補助金

【2024年最新】蓄電池の補助金一覧 申請条件や補助金額を紹介

家庭用蓄電池を導入すると、国や自治体による補助金が交付されます。蓄電池の導入を検討している方にとって、補助金の情報はチェックしたいポイントです。 本記事では、2024年に交付される補助金の一覧や申請条件、補助金額について詳しく紹介します。補助金の申請方法や交付条件を知ると、より効果的に補助金を活用できるようになるでしょう。 蓄電池の補助金に関する最新情報をお伝えするので、ぜひご覧ください。

最終更新日:2024年09月30日公開日:2024年04月10日

目 次

2024年(令和6年)の蓄電池の補助金一覧

蓄電池の補助金は、大きく分けて「国」からのものと「自治体」からのものがあります。

  • 国による補助金
    ・子育てエコホーム支援事業
    ・DR補助金
    ・DER補助金
  • 自治体による補助金(一例)
    ・家庭における蓄電池導入促進事業(東京都)
    ・スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金(宮城県)

なお、2024年1月時点で交付が決定しているのは、国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」のみです。

国による蓄電池の補助金

国による補助金は、すでに終了した補助金と事業予算規模を見ると以下のとおりです。

  • こどもエコすまい支援事業:1,709億3,500万円 (令和4年度補正予算(第2号)・令和5年度当初予算)
  • DR補助金:40億円程度 (令和4年度補正) 注)家庭用蓄電システムは20億円程度
  • DER補助金:約29億円 (令和5年度)

参考:国土交通省「事業概要|こどもエコすまい支援事業【公式】」

参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和4年度補正 再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金 公募要領」

参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ令和5年度 蓄電池等分散型エネルギーリソース次世代技術構築実証事業 公募要領」

国土交通省による補助事業「こどもエコすまい支援事業」は、子育て世帯・若者夫婦世帯が、省エネルギー機能が高い新築住宅を取得したり、リフォームしたりすることで交付される補助金です。

DR補助金とは、経済産業省が一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)を通じて、蓄電池を購入した事業者や消費者に交付する補助金です。DRとは「Demand Response(デマンドレスポンス)」の略称で、家庭用蓄電池や電気自動車などを利用し、電力の需要と供給のバランスを調整する取り組みのことを指します。
家庭用蓄電池の普及は、電力需給のひっ迫などへの耐性を高める上でも重要視されており、2024年度もDR補助金は継続すると見られています。

DER補助金とは「DER(分散型エネルギーリソース)実証事業の協力者に交付する補助金」のことです。この事業では、申請者が一定期間において蓄電池などを活用したDER技術の実証に協力します。実証が終了した後、報酬のような形でDER補助金が交付される仕組みです。
2023年度の補助金は終了していますが、DER補助金も2024年度も継続すると考えられています。

2024年度の実施が決定している子育てエコホーム支援事業については、後ほど詳しく解説します。

自治体による蓄電池の補助金

蓄電池の導入に対して補助金を交付している自治体もあります。補助金の申請条件や交付額は自治体によって異なるため、事前に自治体のホームページや担当窓口で情報を確認しましょう。

例えば、東京都では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の中の一事業として「令和5年度 家庭における蓄電池導入促進事業」を行っています。この事業は、都内で太陽光発電システムを導入済みの住宅、あるいは太陽光発電システムの導入と併せて蓄電池を設置する住宅に対して、蓄電池の導入費用を助成しています。2023年4月1日から2028年3月31日までに対象となる蓄電池を設置すること、などの条件があるので詳細は事業ホームページをご覧ください。

参考:クール・ネット東京「令和6年度 家庭における蓄電池導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」

自治体の補助金は、国の補助金と併用ができる場合も少なくありません。ただし、地方自治体の補助金でも、原資が国庫だと併用不可の場合もあります。

また、補助金は予算額に到達すると申請期限を迎える前に打ち切られます。特に、自治体の補助金は国の補助金よりも予算が少ないことも考えられるため、申請期限よりも早く交付が終了する可能性があり注意が必要です。

補助金を有効活用するためには、正確な情報の把握が重要です。補助金の交付期間や申請書類も事前にチェックしてください。

【国】「子育てエコホーム支援事業」の申請条件や補助金額

「子育てエコホーム支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯による省エネルギー性能が高い住宅の取得や、省エネルギー改修(リフォーム)を支援する事業です。2023年までは「こどもエコ住まい支援事業」でしたが、2024年から名称が変更されます。

補助金額

長期優良住宅やZEH(ゼッチ)などの「省エネルギー住宅」を取得する場合は、1戸につき最大100万円までの補助金が交付されます。

  • 長期優良住宅:100万円/戸
  • ZEH住宅:80万円/戸

長期優良住宅とは、良好な状態で長期使用するために地域の居住環境などに配慮した住宅です。ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、エネルギー収支をゼロ以下にする住宅のことです。エネルギー収支をゼロ以下にするということは、具体的には太陽光発電などでつくられたエネルギーから、家庭などで消費されるエネルギーを差し引いたとき、ゼロ以下になる住宅です。

注意点として、建設場所が「市街化調整区域」と「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域」のどちらにも該当する場合、補助金額が2分の1に減額されます。減額されるかどうかは、工務店やハウスメーカーに確認をとりましょう。

また、すでに建築された住宅に蓄電池を設置する場合も、補助金の対象となります。
蓄電池の設置のみだと、補助額は1戸あたり6万4,000円の補助金です。これに断熱性能を高めるリフォームなどを行うと、工事内容に応じて補助額が増加します。
既存住宅のリフォーム支援の限度額は、子育て世帯・若者夫婦世帯の場合で30万〜60万円程度、その他の世帯の場合で20万〜30万円程度です。

申請条件

子育てエコホーム支援事業の対象者は、以下の条件をどちらも満たした方です。

  1. 子育て世帯・若者夫婦世帯のいずれかである
  2. エコホーム支援事業者と契約し、住宅の新築・リフォーム工事や新築分譲住宅を購入する方

子育て世帯とは、「申請時点で2005年4月2日以降に出生した子がいる世帯」です。若者夫婦世帯は「申請時点で夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降生まれの世帯」を指します。また、2つ目の条件にある住宅とは、2023年11月22日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手した住宅が対象です。

さらに、子育て世代エコホーム支援事業の補助金を受けるには、次の条件を全すべて満たす必要があります。

  1. 長期優良住宅またはZEH住宅であることを証明書等で確認できる
  2. 所有者(建築主)自らが居住する
  3. 住戸の床面積が50㎡以上240㎡以下である
  4. 土砂災害特別警戒区域外に立地する
  5. 届出をした者が、都市再生特別措置法第88条第3項の規定の勧告に従わなかった旨の公表がされていない
  6. 交付申請時に一定以上の出来高の工事完了が確認できる

参考:国土交通省「対象要件の詳細【注文住宅の新築】|子育てエコホーム支援事業【公式】」

4の土砂災害警戒区域の判定基準は「敷地内の建物が一部でも区域内かどうか」です。下図のように、敷地と住宅の一部が区域内にあると補助金の対象外となります。

申請期間

子育てエコホーム支援事業の申請の期間は「2024年3月中下旬〜予算上限に達するまで」となっています。予算がなくなり次第終了するため、早めに申請しましょう。

「予算がなくなってしまわないか心配……」と考える方は、任意で行える「交付申請の予約」を行っておくことをおすすめします。交付申請の予約をすると、補助金を一定期間確保することができます。

予約の有効期間は「申請から3ヶ月」または「2024年12月31日」のいずれか早い日までです。有効期間を過ぎてしまった場合、予約が失効になるため注意しましょう。

蓄電池の補助金に関する注意点

補助金を利用すると、初期費用を抑えて蓄電池を導入できますが、注意点もあります。以下で紹介する点に注意し、補助金の対象外になったり、トラブルに巻き込まれたりするのを防ぎましょう。

補助金によっては併用できない

補助金によっては、ほかの補助金との併用ができないものもあります。例えば、子育てエコホーム支援事業では、以下の補助金制度との併用が認められていません。

国の補助金と自治体の補助金は、併用できる場合があります。
2023年度の蓄電池導入が対象の補助金として、例えば以下は東京都内の自治体が運営しており、国の補助金と併用可能です。

  • 墨田区:工事費用の10%(上限5万円)
  • 杉並区:1万円/kWh(上限8万円 )
  • 府中市:2万円/kWh(上限10万円)
  • 稲城市:定額5万円

また先述したとおり、自治体による補助金でも国から出資されている場合は併用できません。例えば、埼玉県入間市の「令和5年度入間市ゼロカーボンシティ推進設備設置費補助事業」では、国庫補助金が出資元である補助金を受けている場合は申請できないことが定められています。

蓄電池の補助金は、出資元によって併用できるか否かが異なります。一つの補助金を受けると、他の補助金を利用できない場合もあるので注意しましょう。

交付には時間がかかる

蓄電池の補助金は申請から交付されるまで時間がかかるので、ゆとりをもって申請しましょう。補助金を受けるためには申請書類の提出や審査が必要です。

具体例として、子育てエコホーム支援事業の申請手続きは以下のように実施されます。

国からの補助金、自治体からの補助金、いずれも支給されるタイミングは公募要領などに載っていないか確認しましょう。ただ、申請してから2〜8ヶ月程度はかかるものだと考えておくのが望ましいようです。クール・ネット東京の「令和5年度 家庭における蓄電池導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、申請を受け付けてから通常2〜3ヶ月程度で交付決定通知が送付され、その通知の約1〜2ヶ月後に補助金が支払われます。

補助金の交付には時間がかかるため、余裕を持って申請しましょう。

参考:クール・ネット東京「よくある質問 Q&A 家庭における蓄電池導入促進事業」

きちんと見積もりを取る

蓄電池の補助金を申請する前に、複数の業者から蓄電池の導入費用の見積もりを取りましょう。複数の見積もり書を比較することで実際の導入費用を把握できるだけでなく、最適な補助金を選択できるからです。

蓄電池の見積もりでチェックしたいポイントは、以下の2つです。

  • 適正価格を提示してくれるか
  • 保証制度・アフターサポートが充実しているか

蓄電池の設置には、システム本体の購入費用だけでなく工事費なども必要です。そのため、導入費用が相場より安い場合は理由を確認しましょう。販売店によっては、補助金の申請代行まではサポートできなかったり、導入後のカスタマーサポートが手薄であったりするケースも考えられます。

また、補助金関連の話は専門性が高いこともあり、そこに付け込む悪徳業者もいます。実際、独立行政法人 国民生活センターからは蓄電池関連の相談件数が増加していることを受けて注意喚起を発しています。トラブルを避けるためにも、見積もりを依頼する前から信頼できる専門業者かどうかを調べておくことが理想的です。

参考:独立行政法人 国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」

補助金の相談もできる専門業者を選ぶ

蓄電池を購入する際には、補助金の相談もできる専門業者を選ぶことも重要です。補助金制度は、難解な用語が多い上に申請方法や条件に関する情報が頻繁に更新されるからです。

交付申請手続きの実績が豊富な業者に代行依頼すると、トラブルに巻き込まれるリスクが減ります。補助金に詳しい業者を見分けるには、蓄電池だけでなく補助金に関する質問をしてみて、明確な答えや手続き方法を示してくれるかどうかで判断しましょう。

また、国の補助金の交付申請を行う場合は、そもそも個人での申請手続きができません。蓄電池の導入業者が事前にSIIの申請者代行に登録しなければならないからです。反対に、対象の蓄電池を取り扱っている業者であれば、手続きを代行してもらえるでしょう。

東京ガスでは、蓄電池を導入する方に対して補助金の申請サポートも承っています。お客さまにご納得いただけるまで相談に乗りますので、安心して蓄電池を導入できます。ご自宅に蓄電池を導入する際は、ぜひ東京ガスにお問い合わせください。

まとめ

蓄電池の補助金は国と自治体の2つに分かれています。2024年1月時点で交付が決定しているのは、国土交通省の「子どもエコホーム支援事業」のみですが、DR補助金やDER補助金などの補助金も実施されるでしょう。

子どもエコホーム支援事業では、子育て世帯や若者夫婦世帯による省エネルギー性能が高い住宅の取得やリフォームを支援します。新築の場合は1戸につき80万〜100万円が交付される予定です。

補助金によっては併用ができなかったり、交付までに時間がかかったりします。また、蓄電池の補助金の手続きは難しいため、信頼できる業者に申請代行を依頼しましょう。

東京ガスの太陽光発電
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  • この記事の監修者

    東京ガスの太陽光発電サービス コラム編集チーム

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