給湯器エラー【111・11】の点滅は「点火不良」の意味
給湯器で点火不良が発生した場合は、リモコンにエラーコードが表示されます。点火不良を示すエラーコードは、ふろ給湯器の場合は【111】、給湯専用の場合は【11】です。
点火不良とは、点火が正常に行われないために起こる症状です。ガスの元栓からガスが供給されているかチェックしましょう。あるいは、ガスの配管のエア抜きが十分でないことで、器具の故障やその他の不具合が発生している可能性もあります。
点火不良が発生した際には、まず、ガスの元栓が開いているかを確認しましょう。次に、給湯器以外のガス機器で点火できるかどうかを確認してください。元栓が開いており、給湯器以外のガス機器が使用できる場合は、給湯器が故障している可能性があります。専門業者に修理を依頼しましょう。
以下では主要な給湯器メーカーである「リンナイ」「ノーリツ」「パロマ」を挙げ、それぞれの【111・11】について紹介していきます。
リンナイの場合
リンナイの給湯器で【111・11】が発生した際の表示は、下図のとおりです。
ノーリツの場合
ノーリツの給湯器で【111・11】が発生した際の表示は、下図のとおりです。
パロマの場合
パロマ給湯器で【111・11】が発生した際の表示は、下図のとおりです。
給湯器エラー【111・11】の原因
111エラーの原因は一つではありません。111エラーが表示される代表的な原因として、以下の4つが挙げられます。
- ガスが供給されていない
- 天候や気温による影響
- 空気の循環に問題がある
- 給湯器本体や部品が故障している
111エラーが出た場合は、上記のいずれかに該当している可能性が高いです。対処法を知るためにも、まずはこれから紹介する原因に心当たりがないかチェックしましょう。
1. ガスが供給されていない
1つ目の原因は、火を点けるのに必要なガスが供給されていないことです。何らかの理由によってガス供給がされないと点火不良になり、給湯器に111エラーが表示されます。ガスが供給されていない原因として多いのが、ガス栓が開いていないケースが考えられます。
ガス栓が開いていないのは、開け忘れの他にイタズラの可能性があります。111エラーが出たら、まずはガス栓を確認しましょう。
またガスメーター(マイコンメーター)は異常を検知すると安全装置が作動し、自動的にガスを遮断することがあります。これは強い揺れを感じたり長時間ガス機器を連続使用したりすると、火災やガス漏れなどを防ぐために安全装置が作動したことを、ガスメーターの表示ランプが赤く点滅することでお知らせします。
2. 天候や気温による影響
2つ目の原因は、天候による影響です。例えば台風や豪雨なども、点火不良の原因となります。基本的に給湯器はどのような天候であっても使えるようになっていますが、給湯器内部に水が浸入したり湿度が高くなったりすると、安全装置が起動して点火不良になることがあります。
天候や気温による111エラーは、天気が回復すれば自然と改善する可能性が高いです。天候が原因と疑われる場合は、一度様子をみてから確認してみましょう。
3. 空気の循環に問題がある
3つ目の原因は、空気の循環に問題がある場合です。給湯器が点火する際に、給気と排気が正常にできていないと熱がこもり、給湯器が故障する原因となる他、火災につながる可能性もゼロではありません。
また、排気部分が閉そくされているなどの不具合がある場合は、安全のため点火しないようにする機能が搭載されている給湯器もあります。そのため点火不良のときは給湯器だけではなく、排気部分の近くに障害物などでふさがれていないか確認しましょう。
4. 給湯器本体や部品が故障している
4つ目の原因は、給湯器本体や部品の故障です。給湯器本体の耐用年数は、10年程度といわれています。また、給湯器は使用年数が長くなるにつれて、パッキンなど内部の部品劣化によるガス漏れ、給湯器内部の水漏れなどのリスクが高まります。
本体はもちろん部品が壊れているかの判断は難しいため、早めに修理を依頼するのがおすすめです。
また給湯器本体の異常については、下記の記事も参考にしてみてください。
給湯器エラー【111・11】の直し方・対処法
111エラーが起きた場合は、以下の対処法を試すことで直る可能性があります。
- ガス栓やガスメーターの確認をする
- 台風や豪雨の際は天候が回復して半日ほど放置する
- 排気口にごみや障害物がないかを確認する
- 給湯器本体のコンセント(電源)を入れ直す
- リモコンをリセット(電源の入れ直し)する
それぞれの方法について詳しくご紹介します。
ガス栓やガスメーターの確認をする
エラーコード111が表示される原因の一つに、ガス供給が止まっていることが挙げられます。従って、以下の2つの方法でガス栓やガスメーターに問題がないか確認してみましょう。
- ガス栓の確認
- ガスメーターの確認
ガス栓の確認
ガス栓が閉まっていると、ガスを供給できず点火不良の原因となります。まずは、ガス栓が開いているか確認してください。ガス栓の開栓は器具栓に対して、栓が縦になっている状態です。栓が横を向いていたらガス栓をひねって、ガスが供給されるようにしましょう。
ガスメーターの確認
ガスメーターからも、ガスが供給されているか確認できます。ガスメーターはマンション・アパートであれば、共用廊下の扉、戸建ては外側の玄関付近に設置されているケースが多いです。ガスメーターのランプが点滅している場合は、ご自身で復旧作業を行っていただくことでガスが正常に供給されるようになります。
ご自身で復旧作業を行う際は、こちらをご参照ください。
ガスメーターの見方が分からない場合は、ガスコンロの火がつくか確認してみましょう。ガスコンロが使える場合は、正常にガス供給がされています。ガス栓が開いているにも関わらず点火不良の状態が続くなら、他の原因が考えられます。
台風や豪雨の際は天候が回復して半日ほど放置する
強風や豪雨の場合、点火しづらい環境になります。基本的に給湯器は天候に関わらず使えますが、点火不良になった場合は天気が回復するまで待ちましょう。天候が回復して半日ほど放置すれば、給湯器内部の湿度が下がって再び給湯器が点火する可能性が高まります。
台風や豪雨でガス給湯器が使えなくなったら、こちらの記事も併せてご覧ください。
排気口にごみや障害物がないかを確認する
エラー111は、給湯器の排気不良でも起こります。前述のとおり、排気口にごみや異物があると、給排気がうまくいきません。目に見える範囲でごみや異物がある場合は取り除きましょう。また、排気口周辺にある物が原因で排気不良となることもあります。排気口の近くに物が置いてある場合は、他の場所に移動させます。
なお、排気口を掃除する際にカバーを開けて内部部品を触ったり、配管の接続部分を外したりするのは大変危険です。掃除する場合は、目に見える範囲だけにとどめましょう。
給湯器本体のコンセント(電源)を入れ直す
上記の対処をしても改善が見られない場合は、給湯器本体のコンセントを入れ直してみましょう。なお、ガス臭いときや雨が降っているときは引火や感電の可能性があり危険なため、コンセントの入れ直しはしないでください。具体的な手順は、以下のとおりです。
- リモコンで給湯器の運転を止める
- 電源プラグを引き抜く
- 10秒ほど待つ
- 電源プラグを再度差し込む
- エラーが消えたことを確認したら給湯をする
給湯器の電源プラグの場所は、マンションやアパートの場合メーターボックスの中や廊下などの共有スペースにあることが多いです。戸建ての場合は、外壁や給湯器下部の配管カバー内を見てみましょう。
給湯器やガスメーターのリセット方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
リモコンをリセット(電源の入れ直し)する
一時的なエラーによる点火不良であれば、リモコンをリセットして直る可能性があります。大まかな手順としては以下のとおりです。
- 給湯器の運転を止める
- リモコンの電源を切る
- 再度リモコンの電源を入れる
- エラーコード111が消えたことを確認する
- 再び給湯器でお湯が出るか確認する
上記の手順でも給湯器が直らない場合は、次に紹介する給湯器本体のコンセントを入れ直す方法を試してみましょう。
給湯器エラー【111・11】で故障した給湯器は修理と交換どちらが良いか
給湯器に【111・11】が表示された際、修理に出すべきか、交換するべきか、悩んでしまう方も多いでしょう。ここでは、判断する際のポイントを紹介します。
給湯器を修理に出したほうが良い場合
給湯器がメーカー保証期間内に壊れた場合は、修理に出したほうがいいでしょう。メーカー保証の期間は一般的に購入から1~2年間です。
購入して間もない場合は修理後の故障リスクも少ないため、修理を選択する方が多いです。
また、有料の延長保証に加入していれば、メーカーの保証期間が過ぎていても、コストを抑えて修理できる可能性もあります。東京ガスの「ガス機器スペシャルサポート」や「TESメンテナンスサービス」を契約していれば、東京ガスグループ注1)での修理が、1回あたり上限3万円(税込)まで無料注2)です。故障の懸念がある方は加入を検討してみてください。
注1)東京ガスグループとは、東京ガスライフバル、エネスタ、エネフィットのことです。
注2)一部対象外の機器があります。詳しくは修理保証の詳しい条件をご覧ください。
給湯器を修理する際の目安の作業時間
給湯器の修理にかかる時間は、部品交換のみで対応できる場合、約2〜3時間程度です。ただし、部品が古すぎると修理できないため、修理が当日に終わらないケースもあります。
また、交換用部品の在庫がなくて、取り寄せが必要な場合は、さらに日数がかかる場合もあります。
給湯器を修理する際の目安の料金
給湯器の修理費用は、一般的に出張費や診断料、部品代や技術料で構成されます。故障した箇所によって作業内容や費用が異なるため、まず見積もりを依頼しましょう。
給湯器を交換したほうが良い場合
10年以上経過した給湯器は、修理したとしても、また不具合が出てしまう可能性が高いため、交換がおすすめです。
また、保証期間の終了時も、交換を検討したほうが良い場合があります。たとえ、一度の修理費用が交換に比べて安くても、何度も修理を重ねてコストがかかる可能性を考えると、早めに交換してしまうことも選択肢の一つです。
給湯器を交換する際の目安の作業時間
給湯器の交換にかかる作業時間は、給湯器の種類によりますが、約2〜6時間です。
追いだき機能がない給湯専用器などであれば、作業時間が比較的短いですが、床暖房機能がついた給油暖房熱源機などの、機能の多い給湯器の場合は長くなります。半日は確保できる日に日程を調整しましょう。
給湯器を交換する際の目安の料金
給湯器を交換するには、給湯器本体だけでなく、工事費やリモコンなどの料金がかかります。暖房機能など、機能が多い給湯器ほど料金が高くなる傾向があります。
具体的な費用に関しては、機器ページをご参照ください。
東京ガスに修理を依頼する
給湯器の耐用年数注)は約10年です。軽微な修理であれば1万円以内で収まることも多く、交換に比べて費用を抑えることができます。
10年以内であれば再故障の発生確率も低いので修理で対応いただくことをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。
最短当日ご訪問!24時間365日受付中
修理専用フリーダイヤル
10年以上使用している場合は交換も考えよう
給湯器の耐用年数である10年を超えている場合は、交換を検討する方が良い場合があります。
例えば給湯器の場合、各メーカーにおいて標準的な使用条件で安全に使用できる設計期間を10年としているケースが多いため、10年を超えた故障については交換を検討し始めるタイミングであると言えるでしょう
最新の給湯器はエネルギー効率に優れ省エネ効果も大きいため、月々のガス料金の節約も見込める利点もあります。