この記事でわかること
- 給湯器の基本的な仕組みがわかる!
- 給湯器の種類や選び方がわかる!
給湯器の基本的な仕組み

ガス給湯器は、お湯を沸かすために水、ガス、電気の3つの要素が必要です。
水道管、ガス管、電源線が給湯器に接続され、沸かしたお湯は給湯管やお風呂の追いだき管を通って住宅内の蛇口や浴槽に供給されます。
お湯の生成プロセスは次の通りです。
- 水の通水: 蛇口のお湯ハンドルをひねるか、リモコンでお風呂へのお湯はりボタンや追いだきボタンを押すと、給湯器内部に通水が始まります。
- 水量センサーの感知: 給湯器内部の水量センサーが通水を感知し、ガスの燃焼による水の温めが開始されます。
- 熱交換器による温め: 通水した水は、ガスの燃焼で温められた熱交換器を通じてお湯に温められます。
- 給湯管と追いだき管からの供給: 温められたお湯は給湯管や追いだき管を通って蛇口や浴槽に供給されます。
なお、給湯器は電気で動いているため、停電時にはリモコンがあってもお湯を出すことができません。
注) 一部商品は外部バッテリーを利用して停電時も起動が可能です
給湯器の種類
名称 | 熱源 | 特長 |
---|---|---|
ガス給湯器 | ガス | バーナーで加熱して給湯するシンプルな仕組み |
エネファーム(家庭用燃料電池) | ガス | 給湯と同時に電気も作れる |
ハイブリッド給湯器 | ガスと電気を切り替える | 効率的な給湯が可能 |
石油給湯器 | 石油 | ランニングコストが安い |
電気給湯器 | 電気 | 外気温に左右されずに給湯できる |
電気ヒートポンプ(エコキュート) | 空気熱 | わずかな電気で効率よく給湯できる |
給湯器には、主に6種類あります。それぞれ特徴が異なるため、ひととおり確認しておきましょう。
1.ガス給湯器

ガス給湯器とは、ガスを熱源にして水の温度を高くする機器です。お湯を使う際に、配管の中を流れる水をバーナーで加熱して供給するというシンプルな仕組みが採用されているため、お湯が必要な時に必要な量を使えるというメリットがあります。ポピュラーなタイプで、1台の給湯器で浴室、キッチン、洗面所など家中の給湯をまかなっているのが一般的です。
ガス給湯器は省スペースで導入コストも低くできますが、ガスの消費量が多くなる点と水温が低い季節や地域では、バーナーによる加熱に時間がかかる点がデメリットです。また、ガス給湯器の中にも機能によっていくつか種類があり、使用環境に応じたタイプを選ぶ必要があります。以下がガス給湯器の代表的な4つの種類です。
ふろ給湯器

一般的なガス給湯器に、お風呂を沸かすための機能が加えられています。自動湯張りや追いだき機能が代表的な機能で、お風呂への給湯中にシャワーやキッチンでもお湯を使える点が優れています。
ガス風呂がま

こちらは、お風呂にお湯を張るため専用に使われるものです。お風呂に特化した給湯器であるため、浴槽に張った水や残り湯を沸かすこともでき、湯を無駄なく使える点が優れています。
注)「東京ガスの機器交換」ではガスふろがまの交換には対応しておりません
給湯暖房熱源機

浴室への給湯に加えて、床暖房や浴室暖房乾燥機への熱源の供給も想定した機能が備わっています。浴室やキッチンなどに給湯や風呂湯沸かし・追いだきをするとともに、給湯器でつくったお湯を各部屋に循環させ、床暖房や浴室暖房乾燥機、ミストサウナなどの暖房機器を利用することができます。
東京ガスでは「東京ガス温水システムTES」という名称で、東京ガスグループ独自の基準や資格制度に基づき、設計・施工・アフターサービスまでワンストップで対応しています。
給湯専用

追いだき機能がなく、給湯に特化した専用機です。浴室への給湯はもちろん、キッチンや洗面所などへの給湯も1台でまかなうことができます。
エコジョーズ(省エネ高効率給湯器)
エコジョーズの特長は、従来は排出していた排熱を回収して利用することで、熱効率を大幅に向上させている点にあります。機種によって異なりますが、この仕組みによってガスの使用量を約15%ほど抑えることができ、ランニングコストの面で大きなメリットがあります。また、エコジョーズは瞬間式が採用されているため、貯湯タンクが必要なく、お湯を使いたい時に使いたい分だけ給湯できる仕組みです。
暖房専用
暖房専用は、床暖房や浴室乾燥機、ミストサウナなどに用いられるガス給湯器です。ほかの給湯器と異なり、浴槽への給湯には対応していません。とくに、戸建て住宅かつほかにも給湯器が設置されている場合に用いられます。
2.エネファーム(家庭用燃料電池)
エネファームは、ガスで給湯する点では同じですが、同時に電気も作れる点が最大の特長となっています。ガスから取り出した水素を酸素と化学反応させることで発電し、発電の際に生じた熱でお湯を沸かすという仕組みです。CO2の排出量を大幅に削減すると同時に、電気とガスのトータルの光熱費を低くできる点で、高い人気を集めています。
3.ハイブリッド給湯器

ガスと電気の2つの熱源を切り替えながら給湯するのがハイブリッド給湯器です。使う条件に応じた熱源を使用することで効率的に給湯できるため、ランニングコストを抑えられる可能性があります。
4.石油給湯器
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石油給湯器は、石油を燃料として水を温める給湯器です。特長として、給湯器の近くに石油を貯蔵するタンクが設置されているため、外観に独特な雰囲気があります。
石油はガスや電気に比べてランニングコストが安く、効率的にお湯を沸かすことが可能な点がメリットです。そのため、東北や北海道などの豪雪地帯で多くの家庭に採用されていることが多いです。
一方で、今後石油価格が上昇するとランニングコストが高くなる可能性があることや、石油が減ってきた際に補充の手間がかかる点がデメリットといえます。
5.電気給湯器(電気温水器)
電気給湯器(電気温水器)は、タンク内のヒーターを使ってお湯を沸かすシンプルな仕組みです。エコキュートと異なり、外気温に左右されず安定してお湯を供給できる点が特長です。
そのため、寒冷地でも安心して利用できます。ただし、電気料金が高い地域では運用コストが増える可能性があるため注意が必要です。安定性を重視する方には適した選択肢と言えますが、ランニングコストとのバランスも検討して選ぶことをおすすめします。
6.電気ヒートポンプ(エコキュート)
電気ヒートポンプ(エコキュート)は、屋外に設置したヒートポンプユニットで空気中の熱を集め、その熱を圧縮して高温にすることでお湯を沸かします。わずかな電気で効率よく給湯できるのが特長です。
給湯器メーカーの種類
ガス給湯器の主要なメーカーには、リンナイ、ノーリツ、パロマがあります。
リンナイはガス機器で国内シェア1を誇る大手メーカーで、ガス燃焼技術が高いことで知られています。ノーリツはUV除菌ユニットや見まもり機能の搭載など、独自技術を搭載した給湯器製造に強みがあるメーカーです。パロマは海外向け製品も多く手掛けるグローバルカンパニーで、日本とは異なる水質にも対応できる技術力を備えています。
各メーカーの詳細については、下記ページもあわせてご覧ください。
各メーカーの特長については、こちら
ガス給湯器って何? - 種類や特長をガイド
後悔しない給湯器の選び方
さまざまなタイプがある給湯器ですが、熱源やシステムの違いによってメリットとデメリットがあります。それぞれの特長を理解した上で、どのタイプを採用するかを考えれば、適切な給湯器を選ぶことができるでしょう。
ここからは一般家庭での使用を想定して、どんな点に注意して給湯器を選べばよいのかを解説していきます。
1.自宅の給湯器の設置タイプを確認する

給湯器の設置タイプによって、選べるものと選べないものがあります。まずは、現在設置されているご自宅の給湯器のタイプを確認しましょう。戸建ての場合とマンションの場合で、設置できるタイプが異なります。
戸建ての場合
戸建て住宅の給湯器には、「壁掛けタイプ」「据置タイプ」「浴槽隣接タイプ」3つの設置タイプがあります。
なかでも一般的なのは、外壁面に固定されガス管とつながっている壁掛けタイプです。給湯器の下からキッチンやお風呂への給水管が接続されていて、化粧カバーなどで覆われている場合もあります。ガスメーター付近などの地面や床に設置されている、据置タイプの給湯器もよく見られます。
また、古いタイプの浴槽で、お湯が供給される循環口が2つある場合に使われているのは、浴槽隣接タイプです。浴槽隣接タイプは現在の給湯器の主流ではないため、壁掛けタイプや据置タイプに交換する際は、1つ穴への対応工事が必要になります。
マンションの場合
設置スペースに制限が多いマンションの場合は、「壁掛けタイプ」「PS(パイプシャフト)タイプ」の2つのタイプがあります。壁掛けタイプはベランダに設置されているのが一般的です。また、PSタイプは給水管やガス管と一緒に壁に埋め込まれています。PSタイプには、給湯器本体が外に出ている標準設置タイプと、外からは本体が見えない扉内設置タイプがあります。
2.給湯器の種類を確認する

次に、現在お使いの給湯器の種類を確認しましょう。基本的には、現在お使いのものと同じ種類のものを選べば、大掛かりな追加工事などが必要なく、初期費用を抑えることが可能です。
3.給湯器の号数を確認する

給湯器には、お湯を出す能力を数値で区分する号数があります。
給湯器の号数で一般的なのが、16号・20号・24号です。型式の中にいずれかの数字が記載されていることが多いです。号数の数字は1分間に水温+25℃のお湯をどれだけ給湯できるかで表されています。16号であれば16L、24号であれば24Lです。基本的には給湯器を利用する家族の人数に応じて、号数の大きな機種を選ぶことになります。
【給湯器の号数の目安】
- 16号/1人
- 20号/2~3人
- 24号/3~4人
基本的には、現在お使いの給湯器と同じスペックの給湯器への交換となりますが、給湯する量が少ないと感じる場合は、上記を目安に号数を大きくすることを検討してみてもよいでしょう。注)
注) 現在お使いの設備によっては号数を変更できないこともあります。
4.追いだき機能の有無を決める

浴室に給湯することを前提とした場合で、給湯器の機種を選ぶ際には、追いだき機能の有無を決めておきましょう。追いだき機能があれば、自動でお湯張りができる他、お湯が冷めてしまないように自動保温されたり、必要に応じて追いだきができたりと大変便利です。一方、追いだき機能がないタイプを選ぶ際は、給湯のみの機能となり、お風呂が冷めた場合は差し湯で対応することになります。
現在お使いの機器が追いだき機能なしの場合、追いだき機能ありをご利用いただくには追いだき配管の増設工事が追加で必要となります。注)
注) 現在お使いの設備によっては、追いだき配管の増設工事ができない場合があります。
追いだき機能ありの場合
追いだき機能がある給湯器にはオートタイプとフルオートタイプがあり、フルオートタイプには、自動湯張り、自動保温、自動追いだきの他に、さらに多くの機能が搭載されています。
【オートタイプの機能】
自動湯張り、自動保温、自動追いだき
【フルオートタイプの機能】
自動湯張り、自動保温、自動追いだき、自動足し湯、自動沸き揚げ、配管自動洗浄
現在お使いの給湯器がオートタイプの場合、フルオートタイプへの交換が可能です。家族が多く入浴の時間がバラバラでも、追いだき機能がある給湯器にしておくことで、長時間にわたってお湯の温度を保つことができます。
追いだき機能なしの場合
追いだき機能が必要ない場合は、給湯専用タイプと高温水供給タイプのいずれかから選ぶことになります。給湯専用タイプは、蛇口からお湯を出すだけの機能です。高温水供給タイプであれば、約80℃のお湯を差し湯することで、冷めたお風呂のお湯を温かくすることができます。
給湯器の初期費用を抑える方法
給湯器の購入先にはガス会社・リフォーム会社・ホームセンターなどがあり、それぞれ料金やサポート内容が異なります。給湯器を安く購入するためには、費用を抑えるコツや業者選びのポイントを把握しておくことが重要です。下記の記事では、給湯器を安く買う方法や購入先の選び方を詳しく解説しています。
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2025年08月14日
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自身に最適な給湯器を選ぼう
ここまで、給湯器の選び方のポイントや各メーカーの特徴についてご紹介してきました。
最後に、ご家庭にぴったりの一台を選ぶためのポイントを改めて確認してみましょう。
- 今の暮らしに合っているか
- どんな機能を重視するか
- 設置場所に合っているか
これらのポイントを踏まえて、ご自身の希望を整理することで、最適な給湯器が見えてくるはずです。
「どの給湯器が最適か分からない」「設置できるか不安」という場合は、ぜひ一度、専門スタッフにご相談ください。プロの視点から、お客様のご自宅の状況やライフスタイルに合わせた最適な給湯器をご提案します。
給湯器の交換・設置はプロに依頼しよう
給湯器の交換や設置には、作業に必要な資格や専門的な知識が求められるケースがあるため、信頼できるプロに任せることをおすすめします。
東京ガスでは、以下3社の製品を取り扱っています。
メーカー名 | 特長 |
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リンナイ |
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ノーリツ |
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パロマ |
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お客さまのお困りごとやご要望に寄り添い、最適な給湯器のご提案が可能です。安心の機器交換をしたい方は、ぜひご依頼ください。