レンジフード

レンジフードの同時給排とは?メリット・デメリットは?

本記事では、同時給排型レンジフードのメリットとデメリットを解説します。 同時給排型レンジフードがどのような住宅に向いているのかも説明します。 それでは、同時給排型のレンジフードの使用で悩みが解決するのか確認していきましょう。

最終更新日:2024年07月04日公開日:2024年07月04日

目 次

レンジフードの同時給排の仕組み

同時給排型レンジフードは、排気ダクトと給気ダクトの接続口をもっており、排気と給気を同時に行うことができます。
通常のレンジフードとは違い、室内の空気を吐き出すだけではなく、給気も行うのが特徴です。
レンジフード自体に同時給排機能がついているものと専用のユニットを取り付けるものがあります。

外部から給気される

同時給排型レンジフードは、外部から給気ユニットを通じて室内に給気します。
レンジフードの運転時に開閉式のふたが開き、室内に生じた負圧の力で外気が給気ユニットからレンジフード側に入ってくるのです。

ほかにも「強制同時給排型レンジフード」という、ファンによって給気を行うタイプのレンジフードもあります。
排気と同時に空気を外部から取り込み、室内に負圧が生じるのを防ぐレンジフードです。

レンジフード上部から空気が室内に流れる

外部から取り込んだ給気は、前幕板上部にあるスリットから室内側に流れます。
レンジフードを作動させている間は、コンロなどから熱が発生していることが多く、多少冷たい空気が入ってきても、室内の温度が下がるほどの熱消失は生じません。
リビングでくつろいでいても寒気を感じることはないといえます。

レンジフードの同時給排のメリット

MERIT

同時給排型のレンジフードのメリットは下記の3点です。

  • 室内に負圧がかかりにくい
  • 部屋が冷えにくい
  • 煙の排出効率が高い

一般的なレンジフードにない快適さの理由を、一つずつ解説していきます。

室内に負圧がかかりにくい

高気密の住宅でレンジフードを動かすと、部屋の空気が逆流して家の中に入ってくることがあります。
室内に負圧がかかり、下記のような現象が起きてしまうのです。

  • 玄関ドアの開閉がしづらい
  • 窓から変な音がする
  • キッチンの排水溝などから異音がする
  • 二酸化炭素が増えてぼーっとする

同時給排型のレンジフードを使用すれば、室内の負圧が解消されるので、このような現象に悩まされることはなくなるでしょう。

部屋が冷えにくい

先に述べたとおり、同時給排レンジフードが給気しても室内の温度は下がりにくく、特にキッチンでの足元が冷えることは避けられます。

一般的なレンジフードでは、室内に負圧がかかるため、床や窓、壁の境目から給気しようとします。
そうなると隙間風が入ってくるため、足先が冷えたり、室内全体が寒くなったりしてしまうのです。
同時給排型のレンジフードを使用することで、暖房をつけているのに少し寒く感じることなどがなくなります。

煙の排出効率が高い

一般的なレンジフードは排気の際に室内の熱や煙を同時に排出しますが、同時給排型のレンジフードの場合、給気と同時に排気されるため、調理中の煙などの排出効率も高くなります。
部屋の空気はキレイに保たれ、悪影響を受けません。

レンジフードの同時給排のデメリット

DEMERIT

ここからは同時給排型レンジフードのデメリットを5つ解説します。

  • 排気風量の全てを給気からはまかなえない
  • ダクトの室内側が結露しやすい
  • 稼働の音が少し大きい
  • 汚れた空気を給気してしまう可能性がある
  • 設置費用が高い

メリットとデメリットを比較し、同時給排型のレンジフードの採用を検討しましょう。

排気量の全てを給気からはまかなえない

排気した分の空気を全て給気で補えるわけではありません。
そのため、タワーマンション等の気密性が高い住宅で生じる以下の問題は、同時給排型のレンジフードを使っただけでは解決しないこともあるのでります。

  • 扉の開閉が重たい
  • 隙間風の音が大きくなる
  • キッチンの排水溝などからの異音

とはいえ、高気密住宅の負圧を解消するのに、同時給排型のレンジフードの使用は効果的なので、上記問題を解決するための一つの方法としては有効です。

ダクトの室内側が結露しやすい

冬場はダクトに冷たい空気が入り、天井裏で結露してしまうことがあります。
また、夏場も冷房によって冷えた室内の空気が外気に触れ、ダクトの内側で結露してしまうことも考えられます。
そのため、ダクトには結露対策が必要です。

結露しやすいのは、このように室内温度と外気の温度差が大きい場合です。

結露を放置してしまうとレンジフード本体の故障につながります。
そのため、ダクトには結露対策が必要です。
「ダクトに断熱材を巻く」ことで対策が可能です。

稼働の音が少し大きい

給排気をしっかり行うためとはいえ、電動の稼働音が多少気になるかもしれません。
そのため、家の中で静かに過ごしたいという方には不向きといえるでしょう。

とはいえもっとも、メーカーやタイプによって稼働音の大きさはさまざまです。
一般的なレンジフードでも多少の稼働音は発生するため、各メーカーHPにて弱を選択したときの騒音レベルの確認をするといいでしょう。
上級機ほど運転時の騒音が低めに抑えられていますが、それに比例してレンジフード本体の値段が高額になります。

汚れた空気を給気してしまう可能性がある

給気口と排気口の距離が近いと、排気口から出た汚れた空気をもう一度給気してしまう恐れがあります。
排出したはずの料理の匂いが、再度給気口から入ってくるのは気持ち良いものではないでしょう。
このような現象をショートサーキットといいます。

対策は、ウェザーカバーを雨水の侵入防止や風圧を和らげるためダクト先端にのウェザーカバーをダクト先端に取り付けることです。
給気口と排気口の距離が近い場合、それぞれが逆向きに排出できるようスリットの向きを調整して設置して、ショートサーキットの発生を抑制します。

それでも、風向きによっては再度給気されることも考えられるため、設置時に給気口と排気口はできるだけ離しておくのが確実な対策です。

設置費用が高い

同時給排型のレンジフードは、一般的なものと比較して本体価格がやや高額になります。
また、先に述べた結露対策などの工事も必要となってくるため、施工面でもコスト負担が増えます。

コスト的に同時給排型のレンジフードの採用が難しい場合は、「着圧式レジスター」を設置することで負圧対策が可能です。
着圧式レジスターとは、負圧を感じるとダンパーが開き外気を取り入れる構造になっている給気口のことで、主にベランダ側の外壁に取り付けられます。
着圧レジスターの設置に工事費用はかかりますが、トータルコストは抑えられます。

その他、キッチン周りの壁にもう一つ換気扇の穴を開けておくことも効果的です。

レンジフードの同時給排が活躍するのは?

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同時給排型のレンジフードは、タワーマンションなどの高気密住宅で有効です。
一般的なレンジフードでは排気しかできず、室内の空気が減ってしまうため、外気と室内の圧力差が大きくなります。
その結果、生活する上で下記のような悩みが発生するのです。

  • ドアの開閉が重たくなる
  • 隙間風の音が大きくなる

同時給排型のレンジフードを使用することで、これらの悩みを軽減することができます。

レンジフードの同時給排を有効活用しよう

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同時給排型のレンジフードを使用すれば室内に負圧がかかりにくくなり、快適に過ごせるようになるでしょう。
ただし、結露や騒音問題、設置コストなども考慮しなくてはなりません。

タワーマンションや高気密住宅におすすめの同時給排型レンジフードですが、しっかりと対策をした上で設置を検討する必要があります。
現在一般的なレンジフードでお悩みがある方は、同時給排型のレンジフードに変えると本当に悩みが解決されるのか見極めましょう。

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  • この記事の監修者

    「東京ガスの機器交換」コラム編集チーム

    給湯器・コンロといったガス機器だけでなく、レンジフード・トイレ・浴室といった水まわり機器の交換に役立つ情報を幅広く発信していきます