家庭用蓄電池の価格相場はいくら?
三菱総合研究所の「定置用蓄電システムの普及拡大策の検討に向けた調査」によると、2022年度のシステム価格と工事費を合算した導入費用の平均は13.9万円/kWhですが、これは10~20kWhのような大容量の蓄電池も含めた平均値です。
実際の導入費用は蓄電池の機種や、導入に際して必要となる配線工事に応じても増減するほか、業者や販売店によっても工事の品質やサポート内容の違いがあるため価格は変動します。安心できるサポート体制が整っている業者に依頼する場合は、15万~25万円/kWh程度の費用を見ておくのがよいでしょう。
平均的な価格相場を参考にしつつも、自分が希望する蓄電容量や業者を考えた上で、再度価格を確認することが大切です。
蓄電池のメリット・デメリット
家庭用蓄電池を設置するにあたっては、事前にメリットとデメリットを把握しておきましょう。それぞれの代表的なポイントを説明します。
蓄電池のメリット
家庭用の蓄電池を導入することで、非常時の電源として利用できたり、電気代をコストカットできたりする利点を得られます。主なメリットを2点紹介していきます。
災害時や非常時の停電でも電気が使える
家庭用蓄電池を備えておくと、災害によって停電が発生したときでも一定時間は電気の使用が可能です。
地震や台風などの災害が起こった際、停電してしまうことは少なくありません。停電するとスマートフォンの充電ができない、冷暖房設備が使えないなど、さまざまな不便が発生するでしょう。
しかし、蓄電池に電力をためておけば、停電していても蓄電池を電源として利用できるため、突然の災害への耐性が高まります。
電気料金プランによっては電気代の節約が期待できる
家庭用蓄電池を利用すると、電気料金プランによっては高単価である日中の電気を購入する必要が減り、電気代が割安になります。
電気料金プランには、夜間の電気代が安くなるものがあります。日中と夜間で電気代が変動するプランでは、深夜に家庭用蓄電池を充電し、割高な昼間の時間帯に蓄電池の電気を利用すると節約が可能です。
太陽光発電システムを導入すれば、さらなる節約につながります。太陽光発電システムで発電した電気や、使い切らずに余った電気を貯蓄できるようになり、電力会社から購入する電気を減らすことができるからです。通常、太陽光発電システムで発電した電気を自家消費するほうが、電力会社から購入した電気を消費するよりも安く済みます。
蓄電池のデメリット
蓄電池にはメリットがあると同時にデメリットもあります。蓄電池を導入することによる主なデメリットを2点チェックしていきましょう。
初期費用が高い
機種や容量により金額は異なりますが、蓄電池本体の購入費用だけでなく、設置費や工事費も必要なため初期費用は高額になります。
また、太陽光発電システムが既設の場合、コストが増す可能性があるでしょう。発電された電気を家庭で使えるように変換するパワーコンディショナが別途必要となるケースもあるためです。その点、太陽光発電システムとの同時導入だと、最初から最適なパワーコンディショナを選べたり、工事もまとめて行えたりするためトータルの費用を抑えやすくなります。
初期費用について不明な点は、専門家に相談してみることがおすすめです。東京ガスでは、価格や見積もりに関する相談も受け付けています。
設置場所を取る
蓄電池のサイズは容量次第で異なりますが、ある程度の設置スペースは必要です。
蓄電池は屋内用と屋外用があります。屋内用は比較的コンパクトではありますが、室内に大型空気清浄機程度のスペースを確保しなければなりません。
また、容量の大きいものは大型なので、屋外に設置することになります。蓄電池の設置に適した、直射日光の当たらない高温や低温になりすぎない場所が必要です。
機種によっても設置場所の条件が異なります。金額と同様に設置場所に関しても、信頼できる専門家に相談してみることがおすすめです。
【2024年】家庭用蓄電池の補助金
家庭用蓄電池の補助金は、国から交付されるものと、自治体から交付されるものの2種類が存在します。
国から交付される補助金については、2024年1月現在で2024年度(令和6年度)の公募情報はほとんど出ていませんが、国土交通省主管の「子育てエコホーム支援事業」は2024年度の公募が決定しています。
この事業が対象とするリフォーム工事の一つに既存住宅への蓄電池の設置があり、1戸あたり6万4,000円の補助金を受け取ることができます。子育てエコホーム支援事業の交付申請は2023年3月中下旬から受付開始となります。
そのほか参考までに2023年度の例を挙げると、「DR補助金」補助金額は3.2万円/kWh、最大60万円以内となっていました。
自治体からの補助金は、地域によって金額や制度が異なります。都道府県と市区町村でそれぞれ補助金を出している場合もあり、併用可能なケースもあるため、事前に確認しましょう。
補助金の申請にあたっては、必要書類を作成・提出し、交付決定の通知を待ちます。その後工事が終了したら報告書を提出し、補助金を受ける流れです。なお、蓄電池の補助金に関する詳細は、以下の記事をご参照ください。
2024年09月30日
【2024年最新】蓄電池の補助金一覧 申請条件や補助金額を紹介
家庭用蓄電池を導入すると、国や自治体による補助金が交付されます。蓄電池の導入を検討している方にとって、補助金の情報はチェックしたいポイントです。 本記事では、2024年に交付される補助金の一覧や申請条件、補助金額について詳しく紹介します。補助金の申請方法や交付条件を知ると、より効果的に補助金を活用できるようになるでしょう。 蓄電池の補助金に関する最新情報をお伝えするので、ぜひご覧ください。
家庭用蓄電池のおすすめの選び方
家庭用蓄電池は、以下3つのポイントから選ぶことがおすすめです。蓄電池ごとの特徴を確認した上で、自分の家庭に合う商品を選びましょう。
仕様・機能
家庭用蓄電池は電気のバックアップ範囲やパワーコンディショナによって、次のような種類があります。
停電時のバックアップ範囲
- 全負荷型
- 特定負荷型
パワーコンディショナのタイプ
- ハイブリッド型
- 単機能型
家庭用蓄電池には、家の電気全てをカバーできる全負荷型と、決めておいた部屋や家電だけに電気を供給する特定負荷型の2種類があり、容量や価格が異なります。
また、太陽光パネル用と蓄電池用のパワーコンディショナが別々になっているタイプを単機能型、共通だとハイブリッド型といいます。
太陽光発電システムと家庭用蓄電池の種類を適合させることを認識しておきましょう。
蓄電容量
自宅の電力使用量に応じて蓄電容量を決めることがポイントです。
電力使用量は家族構成やライフスタイルに応じて変わってきます。また、よく使用する電化製品の種類や太陽光発電の有無も考慮しましょう。
サイズ・設置スペース
想定する設置スペースに適した機種を選びましょう。
家庭用蓄電池は種類や容量によってサイズが変わるほか、屋外用・屋内用と機種ごとに設置場所も決まっています。くわえて、設置に適していない場所もあるため、設置スペースや家庭用蓄電池の大きさを事前に確認しておくことが必要です。
まとめ
家庭用蓄電池は、非常時や停電時でも電気を使え、プランによっては普段の電気代も安くなります。また、太陽光発電システムとの同時導入で、初期費用を抑えることも可能です。
ただし、容量や機種によっては高額になるほか、設置スペースの確保も必要です。また、初期費用や補助金の利用など分からない点も多くあるかもしれません。
家庭用蓄電池の導入を検討中でしたら、東京ガスへぜひご相談ください。費用のお悩みや、わかりづらい補助金制度についても手厚くサポートいたします。