レンジフードの高さが重要である4つの理由
レンジフードの高さが重要である理由としては、以下の4点が挙げられます。
- レンジフードの位置が低いと頭を打つ可能性がある
- レンジフード導入後の高さ調節はコストと手間がかかる
- レンジフードの位置が高いと掃除が大変
- レンジフードの位置が高いと換気能力が下がる
それぞれ見ていきましょう。
1.レンジフードの位置が低いと頭を打つ可能性がある
レンジフードの高さが低すぎると、使用時に頭をぶつけるおそれがあります。とくに、身長が高い人は不便に感じやすいため、家族全員の身長を考慮したうえで高さを決めましょう。
また、フード(傘)の部分がキッチンの広さに対して大きすぎると、高さがあっても動きにくく、調理しにくくなります。高さだけではなく、動きやすさも考慮し、キッチンの広さに合ったものを選ぶと良いでしょう。
可能であれば、ショールームなどで実際に確認したうえで選ぶのがおすすめです。
2.レンジフード導入後の高さ調節はコストと手間がかかる
レンジフードの高さは、導入後に変更することも不可能ではありませんが、その場合は再度の設置工事が必要です。設置工事には壁や天井の補修も伴うため、多くのコストと手間がかかります。
詳細な金額については後述しますが、本体幅基本工事費だけで約4万〜5万円程度かかります。その他の補修も加わると、さらに高額になるでしょう。工事のための連絡や見積もりにも労力がかかります。
そのため、最初に設置する段階で、高さについて十分に検討し、導入後に調整しなくても済むようにしましょう。
3.レンジフードの位置が高いと掃除が大変
レンジフードの位置が高すぎると、掃除が大変になりやすいです。
レンジフードは調理中に発生する油や煙を吸い込むため、定期的な掃除が必要です。しかし、位置が高すぎると、掃除をするのに手間がかかります。手間がかかるからといって掃除をおろそかにすると、汚れが蓄積し、故障や不具合の原因になります。
レンジフードが低いことによるデメリットは前述しましたが、高いほど良いというわけでもありません。高すぎず、低すぎず、適切な高さに設定することが重要です。
また、レンジフードのなかには、10年間掃除不要のタイプも存在します。高い位置に設置するのであれば、そういった製品を選ぶのも一案です。
4.レンジフードの位置が高いと換気能力が下がる
レンジフードの位置が高すぎると、コンロからの距離が開きすぎてしまい、換気能力が下がってしまいます。
換気能力が落ちると、発生した煙や油を十分に排出できず、キッチンやリビングなどに煙が広がったり、壁が油で汚れる可能性があります。
レンジフードは換気するためについているものであり、換気能力が損なわれては意味がありません。そのため、むやみに高くすれば良いというわけではないことを覚えておきましょう。
特に、天井が高い場合は換気能力を確保するため、あえてレンジフードを低くする方法が用いられることもあります。
レンジフードの高さは建築基準法・消防法で規定がある

レンジフードを設置する高さは、建築基準法や消防法によって決められています。
建築基準法では、火源(火の発生元)から排気口フード下端までの高さを100cm以下と定めています。
また消防法では、ガスコンロやグリルの位置からレンジフードまでの高さは80cm以上と規定しています。
つまり、レンジフードはコンロなどの加熱機器から高さ80~100cmの範囲内に設置しなくてはいけないということです。
高くても低くても使い勝手が悪くなるレンジフードですが、標準的な取り付け位置はコンロなどから80cmの高さです。
キッチンカウンターの高さが90cmであれば、床からレンジフードまでの高さは170cmとなります。
レンジフードは法律の規定範囲内で、使う人の身長を考慮し適切な高さを決めましょう。
ただし、電気事業法を考慮しなければならない場合もあるため、詳しくは専門業者に相談するとよいでしょう。
レンジフードの高さを決める際のポイント
レンジフードの高さは、調整要素の推奨の高さに注目すると良いでしょう。以下の表を参考にしてください。
調整要素 | 推奨の高さ | 注意点 |
---|---|---|
身長 | 身長÷2+5 | 使用者の使い勝手の良い高さで決める |
天井の高さ | 「キッチンカウンターの高さ」+「コンロからの高さ」+「レンジフード本体の高さ」を天井高より低く設定 | レンジフードの取り付け位置を高くしたいときは、本体が低いモデルを選ぶ |
キッチンのタイプ | 壁付けキッチン/対面式キッチン | 頭がぶつからない高さを選ぶ/排気を優先して低めを選ぶ |
それぞれの調整要素について、詳しく見ていきましょう。
身長に合わせる

レンジフードの高さは、キッチンを使う人の身長に合わせるのがおすすめです。
家族間での身長差がある場合や、複数の人が使う場合は、身長が高い人に高さを合わせましょう。
適切な高さの目安は「身長÷2+5」で算出することが可能で、具体的には次の通りになります。
身長が160cmの場合
160÷2+5=85cm コンロから85cmが最適な高さ
身長が165cmの場合
165÷2+5=87.5cm コンロから87.5cmが最適な高さ
身長が170cmの場合
170÷2+5=90cm コンロから90cmが最適な高さ
高さを決めるにあたっては、安全面や操作のしやすさを考えることが大切です。
高すぎると操作がしにくくなり、掃除もしにくくなります。
あくまで、使用者の使い勝手の良い高さで決めるのがセオリーです。
天井高との関係性で決める

一般的にレンジフードは、「キッチンカウンターの高さ」+「コンロからの高さ」+「レンジフード本体の高さ」が天井高より低くなければいけません。
平均的な天井高は240cmですから、その寸法以内で収める必要があるわけです。
とはいえ、キッチンカウンターやレンジフード本体は、モデルによって高さが違います。
レンジフードの取り付け位置を高くしたいときには、レンジフード本体の高さが低いモデルを選ぶのがおすすめです。
また天井埋め込み型のレンジフードの場合、施工前に業者さんとの相談が必要になります。
キッチンのタイプに合わせて決める

壁付けキッチンと対面キッチンでは、排気効率が異なります。
これも、レンジフードの高さを調節する要素のひとつです。
壁付けキッチン
一般的に普及しているキッチンの中でも、排気効率の良いタイプです。
レンジフードは、使う人の頭が当たらない高さに設置すると良いでしょう。
対面式キッチン
室内の気流の影響を受けやすいため、効率良い排気を優先してレンジフードは低めの設置がおすすめです。
部屋に煙が充満しないようにしてください。
レンジフードの高さ調整で失敗しないためのポイント
レンジフードの高さ調整で失敗しないためには、以下の2つのポイントを押さえることが重要です。
- レンジフード設置の際の高さは納得するまで説明を受けよう
- レンジフードの高さは設計の段階でしっかり考えよう
ひとつずつ解説していきます。
レンジフード設置の際の高さは納得するまで説明を受けよう

レンジフードの高さは、設計の段階で業者に相談しましょう。早い段階で希望を伝えておけば、業者側もしっかり対応してくれます。しかし希望を伝えるのが遅くなってしまうと、取り付け後の追加工事が必要になり、余計な手間やコストがかかる可能性があります。
ささいなことと考えずに相談し、打ち合わせのなかで十分な説明を受けたうえで高さを決めることが重要です。また、設置後のトラブルを避けるために、相談して決めた内容は口約束ではなく、書面に残しておきましょう。
レンジフードの高さは設計の段階でしっかり考えよう
レンジフードの高さは、建築基準法・消防法で定められた範囲内で、使いやすい高さを考えましょう。
その際、使用する人の身長、天井の高さ、レンジフードの形状も高さを決める要素となります。
特にレンジフードの形状は掃除のしやすさに影響するため、大切な要素といえるでしょう。
また、選ぶキッチンやコンロのタイプによっても、排気効率や排気能力が異なります。
タイプによって適切な高さも異なるため、設計段階からしっかり計画することが重要です。
使用中のレンジフードの高さを調節したい場合は、一度業者に相談してみましょう。
毎日使うレンジフードだからこそ、納得いくものを選んでください。
ご不明な点や気になることがあれば、ぜひご相談ください。
レンジフードの交換工事・取り付け工事費用の相場
レンジフードの交換工事や取り付け工事費用は、業者によって異なります。ここでは、東京ガスの交換工事にかかる費用を紹介します。
レンジフードの本体幅 | 基本工事費 |
---|---|
60cm幅 | 38,500円(税込) |
75cm幅 | 38,500円(税込) |
90cm幅 | 48,400円(税込) |
レンジフードの基本工事費は、本体幅によって変動します。また、設置状況によっては基本工事費に追加費用が追加になる場合もあります。
「東京ガスの機器交換」では、基本工事費用に出張費や既存機器撤去費用も含まれています。また、ご注文前のお見積もりには追加費用がある場合はそれも含めてご提示します。ご契約後の追加請求は原則発生いたしません。お見積もり時点で明瞭な価格をご提示いたしますので、費用にご納得のうえで、安心してご依頼へと進めていただけます。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

レンジフードの交換目安は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
レンジフードの交換費用は15万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
