L字キッチン

L字キッチンの特徴|メリット・デメリットや注意点を解説

L字キッチンは作業スペースや収納スペースの広さから、効率よく料理ができるということで人気を集めています。 ここではL字キッチンの特徴やメリットデメリット、代表的なレイアウトについて紹介します。 また、L字キッチンを選ぶ際のポイントや注意点についても解説していますので、L字キッチンの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

最終更新日:2024年07月08日公開日:2024年07月08日

目 次

この記事でわかること

  • L字キッチンのメリット・デメリットがわかる!
  • L字キッチンのレイアウトが画像でわかる!
  • L字キッチンを選ぶ際のポイント・注意点がわかる!

L字キッチンの特徴

キッチンを上から見たとき、アルファベットのLの形になっているキッチンのことをL字キッチンといいます。
壁の一面、もしくは二面に接し、コンロとシンクを直角に配置しているものが多く、キッチン内での移動を少なくできるメリットがあります。

壁付けキッチン、対面キッチンのどちらにもできるので、リフォームでの検討対象にされることが多いキッチンです。
壁付けキッチンは両面とも壁向きに設置されたキッチンで、収納棚を設置することで、収納を豊富にすることができます。
対面キッチンは、リビングやダイニングにいる人とコミュニケーションが取れるのが特徴です。

これらのようにライフスタイルに合わせて設置方法を選べるのがL字キッチンの魅力です。

L字キッチンのメリット

料理中

L字キッチンのメリットは次のように挙げられます。

  • キッチン内での移動距離を縮小でき、広いスペースで作業ができる
  • 収納スペースが広く、自分好みのカスタマイズがしやすい
  • ワイワイみんなで料理ができる

それぞれについて解説します。

移動距離が短い

L字キッチン

コンロとシンクを直角に設置したL字キッチンは、ワークトライアングル(コンロ・シンク・冷蔵庫を結ぶ作業動線)が短くなります。
一般的なI型キッチンのような横移動はなく、サイズによっては体の向きを変えるだけでコンロにもシンクにも手が届くようになり、作業効率をグンとあげられるのです。

コンロで火にかけていた鍋をシンクに移動させるといった作業も最小限の移動で可能になり、調理の効率化にもつながります。

作業スペースが広い

L字キッチンには2つのキャビネットがあるので、作業スペースを広く取れ、使い勝手が良いと感じるでしょう。

特にコーナー部分には奥行きがあり、ゆとりを持って作業ができます。
例えば、複数のお皿に盛り付けをするときに大きなお皿を広げても、ストレスなく作業に集中することができます。
また、お弁当のおかずの粗熱とりやパン作りのときの発酵などで、しばらく放置するときでも邪魔になりません。

作業スペースが広いため、複数人で調理することも可能です。

収納スペースが大容量

L字キッチンは一般的なI型キッチンと比べてキャビネット数が多いため、収納量が多いのも魅力の一つです。
吊戸棚を設置することでいっそう収納スペースが広がります。
料理に凝れば凝るほど調理器具が増えますが、それでもスッキリ片付いたキッチンを保てるでしょう。

また、シンクやコンロ、作業台が一段高くなっているキッチンであれば、収納ラックの設置もでき、コーナー下にV型引き出しをつけるとさらに収納スペースを増やせます。
普段外側に置いている調理器具も片付けられるので、いつもきれいに整ったキッチンを維持できるのです。

複数人で作業できる

L字キッチンは調理スペースも広く、コンロやシンクが別々の面に設置されているので、複数人での調理に向いています。

ホームパーティやイベントで知人・友人が集まったとき、みんなで調理ができると楽しさが倍増します。
一人がコンロで調理しているときに、もう一人がシンクで下ごしらえ、さらにもう一人はコーナーで盛り付け準備、ということも可能です。
複数人がキッチンに立ってもそれぞれがスペースを確保できるので、ストレスなく料理ができるでしょう。

L字キッチンのデメリット

電卓とお札

ここまでL字キッチンのメリットを紹介しました。
しかし、ライフスタイルにマッチしないと、メリットがデメリットになってしまうこともあります。
デメリットになるケースを知って、L字キッチンが自分のライフスタイルにあったキッチンなのか確認しましょう。

L字の角がデッドスペースになる

複数人での調理や、盛り付けのときに重宝するコーナーのスペースですが、一人で調理する場合や、家族構成が少なく盛り付けにスペースをそれほど必要としない場合、コーナーはデッドスペースになってしまいます。
また、コーナーは90度に曲がっているため収納スペースとしては使いづらく、奥まで手が届きにくいため、使用頻度の高い調味料などを置いておくのには向いていません。

広いキッチンスペースが必要

作業スペースが広く、複数人でもゆとりのある空間ができるということは、それだけ広いスペースが必要ということです。
それは、リビングやダイニングを狭めることを意味します。

せっかくキッチンを広くして使いやすくしても、多くの時間を過ごすリビングやダイニングが狭くなってしまうと元も子もありません。
ライフスタイルの優先度を決め、L字キッチンにすべきかじっくり考える必要があります。

キッチン内の配置に工夫が必要

L字型キッチンにするうえで意識したいポイントとして、キッチン内の配置があげられます。
元からスペースに余裕があれば大丈夫ですが、既に冷蔵庫や食器棚が並べられているのであれば、スペースの都合で設置できないケースも考えられるでしょう。

また万が一移動できたとしても、以前より使い勝手が悪くなってしまう可能性もあります。
そのため、L字型キッチンを検討しているのであれば、事前にスペースを考えたうえでキッチン内の配置を見直しておくと安心です。

費用がかかる

リフォーム費用は、スペースが広い分、一般的なI型キッチンと比較して10〜20万円ほど費用が高くなるでしょう。
下記のように種類を変えるリフォームになると、さらに費用が上乗せされます。

  • I型キッチンからL字キッチンにリフォームする
  • 壁付けキッチンから対面キッチンに変更する

キッチンは十年以上使用するものでもあり、日頃のストレスがなくなることを考えて、多少費用が高くなっても希望を優先したいかを判断基準にしましょう。

L字キッチンの代表的なレイアウト例

L字型キッチンには主に壁付け式と対面式の2種類があります。
ここでは主なレイアウト例を紹介します。

現在L字型キッチンへのリフォームを検討している方は、どちらが自分の家に合うのか参考にしてみてください。

壁付け式

壁付け式

壁付け式はキッチンの前面が壁に接しているタイプで、ダイニングやリビングのスペースを広くとれることから人気が高く、ソファやテーブルなど大型の家具が多い部屋にもおすすめです。

また、キッチンの前が壁となっているため、調理による水や油はねを気にせずに使用できます。

一方、電子レンジや炊飯器を置く棚の設置スペースに制約があること、使用中は壁に向かうことから部屋の様子が確認しにくく、お子さんやペットがいる家庭ですと不便に感じやすいかもしれません。

対面式

対面式

対面式はその名の通り、L字の1辺がダイニングやリビングに向いているタイプです。
キッチンの使用中でも家族とコミュニケーションがとりやすく、できあがった料理をカウンター越しからそのまま渡せるメリットもあります。

一方、前面に壁が無いことから使用中のにおいや汚れが部屋に広がりやすく、こまめな掃除が必要です。

対面式の中でも写真のように片方の面を壁付けにすることによって、壁付け式と対面式それぞれのメリットが得られます。

たとえばコンロ側を壁側にすることで、油跳ねや汚れの広がりを抑えながら、カウンター越しから料理の受け渡しや部屋の状況確認が可能です。

L字キッチンを選ぶ際のポイント

L字キッチンの利用用途や優先したい内容、求める使い勝手によって選ぶポイントが変わります。
ここでは自分に合ったL字キッチンを選ぶために意識したいポイントを紹介します。

条件を明確にしてから素材やグレードを選ぶ

L字キッチンの素材やグレードは、事前にキッチンに求める条件を明確にすることで選びやすくなります。

たとえば天板がステンレス製だと安価で耐熱性が高く、食器を落としても傷がつきにくく割れづらいため、傷を気にせずに使いたい人におすすめです。
また、人工大理石は耐熱性ではステンレスに劣りますが、耐久性やデザイン性に優れていることから、実用性と見た目を両立したい人から人気です。

シャワー付きの蛇口やビルトイン食洗機といったオプションを選べば使い勝手が良くなりますが、その分追加で費用が掛かります。
そのため、まずはどんな機能やデザインを求めるのかを明確にし、優先したいポイントを決めたうえで素材やグレード選びを進めましょう。

キッチンの選び方については以下の記事でも解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

使い勝手や身長に合わせて高さを選ぶ

キッチンの高さ

使いやすいキッチンの高さは、JIS(日本産業規格)によって定められており、「身長(cm)÷2+5」で計算ができます。
たとえば身長が160cmの方であれば、160÷2+5で85cmが使いやすい高さとなります。

ただしこの高さの目安は、キッチンではなく作業台基準となるため、シンクの深さやコンロの高さを考慮すると、人によっては使いにくさを感じるかもしれません。

したがって、既に使っているキッチンの高さを測ってみて、それを基準に使いやすいか確認することも方法です。

また、キッチンメーカーのショールームでは、別の高さのキッチンが複数用意されているため、実際の使い勝手を試してみたい方は、体験してみることもおすすめします。

キッチンの高さとその関係については以下のページでも紹介しています。

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作業スペースを考慮して間口サイズを決める

作業スペース

L型キッチンのサイズはメーカーによって異なりますが、一般的な最小サイズは180cm×165cmです。
サイズの種類は15cmきざみで設けられており、上の図の範囲であれば設定できるため、十分な作業スペースがどれぐらいなのかを確認したうえでサイズを決めましょう。

L字キッチンの主な作業スペースは、主にコンロとシンクの間にできるコーナー部分になります。
また、シンクもしくはコンロの外側に、30cmほどの作業スペースや配膳スペースを設けると使いやすくなります。
そのため、シンク側とコンロ側が195×180cm、あるいは165×210cmのサイズのキッチンがおすすめです。

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L字キッチンを採用する際の注意点

ここではL字キッチンを採用する前に確認しておきたい注意点を紹介します。

ご自宅の環境によっては、L字キッチンの設置ができないケースもありますので、今後採用を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

搬入できない可能性がある

L字キッチンは大きな1枚板のステンレスカウンターが多いので、家のなかに搬入できない可能性があります。
家の出入り口が狭いときは、窓やベランダから搬入しなければなりません。
戸建の場合あらゆる手段を駆使すれば、搬入方法も見つかるでしょうが、マンションの高層階やタワーマンションだと、手段がないこともあります。
その場合はリフォームそのものをあきらめるしかありません。
工事前に必ず確認しておくことをおすすめします。

配管の位置関係によっては設置できない可能性がある

キッチンリフォームでは、配管の位置関係によって移動範囲が制限されたり、ときにはリフォーム自体ができなかったりする場合が出てきます。
戸建であれば基本的に自由にリフォームができますが、マンションや集合住宅の場合は規約によって制限されていないかの確認も必要です。

また、例えば壁付けのI型キッチンからL字対面キッチンへのリフォームをお望みの場合でも、配管の延長や配管そのものの取り替えなど、大掛かりな工事をすることになるようなレイアウト変更はおすすめできません。

L字キッチンのまとめ

L字キッチンの導入によって作業スペースや収納スペースの拡大ができ、料理も効率的に行えます。
また、壁付けや対面式でそれぞれ特徴があり、レイアウトの幅も広いため、ご自宅に合わせて理想の環境を整えやすいでしょう。

もし、実際にL字キッチンを選ぶ際は、サイズや用途、条件をあらかじめ決めておくとスムーズです。

ご自宅の環境によっては、採用が難しい場合や追加の工事が必要になるケースもあるため、今回紹介した内容を参考に検討を進めてみてはいかがでしょうか。

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    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

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