この記事でわかること
- 蓄電池のメンテナンス費用の相場がわかる!
- 蓄電池を長持ちさせる方法がわかる!
- 蓄電池の交換タイミングがわかる!
蓄電池のメンテナンス費用相場

蓄電池のメンテナンスは、1回あたり1万円〜5万円が相場です。メンテナンス費用には、手数料や消耗品の交換費用などが含まれます。
また、蓄電池の種類や容量、メーカー、保証期間の有無によっても異なります。容量が大きい場合や設置する環境次第では、さらに費用が高くなる可能性があるため注意が必要です。
蓄電池を長期的に運用をするためには、メンテナンスが不可欠です。
蓄電池のメンテナンスが必要な理由

メンテナンスが必要な理由は、以下の3点です。
- 故障や事故を未然に防ぐため
- 蓄電池の性能を維持するため
- 寿命を延ばすため
定期的なメンテナンスは、蓄電池の異常や部品の損傷などを早期発見できるため、最適な状態で使うことができます。必要に応じて修理や部品の交換につながるので、蓄電池の性能を保ち、寿命を延ばすことも可能です。
産業用の蓄電池は点検義務が生じますが、家庭用蓄電池については、法令で一律に点検が義務付けられているわけではありません。ただし、時間の経過とともに劣化し、電力の貯蔵能力や効率が低下する可能性があるため、適切な状態を保つためにも自主的な点検が推奨されます。
蓄電池のメンテナンス頻度

メンテナンスの頻度はメーカーの推奨頻度に従うのが基本ですが、異常の早期発見につなげるため適切なタイミングでメンテナンスを行うのが望ましいでしょう。
蓄電池には「リチウムイオン電池」と「鉛電池」があります。それぞれの特長は、下表のとおりです。
リチウムイオン電池 | 鉛電池 | |
---|---|---|
メンテナンス頻度 | 少ない | 多い |
重量 | 軽い | 重い |
コスト | 高い | 低い |
サイクル寿命 | 長い | 短い |
安全性 | 高い | 比較的安定 |
エネルギー密度 | 高い | 低い |
ここからは、リチウムイオン電池と鉛電池のメンテナンス頻度を詳しく紹介します。
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池を搭載している蓄電池は、一般的にメンテナンスの必要が少ないとされています。異常がないか、遠隔でチェックをしてくれるメーカーが多く、メンテナンスモードを搭載している機種も多いためです。
リチウムイオン電池の場合は、電解液の補充や定期的な放電の必要がないので、基本的にメンテナンス不要とされていますが、定期的にバッテリーマネジメントシステムのチェックをしておくと良いでしょう。
バッテリーマネジメントシステムとは、リチウムイオン電池の状態を監視・制御して、安全に使用するためのシステムです。
安全制御の異常などを早期発見するために、定期的に点検を受けておくと安心です。
鉛電池
鉛電池は電気事業法、消防法、建築基準法により点検が義務付けられています。そのため、6ヶ月もしくは1年に1回のスパンで点検しましょう。
鉛電池のメンテナンス内容は、以下のようなものがあります。
- 電解液のチェック
- 定期的な充放電の実施
- 腐食や膨張などのチェック
- 電圧測定
- バッテリー電圧・端子部分のクリーニング
電解液が少なくなると劣化が進むため、定期的なチェックが必要です。また、端子部分のクリーニングを行い腐食や緩みを確認することで、接触不良や電圧低下を防げます。
季節の変わり目は気温の変動が激しく、バッテリーにかかる負担が大きくなります。したがって、春と秋に点検するのが良いでしょう。
蓄電池のメンテナンス費用を抑えるためにできること

蓄電池のメンテナンス費用を抑えるためにできることは、以下の2つです。
- 定期的に自分でメンテナンスや清掃をする
- 適切な設置環境を維持する
それぞれの対応を詳しく解説します。
定期的に自分でメンテナンスや清掃をする
蓄電池についたホコリや汚れは、冷却効率を低下させて性能を劣化させる要因となります。
月に1回程度清掃を行い、ホコリや汚れを取り除くと良いです。蓄電池はエラー表示が出ていないかも確認し、機器周辺の落ち葉も掃除しておきましょう。
具体的な清掃の手順は、以下のとおりです。
- 電源を切る
- 柔らかい布(水分を含まない)で外装部分を拭く
- 通気口や冷却ファンのゴミやホコリを取る
- 外装に異常がないか、目視で確認する
- 電源を入れて正常に動くか確認する
柔らかい布で外装部分を拭くときは、水や洗剤を使わないようにしましょう。蓄電池に水が入ってしまうと、故障の原因になるためです。
清掃中は、以下の点も合わせて確認しましょう。
- 外装の変形
- 異常な発熱
- 異臭
上記のような異常がある場合は、ただちに使用を中止して専門家に相談してください。
適切な設置環境を維持する
蓄電池の寿命や性能は、設置する環境によっても左右されます。温度と湿度は性能が劣化する要因なので、蓄電池の使用に適切な環境かどうかをチェックしましょう。
蓄電池に直射日光が当たると、温度上昇が起こりやすくなります。過度な温度上昇は過充電になりやすい、電解液が減りやすくなるなど劣化を早める要因です。
蓄電池はマイナス20度〜40度での使用が推奨されます。適切な設置環境を維持するために直射日光が当たらない、風通しの良い場所かどうかを確認してください。
また、衝撃に対する対策を講じるのも大切です。振動や衝撃も蓄電池の性能に悪影響を及ぼすので、耐震マットや固定具などの活用を検討しましょう。
上記の環境を整えるために、蓄電池の周辺には十分なスペースの確保が重要です。
蓄電池を交換するタイミング
丁寧にメンテナンスを行い、できるだけ劣化を防いでいても、蓄電池の交換が必要なタイミングが訪れます。蓄電池を交換する時期は、以下の3つです。
- 蓄電池が寿命を迎えたタイミング
- サイクル数の上限を迎えたタイミング
- 不具合や故障がみられるタイミング
それぞれ詳しく解説します。
蓄電池が寿命を迎えたタイミング

蓄電池の寿命は15〜20年とされています。メーカー保証の期間も10〜15年ほどのため、蓄電池の導入から15年ほど経過したタイミングで交換を検討しましょう。
使用環境や充放電の頻度によっては、寿命がさらに短くなることもあります。蓄電池の寿命のサインは、以下のとおりです。
- 以前より使用時間が短くなる
- 充電にかかる時間が長くなる
- 電源が頻繁に切れる
- 電気の供給が不安定になる
- バッテリーが膨張している
- 使用中や充電中に異常な熱を持つ
蓄電池は寿命を迎えても使い続けられますが、故障のリスクも高い状態です。突然、蓄電池が使えなくなる前に、交換するのがおすすめです。
サイクル数の上限を迎えたタイミング

サイクル数とは、0%から100%まで充電して、0%まで放電できる回数を示す言葉です。充電と放電をセットとして、1サイクル(1回)と数えます。
各製品のサイクル数の上限を超えても使用できますが、使い続けると不具合が出る可能性があるので注意が必要です。
メーカーの多くは、蓄電池の容量が80%になる回数をサイクル数としています。サイクル数が多ければ多いほど、蓄電池を長く使用できます。
サイクル数は製品ごとに異なりますが、リチウムイオン電池の蓄電池は8,000〜12,000回が目安です。できるだけ長く使いたい場合は、サイクル数の多い製品を検討してみましょう。
不具合や故障がみられるタイミング
蓄電池の不具合や故障は、事故の危険性にもつながります。具体的な目安は、以下のとおりです。
- 異音がする
- 充電に時間がかかる
- 残量の減りが早い
- 蓄電池が頻繁に停止する
- 蓄電池が発熱する
- 蓄電池が膨張している
- 一時的に電力が低下する
- 停電する
故障の中でも発熱や膨張は、発火のリスクがあるため注意が必要です。一時的な電力低下や停電は、蓄電池が一般の電気系統へ切り替えられる場合によくみられます。
不具合が生じているにも関わらず蓄電池を使い続けると、さらなる故障を招き、修理費用や交換費用がかさむ可能性があります。保証期間内であれば何度でも対応してもらえるため、不具合がみられたら、すぐにメーカーなどに問い合わせをするのがよいでしょう。
エラーコードが表示されている場合は、各メーカーのエラーコードの内容を確認することが重要です。故障の内容を事前に把握しておけば、修理依頼がスムーズになります。
蓄電池を長持ちさせるためのポイント
蓄電池を長持ちさせるポイントは、以下の3つです。
- 直射日光が当たらない場所に設置する
- 過充電や過放電をしない
- サイクル数を意識して使う
具体的な方法を参考にして、蓄電池の劣化を防ぎましょう。
直射日光が当たらない場所に設置する

蓄電池は、高温多湿の場所に設置すると不具合が出るリスクが高まります。夏場でも25度前後を保てる場所に設置するのがおすすめです。
一般的に、直射日光を避けるために北側に設置することが多いですが、エアコンの室外機やエネファームなどの熱源機器から離すことも大切です。設置が難しい場合は、日よけ板を購入するか、屋内設置型の蓄電池を購入するか検討しましょう。
周辺の温度が高すぎると、以下の問題が生じる可能性があります。
- エラー表示が出る
- 動作が停止する
- 過充電が起こる
リチウムイオン電池の蓄電池は、システムの制御により過充電のリスクが低くなっています。
冬場に気温が低い地域に住んでいる方は、対応している温度の幅が広いタイプを選ぶ必要があります。水災被災エリアに住んでいる方は、水災に対する保証がついている蓄電池を選ぶのがおすすめです。
お住まいの環境に合わせて、必要な対応が可能な蓄電池を選択しましょう。
過充電や過放電をしない

過度な充放電は、蓄電池に負担がかかるため、劣化する要因の一つです。
過充電とは100%まで充電したにも関わらず、さらに充電を続けることです。一方の過放電は、0%になるまで使用を続けることを意味します。
100%まで充電して0%まで使用するのが1サイクルのため、過充電や過放電を避けるとサイクル数が抑えられ、蓄電池の寿命を延ばすことにつながります。過充電や過放電が心配な方は、残量を制御するタイプの蓄電池を選択するのがおすすめです。
充電し続けたり、0%まで使い切ったりする使用方法はできるだけ避けて、蓄電池を長持ちさせましょう。
サイクル数を意識して使う
サイクル数も交換するサインの一つなので、サイクル数を抑えることが蓄電池を長持ちさせるポイントです。電気の使用量に対して、蓄電池の容量が少ないとサイクル数が増えやすくなります。
サイクル数を抑えるためには、使用量よりも容量が大きい蓄電池を選ぶことが大切です。1日1サイクルでの使用や、充電時のサイクル数を抑えることで寿命を延ばせます。
6,000サイクルの蓄電池を1日1サイクルで使った場合、約16年で寿命を迎える計算になります。0〜100%まで充電するのではなく、20〜70%まで充電して使うなどの工夫をしましょう。
蓄電池を購入するなら補助金制度を確認しよう

蓄電池を購入する場合、国や自治体の補助金制度を使うと費用面での負担を軽減できます。2025年現在、主な補助金制度として以下のものがあります。
- DR補助金
- 子育てグリーン住宅支援事業(旧:子育てエコホーム支援事業)
- 自治体による蓄電池の補助金
それぞれの概要と補助金額を一覧表にまとめました。
補助金の名称 | DR補助金 | 子育てグリーン住宅支援事業(旧:子育てエコホーム支援事業) | 自治体による蓄電池の補助金 |
---|---|---|---|
概要 | 経済産業省が一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)を通じて、蓄電池を購入した事業者や消費者に交付する補助金 | 子育て世帯や若者夫婦世帯による省エネルギー性能が高い住宅の取得や省エネルギー改修(リフォーム)を国土交通省が支援する補助金 | 蓄電池の導入に対して補助金を交付している自治体もある |
補助金額 | 最大60万円 | 1戸あたり64,000円 | 自治体により異なる |
補助金によっては、申請期間や申請条件などが異なるため注意が必要です。地方自治体の補助金と併用できる場合もあるので、国の補助金制度と一緒に確認しておきましょう。
なお、蓄電池に関する補助金制度については、以下の記事で詳しく説明しているのでご参考ください。

2025年03月31日
【2025年最新】家庭用蓄電池導入時に利用できる補助金一覧 補助金額や申請条件、申請方法も紹介
家庭用蓄電池を導入すると、国や自治体による補助金が交付されます。蓄電池の導入を検討している方にとって、補助金の情報はチェックしたいポイントです。 本記事では、2024年に交付される補助金の一覧や申請条件、補助金額について詳しく紹介します。補助金の申請方法や交付条件を知ると、より効果的に補助金を活用できるようになるでしょう。 蓄電池の補助金に関する最新情報をお伝えするので、ぜひご覧ください。
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注1) 補助金の正式名称は東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」です。補助金には受給条件・予算枠があり、支給されない場合や上限金額での支給がされない場合があります。
注2) 本内容は東京都の2025年2月19日報道発表資料を基に試算したものです。詳しくはこちらをご参照ください。令和7年度の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の補助メニューは、令和7年第一回都議会定例会で予算案が可決・成立した場合に確定します。令和7年度の要綱は未確定のため、令和7年度の要綱の基準、条件に従って算定した場合には金額が異なることがあります。
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