この記事でわかること
- ガスコンロの油汚れの掃除方法がわかる!
- パーツごとのお手入れ方法がわかる!
- 汚れが落ちない場合の対処法がわかる!
ガスコンロが汚れる3つの原因
ガスコンロが汚れる主な原因は、以下の3つです。
- 油汚れ
- 食品・調味料の汚れ
- 焦げ付き
それぞれの原因を詳しく解説します。これらを理解しておくことで、ガスコンロの掃除に役立つでしょう。
油汚れ
油汚れは、炒め物や揚げ物を調理する際に飛び散った油が原因で発生します。
調理後すぐに掃除をすれば簡単に拭き取れますが、放置すると固まってしまい、汚れが落ちにくくなります。これは、油が冷えると固まる性質を持つためです。
また、時間がたつと油がホコリを巻き込み、汚れがより頑固になります。ホコリを含んだ油は、ベタベタしたりカチカチに固まったりして、掃除が一層難しくなります。
食品・調味料の汚れ
食品や調味料の飛び散りやこぼれも、ガスコンロの汚れの大きな原因です。以下はよく見られる汚れの例です。
- 吹きこぼれた煮汁
- 飛び散った調味料
- 肉や魚から出る汁(ドリップ)
- カレーやシチューなどの飛び散り
これらの汚れは乾燥すると固まってしまい、掃除が困難になります。また、放置すると焦げ付きの原因にもなるため注意が必要です。さらに、長期間放置すると悪臭の原因となることもあるため、早めの対応を心がけましょう。
焦げ付き
吹きこぼれや油汚れを放置すると、加熱されて炭化し、焦げ付きが発生します。炭化した汚れはコンロに強く付着し、簡単には落ちない頑固な汚れとなります。
特に、デンプンを含む食品(カレーやシチューなど)は焦げ付きやすく、厄介な汚れを作る原因になりやすいため注意が必要です。また、一度できた焦げ付きに油汚れが重なると、さらに取り除きにくい状態になります。
焦げ付きは掃除が難しいため、ガスを使用する前に汚れを取り除いておくことを心がけましょう。
ガスコンロの頑固な油汚れをすっきりさせるおすすめの洗剤
キッチンの汚れには、酸性(pH7未満)とアルカリ性(pH7より大きい)があります。汚れに対して反対の性質を持つ洗剤を使うと、汚れを中和して効率的に落とすことができます。
例えば、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤が適しています。特に油脂汚れは脂肪酸を含むため、アルカリ性の洗剤と反応して乳化し、落としやすくなります。
以上を踏まえた上で、ガスコンロの汚れを落とす際におすすめの洗剤をご紹介します。
ガスコンロの油汚れにおすすめの洗剤1.中性洗剤(レンジ用洗剤)

中性洗剤(台所用洗剤)には界面活性剤が含まれており、汚れを包み込んで浮かせる役割があります。ゴトクの洗浄はもちろん、希釈して天板の拭き掃除にも使えます。
特にレンジ専用の中性洗剤は、汚れを溶かす溶剤が配合されており、水と油の両方になじみやすいため、汚れを効果的に取り除くことが可能です。
アルカリ性や酸性の洗剤のように化学反応で汚れを分解するわけではありませんが、素材を傷めにくく扱いやすい点が特長です。
ガスコンロの油汚れにおすすめの洗剤2.重曹

重曹は安全性が高く、食材のアク抜きにも使われるなど、安心して利用できる素材です。食品を扱うキッチン周りの掃除によく使用されるアイテムです。
重曹水は、人肌程度のお湯100mlに小さじ1杯の重曹を混ぜるだけで作れます。濃度を調整することで、汚れに応じた強さで使用できます。ペーストを作る場合は、水大さじ1に重曹大さじ3を混ぜ合わせます。
重曹はアルカリ性であるため、酸性の油汚れを中和して取り除くのが得意で、汚れをやわらかくして乳化させます。さらにペースト状にすれば、軽い研磨作用で頑固な汚れにも対応可能です。
ガスコンロの油汚れにおすすめの洗剤3.クリームクレンザー

クリームクレンザーは、研磨剤が配合された洗剤です。硬い研磨剤が配合されているため、特に焦げ付きの汚れを落とすのに適しています。
また、クリームクレンザーはアルカリ性で油汚れに効果的な上に、界面活性剤も含まれているため、物理的に汚れを削りながら油汚れを落とせます。
ただし、クリームクレンザーで擦った場所は、研磨剤によって傷がつく可能性があるため、使用する場所には注意が必要です。使用する場合は説明書を見て、使用して問題ないかを確認してから使用しましょう。
ガスコンロを掃除する際に用意するもの
ガスコンロの掃除に必要な道具は、以下のとおりです。
- ゴム手袋
- レンジ用洗剤
- 台所用洗剤
- クリームクレンザー
- 重曹
- 歯ブラシ(使用済みで良い)
- ラップ
- キッチンペーパー
- ぞうきんやウエス
- スポンジ
- バケツやおけ
- 大きめのビニール袋
- つまようじや竹串など先が細いもの
洗剤類は必要に応じて準備しましょう。つけ置き洗いをする際には、バケツやおけ、ビニール袋が便利です。使いやすいものを用意することで、効率的に作業を進められます。
クレンザーを使う場合は、スポンジに直接つけると吸収されてしまうため、ラップに取って使用すると効果的です。メラミンスポンジを使用する際には注意が必要です。フッ素加工やステンレス、アルミ素材の天板は傷がつく可能性があるため、これらの表面には使用を避けましょう。
ガスコンロのこびりついた頑固な油汚れの落とし方|パーツ別掃除の手順
-medium.png)
油汚れを掃除したいコンロのパーツは、以下の5つです。
- バーナーキャップ
- ゴトク
- 天板
- 排気口
- 魚焼きグリル
それぞれの掃除手順を、詳しく解説します。
バーナーキャップ
-medium.jpg)
最初にゴトクを取り外し、バーナーキャップを持ち上げると簡単に外せます。バーナーキャップはガスコンロの炎が出る部分であり、焦げ付きやすいパーツです。掃除の目安は月に1回程度が理想です。
軽い汚れの場合は、台所用洗剤を染み込ませた布やスポンジで拭き取ると良いでしょう。台所用洗剤では落ちない頑固な汚れには、重曹水を使ったつけ置き洗いがおすすめです。具体的な手順は、以下のとおりです。
重曹水つけ置き洗いの方法 |
---|
|
掃除後、バーナーキャップが濡れたままだと点火不良の原因になるため、完全に乾燥させましょう。また、バーナーキャップは壊れやすいパーツですので、取り扱いは慎重に行いましょう。
ゴトク

ゴトクの掃除方法は、汚れの程度によって異なります。軽い汚れは台所用洗剤とスポンジで洗い、頑固な汚れには重曹水につけ置きを行いましょう。つけ置き洗いの手順は、バーナーキャップの方法と同様です。
ゴトクを取り外せない場合や、特に汚れがひどい場合には重曹ペーストパックを使います。重曹のペーストパックの使用方法は、以下のとおりです。
重曹のペーストパック |
---|
|
ゴトクは鍋やフライパンを置く場所であるため、油や吹きこぼれが付着しやすく、加熱されることで焦げ付きや頑固な汚れが発生しやすい箇所です。そのため、週1回程度のこまめな掃除を心がけると良いでしょう。
天板

天板が軽く汚れた場合は、レンジ用洗剤をスプレーした雑巾などで拭き取るだけで十分です。また、重曹水をスプレーしてから拭き取る方法も効果的です。
頑固な汚れには重曹ペーストパックが便利で、手順はゴトクの場合と同様です。また、クリームクレンザーをラップに付けて擦る方法も効果的です。ラップはクレンザーを吸収しないため、研磨効果を最大限に発揮できます。重曹ペーストを使った後にクリームクレンザーを併用すると、より頑固な汚れにも対応できます。
コンロの天板にはさまざまな種類があり、それぞれ特性や掃除の際の注意点が異なります。天板の種類ごとの特長と注意点は、以下のとおりです。
天板の種類 | 特長 | 掃除の注意点 |
---|---|---|
ガラストップ・ガラスコート | 焦げ付きにくく、掃除がしやすい | クレンザーは塗装が剝がれる原因になるため最小限にする |
ホーロー | 耐久性に優れているが、塗装が弱い | 強く擦ったり、固いスポンジを使ったりすると傷がついてサビの原因になるため注意する |
ステンレス | サビに強く、個性的なデザイン | 中性洗剤を柔らかいスポンジや布に染み込ませて掃除する |
フッ素コート | 汚れがつきにくいが、耐久性がやや低い | フッ素がはがれないように、中性洗剤と柔らかい素材のスポンジを使う |
アルミ | 汚れがつきにくいが、柔らかい | 重曹で変色する恐れがあるため注意する |
天板の違いを把握した上で、適切な掃除方法を選びましょう。
排気口

排気口や油や食材が飛び散るのを防ぐ排気カバーに汚れがたまると、排気がスムーズに行えなくなるため、定期的な掃除が必要です。
排気口の掃除には、割り箸にぬらして固く絞ったキッチンペーパーを巻き付けた掃除道具が便利です。汚れが完全に取れるまで、キッチンペーパーを何度か交換しながら掃除しましょう。
排気カバーは取り外して洗浄します。軽い油汚れは台所用洗剤とスポンジで十分に落とせますが、頑固な汚れにはお湯で汚れをやわらかくしてから洗うと効果的です。また、重曹水でのつけ置き洗いもおすすめです。
排気カバーを掃除した後は、よく乾かしてから元の位置に戻しましょう。汚れやすい排気カバーは、週1回の頻度で掃除することが推奨されます。
魚焼きグリル

魚焼きグリルの網や油受けは、取り出して掃除します。固まった油汚れには、最初にお湯で汚れをやわらかくしてから、台所用洗剤で洗うと効率的です。重曹水を使用するのも良い方法です。
頑固な汚れの場合は、台所用洗剤を直接かけてしばらくおいてから洗浄すると、汚れが落としやすくなります。また、焦げ付きには重曹ペーストやクリームクレンザーを使用し、汚れを分解すると効果的です。
他の部分と同じように、洗った後はしっかり乾かしてから元に戻しましょう。
魚焼きグリル(庫内)

魚焼きグリルの庫内の軽い汚れは、レンジ用洗剤や重曹水を布に含ませて拭き取ります。頑固な汚れには、以下の手順でパック洗浄を行うと効果的です。
重曹水・レンジ用洗剤パック |
---|
|
お手入れ棒は、キッチンペーパーに重曹水やレンジ用洗剤を染み込ませたものを、菜箸に巻き付けて輪ゴムで止めた掃除アイテムです。手の届きにくい部分や細かい箇所の掃除に便利です。
魚焼きグリルは、使用するたびに汚れが付着します。そのまま放置すると汚れが落としにくくなるため、使用後はこまめに掃除する習慣をつけましょう。
ガスコンロの油汚れが頑固になる前にやっておくべきこと
ガスコンロは毎日の調理に欠かせない道具です。頑固な焦げ付きや汚れを防ぐためには、日頃からのこまめな掃除が重要です。特に、吹きこぼれや油を使った料理をした後は、時間を置かずに素早く汚れを拭き取りましょう。
取り外しができるゴトクなどは、食器を洗うついでに一緒に洗うと手間が省けます。また、食洗機で洗うのも効率的です。
毎回丁寧に掃除をする必要はありませんが、お掃除シートやぬれ布巾を常備しておき、さっと拭くだけでも頑固な汚れの予防になります。汚れを放置すると掃除が難しくなるだけでなく、ガスコンロの劣化にもつながるため、日頃からの手入れを習慣化しましょう。
ガスコンロの油汚れを放置は危険
ガスレンジの油汚れをそのままにしておくと、以下のような危険が生じる可能性があります。
- 焦げ付いた油汚れへの引火
- バーナーキャップが詰まることによる不完全燃焼
それぞれの危険性について解説しますので、事故を防ぐために理解しておきましょう。
焦げ付いた油汚れへの引火
ガスコンロの焦げ付きや油汚れに炎が引火すると、火災が発生する恐れがあります。バーナーキャップに詰まった汚れからも引火の可能性があるため、注意が必要です。
また、グリル皿やグリル庫内に付着した油に引火するケースもあります。油汚れや吹きこぼれが発生した場合は早めに掃除をし、グリル庫内も定期的に清掃するようにしましょう。
バーナーキャップが詰まることによる不完全燃焼
バーナーキャップが油汚れで詰まると、不完全燃焼の原因になります。不完全燃焼により一酸化炭素(CO)が発生すると、人体に危険を及ぼします。
もしコンロから赤い炎が出る場合は、バーナーキャップの詰まりや、斜めに設置されていないかを確認しましょう。
また、特定の使うバーナーだけが赤い場合は、部品の劣化が原因である可能性もあります。劣化している場合は、バーナーキャップの交換が必要です。
赤い炎でも使用できるからと放置せずに、バーナーキャップの状態を確認し、必要に応じて清掃や交換を行いましょう。
ガスコンロの油汚れが落ち切らない場合
自分で掃除をしてみたものの、ガスコンロの油汚れが落ち切らないときの対処法も確認しておきましょう。対処法は以下のとおりです。
- ハウスクリーニングサービスを利用する
- ガスコンロのパーツを買い換える
- ガスコンロの交換をする
それぞれ詳しく解説します。
ハウスクリーニングサービスを利用する
-medium.jpg)
自分では取れない頑固な汚れや焦げ付きがある場合でも、ガスコンロ自体はまだ使用可能であれば、プロのクリーニングサービスを利用するのがおすすめです。専門家に依頼することで、細かい部分まで徹底的に掃除してもらえます。
ガスコンロの一般的な寿命は、約10年とされています。使用年数が10年未満の場合は、クリーニングを依頼する良いタイミングです。汚れが原因でガスコンロの交換を検討する前に、まずはプロのクリーニングサービスを利用してみるのも良いでしょう。
ガスコンロのパーツを買い換える

ガスコンロの清掃が難しい場合は、汚れたパーツだけを買い換える方法もあります。多くのメーカーでは、ゴトクやバーナーキャップなどのパーツが個別に購入可能です。まずは、使用中のガスコンロに適合する部品を調べる必要があります。
使用しているガスコンロに適合するパーツを確認するためには、ガスコンロの型番が必要です。型番は通常、電池ボックスのフタの裏側に記載されているため、確認してみましょう。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

コンロの耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
コンロの交換費用は10万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、1回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。
