給湯器メーカーの比較
まずは初めに以下3つの視点でまとめました。
- どれが多く選ばれているのかがわかる「国内シェア」
- どのくらい使えるのかわかる「耐用年数」
- ガス代に直結する「熱効率」
国内シェア
ガス給湯器はリンナイとノーリツの2社で約80%のシェアを占めており、上位4社(パロマ、パーパス含む)でシェア90%以上です。
熱効率
従来型給湯器よりも高効率な「エコジョーズ」は2002年から発売され、95%という高い給湯効率もメーカー共通です。
「エコジョーズ」を選ぶと、使用ガス量が約13%削減でき、年間で12,000円節約になります注)。
ぜひ、この機会に「エコジョーズ」にしてみてはいかがでしょうか!
注)参考サイト:https://www.gas.or.jp/collabo/defactken/other/faq.html
給湯器のメーカー別の特徴比較
それでは、各メーカーについて見ていきましょう。
「リンナイ」「ノーリツ」「パロマ」のメーカー別の特徴を解説します。
【リンナイ】給湯器の特徴とおすすめポイント
リンナイの給湯器は、毎日の生活を快適にする機能や、省エネをサポートする機能、災害時に活用できる機能などが特徴的です。
ここでは、「マイクロバブル給湯器」「エコ機能」「停電モード」について紹介します。
ポイント1. マイクロバブル給湯器
2020年4月にリンナイから新発売された「マイクロバブルユニット内蔵型給湯器」を紹介。
主な特徴としては従来製品と比較して、マイクロバブル数は約2倍、ナノサイズバブル数は約2.7倍に増加し、業界最高レベルになっている点です。
「温浴効果」「洗浄効果」「保湿効果」「リラックス効果」などがマイクロバブルが含まれたお風呂に入ることで得られます。何もしていない「さら湯」に対して、約1.5倍注)の洗浄効果が得られたり、肌のしっとり感が24%注)増加したり、様々なうれしい効用が実証されています。
注)詳細はぜひリンナイの特設サイトをご覧ください!
https://rinnai.jp/lp/microbubble/
<マイクロバブル給湯器 メーカー希望小売価格>
給湯器本体(RUF-ME2406AW):544,500円(税込)
循環金具(UF-MB1201AL):16,500円(税込)
専用リモコンセット(MBC-MB302VC):64,680円(税込)
合計:625,680円(税込)
<標準仕様給湯器 メーカー希望小売価格>
給湯器本体(RUF-E2406AW):429,000円(税込)
専用リモコンセット(MBC-302VC(B)):60,500円(税込)
合計:489,500円(税込)
ポイント2. 省エネをサポートするエコ機能

リンナイの給湯器には、リモコンで操作でき、省エネに貢献してくれるさまざまな「エコ機能」が搭載されています。
- エネルック:ガスやお湯、光熱費やCO2排出量などを、リモコン画面で見やすく表示し、簡単に確認することができます。
- Ecoガイド:省エネの目標値を設定するとそれに応じた達成度を4色のランプで知らせてくれます。
- エネLIVE:使用しているお湯やガスの使用量を表示します。
- Ecoシグナル:シグナルのの点灯・点滅で適切な湯量を知らせてくれます。
- ECOモード:以下の5つのモードを選択できます。
- 省エネ湯はり
自動湯はりの際に、自動で少し高めの温度でお湯が入る機能です。
湯はり中にお湯が冷めてしまわないようにしてくれます。 - 自動たし湯オフ
自動保温の運転時に、自動たし湯機能のみを作動しないようにしてくれます。 - 節約保温
自動保温の運転時に、設定温度よりも1℃低く保温してくれる機能。
注)フルオートタイプのみ利用可能 - 省エネ給湯
手洗いなどで使う水が少ない場合に、設定温度よりも低い温度で燃焼を開始してくれる機能。
余分なお湯を沸かさずに、光熱費を抑えてくれます。
注)対応熱源機・給湯器との接続時のみ利用可能 - エコおいだき機能
熱交換器内に残ったエネルギーも無駄にせず消費しておいだきをしてくれます。
注)暖房付きふろ給湯器のみ
ポイント3.別売りバッテリーとの連携で停電時も給湯可能

「停電モード」は、停電(ガスと水道は使用可能な状態)の際にも給湯ができる機能。
電気は、大雪や地震といった災害などの状況下で止まってしまうことが多いライフラインです。
停電になると、給湯器内部のセンサーや着火装置を稼働させられず、お湯を沸かせなくなってしまいます。
しかし、この停電モードを搭載した給湯器であれば、電気の復旧までの間、応急的にお湯を沸かすことができるのです。
仕組みとしては、停電対応ユニットを車のアクセサリーソケットに接続し、そこから電源をとるというもの。
停電モードへの切り替えは、台所のリモコンから操作できます。
【ノーリツ】給湯器の特徴とおすすめポイント
ノーリツの給湯器は、「UV除菌機能」「見守り機能」「スマート配管クリーン」機能と、衛生面や安全性にこだわった機能が特徴的です。
ポイント1. UV除菌機能

ノーリツの給湯器には、スタンダードの上により高性能なプレミアムというグレードが存在します。
このプレミアムにはノーリツ独自のUV除菌ユニットが搭載されています。
ご家族で時間をあけて入浴する場合、浴槽内では、大腸菌・黄色ブドウ球菌などの細菌が増殖してしまい、前日に溜めた浴槽内の細菌数は、翌日には約1万個にも達するそうです。注)メーカー調べ
さらに、この残り湯を使ってお洗濯をしてしまうとニオイが残ってしまうこともあり、プレミアム給湯器を使用すれば、お子さんの翌朝の入浴も、残り湯を使った洗濯も安心です。
ポイント2.見まもり機能

ノーリツのプレミアムタイプの給湯器では、高機能標準リモコンを併用することで「見まもり機能」を利用できます。(無線LAN対応リモコンのRC-G001EWシリーズ)
「見まもり機能」は、スマートフォンと給湯器を連動させることで、同居家族の浴室への入退室、浴槽への入退室を確認できる機能です。
高齢者や子どもがいるご家庭では、入浴事故の心配が大きくなるでしょう。
この機能は、予め入浴時間を設定しておけば、その時間を経過した際にアラートで知らせてくれるため、ヒートショックやのぼせなど入浴時の事故を防止できます。
また、離れて暮らすご家族の見守りにも使え、お湯はり実績やお湯の使用状況をスマートフォンから確認できます。
ポイント3.スマート配管クリーン

「スマート配管クリーン」は、配管内をきれいに保つことができる機能です。
浴槽のお湯排出時に、おいだき配管内にたまった「垢などが混じった古いお湯」を、新しいお湯で洗い流して配管内をきれいにしてくれます。
また、入浴人数・湯温・気温から汚れ度合いを分析して洗浄パターンを制御。
汚れが多い日も少ない日も同じように、配管内がきれいになるように自動で調整してくれます。
配管内は湯垢などがたまりやすく、普段なかなかお手入れが行き届かない部分です。
お風呂の衛生面を保つために非常に便利な機能といえるでしょう。
【パロマ】給湯器の特徴とおすすめポイント
パロマの給湯器は、「配管クリーン機能」「壁面火災防止装置」「洗練されたデザイン」と、機能・デザインにこだわりが反映されているのがポイントです。
ポイント1.配管クリーン機能が標準仕様

パロマの給湯器には、配管クリーン機能が標準搭載。
配管クリーン機能は、一般的にはフルオートタイプのおいだき機能付き給湯器にのみ搭載されているものですが、パロマの給湯器ではオート/フルオートに限らず搭載されています。
同機能は、お風呂の栓を抜いてお湯を排出する際に、自動で配管内を洗浄してくれる機能。
約7リットルのお湯で洗浄し、湯垢などで汚れやすい配管内をきれいな状態に保ってくれます。
ポイント2.洗練されたデザイン

パロマの給湯器で特徴的なのが、そのデザイン性の高さです。
「給湯器をエクステリアに」というコンセプトを掲げ、設置する住宅の景観に溶け込むデザインにこだわっています。
なかでも代表的なパロマの給湯器ブランドが、2014年にデザインを一新した「ブライツ」。
デザイン面で以下のようなさまざまな趣向を凝らしており、パロマのこだわりが伝わってくるブランドです。
- 近年の住宅トレンドを加味した横流れのラインを採用
- 家の外壁に違和感なく馴染むように、塗装やディティールを工夫
- 給湯器の外観を長く保つために、耐食性の高い外装材や周辺部材を使用
住宅のデザインや外壁にマッチするスタイリッシュな見た目で、2014年のグッドデザイン賞にも輝いています。
ポイント3.壁面火災防止装置

パロマは給湯器の安全性を追求し、面状の「壁面火災防止装置」を開発。
この壁面火災防止装置は、給湯器の燃焼室を全面樹脂シートで包み込むことで、異常過熱・損傷などのトラブルを正確に感知して、燃焼をストップさせます。
従来の給湯器の過熱防止装置は、給湯器内の温度ヒューズが過熱を「点」で感知する仕組みでした。
壁面火災防止装置に使われている樹脂シートは、本体全面におよぶ「面」でセンサーが働くため、温度ヒューズよりも素早く・確実に過熱を感知します。
給湯器のトラブルをすぐにキャッチして火災などの事故を未然に防げるため、より安心して利用できるシステムといえるでしょう。
給湯器の比較まとめ
ここまで、リンナイ、ノーリツ、パロマの給湯器について解説してきました。
各メーカーの給湯器について、改めて以下でポイントをまとめます。
●リンナイ
- 「温浴効果」「洗浄効果」「保湿効果」「リラックス効果」を得られるマイクロバブル給湯器
- リモコンで簡単に操作でき、毎日の省エネをサポートしてくれるエコ機能
- 停電時でも外部電源と連携して給湯可能な停電モード
●ノーリツ
- プレミアムタイプに搭載のUV除菌ユニットは、浴槽内の細菌をしっかり除去
- 同じくプレミアムタイプの給湯器では、スマートフォンと連動した見守りが利用でき、入浴時の事故を防止
- スマート配管クリーン機能は、その日の汚れ度合いを自動検知して配管内を洗浄
●パロマ
- おいだき配管を自動洗浄する配管クリーン機能を標準搭載
- 「ブライツ」は住宅の外観にマッチするスタイリッシュなデザインで、2014年のグッドデザイン賞を受賞
- 壁面火災防止装置は「面」で過熱などを感知するシステムで、従来の給湯器よりも高い安全性を確保
このように、各メーカーそれぞれの特徴があります。
どういった給湯器を選ぶかは、家族構成やライフスタイルによっても変わってくるでしょう。
機能・性能を比較したうえで、ご家庭に合った給湯器を選んでみてください。
おうちの機器なら、東京ガスの機器交換!

給湯器の耐用年数注)は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
給湯器の交換費用は20万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。
注)各メーカーが定める、安全上支障なく使用できる標準使用期間を指します。

給湯器については次の記事もご参考ください。

2025年08月14日
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