お風呂リフォームの見積もり前に確認しておきたいこと
お風呂リフォームをするときは、見積もりを取得する前に決めておかなければならないことや、確認しておかなければならないことがあります。
準備不足による失敗を招かないために、本章を参考にして見積もりの事前準備を整えましょう。
予算上限をしっかり決める
業者へ見積もりを依頼するときは、相場を把握した上で予算上限を決めておくと良いでしょう。
最新のユニットバスは、ハイスペックな機能や高価な材質を使用した魅力的な商品が多く、理想を求めて商品選びをすると予算オーバーにつながります。
お風呂リフォームは、小規模な工事でも数十万円の費用がかかる上に、オプションによっては数万〜数十万円もの金額の違いが生じます。
生活や家計に影響がでないよう、事前に予算の上限を設定しましょう。
自宅の浴室がユニットバスか在来工法かを把握する
浴室のリフォームは以下の3パターンに分類され、仕上がりや使い勝手、費用や工期すべてに大きな違いが生じます。
- ユニットバスからユニットバス
- 在来工法からユニットバス
- 在来工法から在来工法
近年は、機能性や施工性に優れたユニットバスへの工事が主流ですが、在来工法からユニットバスへ交換する場合は、浴室がせまくなるので注意が必要です。
一方で在来工法は、浴槽などの設備を自由に組み合わせられるメリットがあるものの、ユニットバスよりも断熱性に劣り、工期や費用がかかるデメリットがあります。
リフォームの目的や方向性を明確にするために、現在お使いの浴室がユニットバスか在来工法かのどちらかを把握し、希望の浴室タイプを業者へ伝えられるようにしておきましょう。
現状の浴槽の広さを把握しておく
浴室のリフォームは、見積もりを依頼する前に、ご自宅に設置されている浴室のサイズを把握しておくことが重要です。
ユニットバスは既存と同サイズのものへ交換するケースが多いですが、サイズアップやサイズダウンが可能な場合もあります。
ご家族の人数や年齢、予算などを考慮してご自宅の利用状況に適したサイズをみつけましょう。
また、既存の浴室サイズや希望の規格サイズを把握しておくと、シリーズごとの価格感をつかむことができるので、見積もり時に金額を判断するための材料となります。
ユニットバスの測り方と規格サイズは以下を参考にしてください。
短辺の壁から壁までの寸法(A) | 長辺の壁から壁までの寸法(B) | 規格サイズの表記 |
---|---|---|
120cm | 160cm | 1216サイズ |
160cm | 160cm | 1616サイズ |
※規格サイズは前2桁が短辺の寸法、後2桁が長辺の寸法を表しています
在来工法に工事をする場合は、浴槽の縁から縁まで(外寸)とお湯を入れる内側(内寸)の寸法も測っておきましょう。
希望する機能やスペックのイメージを持つ
ユニットバスの機能やスペックは、浴室を利用する家族全員で話し合って決めていくことをおすすめします。
また、リフォーム後の浴室を20年後も使い続けていることを想定し、バリアフリーを意識した施工も重要です。
補助金・減税が使えるか確認する
リフォームには、国や自治体によってさまざまな補助金・減税の制度があります。
ご自宅のお風呂リフォームが、補助金が出るケースに該当するか確認しておきましょう。
例として、要介護・要支援の認定を受けている方向けに用意されている介護保険住宅改修などの補助金制度や、省エネリフォーム減税などの減税制度があります。
ただし、これら補助金や減税の制度はとても分かりづらく、資料を読んだり説明を聞いたりしても理解できない場合も多いです。
リフォーム業者も制度について調べてくれるので、無理せず相談するようにしましょう。
マンションの場合は組合の許可は取れているか
分譲マンションでお風呂のリフォームをするときは、管理組合によって定められた管理規約に則って工事を行う必要があります。
見積もり前に確認しておくのは以下の3点です。
- 禁止されている工事内容(躯体のコア抜き等)
- 施工を行って良い曜日(土曜日の施工が禁止されていることがある)
- 着工何日前までに申請書を提出すれば良いか
管理規約はそれぞれの物件によって異なるため、お手元の管理規約を確認するか、管理人さんや管理会社の担当者へ問い合わせをしましょう。
お風呂リフォームで見積もりをする目的
お風呂をリフォームするときは、業者へ要望やイメージを伝えて見積書を作成してもらいます。
見積もりを取得する前に、今一度見積もりの目的をおさらいして有意義な打ち合わせを行いましょう。
価格を知る
見積もりの目的はさまざまありますが、一番の目的は価格を知ることです。
お風呂のリフォームは、まったく同じ商品を選んだとしても、業者によって金額が異なります。
これは、業者によってメインにしている商材やメーカーが違うため、仕入れの金額が異なるためです。
そのほかにも、施工範囲や使用材料、提供サービスによっても金額は変わりますが、提示された見積もりの内訳や総額を見て、適正な価格なのかを判断しましょう。
判断材料として、相場を調べておくことも大切です。
施工のクオリティや提供サービスの確認
見積もりの打ち合わせは、施工業者の実績やサービスを確認できる機会です。
リフォーム業は過去の経験が実力に直結するため、施工実績や得意な施工分野を確認することで、安心して工事を任せられるかを判断することができます。
また、リフォーム後も長い間使い続けることになる設備は、アフターサービスや工事保証がどれだけ充実しているかも重要なポイントです。
問題が生じたときに真摯な対応をしてくれる業者であるかを吟味しましょう。
担当者の人柄や業者の特性を見極める
予期せぬトラブルが生じることのあるリフォームは、問題が起きたときに誠実に対応してくれる業者や担当者を選び抜く必要があります。
打ち合わせ中の対応や言葉遣いから、信頼できる人柄かを判断しましょう。
どれだけ親切で人柄が良くても、こちらの質問に対して「大丈夫ですから」や「任せてください」といった曖昧な返答で具体的な説明がない場合は、知識が浅いか、いい加減な対応をされる可能性が高いので注意しましょう。
プロによる正確な現場調査で施工中のトラブル回避
お風呂のリフォームは現場調査段階で目が届かない範囲があり、施工中にトラブルが生じることが多い工事です。
当日の施工トラブルを回避するためにも、プロによる精度の高い調査を実施してもらうと同時に、アドバイスや意見を取り入れて滞りない工事を実現しましょう。
また、万が一のトラブルに備えて、冷静に対処できる経験と実績をもった業者へ工事を依頼することも大切なポイントです。
お風呂リフォームの見積もり取得の流れ
初めてお風呂のリフォームを検討する方の中には、見積もりを取得するまでの流れがわからず、不安を感じている方も多いでしょう。
ここでは、見積の申し込みから取得するまでの流れを解説します。
見積の申し込み・日時の調整
お風呂リフォームの見積もりを取得するためには、まずは業者への申し込みをする必要があります。
申し込みの方法は業者によってさまざまですが、「電話」「メール」「LINE」「HPの申し込みフォーム」などを通して申し込みを行い、業者から折り返しの連絡を待ちましょう。
業者から連絡を受けたら、現場調査や打ち合わせをする日程の調整を行います。
あらかじめ、希望の日時をピックアップしておくとスムーズです。
現地調査・打ち合わせ
問い合わせ後は、業者による現地調査と、商品選びの打ち合わせを行います。
ユニットバスは現場の状況によって設置できる商品とできない商品があるため、現場調査が必要不可欠です。
打ち合わせでは、天井点検口や周囲の部屋から採寸・調査をした情報をもとに適切な商品を提案してくれるので、ご自身がイメージしているデザインや希望する機能を伝えましょう。
このとき、業者の特性や担当者の人柄についても、会話や雰囲気から注意深く観察することをおすすめします。
見積提示
現場調査と打ち合わせが終わると、その内容をもとに業者が見積書を作成します。
打ち合わせから提示までの期間は業者によりますが、1〜2週間が一般的です。
業者から提示された見積もりは、内訳をしっかりと確認し、不明点は遠慮なく質問しましょう。
また、見積書をもってショールームへ行き、提案内容をもとに実物の素材や色合いを確認するのもおすすめです。
ほかに気になる商品やオプションをみつけた場合は、見積もり内容を変更してもらうことができます。
お風呂リフォームの見積で確認すべきポイント
お風呂リフォームでは、見積に関する注意点や提示されたときに確認すべき項目があります。
ここでは、ご自身と相性の良い業者をみつけるためのポイントやコツ、見積書の確認方法をご紹介します。
相見積をする
お風呂リフォームは、複数の業者へ見積もりを依頼し、金額やサービス内容の比較をするようにしましょう。
複数の業者へ見積依頼することを「相見積」といいます。
相見積を推奨する理由は、1社だけでは適正な価格かを判断できないからです。
リフォームは商品代、施工費、諸経費を足したものが契約金額となるため、定価という概念がありません。
そのため、3〜5社の相見積もりを取得して、平均的な相場やサービス内容の違いを知る必要があります。
ただし、別々の商品や施工内容では比較ができないので、必ず同じ内容で見積書を作成してもらうことを徹底してください。
A社から提示された見積書をあえてそのままB社へ渡し、同じ内容で見積書を作成するように依頼して競わせるのもテクニックのひとつです。
相見積もりで提示された金額があまりにかけ離れている場合は、どのような根拠でこの金額になっているのかを直接聞いてみても良いでしょう。
値段だけで業者を選ばない
リフォーム業界には、他の業者と比較してあまりにも安すぎる業者、高すぎる業者が存在します。
リフォームでは、施主には見えない箇所で必要な工程を省いたり、安価な材料で代用したりすることで、簡単に施工単価を下げることができます。
そのため、意図的な手抜き工事によって、価格を下げている悪徳な業者が存在しているのも事実です。
また、リフォームの相場がわかりにくいことを逆手にとり、大幅な値引きをしているように見せかけて、高額な金額で契約をせまるぼったくり業者もいます。
リフォーム後のお風呂は10年、20年と長い間使っていくことを想定し、金額だけではなく、実績やアフターサービスを考慮して業者を選びましょう。
見積書をしっかり確認する
提示された見積書は、内容をしっかりと確認して信頼できる業者かを判断する必要があります。
受け取った見積書に以下の項目が明記されているかを確認しましょう。
確認項目 | 確認が必要な理由 |
---|---|
見積書の作成日・見積書の有効期限 | 該当の見積書がいつからいつまで有効かを確認するため |
宛先名 | 当方宛の見積書であるかを確認・証明するため |
請負業者名 | 発行者を確認・証明するため |
工事内容・工事範囲・項目ごとの金額 | 適切な工事内容で、適切な費用かを確認するため |
総額 | 工事の合計金額を確認するため |
特記事項・見積除外事項など | 注意事項や契約に加わる条件を明確にするため |
それぞれの項目が細かく明記されており、見ただけ工事の流れと内容がわかるものが優良業者の見積書です。
それに対して、項目が省略されていて、「◯◯工事 一式」といったように、どのような内容と手順で工事を行うのかが不明瞭な見積書の場合は、費用が安くても注意してください。
また、打ち合わせ時に伝えた希望が反映されているかもしっかりと確認しましょう。
追加工事の可能性を確認する
見積書に記載されていない追加工事の可能性は、あらかじめ確認しておかないとトラブルを招く可能性があります。
お風呂のリフォームは、「見えない部分で想像以上に劣化が進んでいた」や「特殊な構造になっていた」といったような、解体してから初めて発覚する事実があります。
そのため、追加工事について双方が認識しておくことで、不測の事態に陥ったとしても無用なトラブルを回避できたり、業者に責任を負ってもらったりすることができます。
保証制度を確認しておく
リフォーム後のお風呂は、今後15〜20年以上使っていくものです。
長い期間安心して使い続けるためにも、工事保証やアフターサービスについて、しっかりと確認しておく必要があります。
リフォーム業者の工事に欠陥があった場合、無償で修理を行ってもらえるリフォーム瑕疵保険へ加入しているかの確認は、とくに重要なポイントです。
そのほかにも、保証の年数だけでなく、対応範囲などの具体的な保証内容を確認しておくことも大切です。
お風呂リフォームで見積もりするときのポイントまとめ
お風呂リフォームを検討する際は、希望する浴室のイメージを明確にして見積もりを依頼しましょう。
少なくとも数十万円からかかる工事は、決して安い買い物ではないため、生活に支障がない範囲で予算上限を決めておくことも重要です。
また、見積もりを取得するときは、その目的を今一度確認し、相見積もりなどの手段をとって慎重に業者を選ぶことをおすすめします。
ただし、リフォームは安ければ安いほど良いわけではありません。
この先10年、20年と使っていくことを念頭に置き、工事保証やアフターサービスの充実度を考慮することも大切です。
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