できる方は少ないことでしょう。
そこで、給湯器の号数の意味と、現在使用されている給湯器の号数の調べ方についてご紹介します。

給湯器の号数=「給湯器の給湯能力」

給湯器の号数とは「1分間に水温+25℃のお湯を何リットル作れるか」を表します。
例えば20号の給湯器は1分間に20ℓのお湯を作ることができ、24号の給湯器は1分間に24ℓのお湯を作ることができるのです。

20号の給湯器を使っていて、もともとの水温が15℃の時、15+25=40℃のお湯を1分間で20ℓ作れることになります。

この計算式からもわかる通り、冬場は給湯能力が低下してしまいます。
給湯器交換を検討中で号数に悩んでいる方は、冬場でも満足の湯量を確保できる号数を選ぶとよいでしょう。

給湯能力が高い給湯器は、複数箇所で同時にお湯を使ったり、冬場でも満足の水圧でシャワーを浴びたりすることができます。

使用中の給湯器の号数の調べ方

使用中の給湯器の号数の調べ方

給湯器の号数についてはご理解いただけたと思いますが、現在使用中の給湯器の号数は何号なのでしょうか。

一部の給湯器を除き、基本的な確認の方法は簡単です。
給湯器の前面パネルには、上記の写真のようなラベルが貼られており、○印の数字部分が号数を表しています。
写真の場合は16号で、この部分が20になっていれば20号、24であれば24号です。

給湯器が外から見えている状態で設置されていれば、このラベルを目視して確認することができます。

しかし、マンションの階段付近に設置されるPS扉内設置といわれる給湯器の場合、ビス止めされた扉の中に本体が設置されているので確認が難しいです。

扉は金属製で重く非常に開けづらいので、ケガや共用部への傷を避けるためにも業者に確認してもらうのがよいでしょう。

号数が合っていないケース

シャワーを浴びている時に台所でお湯を出すと水圧が弱くなってしまったり、安定してお湯が出なかったりする場合があります。
この場合、給湯器の給湯能力が足りていないので号数を上げることがおすすめです。

反対に、お子様の独立などで同居人数が減った場合、大きすぎる給湯能力は無駄になってしまいます。
現在とこれからの使用人数に合わせて、号数の見直しを検討しましょう。

ガス給湯器の号数の選び方

ご自宅の適正号数は何号なのか、具体的な方法を例にあげてご紹介していきます。
ご自身のライフスタイルに合った号数を見つけていきましょう。

冬場の出湯量から号数を選ぶ

冬場の出湯量から号数を選ぶ

画像出典:リンナイHP

複数箇所でお湯を使った場合の計算です。

冬場の水温が5℃で、42℃のシャワーを1分間に12ℓ浴びていると…
12ℓ=(号数×25)÷(42℃−5℃)→17.8号の能力が必要

台所で35度のお湯を1分間に4ℓ使っていると…
4ℓ=(号数×25)÷(35℃−5℃)→4.8号の能力が必要

上記の状況では、シャワーで17.8号、台所で4.8号使用していることになります。
つまり、この瞬間に必要とされる給湯器の能力は22.6号となるので20号以下の給湯器では対応できない計算となります。

また、給湯器の号数=「給湯器の能力」でも簡単に触れましたが、給湯器が作るお湯は水温プラス25℃なので、水温が下がる冬場は給湯能力が低下します。
号数選びの際は、冬場に必要なお湯の量を基準にしましょう。

家族構成で号数を選ぶ

" width=

通常、その家に住む人が増えれば増えるほど、使用するお湯の量も多くなります。
一緒に生活するご家族の人数に合わせて、使用する給湯器の号数を選ぶことで、ストレスなく、快適に生活できます。

号数ごとの適切な使用人数を確認し、ご自身のご家庭に必要な最低号数を把握しておきましょう。

16号

16号は1〜2人世帯に適しています。
単身世帯では1度に使う湯量が限られるので不自由はないでしょう。
しかし、冬場にたっぷりのシャワーを浴びたい場合や、2人暮らしで複数同時にお湯を使用する場合は、キャパオーバーになる可能性があります。

20号

20号は2〜3人世帯に適しています。
ご夫婦お2人暮らしのご家庭では、一度に使用するお湯は多くないので、20号あれば快適に生活できます。
シャワー、台所、洗面所の3箇所で、3人同時に使用すると能力を超えてしまうので控えた方がよいでしょう。

24号

24号は3〜5人世帯に適しています。
基本的に家庭でお湯を使う箇所は、浴室、台所、洗面所の3箇所ですが、全ての設備でお湯を使っても不自由ありません。
少人数のご家族であっても、お湯を沢山使うご家庭なのであれば、想定より一つ上の号数を選ぶのもひとつです。

給湯器の号数によってガス代は変わるのか

給湯器

毎月必ず発生する固定費であるガス代は、少しでも安い方が家計にとってありがたいもの。

そのため、ガス給湯器の号数を上げたら、ガス代まで高くなってしまうのではないかと心配になってしまうのではないでしょうか。
しかし、16号、20号、24号のどれであっても消費しているガスの量やお湯の量が同じであればガス代も同じなので、号数によってガス代が変わることはありません。

ただし、号数を上げると給湯能力も上がるので、うっかりお湯を使いすぎてガス代が上がってしまうことがあります。
これまで通り使っていれば、ガス代が上がることはないので、号数を上げた際には使用量に注意しましょう。

給湯器の号数を変更するときの注意点

予算の都合で号数を落としたい、パワー不足で号数アップしたいなど、ご家庭によってさまざまな希望があるかもしれません。

しかし、建物の構造や配管の口径の問題でもともとの水圧が低いと、号数アップをしてもお湯の出がよくならないなどの注意点もあります。

号数変更の前に注意点を確認しましょう。

号数を小さくすると給湯能力が下がる

給湯器の号数を下げると、給湯能力は下がってしまいます。
これまで複数箇所で満足に使えていた湯量でも、どちらかがぬるま湯になってしまうなどの不自由を感じることがあります。

しかしながら、号数を下げるということは、本来取り付けるはずの同等品と比べて本体価格が安くなるということです。
お子様の独立などで同居人数が減った場合は、あえて号数を下げるというのも賢明な判断と言えるでしょう。

工事が必要で追加費用がかかることがある

16号の給湯器を使用しているご家庭では、通常の工事費用とは別に、配管交換工事の費用がかかることがあります。

その理由は、16号の給湯器ではガス管に16号専用の口径の小さな配管を使用している場合があるからです。
そしてこの配管は、ご契約のガス会社でないと交換することができません。

20号や24号に号数アップをする場合、ご契約のガス会社へ配管の太さを変える工事を依頼する必要があり、大規模な工事で高額な費用になりやすいのでご注意ください。

20号から24号に号数アップをする際も、ご自宅に設置できる機種では20号までしかない商品もあるので、事前によく調べておく必要があります。
(契約が済んでから発覚すると、トラブルに繋がる恐れがあります)

集合住宅では管理規約により号数をアップできない場合も

分譲マンションなどの集合住宅では、管理規約によって号数アップ自体が禁止されていることがあります。
トラブルを避けるため、管理会社やオーナーへの事前確認を必ず行ってください。

また、マンションの階段付近に設置されるPS扉内設置の給湯器で号数アップをする場合は、給湯器本体を格納しているPSの扉を加工しなければならないケースもあります。
こちらも、管理会社やオーナーへの事前確認を行いましょう。

マンションだけでなく、戸建の場合でもガスメーターの容量によっては号数を上げられないことがあり、この場合は、ガスメーターを交換してから給湯器を交換することになります。

給湯器交換工事の契約をする前に、お住まいの管理会社やオーナーに相談しましょう。

最適な給湯器の号数を選んで心地よくお湯を使おう

給湯器の号数選びは、ご自身の生活のフェーズに合わせることが重要です。
号数が合っていない給湯器を使っていると、給湯能力の不足につながってしまう可能性があります。

家族構成や、お湯の使用量などから正しく給湯器を選ぶことで、快適で無駄のない生活が送られます。

おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

給湯器の耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。

給湯器の交換費用は20万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。

注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

東京ガスの機器交換
  • この記事の監修者

    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

    給湯器・コンロといったガス機器だけでなく、レンジフード・トイレ・浴室といった水まわり機器の交換に役立つ情報を幅広く発信していきます