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給湯器は修理できる?交換前に確認したい修理の依頼先や費用について

給湯器に不具合や故障が起きると生活に不便が生じるため、すぐに復帰できるようご自分でできる修理方法を知りたい方も多いでしょう。しかし給湯器の修理には専門的な技術が必要なものがほとんどのため、修理のプロに依頼することをおすすめします。 本記事では、修理や交換が必要な給湯器の症状をご紹介します。修理か交換かを判断する基準や依頼先、費用感もご紹介するので、給湯器の故障に対処するための参考にしてください。

最終更新日:2024年05月13日公開日:2024年04月07日

目 次

修理・交換すべき給湯器の故障症状

住宅設備の中でも故障して困るのが給湯器ではないでしょうか。蛇口をひねっても冷たい水しか出なくなると、入浴ができなくなるのはもちろん、冬場であれば手を洗うだけでも一苦労です。給湯器の修理・交換が必要な故障の症状にはどんなパターンがあるのか、代表的な例をご紹介します。ご自宅の給湯器に不具合を感じる場合の参考にしてください。

1. リモコンにエラー表示が出る

給湯器のパネル

室内から給湯器を操作するリモコンにエラーコードが表示される場合は、給湯器そのものが不具合や故障を感知していると考えられます。エラーコードをいくつかご紹介します。メーカーを問わず統一されたエラーコードが使われていることもありますが、厳密には少しずつ意味が異なる場合もあるため、取扱説明書にて確認するのが確実です。

■エラーコード【111】【112】【113】

上記のエラーコードが表示されている場合は、給湯器の点火不良が疑われます。雨で給湯器内部が濡れてしまって起こる点火不良などが想定され、エラーコードの中でも比較的多く表示される傾向です。運転スイッチの入れ直しで改善されるケースが多いです。

■エラーコード【140】

過熱防止装置の作動を示すエラーコードです。給湯器の内部や部品自体に不具合や故障が生じていることが多いため、メーカーや専門業者による対応が必要となります。回路や熱交換器、電気系統に故障が発生して正常な運転ができない状態のため、無理に使い続けると故障範囲が拡大する他、温度調整ができずに熱湯でヤケドをしてしまうなどの危険があります。

給湯器パネル

2024年11月12日

ガス機器に生じる可能性のある不具合の症状とエラーコード、一般的な対処法の一覧

給湯器がつかない、お湯が出ない等の症状と共に、給湯器のリモコンに2~3ケタの英数字が表示されることがあります。これは故障表示(エラーコード)といって、給湯器の故障や不具合を示すサインです。本記事では、給湯器などガス機器に表示される主なエラーコードやよくある症状、その原因や対処方法などをご紹介します。 注) エラーコードの内容は、機種やメーカーによって異なる場合があります。詳細は、取扱説明書もしくはメーカーの公式サイトでご確認ください。

2. 点火しにくい

給湯器イラスト

経年による劣化などが原因で、給湯器が点火しにくくなったり、お湯が出るまでに時間がかかったりする症状が起こります。特に点火不良などの不具合は、設置から10年前後の給湯器に起こりやすく、給湯器内部の各部品の経年劣化が疑われます。

3. 温度調整ができない

シャワー

リモコンで給湯温度を設定しても、湯温が上がらなかったり、給湯中にぬるくなったりする場合も、給湯器の不具合や故障が疑われます。温度が上がらない場合だけでなく、温度調整機能に不具合が生じている場合は、高温のお湯が排出されヤケドする可能性もあるため、使用は十分な注意を払い、早めに修理を依頼してください。

4. 給湯器からニオイ・水漏れ・異音がする

給湯器イラスト

給湯器から異臭がしたり、異音が発生したりしている場合は、ガスが漏れていたり、不完全燃焼を起こしている可能性があるため、使用を中止して早急にガス会社やメーカーに点検を依頼しましょう。水漏れが確認される場合は、配管の劣化がトラブルの原因であると考えられます。配管の修理や交換で済む場合が多い不具合です。

5. 黒い煙が出る

給湯器イラスト

黒煙が発生している場合も、不完全燃焼になっている可能性が高いため、使用をやめて点検を依頼ください。給湯器に故障が生じたまま使ってしまうと、修理範囲が広がってしまうおそれがあるため、異常を感じた段階で使用をやめましょう。

給湯器は自分で修理できる?

給湯器は非常に複雑な構造になっているため、専門的な知識や、内容によっては修理をするための資格が必要です。安全装置の機能を損なう可能性がある他、分解したことで保証が適用されなくなる可能性もあるため、ご自身での分解・修理にメリットはほとんどないと言えます。故障の症状を悪化させる原因になる上、ガス漏れや火災などのリスクも高まりかねません。

給湯器の修理はメーカーや専門業者の有資格者が修理作業を行うのが一般的です。修理を依頼する際は、きちんと有資格者が対応してくれるメーカーや専門業者を選ぶようにすれば安心です。

給湯器が壊れたときは修理と交換どちらが良い?

給湯器の修理を依頼した時に、専門業者の担当者から交換を勧められることもあります。修理と交換では費用が異なるため、「できれば修理で対応したい……」と考える方も多いようですが、場合によっては交換した方が費用の面でもメリットが大きいケースもあります。修理対応の方が良い場合と交換を検討した方が良い場合について詳しく解説していきます。

給湯器を修理に出した方が良いケース

修理をするか交換をするかを判断する際の大きなポイントは、保証期間内であるかどうかです。メーカーの保証の他に販売店の延長保証が付いているケースもあるので、購入時の保証内容をしっかりと確認しましょう。

メーカーの保証期間内に壊れたとき

メーカーによる保証期間は一般的に1~2年程度です。故障した部位によって別途保証期間が定められている場合もあります。利用者に過失がない故障の場合、メーカー保証期間内であれば無料で修理を受けられるため、メーカーや販売店に問い合わせしましょう。メーカーによっては、例えば購入後に所有者登録を行うことで無償保証期間が3~5年に延長されたり、追加の保証料金を支払うことで保証期間が延長されたりする場合もあります。購入時の保証書はしっかりと保管しておきましょう

メーカーの保証期間外に壊れたとき

保証期間が切れていても、メーカーや販売店による有償での修理が受けられます。ただし、お使いの給湯器が製造を終了してから5~7年以上経過していると「部品保有期間」が過ぎている可能性があります(部品保有期間はメーカーや機種により異なります)。部品保有期間内であれば修理による対応が可能ですが、修理に必要な部品の在庫が切れている場合は、修理対応ができないケースがほとんどです。

給湯器を交換した方が良いケース

給湯器の使用状況などにより機器寿命は異なりますが、各種部品の寿命が重なる前に交換することをおすすめします。
例えば給湯器の場合、各メーカーにおいて標準的な使用条件で安全に使用できる設計期間を10年としているケースが多いため、10年を超えた故障については交換を検討し始めるタイミングであると言えるでしょう

参考:リンナイ株式会社 ガス給湯器の点検・取替え目安は10年です|長期間製品を安全にお使いいただくための大切なお知らせ

参考:株式会社ノーリツ 【製品の寿命】点検・取り替えの目安について | アフターサポート

給湯器を10年以上使用しているとき

設置から10年以上経過している場合、1つの故障を修理しても、新たな不具合や故障が起こる可能性があり、また2回目の修理費用は1回目よりも高くなる傾向があります。結果的に交換対応に比べて総合的なコストが高くなってしまうことが考えられます。場合によっては、修理をしても故障や不具合が改善されないこともあるため、あらかじめ理解しておきましょう。

また最新式の給湯器はエネルギー効率が高く省エネ性能に優れているため、交換によってガス代の節約が期待できます。もちろん交換の場合は修理に比べて初期費用そのものが高くなりますが、長期的な視点で考えるとコストパフォーマンスに優れている場合もあるため、給湯器を10年以上使用している場合は、修理よりも交換を検討するのがよいでしょう。

給湯器の修理はどこに依頼する?

給湯器の修理を依頼する先としては、主に給湯器メーカー、販売会社、ガス会社の3つです。どこに依頼しても修理が可能ですが費用の面で違いが生まれることが想定されます。それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

給湯器メーカー

まず候補として挙げられるのが給湯器メーカーです。給湯器の製造元であるメーカーには必ず修理を受け付ける問い合わせ窓口があるため、使用しているメーカーに修理を依頼することができます。

基本的に問い合わせ窓口は専任のオペレーターがいて、機種の確認方法や故障・不具合時の対処、有償修理か無償修理かなどの確認を行います。給湯器メーカーに修理を依頼するメリットは、保証期間内で保証対象であれば、無償修理してもらえる点や、給湯器メーカーに修理を依頼することへの信頼度です。製造元のスタッフが修理対応をするため、適切な対応をしてもらえる安心感があると言えるでしょう。その一方でデメリットとしては、修理の拠点が限られているため修理を依頼してからご訪問までに比較的時間がかかるケースがあることです。また交換を選択した際はそのメーカー品から選ぶことが基本になるため、複数のメーカーを比較して安い方を選ぶことができない点はデメリットといえるでしょう。

ガス会社

ガス会社も給湯器の修理対応を受け付けています。幅広いメーカーの給湯器を扱っている実績があるのはもちろん、ガス器具だけでなく、ガスの配管やガス栓に関しても対応できる安心感があります。給湯器の修理でもサービス品質は高く、スムーズに対応してもらえる点が大きなメリットです。
また、東京ガスの場合は、地域ごとのエリア担当店が修理に駆けつけますので、スピーディに対応できる点もメリットといえます。

給湯器販売業者

さまざまなメーカーの給湯器を扱う販売業者や工事会社でも修理対応を行っている場合があります。販売に力を入れているだけでなく様々なアフターサービスを整えていたり、費用を安く設定している等、販売業者ごとの特色を比較検討できる点がメリットといえるでしょう。

ただし、保有している資格や技術力は業者ごとにバラつきがある可能性があります。資格がないまま修理や施工を行うのは、機器の安全装置の機能を損なう可能性があるため避けた方がよいでしょう。また、修理が可能かを業者にて正しく判断できない場合、安易に交換を勧められる可能性もあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。

症状が改善しない場合は修理を依頼する

メーカー、販売店、そしてガス会社といった様々な依頼先がありますが、依頼時に注意しておくべきポイントがあります。以下の内容を事前に確認した上で修理を依頼しましょう。

修理を依頼する場合のポイント

1. 賃貸住宅の場合は大家や管理会社へ事前に相談する

賃貸の住宅にお住いの際は、まずは管理会社や大家の方に、給湯器の故障を報告して、その後の対応方法を確認してください。物件によっては修理やメンテナンスを依頼している決まった業者があります。

また万が一給湯器を交換することになった場合、借主が自由に給湯器を選択できるわけではありません。集合住宅では基本的に各部屋が使用できるガス容量に制限があり、給湯器のスペックもある程度決めているケースが多いためです

2. 複数の業者に見積もり依頼をする

修理を依頼する際は、複数の専門業者に見積もりを依頼してもよいでしょう。料金が安すぎたり、説明が不十分だったりする業者は注意が必要です。格安で修理するにはそれなりの理由があり、例えば資格を持っていないスタッフや、技術的に未熟なスタッフが対応する可能性があります。最初の見積もりにはなかった追加の費用を修理後に請求される懸念も考えられます。修理の見積もりの内訳が詳しく説明してあったり、疑問にも丁寧に応えてくれたりする業者が信頼できると考えられます。

3. 給湯器修理の資格を持っている業者かを確認する

給湯器の修理はさまざまな関連資格があり、作業内容によっては有資格者でなければ対応してはいけないものもあります。無資格の業者による修理が原因でトラブルが再発したり、危険な工事が行われたりする例はゼロではありません。ガス機器は、扱い方を間違えば重大な事故を起こす可能性が十分にあります。

関連する法律や基準を守らずに工事をすると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、健康にも悪影響を及ぼすおそれもあるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。工事を依頼する際に、きちんとした有資格者による管理や施工が行われるのかを確認しておけば、無用なトラブルを回避することができます。
東京ガスでは、必ず給湯器の修理に必要な資格を有したスタッフが対応しますので安心してお任せいただけます。

修理を依頼する場合の作業時間の目安

給湯器の修理にかかる時間は、症状や作業内容によって異なります。
メーカーから交換用部品を取り寄せて対応する場合は、在庫の確認や調達までに1週間程度の時間が必要となるケースもありますが、部品在庫がある場合や汎用性の高いパッキン・配管等の交換で済む場合は、訪問当日に2~3時間程度で作業完了するケースが多いです。
東京ガスでは、給湯器をはじめとしたガス機器のトラブルに最短で当日ご訪問し対応いたします。お困りの際はぜひ検討ください。

修理を依頼する場合の料金の目安

ガス機器の修理費用は、出張費、故障診断料、技術料、部品代で構成されるのが一般的です。故障箇所によって作業内容や費用が異なるため、まずは故障箇所の診断・見積もりを依頼しましょう。
料金の目安としては、東京ガスにてふろ給湯器の部品交換修理をいただいたうち、25,000円以下で納まるケースは7割以上、25,000円を超えるケースは3割以下となっています。注)

注)2022年度のガスふろ給湯器における部品交換時の修理費用(東京ガスグループ調べ)

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まとめ

給湯器の故障症状や、修理・交換を依頼したほうが良い場合の判断基準、依頼先の選び方などを解説しました。給湯器は正しく扱わなければ、重大な事故につながる危険性がある住宅設備です。ご自分で分解や修理をせず、修理を依頼ください。また、交換を検討した方がトータルコストで修理よりもメリットが大きいケースもあります。お使いの給湯器の使用年数や状態をチェックして修理か交換かを決めていきましょう。

給湯器メーカーや販売店などで修理対応も可能ですが、契約しているガス会社なら、給湯器だけでなくガス周りの相談も対応しているため、相談しやすい利点があります。給湯器に異常を感じた時はお気軽にガス会社にご相談ください。

  • この記事の監修者

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    東京ガスの修理サービス コラム編集チーム

    突然やってくる水まわりやガス機器のトラブルへの心配を少しでも和らげていただけるように、いざという時の対応方法や修理を依頼する時のポイントなどの情報を発信していきます。