給湯器の「オート」と「フルオート」の違いは?向いているタイプを選ぶポイント

給湯器の「オート」と「フルオート」の違いは?向いているタイプを選ぶポイント

給湯器の設置・交換を考えるにあたり、オートとフルオートのどちらを選べばよいのか、迷われている方も多いのではないでしょうか。具体的な価格や、それぞれのタイプが適している条件がわかれば、判断の一助となります。そこで本記事では、給湯器の「オート」と「フルオート」の違いを解説します。本当に便利でコスパの良い給湯器をお探しの方は、ぜひご覧ください。

最終更新日:2025年09月29日公開日:2025年09月29日

目 次

この記事でわかること

  • 給湯器の「オート」「フルオート」の違いがわかる!
  • 「オート」「フルオート」の価格の目安がわかる!
  • 「オート」「フルオート」はそれぞれどのような方におすすめなのかがわかる!

給湯器の「オート」「フルオート」の違いとは

そもそも給湯器の「オート」「フルオート」とは、お湯はりや保温をはじめとする、ふろ機能(お風呂に関する機能)の種類のことです。“ふろ機能をボタン操作+自動で行うか、あるいは全自動で行えるか”が両者の違いとなります。以下でそれぞれの概要を解説します。

オートとは

オートとは

オートは、ふろ機能のなかでもお湯はり・自動停止・追いだき/保温が搭載されている給湯器で、メーカーによっては「シンプル」と呼ばれる場合もあります。入浴に最低限必要な機能は備わっており、比較的低価格である点が大きな特長です。たし湯や追いだきをしたいときにはその都度ボタンを操作します。

ボタンを押すと一定量のお湯が出てくる仕組みですが、残り湯の量を測る機能はないため、残り湯が多い状態でたし湯をすると、お湯があふれる場合があります。また、追いだきに関しては自動で行える機種もあり、一定の温度を下回った場合に追いだきをして、設定温度で自動保温してくれます。

フルオートとは

フルオートとは

オートの機能にくわえ、たし湯・配管洗浄・沸き上げまで自動で行ってくれるのが、フルオートの給湯器です。メーカーによっては「スタンダード」と呼ばれる場合もあります。

オートとの大きな違いは、水位センサーが搭載されている点です。あらかじめ設定した湯量よりも水位が下がると自動でたし湯が行われるため、ボタンを操作する必要がありません。また、浴槽に人が入ったことを検知して、自動で沸き上げてくれるため、体が冷えているときも快適に入浴できます。さらに、入浴後に浴槽の栓を抜くだけで追いだき配管をきれいな水で洗浄してくれるので、清潔にお風呂を楽しめるのもうれしいポイントです。

なお、機能が充実しているぶん、設置や修理のコストがかさむ傾向にある点は把握しておきましょう。

オート・フルオートの違い|基本機能を比較

オートとフルオートの大きな違いとしてまず挙げられるのは、基本的な機能です。共通している機能と、フルオートにしかない機能があります。

オート・フルオートの機能の違い

機能

オート

フルオート

お湯はり

保温

自動たし湯機能

×

配管自動洗浄機能

× 注)

注) 機種によってはオートにも搭載

ここからは、それぞれの機能について詳しく解説します。

オート・フルオートどちらでも使える機能

オートとフルオートに共通している機能があります。まずはこちらを確認しましょう。

オート・フルオートどちらでも使える機能

  • お湯はり
  • 保温

お湯はり

お湯はり機能は、浴槽に一定量のお湯をはる機能です。ボタンを押すと、設定した温度・量でお湯はりが行われます。オートとフルオート、どちらでも使えますが、その仕組みや便利さは異なります。

主な違いは水位センサーの有無です。オートには水位センサーは搭載されておらず、1回のお湯はりごとの量が設定されているため、もし残り湯がある状態でお湯はりを行うと、それだけ水位がかさ増しされます。一方でフルオートは、水位センサーで湯量を検知しているため、たとえ残り湯があったとしても、お湯の量は一定の水位から超えません。

保温

保温機能では、浴槽内のお湯の温度を一定に保つことができます。いずれのタイプでも、浴槽内の温度を検知して、一定の温度以下になると自動で保温を行ってくれるため、ボタン操作の必要はありません。

「保温したうえでお湯の量も増やしたい」という場合、オートならボタンを操作して別途たし湯を行う必要があります。フルオートであれば、ボタン操作の必要なく自動でたし湯と保温が行われます。

フルオートでしか使えない機能

フルオートの給湯器でしか使えない便利な機能としては、以下の2つが挙げられます。

フルオートでしか使えない機能

  • 自動たし湯機能
  • 配管自動洗浄機能

自動たし湯機能

自動たし湯機能では、水位センサーによって浴槽内の水位を検知し、水位が下がるとお湯を自動で足してくれます。たとえば、設定水位より3cm下がっている場合は3cm分のお湯がたされるので、常に同じ湯量で入浴できます。

入浴人数が多いご家庭では、お風呂に入る順番が後ろになるほど浴槽のお湯が少なくなってしまう場合もあるでしょう。自動たし湯機能を使えば、そういった場合でも、ボタン操作なしでたっぷりのお湯に浸かることができます。

配管自動洗浄機能

追いだきに使う配管をきれいに洗ってくれる機能が、配管自動洗浄機能です。栓を抜いて浴槽内のお湯を排水する際に、循環アダプタよりも水位が下がると自動的に新しいお湯を流して、追いだき配管の内部を洗い流します。

追いだきの使用を続けると、配管に雑菌や古いお湯、せっけんや湯垢などが蓄積され、再び追いだきを行ったときにそれらが湯船に流れ込んでしまいます。配管自動洗浄機能を使えば配管を洗浄できるため、追いだきを行ってもきれいなお湯で入浴できます。

なお、パロマふろ給湯器はオートでも配管自動洗浄機能が搭載されています。

オート・フルオートの価格目安

オートとフルオートは、機能だけでなく価格も異なります。ここでは、東京ガスで取り扱いのあるメーカー(ノーリツ・リンナイ・パロマ)の給湯器 注)を参考に、価格の目安を紹介します。

注)2025年9月時点、税込・リモコン込・基本工事費込。壁掛け型で16号・20号・24号の製品を掲載(エコジョーズ以外)

オートの価格目安

オートの給湯器の価格目安は、以下の通りです。なお、ふろ給湯器には給湯機能と追いだき機能、従来型暖房付きふろ給湯器には給湯機能と追いだき機能にくわえ、暖房機能が搭載されています。

【ふろ給湯器】オートの給湯器の価格目安

16号

20号

24号

ノーリツ

161,111円

170,241円

177,446円

リンナイ

153,791円

162,866円

171,666円

パロマ

153,439円

163,311円

171,204円


【従来型暖房付きふろ給湯器】オートの給湯器の価格目安

24号

ノーリツ

270,415円

リンナイ

264,869円

パロマ

-

上記を見ると、オートのなかでも、ふろ給湯器の場合は本体価格と工事費で合計15万~17万円程度が目安であることがわかります。暖房付きふろ給湯器の場合は、ふろ給湯器よりも10万円ほど高く、26万~27万円程度が目安です。

フルオートの価格目安

続いて、フルオートの給湯器の価格目安も確認していきましょう。

【ふろ給湯器】フルオートの給湯器の価格目安

16号

20号

24号

ノーリツ

175,136円

184,266円

191,471円

リンナイ

167,816円

177,166円

185,691円

パロマ

167,574円

177,419円

185,339円

【従来型暖房付きふろ給湯器】フルオートの給湯器の価格目安

24号

ノーリツ

286,413円

リンナイ

281,105円

パロマ

-

フルオートの給湯器の場合、ふろ給湯器の本体価格(工事費込)の目安は16万~19万円程度です。暖房付きふろ給湯器になると10万円ほど高くなり、目安は28万~29万円程度となります。

なお、オートと比較すると、ふろ給湯器・従来型暖房付きふろ給湯器ともに1万~2万円ほど高くなる傾向にあることがわかります。

工具 模型

2025年08月14日

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オートの給湯器がおすすめな方

「結局、オートとフルオートどっちがいいの?」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。どちらが良いのかは、ケースバイケースです。それぞれの特長を押さえたうえで、ご自身の希望や条件に合うものを選びましょう。

以下では、ここまででお伝えした内容を踏まえたうえで、オートの給湯器が向いている可能性の高い方の特長をお伝えします。

オートの給湯器がおすすめな方

  • たし湯機能を使っていない方
  • 入浴人数が少ない方
  • できるだけ初期費用・修理費用を抑えたい方
  • 節約を意識したい方

たし湯機能を使っていない方

毎日の入浴で、たし湯機能を使っていないのであれば、オートの給湯器でも十分でしょう。フルオートの場合は、湯量が減ったり温度が下がったりすると、たし湯が自動で行われるため、そのぶんガス代や電気代がかさんでしまう可能性があります。また本体価格もフルオートのほうが高いため、トータルコストが高くなります。「一度お湯を張ったら、それで十分」という方は、シンプルな機能のオートがおすすめです。

入浴人数が少ない方

ご家庭で入浴する人数が少ない場合も、たし湯を行う必要性があまり高くないため、オートの給湯器が向いているといえます。具体的な目安としては、1人~2人暮らしのご家庭が挙げられます。1人~2人暮らしであれば、かけ湯をしても湯船の湯量はそこまで減らず、十分に入浴できると考えられるためです。この状況でフルオートの給湯器を取り付けても、自動たし湯機能を持て余してしまう可能性があります。

できるだけ初期費用・修理費用を抑えたい方

初期費用だけでなく、将来発生するかもしれない修理費用も抑えて、できるだけリーズナブルに済ませたい方にも、オートの給湯器がおすすめです。フルオートの給湯器はオートよりも1万~2万円ほど初期費用が高く、また修理費用もかさむ傾向にあるためです。

お風呂は毎日使うものなので、給湯器が不具合を起こした場合は早急に修理しなければなりません。「急な出費を可能な限り抑えたい」とお考えの方にはオートの給湯器が向いています。

節約を意識したい方

初期費用・修理費用だけでなく、ランニングコストまで節約したい方もオートの給湯器を検討するとよいでしょう。オートの給湯器には、フルオートに搭載されている自動たし湯機能がありませんが、それによってフルオートを使用する場合よりも節水ができます。

フルオートの自動たし湯機能では、かけ湯を使った場合などで水位が下がると、そのぶん自動でお湯が足されるため、水道代やガス代がかかります。便利な機能ではあるものの、ランニングコストとトレードオフになります。

そのため、「湯船のお湯が多少減っても、光熱費を節約できるほうがいい」とお考えであれば、オートの給湯器がおすすめです。

給湯器が壊れる前兆は?故障の予兆がわかる7つのサイン

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フルオートの給湯器がおすすめな方

反対に、フルオートの給湯器が向いているのは、どのような方なのでしょうか。
フルオートの給湯器には便利な機能が搭載されており、快適な入浴をサポートしてくれるので、さまざまな方におすすめできます。

フルオートの給湯器がおすすめな方

  • すでにフルオートで慣れている方
  • 入浴人数が多く湯量を必要とする方
  • 衛生面が気になるが頻繁なお手入れは面倒な方
  • 手間を減らし快適なバスタイムを楽しみたい方
  • 寒い時期にもすぐに温まりたい方
  • コストより機能性を重視したい方

すでにフルオートで慣れている方

現在すでにフルオートの給湯器を使用しており、自動たし湯機能をはじめとする機能を使いこなしている方であれば、今後もフルオートを使われることをおすすめします。オートの給湯器でもたし湯は行えますが、基本的には手動でボタンを操作することになります。フルオートに慣れていると、その少しの手間でも負担に感じてしまう可能性もあるため、コスト面などが特に問題なければ、フルオートを継続するほうがよいでしょう。

ただし、現在フルオートを使用しており「自動たし湯機能は、そこまで使っていないかも……」「手動になっても別に問題ない」と思われる場合は、オートへの変更を検討してもよいかもしれません。

入浴人数が多く湯量を必要とする方

お子さまがいる場合など、入浴人数が多く、一度のお湯はりではお湯が足りなくなってしまうご家庭にもフルオートの給湯器がおすすめです。フルオートであれば自動たし湯機能があるため、お湯の使用量が多い方がいても、全員がたっぷりのお湯で快適に入浴できます。現在オートの給湯器を使用しており、最後に入浴する方が湯量で我慢することがある場合は、フルオートに交換すると全員が心地よく入浴できるようになるでしょう。

衛生面が気になるが頻繁なお手入れは面倒な方

フルオートの給湯器は、「お風呂をできるだけ清潔な状態にしたい!」「でも、しっかりとお手入れする余裕がない……」という悩みにも寄り添ってくれます。使用後に栓を抜くと、配管洗浄機能によって追いだきの配管をきれいに洗浄してくれるためです。

追いだきによって配管内に残った雑菌や汚れ、せっけんのぬめりなども新しい水で洗い流すので、きれいな状態でお風呂を使うことができます。

手間を減らし快適なバスタイムを楽しみたい方

「次の人のために、たし湯をしたほうがいいかな……」と、都度考えることが小さな手間となっていませんか?フルオートの給湯器では、たし湯が自動で行われるので、シンプルで快適なバスタイムを楽しみたい方にもおすすめです。手間を最小限に抑えて、全員が快適にお風呂に浸かれる環境を作ってくれます。

寒い時期にもすぐに温まりたい方

体が冷えやすい方や、寒い時期にお風呂ですぐに温まりたい方には、入浴検知機能が搭載されているフルオートの給湯器が向いています。入浴検知機能は基本的にフルオートの給湯器にのみ搭載されており、人が入浴したタイミングで追いだきを行い、お湯を快適な温度に温めてくれます。寒い時期で、なおかつ入浴の順番が最後だとしても、温かいバスタイムを過ごせるでしょう。

コストより機能性を重視したい方

「多少コストはかかってもいいから、便利なものを選びたい」とお考えの方にも、フルオートの給湯器がおすすめです。フルオートは、オートよりもトータルコストがかかる点は先ほどお伝えした通りです。しかし、そのぶん機能が充実しており、いつでも快適なバスタイムを過ごせる点は非常に魅力的といえます。ここまでで紹介した条件に当てはまるうえで、予算に余裕があるなら、フルオートをぜひご検討ください。

給湯器が壊れたけどお金がないときはどうしたらいい?

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給湯器が壊れた際には、修理や交換にまとまった費用が必要です。しかし、できる限り費用を抑えて修理や交換をしたいという方も多いでしょう。この記事では、給湯器が壊れた場合の対処法や確認事項、費用を抑えて交換する方法などを解説します。落ち着いて状況を確認し、基本的な対処を実践したうえで、業者への依頼を検討しましょう。

給湯器交換は信頼できる業者へ依頼しよう

設置したい給湯器が決まったら、信頼できる業者に施工を依頼しましょう。給湯器の設置・交換の依頼先は主に4種類あり、以下のようにそれぞれ特長が異なります。

給湯器の設置・交換を依頼できる業者

種類

特長

ガス会社

現在使用中のガス会社に依頼することになるため、信頼性が高く、安心感がある

リフォーム会社

リフォームと給湯器の交換を同時に済ませられる

家電量販店・ホームセンター

たまったポイントを使えるので、給湯器をお得に購入・設置できる

Web販売業者

とにかく安く・早く給湯器を設置できる

上記からご希望に合う依頼先を選んだうえで、さらに「専門的な知識がある」「施工実績が豊富にある」「アフターフォローがしっかりとしている」などの観点で、信頼できる業者を絞り込みましょう。相見積もりをとり、質問への対応や説明のわかりやすさなども重視して比較・検討すると、優良な業者を見つけられます。

給湯器をエコジョーズに交換するとトータルでお得!業者選びに気をつけて!

2025年08月14日

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日々の暮らしに欠かせない給湯器を交換する際は、よりお得に快適に使えるエコジョーズへの交換がおすすめです。 使用ガス量を抑えてお湯を効率良く沸かせるため、節約にも効果があります。 ただ、交換には費用がかかり、業者ごとに工事費が違うので迷うこともあるでしょう。 業者選びや費用の相場を参考にしながらご検討ください。

まとめ

以上、給湯器のオートとフルオートの違いを解説しました。どちらを選べばよいのか、候補は決まりましたでしょうか?

オートとフルオートに共通している機能もあれば、フルオートにしか搭載されていない機能もあります。ご家庭の入浴スタイルや求めている機能、予算などの条件と照らし合わせて、適切なものを選びましょう。

施工業者 MTG

2025年08月28日

給湯器の交換はどこに頼む? 工事を依頼できる業者の選び方と注意点・関連FAQ

給湯器の交換をどこに頼むか迷ったときは、リフォーム会社やガス会社、ホームセンターなど、依頼先ごとの特徴をふまえて目的に合った業者を選定するとよいでしょう。本記事では、給湯器交換の依頼先の特徴や選び方を解説します。給湯器交換に関するよくある疑問にもお答えしているため、機器の不具合にお悩みの方は参考にしてみてください。

  • この記事の監修者

    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

    給湯器・コンロといったガス機器だけでなく、レンジフード・トイレ・浴室といった水まわり機器の交換に役立つ情報を幅広く発信していきます

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