キッチンの寸法の決め方は?標準的な寸法と使いやすいサイズを解説!

キッチンの寸法の決め方は?標準的な寸法と使いやすいサイズを解説!

キッチンのサイズは、使い勝手に影響するため、交換時・リフォーム時に悩む人も多いでしょう。 キッチンのサイズにはさまざまな寸法・規格があり、それらを考慮せずにリフォームをするとイメージと違ったということになりかねません。 今回はストレスなく料理を楽しむために、キッチンリフォームのときに検討すべき寸法について解説します。

最終更新日:2024年07月08日公開日:2024年07月08日

目 次

システムキッチンの標準的な寸法

システムキッチンの標準的な寸法

LDKの幅が2間(364cm)であることが多い日本の住宅では、システムキッチンの間口は通路幅を考慮した255cmが一般的です。

間口以外の寸法は高さ85cm・奥行き65cmがもっとも標準的な寸法ですが、間取りや身長に合わせて使いやすいサイズを選択することができます。

ただし、キッチンの寸法は新築かリフォームかによって選び方が異なるため注意が必要です。

新築の場合はハウスメーカーと相談しつつ、間取りや空間をある程度の自由度をもって調整することができます。

リフォームの場合は、すでに建築された既存の空間に合わせたサイズを選ぶなどの制限があるため、経験豊富なリフォーム担当者のアドバイスを受けながら慎重に決めていく必要があります。

寸法① キッチンの奥行き

キッチンタイプがI型・L型の場合、ワークトップの奥行きは65cmと60cmから選ぶことができます。
基本の仕様は65cmです。

しかし、キッチンの横に勝手口がある住宅や正面壁とキッチンの間に水切りカウンターを造作する場合には、奥行き65cmでは枠に干渉したりスペースが狭くなったりすることがあるので、間取りに合わせて選ぶ必要があります。

また、既存のキッチンよりも小さいサイズにすると床の補修を要することもあるので注意しましょう。

リビング側にも収納がつくアイランド型やペニンシュラ型のキッチンは奥行き80cm〜100cmが一般的です。

設置空間に制限があるご家庭用に75cmの商品もありますが、リビング側への水はねなどを考慮すると奥行きに余裕のある商品をおすすめします。

寸法② キッチンの間口(横幅)

キッチンの間口は255cmを軸として210〜300cmが一般的な寸法です。

210cm以下の商品もありますが、マンションやアパートなどの設置環境に制限がある賃貸住宅で採用されることが多く、スペースが狭いため料理中の制限も大きいです。

新築ではLDKの幅を基準に通路などを考慮して間口を決めていきますが、リフォームでは既存サイズに合わせるのが基本となります。

サイズアップを検討する場合は、担当者のアドバイスを参考に干渉するものがないかなどをしっかりと確認してから注文しましょう。

キッチンサイズは165cmから15cmきざみで規格サイズが取りそろえられており、それにともなって金額も上がります。

寸法③ キッチンの高さ

キッチンの高さは80cm・85cm・90cmが一般的な規格・寸法で、基本の仕様は85cmです。

ご自身の体型に合わないキッチンの高さは、使いにくさだけでなく肩こりや腰痛などの原因ともなるので、きちんと計算をしたうえで選択することをおすすめします。

体型に合ったキッチンの高さを算出する方法は下記の通りです。

  • 身長をもとにした計算式:身長÷2+5cm
  • 肘の位置をもとにした計算式:肘高-10cm

上記の計算式は、それぞれ答えが異なります。
より自分に合った高さを選ぶために、2通りの式で計算してみて、間をとるなど、より自分に合っていそうな方を選びましょう。

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寸法④ 各パーツのサイズ

キッチンの寸法には「奥行き」「間口」「高さ」以外にも、各パーツで選択できるサイズがあります。
毎日使うキッチンを使いやすくカスタマイズするためにも、参考にしてください。

シンク

メーカーやシリーズによって多少の誤差はあるものの、シンクのサイズは65cm前後か80cm前後の2種類があります。

キッチン本体の間口によって適したサイズは異なりますが、広めのシンクは洗い物がしやすくなる利点があるものの、調理スペースが狭くなるので3メートルキッチンなどの大きなキッチンに適しています。

現在お使いのシンクと比較をして慎重に選択することをおすすめします。

ビルトインコンロ

3口のビルトインコンロは60cmと75cmの2種類があり、60cmのタイプが一般的です。

75cmのコンロは大きな鍋が置きやすいなどの特徴がありますが、調理台が狭くなるデメリットもあるので間口の小さいキッチンには不向きです。

180cmなどの小さなキッチンの場合は、45cmの2口コンロを採用することで調理スペースを広く確保することができます。

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シンク横・コンロ横・作業スペースの幅

シンク横・コンロ横・作業スペースの幅

「コンロとシンクの間の調理スペース」を広くとりたいのはもちろんですが、「シンク横のスペース」「コンロ横のスペース」も使い勝手に合わせてカスタマイズすることができます。

シンク横のスペースは通常5cmほどですが、30cmほどに広げると水切りかごや卓上食洗機を置く専用スペースを作ることができます。

コンロ横も同様にスペースを確保することで炊飯器や調味料を置くことができますが、レンジフードがコンロの真上にくるように調整が必要です。

ウォール収納(吊り戸棚)

ウォール収納(吊り戸棚)

ウォール収納の高さは50cm・60cm・70cmのなかから選ぶことができ、メーカーによっては90cmの商品もあります。

ウォール収納の高

適した高さを選ぶには、台所に立つ人のアイレベルに合わせることを意識しましょう。

高さのあるキャビネットの方が収納できる量も多くなって便利ですが、正面壁の窓と干渉しないかなど、住宅の構造も考慮して図面を確認しながら選択する必要があります。

また、天井高の都合でキャビネットの位置が高くなりすぎる場合は、天井とキャビネットの間に隙間を作り、キャビネットと同じ材質のフィラーを設置すると見た目がスッキリ仕上がるのでおすすめです。

ウォール収納の奥行きはカウンターよりも30〜35cm奥に取り付けると、頭をぶつける心配なく安心して使用できます。

キッチンレイアウトによるサイズの違い

一口にキッチンといっても、よく聞くI型・L型のほかにペニンシュラ型キッチンやアイランド型キッチンなど、さまざまなレイアウトのキッチンが存在します。

ここでは、レイアウトごとに異なる大きさの特徴を解説します。

I型キッチン

I型キッチン

もっとも一般的で馴染みのあるI型の規格寸法は165〜300cmです。

165cmから15cmきざみで商品展開していますが、現場の環境に合わせられるように天板は1mm単位で注文ができます。

また、奥行きは65cmが基本ですが、設置環境に応じて60cmのタイプに変更も可能です。

L型キッチン

L型キッチン

L型キッチンはa.180〜270cm×b.165/180cmから選ぶことができます。

L型キッチンの場合も現場の設置環境に合わせて1mm単位で天板を注文することができ、短辺(b)の寸法も180cm以上で作成可能です。

ペニンシュラ型キッチン

ペニンシュラ型キッチン

ペニンシュラ型のキッチンは180〜270cmの商品があり、メーカーによって多少の誤差があります。

奥行きは75〜100cmのものがありますが、対面キッチンなのでリビング側への水はねを考慮すると奥行きは大きめの商品が適しています。

アイランド型キッチン

アイランド型キッチン

アイランド型キッチンは240〜270cmの商品があり、通路幅を考慮して選ぶ必要があります。

奥行きは75〜100cmのものがあるのでリビング側への水はねやリビングの広さを考慮して選択すると良いでしょう。

二の字型キッチン(二型キッチン)

二の字型キッチン(二型キッチン)

二の字型のキッチンはコンロと流し台が分かれており、それぞれに選べるサイズの幅があります。

コンロ側は120〜225cm、シンク側は150〜225cmから選択できますが、メーカーによって対応できる寸法が異なるので担当者へ相談してみることをおすすめします。

キッチンの寸法を決めるときに気をつけるポイント

新築・リフォームのキッチンの寸法を決めるときには、使い勝手や意匠性を考慮して気をつけるべきポイントがあります。

毎日使うキッチンでお料理を楽しむためにも、ぜひ参考にしてください。

導線の確保

キッチンでスムーズに作業をおこなうためには、「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」を軸にした導線の確保(ワークトライアングル)が重要です。

シンクとコンロの距離

120〜180cm

シンクと冷蔵庫の距離

120〜210cm

コンロと冷蔵庫の距離

120〜270cm

3つの設備をそれぞれ上記の距離に配置し、3辺の合計を3.6〜6.6mにおさめるのが理想的です。

キッチンのリフォームではシンクやコンロの位置を大きく変更するのはむずかしいので、冷蔵庫の位置で調整すると良いでしょう。

通路の確保

「作業しやすそうだから」という理由で深く考えずに間口のサイズアップをすると、通路が狭くなり通りにくくなることがあるので注意が必要です。

また、奥行きのサイズアップも、限られた台所スペースの空間をさらに狭くします。
包丁などの刃物を頻繁に扱うキッチンでは複数人で作業をするときに危険を伴うほか、朝の忙しい時間帯は混み合って不便です。

台所周辺の環境やキッチンを同時に利用する人数をしっかりと考慮して設計しましょう。

頭をぶつけない高さ

ウォール収納(吊り戸棚)やレンジフードといった頭上の設備は頭をぶつけてケガをする恐れがあるので要注意です。

とくにレンジフードはウォール収納よりも大きく手前に飛び出しているので、頭をぶつけやすい設備です。

レンジフードの下端は収納と同じ高さでそろえると見た目がスッキリ仕上がりますが、頭をぶつけてしまうような位置になる場合はレンジフードのみ高さをあげて設置するようにしましょう。

ウォール収納は扉を開けたときに頭が当たらない高さが理想的です。

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規格寸法で間口に隙間ができてしまう場合

キッチンのリフォームをするとき、設置環境によって規格寸法では合わないケースがあります。

例えば、キッチン設置面の壁から壁までの間口が205cmの場合、210cmの規格品は設置することができません。
しかし、一つサイズを落として195cmのキッチンを設置すると10cmの隙間ができてしまいます。

この場合、1mm単位で注文できる天板は間口ピッタリで発注し、1mm単位で製造できないキャビネット部分は、扉材と同じ素材でフィラーを造作すると隙間なくキレイに仕上がります。

キッチンが壁に挟まれている場合や壁と冷蔵庫に挟まれている場合はしっかりと採寸してからサイズを決めましょう。

キッチンの寸法を把握して納得のいくキッチンを選ぼう

キッチンは住宅の構造や使い勝手を考慮した上で「奥行き」「間口」「高さ」を慎重に決めるようにしましょう。

ただし、それ以外にも下記の寸法を意識するとより使いやすいキッチンに仕上げることができます。

  • シンクの寸法
  • ビルトインコンロの寸法
  • シンク横・コンロ横・作業スペース
  • ウォール収納の寸法

よく使う方の体型や同時に利用する人数もキッチン選びには重要なポイントです。

また、キッチンリフォームの場合、サイズアップやサイズダウンすることもできますが、空間の制約や建物の構造上の都合で工事後のトラブルに発展する例もあります。

よほどのこだわりがなければ、使い慣れた既存と同じサイズに合わせることをおすすめします。

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  • この記事の監修者

    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

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