自宅の給湯器について、「メンテナンス方法が分からない」「修理や買い替えの目安を知りたい」といった悩みを持っている方もいらっしゃるかと思います。給湯器のメンテナンスは、適切な方法で定期的に行うことが大切です。メンテナンスが十分でないと、寿命が短くなったり、故障や事故を招く可能性があります。本記事では、給湯器のメンテナンス方法と、長持ちさせるためのポイントを解説します。
自分でできる給湯器のメンテナンス方法
給湯器のメンテナンスについて、以下の5カ所に分けて解説します。
- 本体の外装(カバー)
- 旧排気口
- ストレーナー
- 浴室の循環フィルター
- 追いだき配管
それぞれ見ていきましょう。
本体の外装(カバー)のメンテナンス方法
本体の外装は、水でぬらした布などで汚れを取り除いたあと、乾いた布で水気を拭き取ります。汚れがひどい場合は、台所用の中性洗剤を使って拭き取りましょう。
また、台所用中性洗剤以外の洗剤や磨き粉は、本体表面の光沢や文字が消えるおそれがあるため、注意が必要です。
給排気口のメンテナンス方法
給気口や排気口は、ホコリやゴミが詰まると不完全燃焼を起こす場合があるため、定期的にホコリやゴミを取り除きましょう。
近くに洗濯物を干したり、燃えやすいものをおいたりするのも避けましょう。排気の温度はかなり高く、可燃性のものが触れた場合には、事故につながる可能性があります。
給気口や排気口の近くにはものが置いていないか確認して、どうしても置かなくてはいけない場合は600mm以上離すように心がけましょう。また、庭木などを植えている場合は、いつのまにか大きくなって給気口や排気口をふさいでしまうケースもあります。そのため、給排気口の周りは普段から定期的に確認し、可燃性のものがないか、排気口がふさがっていないか、注意する必要があります。
水抜き栓のメンテナンス方法
水抜き栓の周りや配管にゴミがたまっていると、お湯の出が悪くなるため、定期的な掃除が必要です。
水抜き栓をはずして配管を掃除する場合は、水抜き栓から出てくるお湯や水を受け取る容器と歯ブラシを用意しましょう。
メンテナンスを行う際は、下記の手順で行ってください。
- 給湯器の給水元栓を閉めます。
- 台所や洗面台などの給湯栓をすべて開けます。
- 水抜き栓を左に回してはずします。(このとき排水管から水やお湯がでてくるので、準備しておいた容器で受ける準備をしておきましょう。)
- 排水管や水抜き栓のフィルター部分を水洗いして、歯ブラシでゴミを取り除きます。
- 元どおりに、水抜き栓を取り付けます。
- お湯側の蛇口など、すべての給湯栓を閉めます。
- 給水元栓を開け、水抜き栓の周囲に水漏れが無いことを確認します。
浴槽の循環フィルターのメンテナンス方法
循環フィルターの汚れやつまりを放置すると、お湯が適温にならない原因になります。また、エラーの表示が出たり、循環不良を引き起こしたりする場合もあるため、定期的なメンテナンスが大切です。
浴槽の循環フィルターのメンテナンスでは、フィルターにたまる汚れやつまりを取り除きます。
循環フィルターは左に回せば浴槽からはずすことが可能です。外した循環フィルターを直接水洗いし、目立つ汚れがある場合は、歯ブラシなどを使って取り除いてください。循環フィルターの形状には製品ごとに違いがありますが、メンテナンスの方法は同じです。
追いだき配管のメンテナンス方法
追いだき配管に湯アカがたまっていると、浴槽に出てきてお湯を汚してしまう可能性があります。定期的にメンテナンスを行うことで、きれいな状態を保ちましょう。
追いだき配管は、お湯を吸い込み、温めてから吐き出して浴槽内のお湯を温める機構です。配管は水アカや皮脂汚れなどを含むお湯を繰り返し吸い込むため、汚れが付着しやすいです。追いだき配管はよく使うほど汚れがたまります。
そのため、家族が多いご家庭や寒い季節には、とくに注意が必要です。
たまった湯アカを取り除くためには、風呂釜洗浄剤を使うのが効果的です。また、配管洗浄機能がついている給湯器であれば、自動洗浄が可能です。週に1回程度の頻度で、こまめにメンテナンスを行いましょう。
給湯器を長持ちさせるために意識すべき3つのこと
給湯器をできるだけ長持ちさせるためのポイントとして、以下の3点を紹介します。
- 点火装置の使用頻度を減らす
- 寒い時期は凍結対策する
- 長時間使用しない場合は水抜きする
具体的な対策方法を紹介するので、家庭の給湯器で実践してみてください。
点火装置の使用頻度を減らす
給湯器は、点火装置でガスに火をつけることで、水を温める仕組みになっています。この点火装置が劣化したり、故障したりすると、ガスに火がつかなくなり、お湯が出なくなってしまいます。
点火装置は消耗品なので、使用頻度を減らすことで長持ちさせることが可能です。点火装置の使用頻度を減らす工夫としては、短い時間の給湯器使用を避けることなどが有効です。
点火装置が故障した際は、新しい点火装置に交換してください。ただし、給湯器の修理や交換は危険を伴うため、自分では行わず、専門の資格を持ったプロに依頼しましょう。
寒い時期は凍結対策する
給湯器が凍結すると、中の水が凍るだけでなく、配管が破裂する恐れがあるため、対策が必要です。
給湯器には気温が下がると、自動でヒーターが作動して凍結を防止する機能が備わっています。また、追いだき機能がある給湯器は、自動でポンプが作動して凍結を防ぎます。しかし、これらの機能は電源を切ると作動しないため、寒い時期には給湯器の電源を常に入れておくようにしましょう。
また、寒い時期に給湯器に水が残っていると、凍結の原因となります。
給湯器を長期間使用しないことや、気温が極端に低くなることが予想できる場合には、給湯器内の水抜きをしておきましょう。
長期間使用しない場合は水抜きする
また、旅行や出張で給湯器を長時間使用しないときにも、水抜きが必要です。
前述のように、寒い時期には凍結の危険性にもつながるため、水抜きは欠かせません。また、電気を使う機器は、長時間通電しないと故障につながります。
給湯器は種類によって水抜き栓の形状や位置が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。手順も違う場合があるので、説明書を確認するのが確実です。
給湯器のメンテナンスを怠るリスク
メンテナンスを怠ると、給湯器を快適に使える期間が一般的な耐用年数よりも短くなってしまう可能性があります。とくに、使用頻度が多い場合や、寒さが厳しい環境で使用する場合、メンテナンスは重要です。
メンテナンスをしないままで使い続けると、火災や一酸化炭素中毒の原因にもなりかねません。また、排気口にゴミが詰まって不完全燃焼が起これば、一酸化炭素による死亡事故が発生するといった危険もあります。
こうした事故を未然に防ぎ、安全に使い続けるためにも、定期的なメンテナンスは欠かさず行いましょう。
修理・買い替えが必要な給湯器のサイン
給湯器の修理・買い替えのサインとしては、以下のような現象が挙げられます。
- お湯が出ない
- 湯温が不安定
- 異音がする など
また、一般的に給湯器の寿命は約10年とされています。修理・買い替えのサインを見逃さないようにしましょう。
ガス機器の経年劣化の例 | イメージ画像 | チェック項目 |
見た目 |
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雪やにおい |
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使用中 |
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おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!
給湯器の耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
給湯器の交換費用は20万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。