キッチンの排水口が臭い7つの原因と対処法
キッチンの排水口から臭気が上がる原因は、主に7つあります。イヤなニオイがしたら、下記を参考に原因を特定し、対処法を実践してみましょう。
1. ゴミ受けが汚れている
ゴミ受けとは、排水口の下と排水トラップの間に位置するカゴの部分です。排水口のゴミ受けに食品のカスや食べ残し、食器用洗剤、油分などが付着し放置されると、腐敗が進行して悪臭の発生源になってしまいます。
特に湿度や室温が高い梅雨の時期や夏の間は腐敗の進行が速くなるため、注意が必要です。
対処法:ゴミ受けの掃除をする
ゴミ受けの汚れが原因で発生するニオイは、ゴミ受けの衛生状態の改善で解消できます。食品のカスだけではなく、ぬめりを含めた汚れを定期的に取り除きましょう。掃除に必要なものは、歯ブラシやスポンジ、食器用洗剤です。
まず、ゴミ受けにある食べ残しなどを捨てます。次に、食器用洗剤をスポンジに付けて、ゴミ受け全体を洗います。細かい網目に汚れが詰まっていたら、歯ブラシでこすると簡単にきれいになるでしょう。仕上げに60度前後に温めたお湯で洗い流すと、油汚れが付きにくくなります。
2. ワントラップが正しく取り付けられていない
ワントラップが正しく取り付けられていない状態も、悪臭の発生原因です。ワントラップとは、ゴミ受けの下にある排水トラップという装置の一部で、ゴミ受けを取り出すと、お椀をさかさまにしたようなパーツが見えます。ワントラップは、下水管からの臭気を留めてくれる機能がありますが、ずれているとニオイが上がってくる原因になります。
また本体の破損も、悪臭の原因です。ヒビなどの隙間から悪臭がもれてしまうので、定期的に掃除しているのにニオイが消えない場合はワントラップを確認してみましょう。
対処法:ワントラップを正しく取り付ける
排水トラップからの悪臭を防ぐには、ワントラップが正確に設置されているかチェックしてください。ずれや緩みがニオイの原因の場合は、正しく取り付けるだけでニオイがなくなります。ワントラップをひねると持ち上げられますが、ひねらずに取り出せた場合は緩んでいる可能性が高いです。正確に取り付けるには、ワントラップの爪を設置場所の溝に沿わせ、ひねりながらはめ込むと正しく装着できます。
対処法:ワントラップが破損している場合は交換する
ワントラップが破損している場合は、取り替える必要があります。ワントラップはホームセンターや通販で販売されており、個人で購入して取り付けが可能です。ただしメーカーごとに種類やサイズなどが異なる場合があるので、パーツが見つからない場合は修理を依頼しましょう。
3. 排水トラップが汚れている
排水トラップ自体の汚れが、臭気の原因にもなります。ゴミ受けと同様に、排水トラップにもイヤなニオイの元になる汚れやぬめりが付着するためです。また、ゴミ受けが汚れていると、排水トラップも汚れの影響を受けやすくなります。ゴミ受けの清掃を定期的にしていても、排水トラップの清掃をまったく行っていないと、ヘドロのような汚れが付いてイヤなニオイが発生します。排水トラップの露出している部分、つまりワントラップの表面を清掃しても、裏側にある部分や他のパーツが汚れていると、悪臭の根本的な原因は絶てません。
対処法:排水トラップの掃除をする
排水トラップの清掃には、歯ブラシやワントラップを入れられるサイズの耐熱容器、塩素系漂白剤、ゴム手袋が必要です。ぬるま湯も用意しましょう。
まず、耐熱容器にぬるま湯を入れ、取り外したワントラップを浸し、塩素系漂白剤で約15分から30分、浸け置きします。排水口のふたやゴミ受けも一緒に浸けておくと効率的です。塩素系漂白剤を排水トラップ全体にかけて、約10分置いた後、歯ブラシで汚れを除去します。ぬるま湯で洗い流し、乾いたワントラップを正しく設置すれば、排水トラップ全体の掃除は完了です。
4. 封水がたまっていない
排水口から悪臭が上がってくる原因として、封水がたまっていない状態も挙げられます。封水とは、ワントラップを外すと露出するパイプの周囲に、常時たまっている水のことで、下水管から上ってくる臭気を防ぐ役割を持っています。キッチンシンクの排水口を通常使用していると常に水は入れ替わるため、水がなくなったりはしません。しかし、長期間使用しない状態が続くと封水の中の水が蒸発して減り、臭いニオイを防ぐ機能が低下します。また、大量の水を一度に流した際に排水管内部の圧力が変わり、封水の量に影響を及ぼすケースもあります。
対処法:水を注ぐ
封水の減少を改善するには、ゴミ受けや排水トラップのように特別な洗浄は不要で、シンクに水を流すだけで解決します。水を注ぐ際は一気に大量の水を流すのではなく、ゆっくり行うことを意識してください。
もし長期間家を空ける場合は、蒸発になどによって封水の水が減り、下水側から逆流してきたニオイが壁や家具にしみついてしまうおそれがあります。対策として、排水トラップにラップをかけることや、封水蒸発防止剤を利用することなどが望ましいです。
5. 排水管が汚れている
ゴミ受けや排水トラップの先にある排水管に汚れが付着していると、ニオイの原因になります。食べカスや油分をはじめ、ゴミ受けが拾いきれなかった汚れが排水管に流れると、排水管内部に蓄積されます。
排水管の清掃頻度は、ゴミ受けや排水トラップとは異なりますが、清掃をしない放置期間が長くなるほど排水管が汚染され、雑菌やカビが繁殖する原因になることから、排水口から臭気が上がってきやすい環境になるおそれがあります。
対処法:排水管を掃除する
排水管の汚れは、お湯だけで解消できる場合もあるため、試してみましょう。まず、ワントラップまでパーツを外し、大きめのタオルや布を露出した排水口に詰め込みます。そして、シンクの中に40度から50度のお湯をためた後に、タオルを引き抜きます。一気にお湯が排水口に流れると、排水管内部の圧力が高くなり、汚れや詰まりを洗い流せます。お湯の温度が高すぎると、火傷のおそれがあるだけでなく排水管を破損しかねませんので、注意しましょう。
6. 排水ホースが汚れている・破損している
排水ホースの汚れや破損もキッチンの排水口が臭う原因と考えられます。排水ホースとは、シンク下の収納を開けると見える管の部分のことです。排水ホースも排水管同様、汚れが付きやすく雑菌が繁殖しやすい箇所なので、不衛生な状態が続くとぬめりが発生します。この汚れは封水にたまっている水も汚染し、悪臭の連鎖を生みかねないので注意が必要です。また、排水ホースの破損を確認した場合は水漏れの原因にもなるため、早急に対応しましょう。
対処法:排水ホースの掃除をする
排水ホースの掃除には、市販の排水管洗浄剤だけでなく重曹とクエン酸も有効です。40度から50度のお湯と重曹、そして重曹の約2倍の量のクエン酸を準備してください。窓を開けたり換気扇を回したりして十分に換気できる状態になったら、ワントラップを取り外し、重曹を排水ホースにふりかけます。次に、クエン酸を重曹の上にかけ、お湯をクエン酸と同じくらい流しましょう。発砲後、約1時間置いたらお湯で流せば掃除は完了です。この方法は汚れを除去するだけではなく、排水ホースを傷めない方法としても有効です。
熱湯を注いだりワイヤータイプのブラシを無理に押し込んだりすると、排水ホースの破損につながりますので控えましょう。
対処法:排水ホースを修理・交換する
排水ホースの破損部分が小さく軽微な場合、水漏れ防止用テープを用いて補修できます。しかし、水漏れ防止用テープは応急処置であり、根本的な修理にはなりません。後々水漏れなどのトラブルに発展しないよう、なるべく早めに排水ホースを交換してください。
排水ホースの交換はご自身で行うこともできますが、パッキンやホースのサイズが合わないこともあります。少しでも不安がある方は、修理を依頼するのがおすすめです。
7. 排水ホースと硬質ポリ塩化ビニル管の間に隙間がある
排水ホースと硬質ポリ塩化ビニル管の間の隙間から、イヤなニオイが発生するケースも考えられます。シンク下をのぞくと、排水ホースが床に向かってのびており、床にある硬質ポリ塩化ビニル管と接続しているのが見えます。排水ホースと硬質ポリ塩化ビニル管の接続部分に隙間があると、配管内の臭気が漏れ出てしまうため、下水のような悪臭に悩まされてしまうでしょう。
両者は、通常ネジで固定されていますが、このネジが緩んでしまうと隙間ができる原因になります。キレイに掃除をしてもニオイが気になる際は、この隙間を疑ってみましょう。
対処法:防臭ゴムで隙間をふさぐ
ネジを締めても悪臭が改善しない場合は、排水ホースと硬質ポリ塩化ビニル管の隙間を防臭ゴムでふさぐと、有効です。防臭ゴムは、ホームセンターなどで購入できますが、硬質ポリ塩化ビニル管の口径サイズに適した商品を選びましょう。
まず、硬質ポリ塩化ビニル管から排水ホースを取り外し、防臭ゴムをホースに通します。再度、ホースを硬質ポリ塩化ビニル管と接続した後に、接続部分に防臭ゴムをかぶせて完了です。口径が分からない場合は配管用のパテを利用するのも方法の一つです。
キッチンの排水口のニオイを予防する3つの方法
キッチンの排水口から漂うニオイの原因はさまざまですが、これらのニオイを予防できる方法が3つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. ゴミ受けにゴミを放置しない
ゴミ受けのゴミを放置しないことが、悪臭予防の第一歩です。ゴミ受けに放置された食品のカスや油分を含んだ汚れは、雑菌の温床となってしまいます。季節によっては放置した時間が短くても、ニオイがただようケースもあるため、こまめにゴミを捨てることを意識するとよいでしょう。ゴミを取り除いてもぬめりが残っている場合は、臭気の発生源になります。本記事で紹介した方法でしっかりと汚れやぬめりを取りましょう。
2. 定期的に排水口周りの掃除をする
ゴミ受けの掃除を含め、ワントラップや排水トラップ本体、排水管などを定期的にキレイにすると、排水口から上ってくる臭気を防げます。排水口周りのパーツに付いた汚れやぬめりは放置すると、ヘドロのような汚れになってしまいます。頑固な汚れになると悪臭の原因をいつまでも取り除けないので、定期的に掃除することが大切です。清掃には、お湯や重曹、クエン酸などが有効ですが、あまりにも汚れがひどい際は、市販のパイプクリーナーを用いてもよいでしょう。洗いにくい部分やご自身ではどうしても汚れが取り切れない場合は、専門業者に清掃を依頼するのも方法の1つです。
3. 排水口に油を流さないようにする
料理をした際に残った油は、排水口に直接流さないようにすると、イヤなニオイを予防できます。油は洗い流す過程で、食品のカスやゴミなどと一緒に固まり、悪臭を放ちます。フライパンなどに残った油は、あらかじめ新聞紙やキッチンペーパーで拭き取った上で洗うと、排水口に油が流れるのを防ぐことが可能です。また、揚げ物などに利用した油は、油を固める製品や濡れた新聞紙を詰めた牛乳パックに入れて廃棄するとよいでしょう。
キッチンの排水口のニオイが改善しない場合は修理を依頼しよう
さまざまな排水口のニオイ対策を紹介しましたが、これらの対策を行ってもニオイが改善しない際は、修理を依頼しましょう。ニオイの原因の中には、専門業者に頼まないと解決しないケースもあります。
修理を依頼する場合のポイント
修理を依頼する際は、2つのポイントに留意すると、トラブルを未然に防げます。
- 賃貸住宅の場合は大家さんや管理会社へ事前に相談する
賃貸住宅にお住いの場合、設備に不具合が生じた際は、大家さんや管理会社が対応します。修理を依頼する業者が決まっているケースもあるため、自室の排水口に問題が起きた場合、まずは大家さんか管理会社に連絡しましょう。 - 資格制度があるなど信頼できる業者かを確認する
修理内容によっては、資格が求められるものもあります。無資格で修理をした場合、悪臭が改善しなかったり排水管の破損トラブルなどがおこったりするおそれもあります。修理を依頼する際は、資格を有したスタッフが対応してくれるかを必ず確認しましょう。東京ガスでは社内資格制度を設けており、必要な知識・技能を有したスタッフが対応しますのでお任せください。
修理を依頼する場合の作業時間の目安
排水口のニオイトラブルにかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパッキン・配管などの交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。東京ガスでは、排水口をはじめとしたトラブルに最短で当日ご訪問し、対応いたします。
修理を依頼する場合の料金の目安
修理費用は、出張費・作業料金・部品代の合計で支払い金額が決まります。作業内容や交換する部品によって料金が異なるため、修理依頼の連絡をした際に、症状などを説明しておおよその料金を確認しておくのがおすすめです。以下、東京ガスの修理費用を紹介します。
- 各種パッキン交換/9,900円+部品費
- 排水管の詰まり除去/9,900円
- 流し台排水部品交換/9,900円+部品費
注)2024年6月1日現在の情報です。
上記はおおよその目安となる料金です。基本的に見積もり額は実際の状況を確認しなければ料金が設定できませんが、おおよその料金を知りたい場合は、Webや電話で業者に問い合わせてみましょう。東京ガスではWebや電話でご訪問日時をご予約でき、最短で当日訪問可能です。
キッチンの修理や交換、料金についてはこちらも併せてご覧ください。
悪臭の原因を特定して対処しよう! 日頃のお手入れで対策を
臭いニオイがキッチンの排水口にただよっている原因は、主に排水口周辺に残った食品や油による汚れです。また、排水トラップや排水ホースなどのパーツが破損していると下水の臭いが漏れ出て、悪臭につながりかねません。こうしたニオイを解消するには悪臭の原因を知り、原因別の対処方法を講じることが大切です。またゴミを放置しない、排水口に油を流さない、小まめな清掃を心がけるなどのポイントに気を付けていれば、キッチンの排水口から上がってくる臭いニオイを予防することが可能です。
悪臭の原因が分からない方やご自身での修理に不安がある方は、東京ガスへご相談ください。東京ガスではキッチンだけでなく、トイレや浴室などで起こる水まわりトラブルに対応しています。すべての修理担当店は、指定給水装置事業者なので高い技術力も期待できます。キッチンの臭いニオイを改善したい方は、お気軽にご相談ください。