レンジフードの仕組み
レンジフードとは、火元を覆うように設置されたフード(傘)と換気扇を組み合わせた設備機器のことを指します。
火元を覆うように設置されたフードは、換気扇が作り出す空気の流れを効率化する働きがあります。
太いストローよりも細いストローのほうが少ない吸引力で飲み物を吸い上げられるように、フードによって空気の入口を狭くすることで換気扇がもつ本来の能力以上の力を引き出しているのです。
また、口を大きく開くような形状をしているフードには、油煙や臭いを取りこぼさない役割もあります。
全ての油煙を取りこぼすことなく完全に汚れを防いでいるわけではありませんが、フードがあることによって周囲の汚れを軽減しています。
レンジフードの構造と部品の名称
レンジフードにはいくつかの型や排気方式があり、それぞれのタイプによって使用する部品や構造が異なります。
ここからは、各種類の構造と部品の名称や意味についてご紹介します。
スリム型
スリム型のレンジフードは、シロッコファンを採用したデザイン性の高いレンジフードです。
スリム型レンジフードの入口には整流板というシロッコファンの換気効率をあげるための鉄板が取り付けられており、その内部にシロッコファンが格納されています。
シロッコファンはベルマウスを外し、中央のつまみを回して取り外すことが可能です。
製品によっては整流板とシロッコファンの間にスロットフィルタが設けられているものやフィルターレス化されオイルスマッシャーを搭載している製品があります。
オイルスマッシャーのオイルトレーと回転ディスクも取り外して定期的な掃除が必要です。
シロッコファンの回転により整流板の力を借りて吸い上げられた空気や油煙は、出口に接続されたダクトを通して屋外へ排気されます。
ブーツ型(深型)
コンロに向かって大きく口を開けたような形状をしているブーツ型(深型)のレンジフードには、シロッコファンとプロペラファンの2タイプがあります。
ファンの種類によって構造が違うので、タイプごとにご紹介します。
シロッコファンの場合
ブーツ型(深型)のシロッコファンの構造は基本的にスリム型と同様で、スロットフィルタを取り外すと中にシロッコファンが格納されています。
掃除をするときはスロットフィルタとベルマウスを取り外し、中央のツマミを「ゆるむ」の方向に回して外したあと、ファンを取り出します。
スリム型とは違いシロッコファンが横向きに取り付けられているため、構造上オイルスマッシャーなどの最新の機能を搭載することはできません。
プロペラファンの場合
ダクトを通して屋外へ排気するシロッコファンと違い、プロペラファンは外壁面に直接取り付けて排気をする方式です。
そのため、プロペラファンは外壁と隣接する箇所にしか設置することができません。
スロットフィルタの内側にプロペラファンが内蔵されており、プロペラの外側にはシャッターが取り付けられています。
このシャッターはスイッチのON・OFFに連動して自動開閉される仕組みになっています。
羽を押さえながらプロペラ中央のスピンナーを「ゆるむ」方向へ回すことでプロペラの取り外しが可能です。
フラット型(浅型)
フラット型(浅型)のレンジフードにはターボファンが採用されることが多く、シロッコファンと似た構造ですが、羽の大きさや向きに違いがあります。
ファンの構造が違うだけで、レンジフードの仕組み自体はスリム型と大きく変わりません。
整流板、もしくはスロットフィルタを通してターボファンが空気を吸い込んで屋外へ吐き出しています。
コンパクトな設計で障害物がある狭い空間など、さまざまな環境に設置できますが、スリム型のような高機能は備えられていません。
レンジフードと換気扇の違い
一般的に「シロッコファン=レンジフード」、「プロペラファン=換気扇」と認識されることが多いですが、厳密には違います。
換気扇とは換気機能を持つ住宅設備の総称で、レンジフードはキッチンに設置するフード付き換気扇の名称です。
つまり、換気扇というとキッチンに設置されるレンジフード、お風呂やトイレに設置される換気扇もすべて含まれます。
レンジフードや天井埋込み換気扇に採用されるシロッコファンを用いた換気扇は「ダクト用換気扇」と呼ばれ、プロペラファンは「一般換気扇」や「パイプ用ファン」といいます。
レンジフードは、キッチンに設置するフード付きの換気扇であると認識しておくと良いでしょう。
レンジフードの構造まとめ
今回はレンジフードの型やファンの方式によって、さまざまな構造をご紹介しました。
お使いのレンジフードの構造を理解しておくことで、普段のお掃除の質がグッとあがります。
ただし、お使いの製品によっては特殊な構造となっているものやうっかり取り外してはいけない小さな部品なども存在します。
分解する前に、必ず取扱説明書を確認してから作業をするようにしましょう。
購入時に同梱されていた取扱説明書を紛失してしまった場合は、品番をインターネット検索することで確認できることもあるので試してみてください。
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レンジフードの交換目安は約10年です。また、メーカーには保有期間を定めている部品もあり、長期間使用の際に修理を受けられないケースもあります。
レンジフードの交換費用は15万円以内に収まることが多いです。10年以上経つと故障の頻度も増えるため、一回の金額は修理の方が安くとも何度も修理を繰り返すよりも新しい機器に交換することをおすすめします。