給湯器から異音が!音の種類や原因をタイプ別に徹底解説

給湯器から異音が!音の種類や原因をタイプ別に徹底解説

使用中の給湯器から故障を感じさせるような音が聞こえてくると、不安を感じますよね。 特に冬場での給湯器の故障は、日常生活を送る上で困ってしまいます。 給湯器は給気や排気、燃焼、循環などの動作を繰り返しており、さまざまな音が出るもので、全て故障というわけではありません。 そこで、異音と正常な作動音についてご紹介します。 ご自宅の給湯器から聞こえてくる音が異常なのか、正常なのかを正しく判断し、快適な生活を送るための参考にしてください。

最終更新日:2024年10月04日公開日:2024年07月05日

目 次

【タイプ別】給湯器が発する異音・うなり音

給湯器が発する異音やうなり音は、音の種類から大まかな原因を特定することができます。音の種類によってはそのまま使い続けられることもありますが、異常が認められる音であれば、使用を中断して修理や交換を検討しましょう。

異常のある音

以下に、給湯器の異音やうなり音のなかでも異常のある音をまとめました。

異音の種類

主な原因

  • キーン・カーン

ウォーターハンマー現象

  • ボンッ

不完全燃焼、ガス漏れ

  • ゴー

異物混入

  • ピー

ファンモーターの不具合

  • カタカタ・ガタガタ

ファンモーターの不具合、異物混入など

  • ポコンポコン

循環不良

  • シュー

水漏れ

これらの異音を無視して使用を続けると、本体の故障や状態悪化によって修理対応ができなくなり、従来よりも費用が高くなってしまう可能性があります。
また、最悪のケースでは事故を起こす危険性もあるので、できる限りすばやく対応しましょう。

異常音1:キーン・カーン

蛇口を閉めたときに「キーン」や「カーン」といったハンマーで金属を叩くような甲高い音が聞こえてくる場合は、ウォーターハンマー現象が起きている可能性が高いです。

ウォーターハンマー現象は、配管内に急な圧力変動が生じるときに発生し「ガン」「ゴン」という鈍い音が鳴ることもあります。

使用するたびに配管へ大きなダメージを与え続けることになり、機器の故障や水漏れの原因になるので、配管の経路変更や減圧弁を設置するなどの処置をする必要があります。

異常音2:ボンッ

着火後、または使用中に「ボンッ」という小さな爆発音がするときは不完全燃焼やガス漏れを起こしている可能性があります。

この音は給湯器の異音の中でも最も危険な音であり、爆発や火災、一酸化炭素中毒を引き起こすこともあり、大変危険な状態です。
即座に使用を中止して業者へ連絡をしてください。

使用を中止した後は「黒煙がでていないか」や「ガスの臭いがしないか」を確認し、状況を業者へ伝えるようにしましょう。

異常音3:ピー

使用中に「ピー」と笛を吹くような音が鳴ることがあります。
音が頻発せずに一時的に鳴っている場合は、燃焼器が空気過剰になっているだけで異常ではありません。

しかし、使用するたびに音が鳴る場合や頻発して鳴る場合は、経年劣化によるファンモーターの不具合が原因であることが考えられます。

放置することで重大な事故につながることは想定しづらいですが、給湯器本体の故障の前兆でもあるので、業者へ点検依頼することをおすすめします。

異常音4:ゴー

給湯器の排気口から「ゴー」という音が聞こえる場合は、異物が混入している可能性があります。

給湯器へ混入する異物は、ゴミやほこりだけでなく、ネズミやセミなどの生物が排気口から入り込んでしまっていることも考えられます。

この状態を放置すると、十分な給排気ができないことから能力低下や本体の故障、不完全燃焼を引き起こすこともあるため、早めに業者へ連絡しましょう。

異常音5:カタカタ・ガタガタ

給湯器本体またはその周辺から聞こえる「カタカタ」「ガタガタ」といった音は原因がさまざまであり、特定するのが難しい異音です。

経年劣化によるファンモーターの異常回転や異物混入など、内部部品の劣化によって鳴っていることもあれば、本体取り付け箇所の下地劣化など、考えられる原因が複数あります。

いずれにしても正常な給湯器から出る音ではなく、故障の前兆であることは間違いないので業者へ連絡をして点検依頼することをおすすめします。

異常音6:ポコンポコン

追いだき中に「ポコンポコン」や「ボコンボコン」という音が鳴ることがあります。
このような溜まった空気が出てくるような音は、お湯が上手に循環できていないときに発生します。

ポンプ内のゴミ詰まりや追いだき配管の勾配が取れていないことで、エアーを噛んでしまうことが原因です。
配管の清掃をしても改善しない場合は業者に相談する必要があります。

異常音7:シュー

給湯器の付近だけでなく、水回り設備の付近も含めて「シュー」という音がしているときは既に給水・給湯管から水漏れを起こしている可能性が高く、水道の元栓を閉めて音が止まるようであれば、確実に水漏れを起こしています。

被害を最小限に抑えるためにもまずは止水をし、業者を呼んで適切な処置をしてもらいましょう。

水漏れは建物へ大きなダメージを与えるほか、集合住宅であれば下階への被害など、二次被害を招く恐れがあります。

正常・異常両方の可能性がある音

給湯器から聞こえてくる音の中には正常か異常かを判別しづらいものもあります。
以下のケースだと、正常・異常のどちらも考えられます。

異音の種類

主な原因

  • ブーン・ブオーン

ファンモーターの作動音

  • キュルキュル・ウーン・グワン

ポンプの作動音

ご自宅の給湯器から聞こえている音を照らし合わせ、必要に応じて対処するようにしましょう。
正常か異常かを判断できない場合は業者へ相談することも視野に入れて対応することをおすすめします。

1.ブーン・ブオーン

給湯器本体から聞こえる「ブーン」や「ブオーン」といった音は、給湯器内部のファンモーターの作動音で、正常な音である可能性が高いです。

また、ファンモーターは出湯中だけでなく、出湯を停止してからもしばらく動作することがあり、お湯を使っていなくてもこのような音が鳴ることがあります。

あまり気にする必要のない音ですが、あまりに音が大きい場合はファンモーターの故障または、故障の前兆であることも考えられるので業者へ相談しましょう。

2.キュルキュル・ウーン・グワン

これらの音はポンプの正常な作動音であることがほとんどです。

冬季になると追いだき配管の凍結予防のために循環ポンプが作動したり、本体の凍結予防ヒーターが作動したりすることで、このような音が鳴ることがあります。

しかし、キュルキュル音と同時に炎の色が赤やオレンジであった場合、不完全燃焼を起こしている可能性があるので、早急に業者へ相談する必要があります。

正常な音

ここからは正常な作動音をご紹介します。

異音の種類

主な原因

  • ボッ

着火音

  • クックックー

モーターの作動音

  • ピヨピヨ

給湯器の作動音

  • ジュージュー

本体内の蒸発音

給湯器から聞き慣れない音が聞こえてくると故障を疑って不安に感じる方も多いですが、給湯器は精密機器であり、さまざまな部品を組み合わせて作動しているため、想定していないような音が鳴ることもあります。

正常音1:ボッ

爆発のようにあまりに大きな音や連続して何度も鳴っている場合には異常を疑う必要がありますが、点火時に一度だけ鳴る「ボッ」という音は、燃焼を停止していた給湯器が着火するときの音なので異常ではありません。

正常音2:クックックー

給湯栓の開閉をしたあとに聞こえてくるモーターの正常な作動音です。
お湯の使用を開始した運転中だけでなく、運転を停止したあとでも再使用時の点火や温度を安定させるためにモーターが作動していることで、このような音が鳴ります。

正常音3:ピヨピヨ

給湯器の電源が入っている状態で耳を澄ますと微かに聞こえる「ピヨピヨ」「ピロピロ」といった音は正常な作動音です。

正常音4:ジュージュー

給湯器内部の結露によって発生した水分が遮熱板などの高音部分に触れて蒸発したときに聞こえる音です。
燃焼させたガスに含まれる水蒸気や外気との温度差で給湯器内部に発生した水分なので問題はありません。

異音を確認した後に対応すべきこと

給湯器から聞き慣れない音が聞こえてきたとき、音の種類である程度の原因を判別することもできますが、その他の確認方法を組み合わせることでより正確に原因を特定することができます。
ここでは異音を確認した後にチェックすべき4つのことをご紹介します。

1.給湯器リモコンのエラーコードを確認

給湯器は故障や異常を感知すると、どこでどんな異常が起きているかを自ら判断してエラーコードを表示する機能が備わっており、取扱説明書に記載されているエラーコードごとの対処方法を試すことで症状が改善することがあります。

もちろん、エラーコードから原因や改善策の全てを特定したり解決したりすることはできませんが、他の対処法と掛け合わせることで原因特定の精度を高めることができ、修理依頼やトラブル改善のための大きな手がかりとなります。

エラーコードは浴室や台所に設置されたリモコンから確認することができ、取扱説明書やメーカーのホームページから内容を確認することができます。
注:稀に給湯器本体にリモコンが装着されていることもあります。

参考:給湯器・各社のホームページ

ノーリツ エラーコード検索
リンナイ Q&A(よくあるお問い合わせ)
パロマ よくあるご質問(Q&A)

2.ガス漏れがないか臭いをチェック

水やお湯の使用を中断し、ガス栓を閉めた状態でガスの臭いがしないかを確認してください。
上記のような状態でもガスの臭いがする場合は、ガス漏れや不完全燃焼を起こしている可能性があります。

そのまま使用していると爆発や火災を発生させる可能性があり、室内に給湯器が設置されている場合には、一酸化炭素中毒などの命に関わる事故を引き起こす危険性もあるため、給湯器とその他の火気の使用を中止し、ガス会社や修理業者へ連絡をして対応しましょう。

3.排気口・排気管が塞がれていないかを確認する

ご使用中の給湯器から異音を感じた場合は、本体の破損や排気口の詰まりがないかを確認しましょう。

本体の物理的な損傷は内部のパーツを破損して正常に機能していない可能性があり、思わぬ事故につながる危険性があります。

また、排気口や排気管へゴミやほこり、ネズミや鳥などの小さな生物や昆虫などが詰まり、排気不良を起こすこともあります。

給湯器の設置環境によっては一酸化炭素中毒につながる恐れもあるため注意が必要です。

4.異音がするタイミングを確認する

給湯器の異音は、症状によって音の種類が変わるだけでなく、音が鳴るタイミングも変わります。

「どんなときに」「どんなことをすると」その音が鳴るのかを把握し、修理を依頼した業者へ伝えることで原因をスムーズに特定できることもあり、原因がはっきりと特定できることで、交換までせずに修理で安く対応できることもあるので、異音のタイミングを確認しておくことは重要です。

「運転開始時」「運転中」「停止後」の3パターンのどこで音が鳴っているのかを確認しておくようにしましょう。

異常だと判断した場合の対処法

生活に欠かせない給湯器は壊れると不便を感じるだけでなく、命に関わる事故を起こす危険性もあります。
給湯器から聞こえてくる音の種類やエラーコードなどを確認し、異常だと判断した場合は本章を参考にして早急に対応しましょう。

戸建住宅の場合

戸建住宅で給湯器が異常だと判断した場合、状況に応じて下記を参考に各業者へ相談することをおすすめします。

  • メーカーへ連絡・・・製品の点検や保証期間内の修理を検討している場合
  • ガス会社へ連絡・・・以前にガス会社で給湯器交換をしたことがある場合やガス管に異常があると思われる場合(当時の情報をもとにスムーズに対応してもらえます)
  • リフォーム会社へ連絡・・・直近にリフォーム会社で給湯器交換を依頼したことがある場合(施工不良が原因だった場合、無償で対応してもらえることがあります)

マンション・アパートの場合

マンション・アパートなどの集合住宅で給湯器が異常だと判断した場合、賃貸なら大家さんや管理会社へ、分譲なら管理会社へといった物件の管理者への報告をしましょう。

賃貸物件では、給湯器の点検や交換にかかる費用は管理者が負担することになりますが、入居者の不注意や故意に破損させてしまった場合、不調を報告せずに自ら業者を手配して対応してしまった場合には自己負担となることがあるので注意が必要です。

給湯器に限らず賃貸物件で設備の不調を感じた場合は、第一に管理者へ連絡することを忘れないようにしてください。

給湯器から変な音がする時の対応まとめ

ガス給湯器の異音は問題のないものから重大な事故につながる可能性のあるものまでさまざまで、取扱説明書に従ってご自身で解決できる問題もあります。

しかし、給湯器はあくまでガス設備であり、専門的な対応をご自身で行うのは大変危険です。
二次被害を生まないためにも自己対応は控え、無理せず専門の業者を頼ることをおすすめします。

お使いの給湯器に異変を感じたら、故障の可能性や、交換・修理も視野に相談先を考えてみてください。

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

給湯器の耐用年数注)は約10年です。10年以上経過している場合、故障の頻度も増えていきます。
トラブル発生時は「修理」と「交換」の要望はほぼ同じですが、最終的な解決方法は10年を境に差が出てきます。ご利用年数が10年以下なら修理、10年以上なら交換することをおすすめします。

注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

修理と交換お選びいただけます
  • この記事の監修者

    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

    給湯器・コンロといったガス機器だけでなく、レンジフード・トイレ・浴室といった水まわり機器の交換に役立つ情報を幅広く発信していきます