住んでいる賃貸物件の給湯器が故障したときの対処法は? 連絡先と費用

住んでいる賃貸物件の給湯器が故障したときの対処法は? 連絡先と費用

給湯器が突然故障した場合、慌てず正確に状況を把握し、不動産管理会社や貸主へ報告するなど、適切に対応することが大切です。この記事では、給湯器が故障したときの連絡先、故障を疑う症状、故障したときに確認することを解説します。

最終更新日:2025年04月07日公開日:2025年04月07日

目 次

この記事でわかること

  • 給湯器が故障したときの連絡先
  • 修理費用を負担するのは誰か
  • 自分でできるメンテナンス方法

賃貸物件で給湯器が故障したときの連絡先とは?

賃貸物件で給湯器が故障したときの連絡先とは?

賃貸物件で給湯器が故障したときの連絡先は、「貸主」か「不動産管理会社」です。賃貸物件の給湯器は、貸主(大家/オーナー)の所有物の扱いになります。不動産管理会社に管理を委託している物件では、不動産管理会社が窓口です。

給湯器が故障した場合は、貸主か不動産管理会社が業者に連絡し、業者から故障状況を確認する連絡が入居者に入るのが一般的な流れになります。

貸主(オーナー側)の対応については、以下のページで紹介しているので、そちらを確認してみてください。

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アパートの給湯器が故障した際の、オーナー側の対応方法や、給湯器交換にかかる費用相場を解説します。アパート向けの給湯器の選び方についても詳しく見ていきます。給湯器の故障に対する対応が不安な方は、ぜひ参考にしてください。

賃貸物件の給湯器の故障を疑う症状とは?

賃貸物件の給湯器が故障した場合は、貸主や不動産管理会社への連絡が必要で、修理や交換に時間がかかるケースもあります。そのため、給湯器の故障を早めに察知し、連絡することが大切です。

ここでは、給湯器の故障と考えられる症状を解説します。

お湯が出ない

お湯が出ない

給湯栓を開いてもお湯が出ない場合は、給湯器の故障が考えられます。キッチンや浴室、洗面台など、自宅の給湯器付きの蛇口をチェックしてみてください。また、お湯だけ出ないのか、お湯も水も出ないのかもあわせて確認しましょう。

電源コンセントやブレーカーを入れ直しても改善されない場合は、修理が必要です。

追いだきができない

追いだきができない場合も、給湯器の故障を疑うサインのひとつです。お風呂のお湯が冷めたときに、追いだき機能を使っても温まらない、または時間がかかりすぎる場合は、給湯器の故障や不具合が考えられます。

まずは循環口フィルターを確認して、詰まりがあれば掃除しましょう。詰まりを解消して、電源(運転スイッチ)を入れ直しても改善されない場合は修理が必要です。

お湯の温度が安定しない

お湯の温度が安定しない場合は、水圧変動の影響による温度調節機能の不具合や、リモコンの温度設定に問題があるかもしれません。

機器の給水口(水抜き栓)フィルターの詰まりを清掃し、リモコンの温度設定を確認してみてください。電源(運転スイッチ)を入れ直しても改善されない場合は修理が必要です。

煙が出ている

煙が出ている

給湯器から煙が出るのも、故障のサインです。ただし、外気温が低い季節に白い煙が出ているのは故障ではありません。

外気温が高い状態で白い煙が出ている場合は、修理や交換が必要です。中でも、黒い煙は不完全燃焼と考えられます。危険なので給湯器の使用を中止し、すぐに修理や交換を依頼してください。

変なニオイがする

新設した給湯器の排気口から出てくるガスのニオイは、組み立て時に使用された機械油の燃焼が原因であることが多く、故障ではありません。ただし、長く続く場合は点検したほうが良いでしょう。

またプロパンガス(LPガス)用給湯器は、ガスの残量が少ないとき、排気口からガスのニオイがすることがありますが、この場合も故障ではありません。

常にガスのニオイがする場合、機器内部やパイプの接続部でガス漏れが起きている可能性があるため、貸主・不動産管理会社に連絡しましょう。

酸っぱいニオイや目への刺激があるニオイは、給湯器内の金属腐食やゴム部品の劣化が考えられます。安全のために使用を中止し、速やかに修理や交換を依頼してください。

変な音がする

変な音がする

給湯器からホラ貝のような「ボー」という音や、笛のような「ピー」という音がする場合は、モーターの不具合や、空気とガスのバランス崩れが考えられます。

また、運転中などに生じる「ボン」という小さな爆発音は、ガス漏れや不完全燃焼が起きている恐れがあり、危険です。このような音がする場合は使用を中止し、早急に修理や交換の依頼をしましょう。

賃貸物件の給湯器が故障したときに確認すること

給湯器の故障が疑われる場合は業者に見てもらうことをおすすめしますが、故障ではないケースや原因がほかにあることも考えられます。

まずは修理や交換までの安全を確保し、異臭や異音がする場合は運転を止め、ガス漏れの可能性があれば、ガス栓を閉めて給湯器の電源を落としてください

そのあとで、次のことを確認してみてください。

エラーコードを確認する

エラーコードを確認する

給湯器のリモコンにエラーコードが表示される場合は、何らかの不具合が発生している可能性があります。エラーコードはメーカーごとに異なるので、詳細は取扱説明書やメーカーの公式ホームページで確認してみてください。

エラーコードの内容によっては、対処できる場合もあります。

なお「888」というエラーはメーカー点検のサインで、故障ではありません。不動産管理会社に連絡して、メーカーの点検を受けてください。

配管が凍結していないか確認する

比較的暖かい地域で、急に寒くなった冬季に起こりやすいのが配管凍結です。この場合、お湯だけでなく水も出なくなりますが、凍結は気温が上がると解消されます

配管凍結時の対処法は、以下の記事も参照してください。

ガス給湯器・配管が凍結したときの対処法と凍結防止策

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ガス給湯器・配管が凍結したときの対処法と凍結防止策

冬の寒さが増す中、給湯器や配管の凍結は避けたいトラブルです。外気温の低下や水の流れが止まると、凍結のリスクは高まります。通常よりも寒さが著しい、あるいは低温が続いている際に、お湯はりやシャワーが使えないなどの症状が起きたら、凍結による不具合を疑いましょう。 本記事では、凍結の原因や対処法、凍結を防ぐ方法について詳しくご紹介します。冬の寒さ対策の一環として、ガス給湯器・配管の凍結防止策に取り組みましょう。

凍結が原因であり、早くお湯を出したいときは、応急処置方法を試してみてください。気温上昇を待っても改善しない場合は、修理を依頼しましょう。

ガスの供給が止まっていないか確認する

ガスの供給が止まっていないか確認する

給湯器の故障ではなく、ガス供給が止まっているケースもあります。給湯器のリモコンが点灯するか、ガスコンロの火がつくか確認してみてください。

給湯器のリモコンに電源が入ってもガスコンロがつかない場合は、ガスの安全装置が働いてガス供給が止まっている可能性があります。

ガスメーターのリセット方法は、以下の記事を参照してください。

給湯器の故障?リセットしていいケースと対応方法を

2025年02月04日

給湯器の故障?リセットしていいケースと対応方法を解説

給湯器のリモコンにエラーコードが表示され、正常に運転できないことがあります。故障の可能性もありますが、何かしらの原因で給湯器が停止しているなら、給湯器本体やリモコンをリセット(電源の入れ直し)すると不具合を解消できる場合もあるので、修理を依頼する前に試してみましょう。 本記事では、給湯器の故障が疑われる場合にリセットを試してもいいケースと具体的なリセットの方法、さらにはリセットしてはいけない場合の注意ポイントについて詳しく解説します。

手順は次のとおりです。

  1. 家中のすべてのガス機器を止める
  2. ガスメーターのランプの点滅を確認する
  3. ガスメーターの復帰ボタンを押す
  4. 復帰するまで約3分間待つ
  5. ランプが消えたことを確認する
  6. ガス機器に異常がないかを確認し、換気に注意してガス機器を使う

給湯器の「型式」と「製造年月」を確認する

給湯器の「型式」と「製造年月」を確認する

給湯器が故障したときは、給湯器本体に記載されている「型式」と「製造年月」を確認しましょう。これらの情報は、貸主や不動産管理会社に状況を伝えるときに、修理か交換かの判断につながります

型式がわかれば、給湯器の仕様や対応可能な修理内容を特定しやすくなり、製造年月からは給湯器の使用年数や寿命を推測できます。

賃貸物件の給湯器が故障したら費用を負担するのは誰?

賃貸物件の給湯器が故障したら費用を負担するのは誰?

給湯器の故障を貸主や不動産管理会社に報告せず、先に修理してはいけません。事後報告で修理費用を請求したくても、貸主側が認めないケースもあり、トラブルに発展することがあります。

ここでは、賃貸物件の給湯器が故障したときの費用負担について確認しておきましょう。

基本は貸主である大家

基本は貸主である大家

賃貸物件の設備のひとつである給湯器は、貸主の所有物です。そのため、故障もしくは経年劣化などで修理が必要になった場合、費用は通常「貸主側」が負担します。

貸主である大家やオーナー側が基本的に支払いを行いますが、場合によっては入居者自身が費用を負担しなければならないこともあります。詳細は次をご覧ください。

借り主側(入居者)の費用負担になる場合

借り主側(入居者)の費用負担になる場合

賃貸契約にガス給湯器の修理交換について賃借人の負担とする特約がある場合は、貸主による借家の修繕義務がないことがあります。特約の有無を知るには、賃貸契約内容を確認してください。

借り主側(入居者)が善管注意義務を怠った場合は、借り主側(入居者)の費用負担になります。善管注意義務とは、賃貸物件やその設備に不具合があればすぐに貸主に報告するなど、使用者として常識的な管理や使い方をする義務のことです。

善管注意義務を怠ったことで故障がひどくなった場合、修理費用は借り主が負担するケースもあります。また、推奨されていない入浴剤の使用や空だきによる故障は、入居者の過失とされる可能性があるでしょう。

賃貸物件の給湯器が故障したときの補償とは

賃貸物件の給湯器が故障したときの補償とは

賃貸物件の給湯器が故障したときは、補償について知っておくことが大切です。ここでは、経年劣化による故障の場合と、借り主の過失によって故障の費用を負担した場合の補償について解説します。

経年劣化による故障は賃料減額の対象となる

経年劣化による給湯器の故障や不具合により日常生活に支障をきたす場合、賃料減額の対象となる可能性があります。賃貸物件の設備が正常に機能しない期間、その影響度合いに応じて家賃を減額するという考え方に基づくものです。

2020年の民法改正により、入居者に過失がなく、設備が故障し、一部使用できなくなった場合、その分家賃が減額されると定められています。

ただし、給湯機の故障による賃料減額が認められるかどうかは、個別の契約内容や状況によって異なります。

借り主の過失による設備機器の破損は火災保険の適用となる可能性がある

借り主の過失による設備機器の破損は火災保険の適用となる可能性がある

借り主の過失による給湯器の故障は、加入している火災保険・家財保険の特約である「修理費用補償」が使える可能性があります。

給湯器の故障が原因でほかの住人や貸主に損害を与えた場合、火災保険の特約「借家人賠償責任補償」や「個人賠償責任保険」の対象になるケースがあるためです。

ただし、保険が適用されるかどうかは保険会社や契約内容によって異なります。免責金額が設定されている場合は、自己負担が発生することもあるでしょう。

まずは加入している火災保険の契約内容を確認し、保険会社に連絡して状況を説明してください。保険が適用されれば、高額な修理費用を自己負担せずに済む可能性があります。

自分でできる賃貸物件の給湯器のメンテナンス方法

日常的に使用する給湯器はメンテナンスも大切です。ここでは、賃貸物件の入居者が行える給湯器のメンテナンス方法を紹介します。

日頃からお手入れすることで、突然の故障リスクを減らしましょう。

本体の外装(カバー)を定期的に拭く

本体の外装(カバー)を定期的に拭く

給湯器本体の外装は、水拭きで汚れを取り除いたあと、から拭きして水気をしっかり拭き取りましょう。

汚れがひどい場合は、台所用の中性洗剤を使って拭き取るのがおすすめです。台所用中性洗剤以外の洗剤や磨き粉は避けてください。給湯器本体表面の文字や光沢が消えてしまう恐れがあります。

拭き掃除のときに本体からの水漏れやサビ、破損がないか、給湯器の周囲などもあわせて確認しておきましょう。

給気口や排気口のホコリやゴミを取り除く

給気口や排気口のホコリやゴミを取り除く

給湯器の給気口や排気口は、空気を取り込んだり、排ガスを放出したりする大切な部分です。そこにゴミやホコリが詰まった状態で使用を続けると、不完全燃焼を起こす場合があります

排気口にすすがたまっている状態では、給湯器内部に不具合が生じる可能性があるので、早めの点検を依頼しましょう。

給湯器の性能を維持し、安全に使用するためにも、定期的なお手入れが大切です。

水抜きフィルターを掃除する

給湯器の水抜き栓のフィルターにゴミがたまると、お湯の出が悪くなったり、お湯が出なくなったりするケースがあります。定期的にフィルターを確認して掃除しましょう。

水抜きフィルターの取り外し方や清掃の流れは、メーカーや機器によって異なります。取扱説明書を確認のうえ、作業を行うのが望ましいです。

水抜き栓を外して配管を掃除する方法については、以下のページを参照してください。

給湯器のメンテナンス方法は? 自分でできるお手入れや長持ちさせるコツを紹介

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給湯器は、メンテナンスを定期的に行うことで、長く安全に使用できます。本記事では、自分でできる給湯器のメンテナンス方法について詳しく解説します。給湯器を長持ちさせるポイントや、修理、買い替えのサインについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

修理か交換かは利用年数で判断することがおすすめです!

給湯器の耐用年数注)は約10年です。10年以上経過している場合、故障の頻度も増えていきます。
トラブル発生時は「修理」と「交換」の要望はほぼ同じですが、最終的な解決方法は10年を境に差が出てきます。ご利用年数が10年以下なら修理、10年以上なら交換することをおすすめします。

注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

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  • この記事の監修者

    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

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