この記事でわかること
- レンジフードの交換時期がわかる!
- 寿命を迎えたレンジフードの症状がわかる!
- レンジフードの修理・交換費用の目安がわかる!
レンジフードの寿命は10年が目安
レンジフードの寿命は10年が目安です。レンジフードを発売するメーカーでも、10年もしくは15年と定めているのが一般的です。
10年以上使用したレンジフードは、異音が発生したり、換気効率が低下したりといったトラブルが発生しやすくなります。このような状態になったレンジフードは、使い続けずに買い替えるのがおすすめです。
また、油を使う料理を頻繁にする場合や、定期的なお手入れを行わない場合は、10年未満であっても上記のようなトラブルが発生し、使用できなくなる可能性があります。
少しでも長く使い続けたい方は、記事後半で紹介しているお手入れ方法を実践してみてください。
寿命を迎えたレンジフードの放置が思わぬ事故を引き起こすことがある
レンジフードの交換を怠り、劣化した状態で使用を続けると、思わぬ事故を引き起こす可能性があります。
ここでは実際に発生した事故の報告例、起こりうる重大なリスクについて説明しますので、どのような危険が潜んでいるのかあらかじめ認識しましょう。
実際の報告事例
実際にどのような事故が発生しているかご存じでしょうか?
本体からの発火や感電など、さまざまな事故が報告されており、重大な被害に発展する危険性があるものもいくつか存在しています。
実際に報告されている事故の現象を、発生件数とともに下表にまとめてみました。
事故の現象 | 発生件数 |
---|---|
本体より発火、火災が発生 | 25件 |
本体より発火・発煙 | 22件 |
本体の一部(または全部)が破損、故障 | 12件 |
本体が熱くなる | 1件 |
レンジフード取り換え中に感電 | 1件 |
スイッチのひもを引いたところ、本体がはずれたため、けがをした | 1件 |
※調査期間:平成16年度~20年度(5年間)
出典:扇風機及び換気扇の経年劣化による火災事故の防止について(PDF)|製品安全センター
一酸化炭素中毒のリスクも
事故の例にはないですが、もう一つ重大な事故につながるリスクがあります。
それが換気不良を原因とした一酸化炭素中毒です。
本来、ガスが燃えるためには新鮮な空気が必要で、その空気を定期的に取り入れるのがレンジフードの役割です。
レンジフードの故障で換気不良を引き起こすと、空気中の酸素が足りなくなり不完全燃焼を起こしてしまいます。
一酸化炭素は、この不完全燃焼が原因で発生しますが、無色・無臭の気体であるため、実際に発生していても気づきにくいです。
発生に気づかないまま濃度が濃くなることで、吐き気などの中毒症状が現れます。
重症になると意識不明の状態になり、最悪の場合、死に至るケースもありますので、注意が必要です。
寿命かも? レンジフードの交換目安となる症状・サイン
ここまでレンジフードのおもな使用期間について紹介しましたが、レンジフードには交換の目安となる症状やサインがあることをご存じでしょうか?
ここでは具体的な目安として、以下の3つをご紹介しますので参考にしてみてください。
- 換気扇から変な音がする、ガタガタ大きく振動する
- 換気力・吸引力が落ちてきた
- ファンの回転が遅くなっている
換気扇から変な音がする、ガタガタと大きく振動する
換気扇から異音がする場合や、ガタガタと大きく振動を起こしている場合、モーター消耗や内部破損の可能性があります。
異音の具体例として以下のものが挙げられます。
- 「キュルキュル」のような金切り音
- 「ゴォンゴォン」のような重い音
- 「ジー」のようなかすれた音
- 「カラカラ」のような乾いた音
これらの音は全てモーターやモーター関連、プロペラ部分などレンジフードにおける核の部分が消耗や故障している際に発生する音です。
したがって実際にレンジフードを使用しているなかで、このような音が発生している場合には、すでに交換の時期を迎えている可能性が高いといえます。
放置して使い続けることは避け、なるべく早い段階で対処するようにしましょう。
換気力・吸引力が落ちてきた
換気扇をつけているにもかかわらず台所のニオイが取れない、排煙がうまくされていないなどの症状がある場合には、換気扇の換気力・吸引力が落ちています。
この症状はフィルターの目詰まりが原因で発生する可能性があることから、換気扇の掃除を行うことで解消する場合もありますが、解消しない場合にはモーターなどの駆動部の劣化が進んでいると考えられます。
前述したとおり性能の落ちているレンジフードを使用し続けると予期せぬ事故を引き起こす恐れがあるため、交換の検討をおすすめします。
ファンの回転が遅くなっている
ファンの回転が遅くなっている場合、おもに油汚れがたまっているか、モーターの消耗や異常が原因であると考えられます。
油汚れが原因の場合には掃除をすることで解消する可能性がありますが、モーターの消耗や異常の場合には掃除では症状は改善しません。
この場合には、モーターなどの換気扇の核となる部分に不具合が生じています。
放置すると換気不良を引き起こしやすいため、早急に交換の検討、対応を行う必要があります。
いずれにしても症状が出ている状態で、放置して使い続けることは避けるようにしましょう。
寿命を迎えたレンジフードは交換がベスト
寿命を迎えたレンジフードは交換するのがベストです。先述のような事故が発生した場合、命の危険があります。安心して料理するためにも、10年を目安に買い換えましょう。
以下では、レンジフードの修理費用の目安と、交換費用の目安を、それぞれ紹介します。
レンジフードの修理費用の目安
レンジフードの修理費用の目安は、故障した場所や交換する部品によって異なります。修理費用の目安は以下のとおりです。
修理箇所 | 修理費用相場 注) |
---|---|
モーター | 25,000~40,000円(税込) |
スイッチ | 20,000~35,000円(税込) |
ファン | 15,000~30,000円(税込) |
注) 東京ガス調べ。実際の料金は症状によって異なることがあります。
空気の吸い込みやファンの異音は、自分で清掃するだけで解決する場合もあります。費用を節約するためにも、修理を依頼する前には清掃を行い、改善するかどうか確認してみましょう。
レンジフードの交換費用の目安
レンジフード交換の費用相場は以下のとおりです。
場面 | おおよその費用相場 注) |
---|---|
レンジフードのみを交換する場合 | 約10〜20万円以上 |
レンジフードとガスコンロを一緒に交換する場合 | 約20〜40万円 |
注)「東京ガスの機器交換」が取り扱っているレンジフードとコンロから算出。組み合わせによって金額は異なります。
東京ガスの場合、機器代金に加えて、本体幅に応じた基本工事費が発生する料金体系となっており、合計金額の相場は10~20万円程度です。本体幅ごとの基本工事費は以下のとおりです。
本体幅 | 基本工事費 |
---|---|
60cm幅 | 38,500円(税込) |
75cm幅 | 38,500円(税込) |
90cm幅 | 48,400円(税込) |
注) 2024年12月時点の金額です。
レンジフードの交換する前にチェックしておきたいポイント
レンジフードを交換する前には、以下の3つのポイントをチェックしておきましょう。
- サイズ
- 形状
- 種類
各ポイントについて詳しく解説していきます。

2024年10月04日
レンジフード交換時の注意点を解説!正しく理解して安全にリフォームしよう
レンジフードの交換をするにあたって、「どのような注意点があるか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 また、なかには自分でレンジフード交換をしたいという声も聞きます。 そこで、レンジフード交換をする際に気をつけなければならない点を詳しく解説します。 最後まで記事を読んでいただくことで、正しく安全にレンジフード交換ができるようになります。
レンジフードのサイズ
レンジフードを交換する際は、横幅と高さに注意が必要です。
レンジフードの横幅は60cm、75cm、90cmの3種類があります。レンジフードの両サイドには吊戸棚が設置されているケースが多いため、現在設置されているサイズよりも大きい種類に交換する場合は、リフォームが必要となり、追加の費用がかかります。注)
また、横幅を短い商品に交換する際も注意が必要です。火災予防条例では、コンロの天板よりも長いレンジフードの設置が義務付けられています。天板の長さが60cmであればどの商品を選んでも問題ありませんが、75cmであれば、60cmのレンジフードは設置できません。
費用を抑え、確実に交換するためにも、現在設置されているレンジフードの横幅を事前に確認しておきましょう。
注) 東京ガスでは、レンジフードのサイズ変更はお請けできません。
レンジフードの形状
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レンジフードには以下の3種類があります。
- スリム型
- フラット型
- ブーツ型
レンジフード交換の際には現在の形状を把握しておきましょう。特に、フラット型からスリム型やブーツ型に交換する場合は要注意です。
消防法は、コンロからレンジフードの距離を80cm以上離さなければいけないと定めています。フラット型は、コンロから天井までの距離が短いときに設置されるケースが多いため、スリム型やブーツ型に交換すると、コンロからの距離が近くなりすぎる可能性があります。
そのため、フラット型から他の種類に交換する際は、設置後のコンロからの距離が、80cm以上になることを確認してください。
注) 東京ガスではフラット型からの交換や、フラット型への交換はお請けしておりません。
ファンの種類

レンジフードのファンはシロッコファン、ターボファン、プロペラファンの3種類があります。
シロッコファンは丸い筒状になっており、羽の隙間から空気が通り抜けレンジフードへと流れます。空気を送り出す力に優れているため、外の風が強い場所や、ダクトが長いケースで使われます。
ターボファンはシロッコファンと形が似ていますが、羽が後向きになっており、枚数が少ないです。シロッコファンよりも風量が強く、換気効率も高いです。しかし、換気時の音がシロッコファンよりもやや大きく、設置費用も高額になります。
プロペラファンは、扇風機の羽を壁に直接設置したような形状です。羽の枚数は他2種類よりも少ないですが、サイズが大きいため、力強い換気ができます。設置費用も抑えられますが、むき出しの羽が高速で回転するため、換気中の音は3機種のなかで最も大きいです。
レンジフードとコンロの寿命はほぼ同じ! 同時交換のメリット
ビルトインコンロの寿命は8~10年といわれており、レンジフードと同じ程度です。そのため、同時に交換時期を迎えるケースが多いでしょう。レンジフードとコンロを同時に買い替えると、以下のようなメリットがあります。
- ガスコンロとレンジフードの連動機能が便利
- デザインが統一されてスッキリ
順番に解説していきます。

2025年02月20日
ビルトインコンロの寿命とは|交換時期の見極め方を紹介
「火のつきが悪い」「火力調整がしづらい」「ガス臭い」などの不具合を感じている場合、それは寿命を迎えている可能性があります。 不具合のなかには、放っておくと不完全燃焼による一酸化炭素中毒の危険性もあるため、交換時期の見極めが重要です。 ビルトインコンロの寿命や、交換時期の見極め方、故障または寿命を迎えた際の対応などについて解説します。
ガスコンロとレンジフードの連動機能が便利

コンロとレンジフードは、連動機能が搭載されている機種があります。
連動機能を利用すれば、コンロのスイッチを入れると同時にレンジフードも動き始め、コンロを使い終えたタイミングでレンジフードのスイッチも切れます。
これにより、レンジフードの入れ忘れでニオイがこもったり、コンロ周辺や壁が油で汚れたりすることがなくなります。
また、背が低い方やお年寄りなど、レンジフードのスイッチに手が届きにくい方でも、連動機能を利用すれば快適に使用できます。
デザインが統一されてスッキリ
コンロとレンジフードを同時に交換すると、リフォーム後のような見た目の変化を感じられます。
コンロとレンジフードは視界に入る面積が大きく、同時に変えることで色を合わせられるため、天井から床までの統一感を出せます。
見た目にこだわりたい方や、おしゃれなキッチンを作りたい方におすすめです。
レンジフードの寿命を左右するのは日頃のお手入れ

レンジフードをできるだけ長く使用するためには、故障の原因を取り除きながら使用する必要があります。
ここではレンジフードの故障の原因について紹介し、さらにレンジフードを長持ちさせるためのお手入れの仕方についても説明します。
レンジフードが故障する原因は『蓄積された油汚れ』
レンジフードが故障してしまう一番の原因は蓄積された油汚れということをご存じでしょうか。
一般的に手入れを怠ることなく、油汚れを掃除していれば、故障の原因となる汚れに変化することは考えにくいです。
油汚れの手入れを怠って放置してしまうと、レンジフード内に油汚れが蓄積され、その状態で放置された油汚れは、あめ細工のように硬く粘り気の強い汚れに変化します。
この状態になって初めて故障につながる可能性が出てきます。
この硬く粘り気の強い油汚れは回転するファンに対して相当な負荷を与えます。
無理な力が加わっている状態で使用を続けてしまうことでレンジフードの故障を招いてしまうのです。
使用頻度によっても適切な掃除のタイミングは異なりますが、こまめに掃除を行い、油汚れの蓄積を防ぐようにしましょう。
レンジフードを長持ちさせる日頃のお手入れ
レンジフードを長く使用するために日頃のお手入れはとても大切です。
しかし、どの部分をどのように手入れしたら良いか分からない方も多いのではないでしょうか。
ここでは手入れの方法について紹介しますので参考にしてみてください。
レンジフードのフィルターは3ヵ月に一度交換
レンジフードに使えるフィルターがあることをご存じでしょうか。
フィルターは油汚れをしっかり絡め取ってくれるため、レンジフードの換気能力を維持するのに非常に優れています。
しかし、フィルターも長期間交換や掃除をしない状態で使用を続けてしまうと、油を吸着させる力が弱まり、レンジフード内の汚れを誘発します。
また目詰まりを起こす可能性があり、その状態でレンジフードの利用を続けてしまうと、換気不良を引き起こし台所を汚してしまうだけでなく事故を引き起こす可能性があります。
使用頻度にもよりますが、3ヵ月に一度を目安にフィルターの交換を行い、レンジフード内部の清潔さを保つと同時に、未然に事故を防ぐようにしましょう。
加えて、ホームセンターなどで安価に売っている不織布フィルターの使用は避け、基本的にはメーカー純正品の不燃性フィルターを使用するようにしましょう。
定期的にレンジフードの油汚れを除去する
前述した通り、換気扇の油汚れは蓄積させてしまうことで換気扇へ与える負荷が大きく、除去するのが大変になってしまいます。
そのため定期的に換気扇の油汚れを除去することは、換気扇を長持ちさせるうえで非常に大切です。
そんな油汚れですが、掃除をするうえでアルカリ性洗剤が有効だということをご存じでしょうか。
アルカリ性の洗剤(重曹やセスキ炭酸ソーダなど)をファンやフィルターに振りかけ、しばらく放置した後熱湯で流すと、油汚れを簡単に落とすことができます。
ただし、使用している商品によっては塗装や処理面に傷などを与える可能性があります。
温度が高い状態だとより悪影響になる場合があるので、使用の際には注意が必要です。
詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

2025年01月31日
レンジフードの掃除を自分でやる方法! - 部品の外し方や油汚れ除去の方法を画像付きで解説!
レンジフードの掃除は、定期的に、正しい方法で行いましょう。掃除を怠ったり、間違えた方法で行ったりすると、換気能力の低下や故障の原因になります。この記事では、 レンジフードの掃除が必要な理由を解説したうえで、掃除に必要なものや、掃除の手順などについて解説します。
まとめ
レンジフードの交換時期に関して説明してきました。
レンジフードを長く使用するためには、日頃のお手入れを入念に行うことが大切です。
また、使用しているなかで異常が発生している場合や、耐用年数を超えた状態で使用を継続すると、思わぬトラブルが発生する恐れがあるため、交換を検討してください。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

レンジフードの交換目安は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
レンジフードの交換費用は15万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
