この記事でわかること
- 洗濯機の排水ができない原因がわかる!
- 応急処置、排水トラブルの予防法がわかる!
- プロの業者に修理を依頼する方法がわかる!
洗濯機の排水ができない・水が抜けない原因
洗濯機の水がスムーズに抜けない場合、4つの原因が考えられます。
排水口のトラブル

洗濯機の排水には糸くずの他、衣類に付着している皮脂や垢、洗剤かすなどが含まれています。洗濯機を長く使っていると、これらの汚れが排水口にたまってつまりを引き起こし、スムーズに水が流れなくなることがあります。
特にお風呂の残り湯を洗濯に使っている場合、風呂水に含まれる皮脂汚れや髪の毛などもつまりやすくなるので要注意です。
排水ホースのトラブル
洗濯機の水は排水ホースを通じて本体から排水口へ流れる仕組みになっています。排水ホースも排水口同様、糸くずや皮脂汚れ、垢、洗剤かす、髪の毛といった汚れの影響を受けやすいため、知らない間に内部でつまりが発生している恐れがあります。
排水ホースは外から見ただけではつまりや汚れをチェックできないため、「気付いたら汚れがたまっていた」というケースも多いようです。
排水トラップのトラブル
排水トラップとは、排水経路の途中で水を貯める受け皿になっている部分です。排水トラップに貯まった水には、下水道から上がってくる空気の通り道を塞ぐ役割があり、ニオイの発生を防いでくれます。
しかし排水を貯めておくという性質上、汚れやゴミがたまりやすい部分でもあり、定期的にお手入れしないとつまりが発生し、水が抜けにくくなる要因となります。
ドラム式の場合は糸くずフィルターのつまり

縦型洗濯機の場合、糸くずフィルターは洗濯槽の側面に取り付けられているので、直接排水に影響を与えることはありません。一方、ドラム式洗濯機は糸くずフィルターが排水経路内(洗濯機の下部)に設置されているため、フィルターが汚れによって目づまりを起こすと、水がスムーズに流れなくなってしまいます。
特にドラム式は縦型より少量の水で洗濯する分、皮脂汚れや水垢が勢いよく流れにくく、つまりが起こりやすいと言われています。定期的に掃除しないとすぐに目づまりが発生し、排水トラブルにつながるので注意しましょう。
メーカー別:洗濯機の排水エラーコード
洗濯機が排水トラブルを起こすと、特定のエラーコードが表示されます。エラーコードはメーカーによって異なるので、コードを見たときにどのようなエラーが発生しているのかすぐ分かるよう、自宅で使っている洗濯機の排水エラーコードをチェックしておきましょう。
ここでは一例として、主要な洗濯機メーカーの排水エラーコードとエラーの内容をまとめました。
メーカー | エラーコード | 内容 |
---|---|---|
Panasonic | U11 | 排水がうまくできない |
U18 | 排水フィルターが正しくセットされていない | |
U19 | 排水の流れが悪く、脱水時モーターに負荷がかかっている | |
日立 | C2(C02) | 排水されない |
C18 or Ch | 泡が大量に発生し、脱水できない(排水がスムーズに行われていない可能性がある) | |
東芝 | C1or排水点検 | 排水されない |
シャープ | E3 | 排水されない |
E19 | 洗濯槽に大量の泡が残っている(排水がスムーズに行われていない可能性がある) | |
AQUA | E12 | 排水されない |
UH | 排水フィルター抜け | |
UJ | 排水フィルターのつまり |
注)機種によって異なる可能性があります。詳しくは取扱説明書等をご確認ください。
洗濯機の排水トラブル時に自分で応急処置する際の手順
洗濯機の排水トラブルが発生した際、原因ごとに適切な応急処置を行えば問題が解消される場合があります。
ここでは排水トラブルが起こったときに試したい処置の手順を紹介します。
必要な道具を準備し洗濯機の電源を切る
排水トラブルの応急処置を行うときは、あらかじめ以下の道具を準備しましょう。
- バケツ
- ラップ
- 輪ゴム
- ゴム手袋
- 雑巾
- 使い古しの歯ブラシ
- スポンジ
- ゴミ袋
- 空のペットボトル(2Lサイズ)
- 中性洗剤
道具を準備したら、作業中の感電防止として洗濯機の電源を切ります。その際、ただ電源をオフにするのではなく、本体の電源プラグをコンセントから抜くことが大切です。
排水口のつまりを解消する

次に排水ホースと排水口の部品を取り外します。排水ホースは、クリップをつまみながらホースを引っ張ると簡単に外せます。ねじ巻き式の場合は、ねじを反時計回りに回して外しましょう。
排水口は、エルボや目皿、防臭パイプ、泡防止パイプ、防臭ワンなど複数の部品で構成されています。それぞれ素手で取り外せますが、回したり、引き抜いたりする必要があるので、取扱説明書をよく読みながら慎重に作業しましょう。排水口部品はほとんどが樹脂製で、細かな部分に強い力を加えると破損する可能性があるため要注意です。
全ての部品を外したら、糸くずや髪の毛などの汚れを取り除きます。
その後、使い古しの歯ブラシやスポンジなどを使って各部品を掃除しましょう。細かい部分は歯ブラシを使うと楽に掃除できます。頑固な汚れが付着している場合は、適量の中性洗剤を使用してこすり洗いすると効果的です。
掃除を終えたら、2Lサイズのペットボトルに入れた水を排水トラップに流し込み、つまりが取れていることを確認しましょう。
排水ホースを掃除する

排水ホースの片方の先端をラップで覆い、輪ゴムで固定します。次に、反対側から水を入れ、上下左右にホースを振って内部の汚れを落とします。この作業をホース内部から汚れが出てこなくなるまで何度か繰り返しましょう。
掃除を終えたら、ホース全体の状態をチェックし、折れや潰れがあったら直しておきます。
ドラム式の場合は糸くずフィルターを掃除する

ドラム式洗濯機の下部にある糸くずフィルターを取り出し、掃除します。糸くずフィルターの外し方は製品によって異なりますが、一般的にはつまみを反時計回りに回して緩め、ゆっくり引き出すと外せます。
内部にたまった汚れを取り除いたら、全体を水洗いしましょう。細かな部分の汚れは使い古しの歯ブラシを使うと簡単に落とせます。
なお、ドラムや排水ホースに水が残っていると、フィルターを外したときに水が流れてくることがあります。糸くずフィルターを掃除する場合は、あらかじめ1分間だけ脱水運転を行い、さらに糸くずフィルターの手前に水受けの容器を置いておくと安心です。
部品を元に戻して電源を入れる
全ての部品の掃除を終えたら、取り外したときと逆の手順で部品を元に戻していきます。取り付け方を誤ると、水漏れなどのトラブルが起こる原因になるので、正しい方法で取り付けることが大切です。
部品を全て元に戻したら、電源プラグをコンセントに差し込んで電源を入れます。
応急処置をしても排水できない・水が抜けない場合は洗濯機故障の可能性も
正しい手順で応急処置を施してもうまく排水されない、水が抜けないという場合は、洗濯機そのものが故障している可能性があります。
内閣府が公開している消費動向調査(令和6年調査)によると、二人以上の世帯における洗濯機の買い替え理由の約77%が故障で、平均使用年数は10.9年でした。
現在使用している洗濯機の使用年数が10年前後である場合は、応急処置で対処できるトラブルではない可能性があるので、洗濯機そのものの買い替えを検討した方がよいかもしれません。
なお、メーカーに修理を依頼すれば買い替えずに済む可能性もありますが、洗濯機の部品は一定の年数が経過すると徐々に廃番となります。部品が廃番になった場合は修理不可となるので、あらかじめ注意が必要です。
一方、部品の不具合ではなく汚れやつまりが原因であった場合でも、排水管の奥深くの汚れやつまりは自宅でお手入れすることはできません。その場合は、業者に依頼してつまりを除去する方がよいでしょう。
出典:内閣府「消費動向調査 (令和6(2024)年3月実施分)調査結果」
洗濯機の排水トラブルを防ぐ方法
洗濯機の排水トラブルは、日頃の使い方を見直すことによってある程度予防できます。ここでは排水トラブルを未然に防止するために実践したい方法を4つご紹介します。
- お風呂の残り湯の使用を控える
- 排水口・排水トラップを定期的に掃除する
- 排水ホースが汚れたら交換する
- 糸くずフィルターを小まめに掃除する
お風呂の残り湯の使用を控える
お風呂の残り湯には、排水トラブルの原因となる皮脂汚れや垢、髪の毛などの汚れ・ゴミが多く含まれています。残り湯を使って洗濯すると、汚れが落ちやすくなる、節水になるなどさまざまなメリットがありますが、排水トラブルを防ぎたいのなら残り湯を使った洗濯は控えた方がよいでしょう。
排水口・排水トラップを定期的に掃除する
汚れた水が流れる排水口や排水トラップは、短期間でもつまりが発生しやすい場所です。長らく放っておくと排水トラブルを招く要因となるので、定期的に掃除する習慣を付けましょう。
なお、排水口まわりの掃除は1~2ヶ月に1回のペースで実施するのが理想です。普段は目に見えない部分なので、つい掃除を怠ってしまいがちですが、時間が経つほど汚れが頑固になり、一回当たりの掃除の手間も増えてしまうので、なるべく小まめにお手入れすることをおすすめします。
排水ホースが汚れたら交換する
先ほど排水ホースを掃除する方法を説明しましたが、頑固な汚れがこびりついた場合、水洗いだけではきれいに汚れを落とせない可能性があります。その場合は、排水ホースそのものを新品に交換することを検討しましょう。劣化した排水ホースを使い続けていると、つまりだけでなく、亀裂による水漏れのリスクも高くなるので、新しい物に交換した方が安心です。
なお、排水ホースはメーカー純正品を使用するのがベストです。廃番の場合でもメーカーに互換品があることがありますので、メーカーに洗濯機の型番を伝えるなどして相談してみるとよいでしょう。
糸くずフィルターを小まめに掃除する
糸くずフィルターも排水口や排水トラップ同様、汚れがたまりやすい場所の一つです。特にドラム式洗濯機の場合は、糸くずフィルターのつまりが排水トラブルに直結するリスクが高いので、1~2週間に1回くらいのペースで定期的に掃除しましょう。
1週間が経過していなくても、洗濯機に糸くずフィルターお手入れのエラーコードが表示された場合は、速やかに掃除することが大切です。
自分で洗濯機の排水ができない場合は修理を依頼する
自分で排水まわりのお手入れをするのが難しいケースや、自宅で掃除するのが難しい場合は、プロの業者に修理を依頼しましょう。自己流のやり方でお手入れしようとすると、部品が壊れたり、かえってトラブルが悪化したりする原因になるので無理は禁物です。
ここでは業者に修理やメンテナンスを依頼する際に注意したいポイントについて解説します。
修理を依頼する場合のポイント
部品の交換・修理を依頼する際には、排水ができない症状や、修理にあたり洗濯機の移動が必要かどうかといった排水口まわりの状態を伝えておくとスムーズに修理作業が進みます。その他、以下の内容も確認しましょう。
修理を依頼するかの判断基準
修理業者へ修理を依頼する際、判断基準となるポイントを紹介します。
- 応急処置を施しても、排水トラブルが改善しない場合
- 排水トラブルの原因を特定できない場合
- 各箇所の修理や部品の交換が必要な場合
現在の状況が判断基準となるポイントに該当するときは、修理業者にご相談ください。
賃貸マンション・アパートの場合は管理会社などに連絡を
賃貸住宅や分譲マンションの場合は、大家さんもしくは管理会社へ事前に相談してください。賃貸住宅にお住まいの場合、設備に不具合が生じた際は通常、大家さんか管理会社が対応します。修理を依頼する業者が決まっているケースもあるため、ご自身で業者を探す前に大家さんか管理会社に連絡しましょう。
業者に依頼する場合は指定給水装置工事事業者か確認を
修理業者に依頼する場合は、指定給水装置工事事業者かどうか、事前に確認してください。指定給水装置工事事業者とは、各市町村が指定する、適切に水道工事を実施できると認められた業者を指します。東京ガスの場合、全ての修理担当店は指定給水装置事業者です。水まわりの修理も実績豊富な東京ガスにお任せください。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
洗濯機の排水まわりの修理にかかる時間は、作業内容によってまちまちです。基本的なメンテナンスなら60分程度で終わりますが、大がかりな作業になる場合はそれ以上の時間がかかることもあるので、業者に現在の状況や症状を伝えた上で、どのくらいの時間がかかるか尋ねておくとよいでしょう。
東京ガスは、排水まわりの修理やメンテナンスをはじめとする水まわりのトラブルについて、最短で当日対応が可能です。排水トラブルにお悩みの方はご相談ください。
修理を依頼する場合の料金の目安
洗濯機の排水まわりの修理費用は、作業代、出張代、部品代の合計額となります。修理内容や使用する部品の種類、数によって修理に係る費用は変わってきます。
東京ガスにおける洗濯機まわりの修理料金は、以下のページからご覧いただけます。修理料金の目安としてご覧ください。
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自宅で対処できない洗濯機の排水トラブルはプロに任せよう
洗濯機の排水口や排水ホース、排水トラップなどに不具合があったり、糸くずフィルターがつまっていたりすると、排水がスムーズに行われないことがあります。簡単なつまりであれば身近な道具を使って応急処置することも可能ですが、つまりがひどいなど、自分でお手入れするのが難しい場合は、プロの業者に依頼することも検討しましょう。
東京ガスでは、洗濯機の排水まわりのトラブル対応をはじめとする、住まいの水まわりのメンテナンスを請け負っています。
ご予約はWeb上から24時間365日受け付けているので、洗濯機の排水トラブルにお困りの方はぜひ東京ガスのサービスをご利用ください。