家庭用蓄電池の見積もりはどこをチェックすべき?注意点や業者を選ぶ際のポイント

家庭用蓄電池の見積もりはどこをチェックすべき?注意点や業者を選ぶ際のポイント

家庭用蓄電池を設置する際は、複数の施工業者に見積もりを依頼し、価格やサービスの内容を比較・検討することが重要です。本記事では、見積書の読み方や、保証内容、業者の選び方などについて、詳しく紹介します。

最終更新日:2025年03月31日公開日:2025年03月31日

目 次

この記事でわかること

  • 家庭用蓄電池の見積もりのチェックポイントがわかる!
  • 保証の確認方法がわかる!
  • 家庭用蓄電池の施工業者の選び方がわかる!

家庭用蓄電池の見積もりはどこをチェックすべき?

家庭用蓄電池の見積もりを提示されても、情報量や見慣れない言葉が多く、どこをチェックすれば良いのか分からないという方も多いでしょう。見積もりをチェックするポイントは、以下のとおりです。

  • 家庭用蓄電池の種類
  • 家庭用蓄電池の性能
  • 価格
  • 容量

以下で、各項目について詳しく解説します。

家庭用蓄電池の種類

家庭用蓄電池の種類

蓄電池にはいくつかの種類があります。その中でも家庭用蓄電池に広く用いられているのが、リチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は安定性が高く、充放電サイクルが長いうえ、自己放電も少ないなど、長期間の使用に適した性質を有しています。また、小型化・軽量化が容易であることも、広く普及している理由の一つです。

リチウムイオン電池以外では、ニッケル水素電池や、鉛電池、NAS電池などが、家庭用蓄電池に用いられることがあります。

ニッケル水素電池は長時間、高出力での稼働が可能です。鉛電池は過充電しにくく、温度範囲が広いことが特長です。NAS電池は充放電の効率が高く、容量も大きいため、工場や商業施設で普及しています。

上記のように、蓄電池は種類ごとに異なる特長を持つため、用途にあったものを選ぶことが重要です。見積書にはメーカー名と型番が記載されているため、Webで調べてみましょう。

家庭用蓄電池の性能

蓄電池は、停電時の電力供給方法の違いによって、主には全負荷型と特定負荷型に分類されます

種類

特長

全負荷型

停電時に家全体で電気が使える/200Vの家電に対応している/オール電化住宅に最適

特定負荷型

設置費用が全負荷よりも安め/室内設置も可能/停電時の稼働時間が長め

全負荷型の場合は、停電すると家全体に電力を供給し、特定負荷型は事前に指定した特定の部屋や場所に電力を供給します。一方の特定負荷型は、停電時には特定の部屋にしか電気を供給しませんが、稼働時間がそのぶん長く、費用も安く済む点が特長です。

また、蓄電池本体がパワーコンディショナの機能を有しているかどうかで、ハイブリッド型と単機能型に分けることもできます。

種類

特長

ハイブリッド型

パワーコンディショナと蓄電池が一体になっており、蓄電池と太陽光発電の制御ができるタイプ

単機能型

パワーコンディショナが搭載されておらず、別途設置が必要なタイプ

ハイブリッド型は蓄電池とパワーコンディショナが一体になっているため、場所を取らず、変換時のロスも少ない点がメリットです。単機能型はパワーコンディショナを別途設置する必要があり、場所を取りますが、より低価格での導入が可能です。

価格

価格

見積書に記載された本体価格と設置費用が高すぎないかどうか確認しましょう。蓄電池を購入・設置する場合の費用相場は1kWhあたり15万〜20万円で、容量によって大きく変動します。容量ごとの価格の目安は以下のとおりです。

容量

導入価格

5kWh

約69.5万円

10kWh

約139万円

16kWh

約224.4万円

設置費用は施工業者によって費用はバラバラです。また、太陽光発電と連携するための電気工事費用が別途発生する可能性もあります。さらに足場工事が必要な場合は、付帯費用として記されます。

容量

蓄電池の容量が適切かどうかも、チェックするべきポイントです。家庭用蓄電池の容量は、5.5kWh〜16.5kWhが一般的です。

蓄電池の容量が小さいと、停電などの非常時に電力が足らなくなる可能性があります。

一方で、容量が大きすぎると蓄電池本体が大きくなるため設置場所に困ったり、本体価格が高くなったりする場合があります。初期費用の回収に時間がかかるうえ、電力を持て余してしまうかもしれません。ただし、1kWhあたりの価格は、容量が多いほうが割安です。

家庭用蓄電池の見積もり時に保証も確認しておくと安心

家庭用蓄電池の見積もりを確認する際には、価格や性能だけでなく、保証の内容も一緒にチェックしましょう。具体的なチェックポイントは以下のとおりです。

  • 保証期間・保証内容
  • 工事賠償保証とPL保険
  • 自然災害補償の有無
  • メンテナンス・アフターサービス

それぞれの内容について、詳しく解説します。

保証期間・保証内容

保証期間・保証内容

保証期間についても、見積もりで確認しましょう。蓄電池は10年以上使えるとされているので、保証期間が長い製品を選ぶのがおすすめです。

メーカーの多くは10年〜15年保証ですが、すべての製品が該当しているとは限りません。見積もりを出している蓄電池ごとに、保証期間を確認するようにしましょう。保証内容はメーカーによって異なるため、見積書だけではなく、ホームページなども確認するのがおすすめです。

蓄電池を長く使いたい方は、容量保証のある製品を選ぶと良いでしょう。容量保証とは蓄電池本体や周辺機器への保証ではなく、蓄電池の容量に対する保証です。

工事賠償補償とPL保険

工事賠償保証とPL保険

蓄電池の見積もりでは、本体の保証だけでなく、工事や施工に関する補償もチェックしましょう。具体的には、工事賠償補償やPL保険などが挙げられます。

通常、メーカー保証の対象となるのは蓄電池本体のみですが、工事賠償補償があれば、蓄電池本体以外(例えばケーブルなど)が原因で蓄電池が使えなくなった場合や、搬入や設置時に起きた事故などに対しても補償されます。

PL保険は、蓄電池の施工業者が原因でけがをしたり、物を壊したりした場合などに、損害を補償してくれる保険です。

自然災害補償の有無

自然災害補償の有無

見積もりに、自然災害補償について記載されているかどうかもチェックしましょう。自然災害補償は火災や水害・落雷などで蓄電池が壊れたり動かなくなったりした場合に、修理や交換にかかる費用を補償してくれる制度です。

自然災害補償の補償内容や期間はメーカーごとに異なるため、しっかりと確認しておきましょう。また、火災保険に加入している方は、すでにカバーできている可能性もあるため、そちらの契約内容を確認してください。

メンテナンス・アフターサービス

メンテナンス・アフターサービス

アフターサポートやメンテナンスも確認しておくと安心です。施工業者や販売元によって、年に1回の無料点検やメンテナンスサービスがついてくるところもあります。

また、メンテナンス・アフターサービス料が見積もりに書かれている可能性もあるため、そちらもチェックしておくと良いでしょう。その他のメンテナンスとして、蓄電容量補償やモニタリングなどを展開しているところもあります。

家庭用蓄電池の見積もりをとる際の注意点

家庭用蓄電池の導入に際して見積もりを取る際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 補助金に関して案内がされるかどうかを確認する
  • 相見積もりで比較する
  • 価格の安さだけで業者を決めない
  • 適切な容量かどうかを確認する

それぞれの注意点について、詳しく解説します。

補助金に関して案内がされるかどうかを確認する

補助金に関して案内がされるかどうかを確認する

見積書をもらう際に、補助金に関する案内がされなかったり、「補助金の分を引いた金額で見積もりを出している」と言われたりした場合は、注意が必要です。

補助金の案内がないケースは、訪問販売で多く見られます。理由としては以下のようなものが挙げられます。

  • 歩合制で、契約を獲得しないと収入が得られないため
  • 補助金の申請は事務処理が発生するうえ、工事が終わってから半年ほどかかることがあり、業者にとっては面倒なため

補助金の申請は、手続きが難しく時間がかかります。申請代行まで依頼できる業者であれば、そういった手間を省けるので、おすすめです。

また、補助金は国のものだけではなく、お住まいの自治体のものも利用できる可能性があります。詳しくは自治体のホームページなどを確認してください。

相見積もりで比較する

相見積もりで比較する

複数の施工業者に見積もりを依頼する「相見積もり」を行い、それぞれの内容を比較検討しましょう。

1社の見積もりだけでは、その金額やサービス内容が適正かどうかを判断するのは難しいものです。複数の業者を比較することで、適正な価格で充実したサービスを受けることができます。

特に蓄電池は、同じ製品でも業者によって価格や保証内容の変動が大きい設備です。蓄電池を設置したあとに、より安い業者や、よりサービスが充実した業者が見つかると、後悔する可能性があります。相見積もりで十分に確認を取ることが重要です。

なお、訪問販売やハウスメーカーの価格は、相場よりも高い傾向にあります。営業スタッフが歩合制で契約をとる必要があったり、中間マージンが発生していたりするためです。

価格の安さだけで業者を決めない

価格の安さだけで業者を決めない

蓄電池の見積もりを確認する際は、価格以外の面も十分に確認しましょう。

例えば、ある販売店は価格こそ安いものの、利益を削りすぎてしまい、保証や補助金の申請などにはお金をかけることができず、売ったらそれで終わりというケースもあります。

実際に、消費者センターには、安さだけで業者を選んだ結果トラブルに発展したケースが、以下のように数多く寄せられています。

  • 電話してもつながらない
  • 補助金の申請をしてない
  • 不備が見つかったが、対応してもらえない
  • 購入時のメンテナンスが遂行されていない

また、本体価格だけが安くなっており、工事費用や保証費用が高額というケースもあります。トラブルを避けるために、総額を確認しておくことが重要です。

なお、5kWhの蓄電池を購入する場合は、1kWhあたり、15万円〜20万円が相場となっているため、本体価格は75万円〜100万円ほどになります。これに加えて工事費も上乗せされるので、総額では100万円〜130万円前後が目安と言えるでしょう。

適切な容量かどうかを確認する

適切な容量かどうかを確認する

蓄電池の容量は、小型から大型までさまざまです。また、適切な容量も各家庭ごとに異なります。

見積もりを確認するときには、提示された容量を確認したうえで、なぜその蓄電池を提案したのかを業者に聞くと良いでしょう。

「多くの方が5kWhの蓄電池を導入しています。売れ筋の蓄電池を提案しました」といった具体性の欠ける答えが返ってきた場合は、容量が適切でない可能性があるため、注意が必要です。

一方、どれくらいの費用対効果があるのかを説明してくれたり、シミュレーションをして最適な製品を提案したりしてくれる場合は、信頼できる業者といえるでしょう。

また、以下の点もあわせて意識して確認してみましょう。

  • 太陽光パネルの容量に合っているか
  • 用途に合っている蓄電池か
  • 生活スタイルにマッチしているかも意識すると良い

災害など緊急時の対策として蓄電池の導入を検討されている方は、停電時に使いたい電力をもとに容量を選ぶのもおすすめです。

細かく説明をしてくれるか・見積もりが不透明ではないかチェックする

細かく説明をしてくれるか・見積もりが不透明ではないかチェックする

クーリングオフやアフターサービスについて詳しく説明がない場合は、契約後に取り消しができなかったり、サービスが契約通りに受けられなかったりする可能性があります

また、見積金額に項目ごとの具体的な金額が記載されていない場合は、不透明な場合は追加費用が発生するかもしれません。

見積もりの記載内容で不明瞭な点がある場合は、放置せずに施工業者への確認が重要です。契約を急がせる施工業者もいるかもしれませんが、後々トラブルになるリスクがあるため、しっかりと検討をしてから決めるようにしましょう。

業者の対応に対して少しでも不安があれば、事前に口コミを確認するのもおすすめです。

家庭用蓄電池の施工業者の選び方

家庭用蓄電池の施工業者を選ぶポイントは、以下のとおりです。

  • 自社や提携店による設置かどうか
  • 実績があるかどうか
  • 複数のメーカーを取り扱っているか

複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討したうえで、施工を依頼する業者を決めましょう。

自社や提携店による設置かどうか

自社や提携店による設置かどうか

施工業者は、自社や提携店が施工するケースと、下請けに施工を任せるケースに分けられます。自社もしくは提携店での施工は、作業工程が管理されているため、安心して任せられるでしょう

下請けが施工する場合は、トラブルが生じた際に責任の所在が曖昧になる可能性があります。施工費用も上乗せされる傾向があるため、注意が必要です。

実績があるかどうか

実績があるかどうか

施工実績が豊富な業者であれば、安心して施工を依頼できます。優良な施工業者はホームページなどに施工件数などを掲載していることが多いため確認してみましょう

また、施工実績が豊富な業者は経営面で安定していることが多いです。施工業者が倒産するとアフターフォローを受けられなくなるので、経営面での安定感も重視したいところです。

東京ガスでは太陽光発電や蓄電池の設置において、実績が豊富な提携店をご紹介します。提携店では、補助金の申請手続きもサポートしています。経験豊富なスタッフが在籍しているため、複雑な申請手順についてもわかりやすくご案内可能です。

施工業者の実績を確認して、安心して蓄電池の設置を任せられる業者を選びましょう。

複数のメーカーを取り扱っているか

複数のメーカーを取り扱っているか

施工業者によっては、一つのメーカーの製品しか取り扱っていないところもあります。そういった業者は、過剰なコスト削減をしていたり、調達力が不足していたりする可能性があるため、避けたほうが無難です。

複数のメーカーを取り扱う業者ならば、豊富な選択肢の中から、自宅に最適な蓄電池を提案してくれるでしょう。

東京ガスが取り扱っている家庭用蓄電池

東京ガスはオムロンと京セラ、シャープ、ニチコン等複数メーカーの蓄電池を取り扱っています。取り扱っている具体的な商品は、以下のページを参考にしてください。

東京ガスで取り扱っている蓄電池の詳細は、こちら

蓄電池は東京ガスにおまかせ!

蓄電池は東京ガスにおまかせ!

蓄電池の導入には、お住まいの地域ごとの補助金を活用することで初期費用を抑えられます
たとえば、東京都内の戸建住宅に蓄電池(9.9kWh)を設置した場合、東京都から118.8万円の補助金を受領できます注1, 2)

東京ガスの専門スタッフが対応いたしますので、まずはお気軽に資料請求や無料訪問相談をお申し込みください。

注1) 補助金の正式名称は東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」です。補助金には受給条件・予算枠があり、支給されない場合や上限金額での支給がされない場合があります。
注2) 本内容は東京都の2025年2月19日報道発表資料を基に試算したものです。詳しくは
こちらをご参照ください。令和7年度の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の補助メニューは、令和7年第一回都議会定例会で予算案が可決・成立した場合に確定します。令和7年度の要綱は未確定のため、令和7年度の要綱の基準、条件に従って算定した場合には金額が異なることがあります。

東京ガスが選ばれる「3つの安心」

安心1. ご自宅にピッタリのプランのご提案

東京ガスでは、様々な種類の蓄電池を取り扱っています。ご家庭の電気利用状況などをヒアリングしたうえで、最適な蓄電池をおすすめいたします。気になる導入効果のシミュレーションも、おまかせください。

安心2. 補助金申請もサポート

提携店では補助金申請注3) の手続きも全力サポート。申請の複雑な手順も、経験豊富なスタッフがわかりやすくご案内いたします。

注3) 補助金の制度・手続きによりお客さまにご対応いただく場合やご支援できない場合がございます。

安心3. 万が一の故障に備える、保証制度が充実

設置した太陽光発電に不具合や故障があった場合は、東京ガスの専門スタッフが責任をもって対応します。また、メーカーによる長期保証制度があり、保証期間内であれば無償での交換対応が可能です。注4)

注4) 保証期間は10~15年、保証期間や内容はメーカーによって異なります。故意による故障など、交換対応範囲外となる場合がございます。火災、風水害、地震、落雷、台風、噴火、津波などの天災地変に起因する損害、飛来物や盗難による損害などは保証対象外です。

  • この記事の監修者

    東京ガスの太陽光発電サービス コラム編集チーム

    太陽光発電・蓄電池の仕組み、メリットから設置、メンテナンスなど幅広いトピックを解説します。みなさまの太陽光発電・蓄電池選びに役立つ情報を発信していきますのでぜひご活用ください!

注)この記事に含まれる情報の利用は、お客さまの責任において行ってください。
本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくは、「サイトのご利用について」をご覧下さい。