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太陽光発電に蓄電池は必須?! メリット・デメリットをご紹介

持続可能なエネルギーの一つとして注目が高まる太陽光発電。近年は一般家庭にも普及し、ご自宅への検討を考えている方も多いのでは。そんな時にぜひ一緒に検討したいのが蓄電池の導入です。太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、さまざまなメリットが得られます。太陽光発電と蓄電池について、東京ガスの太陽光発電サービス担当の安保さん・小川さんに詳しく伺いました。

最終更新日:2024.9.9

目 次

太陽光発電に取り付ける蓄電池の役割とは?

ネクストエナジー&リソース社の蓄電池

TOKYO GAS

近年の再生可能エネルギー活用への世界的な取り組みから、太陽光発電を導入する一般家庭が増加していますが、蓄電池の導入を検討するご家庭も増えているのはご存じでしょうか?

太陽のエネルギーを使って自家発電を行う太陽光発電は、エコなエネルギーとして知られ、余った電気は売電することができるなどのメリットがあります。そこに蓄電池を一緒に導入することで、より効率的に電気を活用することができます。

太陽光発電の導入支援事業を行う東京ガスの太陽光発電サービス担当の安保さん・小川さんに、太陽光発電システムに蓄電池を取り入れるメリットや、気をつけたいポイントなどを伺いました。

住宅用蓄電池とは?

安保「蓄電池とは、一言で説明すると『電気をためる仕組みをもった電池』です。太陽光発電システムと一緒に導入すると、発電した電力を蓄電池にためておくことができます」

蓄電池は身近なものにも使われています。例えば、スマートフォンのモバイルバッテリーなどです。外出先での充電などに使用するモバイルバッテリーも、自宅で充電して電気をためて使用する蓄電池の一つです。

太陽光発電システムと併用されるような住宅用蓄電池は、家庭内で使用する電化製品や照明などのために開発されたもので、ためておける電力量(容量)が5~7kWhなど大きいのが特徴。そのため冷蔵庫やテレビなど、同時にいくつかの電化製品を使用する場合にも対応できます。

このように家庭用蓄電池が『ためる』と『つかう』を両立できるのは、いちど電池にためこんだ電力を使いきってしまっても、電力を流し込むこと(充電)によって電力を使う際とは逆の酸化還元反応を起こせる性質を持っているからです。代表的な蓄電池である「リチウムイオン電池」では、正極と電極の間をリチウムイオンが移動する形で酸化・還元反応が起き、充電・放電を行う仕組みです。

家庭用蓄電池は、必ずしも太陽光発電システムと併用しなくても活用方法はあります。例えば夜間の電気料金が安いプランであれば、夜間に充電しておいて、日中に使用するといった活用方法があります。ただ、太陽光発電システムと組み合わせることで、次章で触れるようなより多くのメリットを得ることができます。

太陽光発電と蓄電池の関係性とは?

太陽光発電は、電気をつくることはできますが、単体ではためておくことができません。蓄電池を設置することで、日中、太陽光発電でつくった電気を蓄電池にためて、有効活用できるようになるのです。

太陽光発電の仕組みについては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

太陽光発電システムの導入を考えている人向け! 仕組みや設置するメリットをご紹介

太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリット

太陽光発電システムのある住宅

PIXTA

では、太陽光発電と蓄電池をご家庭に取り付けた場合、具体的にどのように役に立つのでしょうか? メリットについて見ていきましょう。

【メリット1】電気代をより節約できる

蓄電池があると

TOKYO GAS

太陽光発電システムと蓄電池を一緒に設置することで、昼間に太陽光発電で発電して使い切れなかった電力を蓄電池にためておくことができます。夜間や悪天候などで太陽光発電ができない場合に、この蓄電池にためておいた自家発電由来の電力を使用することができれば、発電量に対する自家消費率を向上させることができます。

設置した太陽光発電システムや蓄電池の容量や設置環境、気象条件などにより、家庭で使用する全ての電力をまかなえない可能性もありますが、電力会社から購入する電力量を減らすことができるため、電気代の節約が期待できます。

【メリット2】災害時に非常用の電源として使用できる

太陽光発電は災害時でも発電することができますが、それは日中、日光の当たる時間に限られてしまいます。そんな時、蓄電池で太陽光発電の電気を蓄えていれば、災害時の夜間でも電気を使用することができるのです。

例えば10kWh程度の蓄電池で、エアコンを連続稼働させた場合、約9時間は稼働させることができるといわれています。
災害時などの非常用電源という役割も見越して導入する場合は、世帯人数なども考慮しながら2~3日稼働できるような容量の蓄電池を選ぶようにしましょう。

災害時のライフラインの復旧はすぐに行われるとは限りません。復旧まで数日かかるケースも想定されますので、このような備えは非常に心強いですね。

【メリット3】卒FITを迎えた後の運用にも役立つ

家庭用蓄電池を設置していると、FITの期間が満了したあとの安心感につながります。

FITとは固定価格買取制度の略称で、通常は変動する再生可能エネルギーの買取単価を固定してくれる制度のことです。この制度を利用すると、10年間は安定した買取単価で売電することができます。

しかし期間満了後の余剰電力の買取単価は、大幅に下がるのが一般的です。そのため、通常は電力会社と契約して低価格になっても売電し続ける、太陽光発電による電気をすべて自家消費するという2つの選択肢から選ぶことになります。

ただ、「低価格で電力を売るよりも、発電した電気を自家消費して電気代を節約するほうがお得」というケースは少なくありません。その場合、家庭用蓄電池があれば、自家発電量を余すことなく利用でき、卒FITを迎えた後も効率的に運用ができるでしょう。 

東京ガスでは卒FITを迎える方向けに、蓄電池の導入をサポートするプランを用意しています。買取単価が下がりやすいFIT期間満了後も、蓄電池を導入することでおトクに電力を自家消費することができます。また、それでも自家消費しきれない電力は、東京ガスに売ることも可能です。太陽光発電システムの導入から、卒FITを迎えた後の運用まで、太陽光発電のことは東京ガスにお任せください。

※東京ガスの基本プラン第1段階料金29.9円と太陽光買取プランの比較

太陽光発電システムと蓄電池も東京ガスにお任せ!

東京ガスの太陽光発電システム

TOKYO GAS

東京ガスでも、太陽光発電システムを取り扱っています。ガスと太陽光を組み合わせると、ロスがなく高効率というメリットはそのままに、エネルギーを安定供給しながら売電できる量を増やすことができるというメリットがあるんです。蓄電池と併用することで、災害対策はもちろん、太陽光発電による電力をためて自家消費できるので、購入電力量も削減できます。

詳しくは下記も参考にしてみてください。
蓄電池単体の依頼についてもこちらから受け付けています。

太陽光発電と蓄電池の組み合わせにデメリットはあるの?

家庭用蓄電池

PIXTA

多くのメリットがある太陽光発電と蓄電池の組み合わせですが、デメリットはないのでしょうか?

【デメリット1】初期費用がかかる

太陽光発電と合せて蓄電池も同時に導入すると、一般的に機器代金と施工費を含めて200万円~400万円程度が相場となります(導入する太陽光発電と蓄電池の容量によります)。
その後のランニングコストがほぼかからないとはいえ、初期費用としては高額であるといえるでしょう。

ただし、初期費用を抑えるために、先に太陽光発電だけを設置し、数年後に蓄電池を導入しようとする場合は注意が必要です。蓄電池の導入時に改めて施工費がかかるため、トータルでかかる金額で考えると、同時に購入・設置する方が、お得になる可能性があるからです。

初期費用を抑えるには、まず補助金について確認することが重要です。再生可能エネルギーの普及を推進する目的から、自治体によって蓄電池の設置に補助金を出している場合があります。お住まいの自治体の再生エネルギー関連の補助金制度があるかどうか、確認してみましょう。

【デメリット2】設置スペースが必要

太陽光発電システムの導入時には、屋根に太陽光パネルを設置するだけでなく、屋内もしくは屋外に『パワーコンディショナ』という機器を設置する必要があります。パワーコンディショナは、太陽光パネルが生み出す直流の電気を、家庭内で使える交流の電気へと変換する役割の機器のことで、設置には一定のスペースを必要とします。

さらに蓄電池を併用する場合、パワーコンディショナとは別に『蓄電池ユニット』と呼ばれる機器を屋外に設置する必要があり、こちらも設置には十分なスペースを確保する必要があります。

安保「太陽光発電で使用する蓄電池は、屋外に蓄電池ユニットを設置する必要があります。一般的にはエアコンの室外機よりひと回り大きい程度の設備ですが、容量によって大きさも変わるほか、基本的に日陰に設置する必要があるといった注意点もあります。導入の際には、設置可能スペースがあるかを確認しましょう」

【デメリット3】蓄電池の選定が難しい

ひと口に蓄電池といっても、さまざまな種類があります。容量が大きかったり性能が高くなると価格は上がりますが、例えば停電時などの非常用としての機能が高いもの、電気自動車などへの電力供給ができるものなど、さまざまな種類の蓄電池から選定する必要があります。

まずは家庭での使用方法をイメージして、どのくらいの容量が必要かを考えましょう。

また家庭用蓄電池には「全負荷タイプ」と「特定負荷タイプ」があります。全負荷タイプのほうが一般的に高額ですが、災害などによる停電時に家の中のどの部屋でも電気が使えるといったメリットがあります。特定負荷タイプは停電時、あらかじめ決まった場所でしか電気を使うことができませんが、そのぶん長時間電気を使うことができるといったメリットがあります。

そのほか、屋外設置か屋内設置か、保証期間、サイズ感などもしっかり確認することが必要です。家庭でどのように使用したいのか、家庭内で消費する電力のどこまでを太陽光発電システムと蓄電池でまかないたいのかなどをよく検討し、予算と相談しながら選んでいかなくてはなりません。

【デメリット4】蓄電池にも寿命がある

蓄電池にも、一般的な家電と同様に寿命があるとのこと。
小川さんは「蓄電池の耐用年数は、実際には15年~20年程度」と話します。

各メーカーが設定している蓄電池の保証期間は10~15年ですが、蓄電池の場合、寿命の目安として充放電できる回数を表す『サイクル回数』を表示しているものもありますので、こちらも参考にするとよいでしょう。

蓄電池は、一般的な耐用年数を超えたるあたりから少しずつ不調などが出始めることがあり、設置から20年程度で多くの家庭が交換するようです。
劣化した蓄電池を使用していると蓄電量が少なくなり、いざという時に困ることも考えられるので、交換タイミングには注意しましょう。

家庭用蓄電池の導入費用

家庭用蓄電池は、機器の本体価格と工事費を合わせて、容量1kWhあたり約20万~25万円の導入費用がかかります。家庭用蓄電池の容量で選ばれやすいのは5~7kWhのため、約100万~175万円が費用の相場と考えるとよいでしょう。

高額になりがちな家庭用蓄電池の導入を促進するため、さまざまな補助金制度があります。
補助金によっては公募を開始すると短期間で予算満了となってしまうものもあるため、気になる人はこまめにチェックすることをおすすめします。

そのほか、地方自治体が補助金制度を設けている場合も多いので、お住まいの地域の制度を確認することも有効です。

補助金によっては併用できることもあるので、タイミングよく、うまく活用することができれば、蓄電池導入の費用負担を大きく軽減することができます。

参考:三菱総合研究所「定置用蓄電システムの普及拡大策の検討に向けた調査」
参考:一般社団法人エネルギー情報センター「家庭向け蓄電池市場の広がり、海外勢やサブスク型とメーカー・販売方法も多様にvol.1」

太陽光発電に蓄電池を導入するには? 後付けはできる?

太陽光発電システムのある家

PIXTA

ここまで、蓄電池の機能や太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリット・デメリットをご紹介しました。ここからは、実際に蓄電池を選ぶ際のポイントや、導入タイミング・導入方法についてご紹介します。

太陽光発電と組み合わせる蓄電池の選び方と注意点

蓄電池を導入する際にチェックすべきポイントは、大きく2点あるそうです。

安保「1つ目は容量です。使用する世帯人数や目的によって必要な容量は異なりますし、選択する容量によって導入費用も大きく変わってくるからです。2つ目は、太陽光発電システムのメーカーと蓄電池のメーカーが異なる場合の互換性の確認です」

どちらも、初めて導入する時はわかりにくい部分です。そんな時は、施工業者に相談してみましょう。

次に、蓄電池導入のタイミング別に注意点を解説します。

【導入タイミングその1】蓄電池のみを後付けする場合

すでに太陽光発電を導入されている場合でも蓄電池の後付けは可能ですが、いくつか注意点があります。

ひとつは、パワーコンディショナが2台になる可能性がある点です。
すでに設置している太陽光発電用のパワーコンディショナが「単機能型」であった場合、蓄電池用にもう1台設置する必要があります。
一方、「ハイブリッド型」のパワーコンディショナであれば、1台で太陽光発電システムと蓄電池の両方と連携が可能なため、このタイプをすでに使用している場合は基本的に追加設置は不要です。
ただし、ハイブリッド型のパワーコンディショナの場合でも、機器によっては互換性がないケースなどもあるため、プロの意見をあおぎつつ蓄電池を選択するのが望ましいでしょう。

また後付けの場合は、蓄電池を設置する際に追加工事が必要になります。太陽光発電システムの導入時、蓄電池の導入時の2回にわたって工事を行うことになるため、総合的にみると導入コストが高くなってしまいやすい点も注意が必要です。

【導入タイミングその2】太陽光発電と同時導入する場合

これから太陽光発電を導入しようと考えていて、蓄電池も合わせて検討しているなら、同時導入した方がトータルの費用を抑えやすい傾向があります。

太陽光発電と蓄電池を同時に導入すると、どうしても初期費用は高くなってしまいますが、工事が一度で済むことにより、結果的に時間や費用の節約に繋がり、ひとつの業者にまとめて依頼することで、太陽光発電と蓄電池の互換性の確認なども不要になります。

「東京ガスの太陽光発電」なら相談から施工完了、アフターサービスまで細やかに対応してもらえ、東京ガスが品質を認めた施工会社が工事を行うので同時導入も安心安全です。

また、東京ガスではFIT終了後の余剰電力買取プランも複数用意しており、導入時だけでなく、10年後のことまで、しっかりとフォロー体制が整っているのが特徴です。
各家庭ごとに最適なシステムの提案が可能なので、気軽に無料訪問相談を活用するとよいでしょう。

太陽光発電

TOKYO GAS

初期費用0円で自己所有することも可能です。

東京ガスの「IGNITUREソーラー(フラットプラン)」(※1)は主に新築の方を対象とし、初期費用0円(※2)で太陽光発電システムを導入・自己所有することができます。

IGNITUREソーラー(フラットプラン)」は、月々のサービス料がかかる・売電収入が得られないといった注意点はありますが、本サービスは2024年1月時点で東京都の「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」に採択されており助成を受けることができます。助成制度を活用することで、魅力的な月額料金でクリーンエネルギーをくらしに取り入れることができるので新築時に太陽光発電を導入検討される場合は、初期費用を抑える策のひとつとして、ぜひ検討してみてください。

※1 新築時の太陽光発電導入をメインとしたサービスです。住宅会社さまによってはサービスのお取り扱いがない場合がありますので事前に住宅会社さまにご確認ください。
※2 初期費用がかかる場合もあります。

参考:クール・ネット東京 | 東京都地球温暖化防止活動推進センター「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」

蓄電池導入の注意点

蓄電池を容量から選ぶ際は、規定された条件下で蓄えられる「定格容量」ではなく、実際に使用できる「実効容量」を基準とします。容量の大きさと価格は比例するため、どれくらい使用するかを考えながら容量を選びましょう。

また災害時への備えとしての役割も期待するのなら、先述のとおり「全負荷タイプ」と「特定負荷タイプ」のどちらのタイプなのかは必ず確認すべきでしょう。「全負荷タイプ」は200Vに対応しているので、エアコンなどの大型家電も使用できます
もう一方の「特定負荷タイプ」は、100V対応の家電にしか使用できません。

また、すでに太陽光発電を導入済みで、後から蓄電池を設置する場合に注意したいのはメーカーです。基本的に、設置済みの太陽光発電システムのメーカーに対応している機種であれば、蓄電池のメーカーは異なっていても問題ありません。

しかし、メーカーが異なると、各メーカーの保証が適用外になったり、少しのプログラムのずれが不具合につながってしまったり、トラブル発生時の検証結果が総合的に判断できない可能性などがあります。
そのほかにも各メーカーの独自機能が使えないなど、デメリットが発生するかもしれないことを念頭に、蓄電池選びを行いましょう。

※使用できる機器は太陽光発電の発電状況や、太陽光発電・蓄電池の機種・配線・設置状況等によります

おわりに

太陽光発電に蓄電池を取り入れるメリットや、気をつけたいデメリットを東京ガスの安保さん・小川さんにお話いただきました。「太陽光発電を導入するなら、蓄電池は是非セットで検討してみてください」と安保さん。実際に導入のご支援をしていても、蓄電池を一緒に導入したほうが費用対効果や使い勝手がよいと判断され、導入を決定するご家庭も少なくないのだとか。太陽光発電を検討される際には、ぜひ蓄電池の活用も検討してみてくださいね。

  • この記事取材協力

    東京ガス 太陽光発電サービス担当

    東京ガス 太陽光発電サービス担当

    東京ガスの太陽光発電サービスはこちら

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コピーされました

公開日:2022.6.20

最終更新日:2024.9.9

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