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【2024最新】太陽光発電の設置費用はいくら?相場と必要な設備について解説

環境への意識や電気の節約志向が高まるにつれ、太陽光発電の設置を検討する方が増えてきています。そこで特に気になるのが設置費用です。 実際に太陽光発電を設置するにはどのくらい費用がかかるのでしょうか。 本記事では太陽光発電の設置を考えている方に向けて設置費用、ランニングコスト、電気を売ることで得られる売電収入について分かりやすく解説します。

最終更新日:2024年09月30日公開日:2024年04月10日

目 次

太陽光発電システムに必要な設備と価格

太陽光発電システムに必要な設備と価格

太陽光発電システムの導入費用には、大きく分けて「設備費」と「工事費」があります。2023年度のデータによると、設備費と工事費を合わせた、住宅用太陽光発電システムの平均的な導入費用は発電容量1kWあたり28.4万円です。
ここでは、太陽光パネル、パワーコンディショナ、架台といった主な設備にかかる費用、そして工事費の目安を詳しく解説します。

参考:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」

参考:三菱総合研究所「定置用蓄電システムの普及拡大策の検討に向けた調査」

太陽光パネルの価格

太陽光発電システムの核となる太陽光発電パネル(太陽電池モジュール)は、太陽の光を電気エネルギーに変換する機能を持っています。価格は選択するパネルのメーカーや枚数によって異なりますが、一般的な市場価格は1kWあたり14万~15万円程度となっています。

太陽光パネルを選択する際は屋根の向きや種類、家庭の電力需要、地域の気候条件など、多くの要因を考慮する必要があります。必要に応じて専門家やメーカーに相談し、適切なパネルの選択をサポートしてもらいましょう。

太陽光発電システム設置のための工事費用

太陽光発電パネルに次いで、費用が大きくなりやすいのが工事費用です。太陽光発電システムの工事費用は1kWあたり7万~8万円程度です。

パワーコンディショナーの価格

パワーコンディショナは、太陽光パネルで生成された直流電力(DC)を家庭で使える交流電力(AC)に変換する装置です。変換効率が高いモデルを選ぶことで発電した電力のロス(損失)を最小限に抑えることができます。

一般的な市場価格は1kWあたり4万~5万円程度です。太陽電池モジュールなどと同様、メーカーや機能によって価格は異なります。パワーコンディショナは種類によって、接続ユニット(接続箱)が一体化しているもの、一体型ではないものがあるため注意が必要です。一体になっていないパワーコンディショナの場合、別途、接続ユニットが必要になります。

架台の価格

架台(かだい)は太陽光パネルを屋根に固定する設備です。最適な角度で太陽の光を受けられるようにパネルを支えます。一般的な市場価格は1kWあたり3万円程度です。素材には耐久性のあるステンレスや軽量のアルミなどが用いられ、屋根の材質や形状に応じて設置します。

また、降雪量が多い地域では、積雪に耐えうる強度を備えた架台を選びます。
パネルの種類や屋根の条件によっては、架台が不要な場合もありますが、適切な架台を選択することが、システム全体の効率とコストの最適化につながります。

発電モニターの価格

発電モニターは太陽光発電システムの性能を可視化し、管理するための設備です。発電量や売電の状況、家庭内での電力使用状況をリアルタイムで確認できます。機種によっては、遠隔地からでもシステムの状況を確認することができ、システムの効率的な運用管理が可能です。

発電モニターは、高機能なものでは電力検出ユニットとセットで10万円以上のものもあります。価格は、太陽光発電システムの発電容量とは比例しません。

蓄電池の価格

蓄電池は太陽光発電システムから得た電力を貯蔵するための装置です。太陽光発電システムを利用するために必須の設備ではありませんが、蓄電池があると自家発電した電力を効率的に利用できるようになるほか、停電時の電力確保にも役立ちます。

2022年度のデータによると、蓄電池の一般的な市場価格は工事費込みで1kWhあたり14万円程度となっています。一般家庭向けに普及している蓄電池としては、6〜14kWh前後のリチウムイオン電池が主流です。

その他費用項目の例

所有地や自宅の屋根・壁などを利用して太陽光発電を行うのではなく、太陽光発電システムを設置するための場所(土地など)を購入もしくは借りる場合は、当然ながらそのコストが生じます。費用は都市部では高額となり、郊外では比較的安価になることが一般的です。

土地の場合、システムを設置するための平坦化、清掃などの費用がかかることもあります。

太陽光発電を設置した後にかかる費用

太陽光発電を設置した後にかかる費用

太陽光発電は、設置した後もメンテナンスなどの費用が発生します。ここでは設置後にどのような費用が必要になるのか、またそれを軽減するための方策などを解説します。

メンテナンス費用

太陽光発電システムを設置すると、定期的なメンテナンスが必要となります。メンテナンスには設備点検や修理、太陽光パネルの清掃、地面に設置している場合は周囲の草刈りや日照を遮る障害物の除去などが含まれます。
自身で行えるものもありますが、定期点検や部品交換、保証期間外の修理などは専門家に依頼する必要があり、費用が発生することがあります。

定期点検の頻度については、日本電機工業会・太陽光発電協会が共同で作成した「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(2019年12月17日改訂版)」では規定されておらず、システムの種類などさまざまな要因から検討されるべきとされています。ただ、同資料には参考例として1年目点検、5年目点検、9年目以降は4年に1回の点検と記載されており、これがひとつの目安といえるでしょう。

1回の定期点検にかかる一般的な費用は、2022年のデータで約3.5万円とされています。点検では製品の不具合や運転状態の確認のほか、電圧測定なども行われます。点検の結果、修理や部品交換を行うことになると、別途費用が発生します。

参考:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」

参考:日本電機工業会・太陽光発電協会「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(2019年12月17日改訂版)」

撤去費用

一度設置された太陽光発電システムは基本的に長期間そのまま使用されるため、撤去の必要性はほとんどありません。撤去を行うことになるのは、住宅リフォームやパネルの老朽化など特別な事情があるときのみと考えてよいでしょう。

撤去が必要になった場合は、太陽光パネルを適切に処理することが法律によって定められています。そのため、まずは専門の業者に相談してください。

参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

参考:環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」

自治体や国の補助金・助成金制度を利用すれば、費用を抑えられる

太陽光発電システムには設置費用やランニングコストがかかりますが、設置時に国や自治体の補助金・助成金制度をうまく活用することで、トータルコストを抑えることが可能です。

例えば東京都の取り組み、クール・ネット東京では「令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」として、太陽光発電システムの設置に対する助成を行っています。
助成額は、太陽光発電システムの導入対象が「新築住宅」か「既存住宅」か、そして導入するシステムの「発電容量」によって決まります。新築住宅の場合は発電容量1kWあたり10万~12万円、既存住宅の場合は発電容量1kWあたり12万~15万円の助成額を受け取ることができます。

また、クール・ネット東京の別事業「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」では、初期費用ゼロ円モデルを利用した太陽光発電システムの設置に対して助成を行っています。
この事業は、住宅所有者が都から直接助成金を受け取れるものではありません。助成金は、採択されている事業者の各プランによって利用料割引やキャッシュバックといった形で還元される仕組みになっています。

なお同事業については、東京ガスの「IGNITUREソーラー」「IGNITUREソーラー(フラットプラン)」がプランとして登録されています。いずれも初期費用を抑えて太陽光発電システムを設置でき、サービス加入者の補助金申請の手間がかからないという点も大きな魅力です。

プラン契約期間中は電力会社への売電収入が得られないという注意点はあるものの、太陽光発電ならではの「非常時用の電源として利用できる」「電力会社から買う電力を減らせる」といったメリットは変わりません。設置費用が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

IGNITUREソーラー(フラットプラン)を詳しく見る

このほか設置費用を抑えるものではありませんが、国の余剰電力の固定価格買取制度(FIT)にも注目しましょう。FIT制度期間中は自宅の太陽光発電システムで生み出した余剰電力を一定の価格で電力会社に売ることができるので、設置費用の早期回収に有効です。

また少し視点を変えてみると、ZEH住宅(Net Zero Energy House)を対象とした国の補助金も検討する価値があります。ZEH住宅とは高い断熱性能や太陽光発電システムなどを組み合わせ、消費エネルギーを大幅に削減するように設計された住宅です。

補助金や助成金制度は対象要件や予算枠、期間などが設けられているため、太陽光発電システムの設置を決めたら早めに情報を確認することが大切です。

参考:クール・ネット東京「令和6年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」

参考:クール・ネット東京「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」

参考:経済産業省 資源エネルギー庁「買取価格・期間等|FIT・FIP制度」

参考:経済産業省 資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する 情報公開について」

売電収入はどれくらい?

売電収入はどれくらい?

太陽光発電の売電収入とは、発電したけれど自宅内では使用しなかった余剰電力を電力会社に売ることで得られる金額をさします。
2022年は、太陽光発電で生成された電力のうち余剰なために売電されている割合(余剰売電⽐率)は平均68.8%とのデータがあります。

売電収入は以下の計算式で計算できます。

太陽光発電の売電収入(円)=年間売電量(kWh)× 売電価格(円/kWh)

売電価格については、国の固定価格買取制度(FIT制度)では設置後10年間の売電価格が固定されます。2023年に設置した場合は、1kWhあたりの売電価格は16円です。

年間売電量については、発電容量5kWで年間約5,000kWhの発電量と仮定すると、平均的な余剰売電率(68.8%)だった場合の年間売電量は約3,440kWhになると計算できます。

例えば、上記の年間売電量と売電価格16円で計算した場合、年間の売電収入は約5万5,040円、10年で約55万400円となります。

参考:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」

まとめ

太陽光発電の設置費用は決して安価ではありません。また設置後もメンテナンス費用などが生じます。しかし、補助金制度などを上手く活用し売電収入も考慮すれば、設置費用を回収できる可能性が高まります。そのため、設置前にしっかりとコストを見積もり、長期的な計画を立てることが大切です。

東京ガスでは太陽光発電システムの補助金申請のサポートをはじめ、ご自宅の屋根や電気の使用状況にもとづく事前シミュレーションを承っています。長期的な見通しを立てたうえで安心して太陽光発電システムを導入したい方は、まずはお気軽に無料訪問相談をご利用ください。

  • この記事の監修者

    東京ガスの太陽光発電サービス コラム編集チーム

    太陽光発電・蓄電池の仕組み、メリットから設置、メンテナンスなど幅広いトピックを解説します。みなさまの太陽光発電・蓄電池選びに役立つ情報を発信していきますのでぜひご活用ください!